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INTERVIEW

Japanese

ラックライフ

2015年08月号掲載

ラックライフ

Member:PON (Vo/Gt)

Interviewer:吉羽 さおり

ラックライフの3枚目となるシングル『変わらない空』は、誰かにこの思いを伝えたいと勢いたっぷりに走り出す、爽快な1曲だ。すぐにでも口ずさめるようなフレンドリーなメロディと、エネルギッシュなバンド・アンサンブルで、スカッと晴れた空を思い起こさせる、まさにラックライフ節たる曲だが、ソングライターのPONによれば、完成までにはさまざまな思いがあったという。TVアニメ"純情ロマンチカ3"のエンディング主題歌であり、初のタイアップ曲というバンドにとってチャレンジとなったこの曲。その背景を訊いた。

-今回のシングル『変わらない空』は初のアニメ・タイアップということですが、曲を作るときには、何かテーマをもらったり、作品の内容も踏まえながら書いていったんですか。

最初にこの話をもらったときに、"アップテンポのラヴ・ソング的なニュアンスの曲が欲しい"って言われて。ああ、そうかと。

-では、お題としてはそのふたつくらいだったんですね。

そうですね。でも、1番苦手な種類なんですよね。アップテンポでラヴ・ソングって(笑)。書いたことのない境地の曲を、年末にぽっと言われて。ちょうど2週間後に、4月リリースした『アイトユウ』のレコーディングがあったんですけど。そのときにワンコーラス分歌詞つきで、仮で録れたらいいねって言われて。ええ!?っていう。期間を設けて曲を書いたのも初めてやったんですよ。うわ~と思いながら、書きましたね。ラヴ・ソングすら書いたことないのに、みたいな。

-そうですね。これまでは自分の人生を映した曲ですし、前回の「アイトユウ」もラヴ・ソングでしたが、もともとは友人の結婚がきっかけで書いた曲ですしね。

そうですね。まあでも、自分の中で"これはラヴ・ソングや"と思って書いたんですけど、全然ラヴ・ソングじゃないなって。書き終わってから思ったんですけどね。よく通ったなこれで、と(笑)。

-いわゆるラヴ・ソングの形では、たしかにないです。

ベタベタのラヴ・ソングが書けへんというか。自分の心境とフィットせんことはなかなか曲に書けないので。「アイトユウ」で、ベタベタな自分の心境はもう書いたから。違う方向でやりたいなと思って書いたのがこの「変わらない空」ですね。

-歌だからこそ、ベタなラヴ・ソングも書けるし歌えるっていうのはないですか?

もちろんありますよ。「アイトユウ」はまさにそうだと思うんです。友達にっていう名目ですけど、言うてしまえば内容はすべて僕なので。そういうのもありなんですけど。そればっかりになるのが、甘ったるいなあみたいな。自分のキャラクターと違うなって思ったりするし。やっぱり、書きたいときに書くっていうのが、スタンスなので。

-ええ、その時々のPONさんの日常みたいなことが大概、曲でバレてますしね(笑)。

それは昔からなんですけどね(笑)。心境そのままで。しかも大体ヘコんでるので。

-そういう心を引っ張り上げる曲ですもんね。でもラックライフの曲はやっぱりどんなときも明るい曲、前向きな曲になるんだなとは思う。

そうですね。音楽で何をしたいかって言ったら、元気になりたいっていうのがすごく大きなところで。自分で書いていて、曲に押しつぶされそうなときがあるんですよ、悲しい曲を書いてると。落ち込んでその歌詞を書いていて、落ち込んだまま終わったら、俺死ぬんちゃう?みたいな感じになるので。どうにかここから抜け出したいから曲を書くんです、自己中心的な話なんですけどね。"自分がこうなりたい"、"なっていくんだ自分は"という決意や、誰かを見て"あの人があんなに落ち込んでるから、あの人をどうにか元気にしたい"とか。僕の根っこが、そういうところなんですよね。なので、ネガティヴを拾い上げて、ポジティヴに変換するというのが、ラックライフの音楽かなっていうのはありますね。

-自己中心的とは言いながら、エンターテインメントにしているんだと思う。

そうですかね。

-盛り上げたいとか、誰かを笑わせたいというのもそう。さっきのビデオ・コメントにしても、瞬時にぐっとエンジンがかけられて、その場にいる人も楽しくしてくれる(笑)。そういう姿を見てると、より感じますよ。

観ていて面白いなって思われたいのもありますし、関西人として(笑)。

-そこはプライドですかね(笑)。

元気な自分でいたいんですよね、人様と会うときくらいは。そういうのはすごいあります。

-もっと根っこの部分としてはどうですか? 気の持ちようとしては、わりと前を向ける方なんですか?

いや、ネチネチするタイプですね。気にしぃやし。ライヴとか、メディアに出ているときの自分とか、ハイテンションで、おちゃらけて、近所の兄ちゃんっぽいテンションももちろん自分なんですけど。やっぱ、ひとりでいるときってそうじゃないし。だから僕、ひとりで弾き語りやったらめっちゃ暗いんですよね。もともとは暗いんですけど、周りに人がいてくれるから、楽しみたいと思えるというか。ひとりで家にいたら、ほんまにテレビもつけんと、何にもしなかったりするので。