Japanese
ラックライフ
Skream! マガジン 2023年04月号掲載
2023.03.15 @EX THEATER ROPPONGI
Writer : 藤坂 綾 Photographer:佐野和樹
2023年3月15日、15年前のこの日産声を上げたラックライフが、"ラックライフ Presents 15th Anniversary 「Because of you」"と題し東名阪を回ったツアーのファイナルを、EX THEATER ROPPONGIにて開催した。
SEが流れLOVE大石(Dr)、たく(Ba)、ikoma(Gt/Cho)、タオルを掲げたPON(Vo/Gt)が登場し、ドラム・セットの前に円陣を組むように集まり、拳を合わせ「Hand」でスタートを切る。"幸せになる準備はできてますか?"と「サニーデイ」へと続き、「理想像」ではたくさんの拳が突き上がるフロアに、"支えてくれてありがとう。一緒に生きてくれてありがとう"ととびきりの笑顔で叫んだ。溢れる想いを隠し切れないかのように、曲中にたくさんの言葉を詰め込んでいくPON。曲を終えて"歓声が少ないぞー!"と子供のように声援を求める姿も、"しょうもないことも言うけど、音楽だけはまっすぐに、あなたの心に刺さって抜けない歌を歌います"と言う誠実さも、どれもが人間くさくて愛おしい。
「リピート」、「変わらない空」でアグレッシヴに攻めたあとは、"15年間どんなときもこの光景に助けられてきたよ。感謝の歌を歌います"とリラックスした様子で「フィーバー」。そして"もう1個上まで行くで!"と始めた「初めの一歩」で再びフロアを煽り、熱を放つ。安定感抜群のたくのベースと大石のドラム、繊細且つ大胆なikomaのギター、PONの凄まじいほどのエネルギーが混じり合い、大きなうねりを作っていく。そんな演奏とは打って変わりMCは終始和やかで、なんともいいバランス感。この15年を振り返り、たくの貴重な思い出という大石をサービスエリアに置いてきたエピソードを聞きながら、こういう"しょうもない"ところもラックライフの魅力、彼らの魅力なのだと痛感する。
MCのあとは「風が吹く街」、「Lily」、「タイムライト」、「アオイハル」と少しクール・ダウンしつつも力強い演奏を聴かせ、"みんなに喜んでほしいねん。ただそれだけなのかもしれへん。だから結局あなたやねん。あなたが嬉しい、楽しい、最高って言うてくれたらそれでいい。大切な歌を歌います"と言って「しるし」へ。その正直でまっすぐな想いには心が震えて仕方なかったし、"15年前の今日歌ったうたを歌います"と披露した「夕焼け小道」では、繋いだ手を大きく振りながら一緒に歌うオーディエンスが見え、その姿がかわいらしくてたまらなかった。
そんな微笑ましい光景もありながら、"俺たちと出会って、俺たちの音楽で何かを感じてくれた。だから俺らもあなたと出会って、あなたに歌って、感じてるわけや。音楽なんて1対1や。俺とあんたの話や。人間と人間の歌を歌って今日は最後にします"とラストは「℃」。全力で大切な想いだけを伝え、本編は終了した。アンコールでは、ベスト・アルバムのリリースとZepp DiverCity(TOKYO)でのワンマン・ライヴを発表。嬉しいニュースとともにメンバーひとりひとりが再び15年を振り返り、改めて感謝の気持ちを述べ「僕ら」、「ハルカヒカリ」を演奏し、"またライヴハウスで会いましょう。大阪、高槻、ラックライフでした!"とライヴは幕を閉じた。
つまりは人と人。結局はそこなんだ。人が好きで好きで大好きで、だからこそ全部曝け出し、真正面から対峙する。だからこちらも本気で対峙したくなるんだ。ラックライフの音楽と、ラックライフという人間たちと。音楽で、人との繋がりという大切なことを改めて教えられたような気がしたこの日。"救ってくれてありがとう。一緒に生きてくれてありがとう。15年間支えてくれてありがとう"と何度も言われたこの言葉を、そっくりそのままお返しするとしよう。出会ってくれてありがとう。歌い続けてくれてありがとう。そして15周年おめでとう。一生一緒に生きていきましょう。

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