Japanese
ラックライフ
2015.04.26 @なんばHatch
Writer 黒田 奈保子
大阪・北摂発の4人組バンド、ラックライフが主催するイベント"GOOD LUCK vol.33"が今年もなんばHatchで開催された。バンド結成7周年、さらに4/22にリリースされた2ndシングル『アイトユウ』のレコ発を兼ねた本イベントには、ラックライフを含む15組のアーティストが出演。スムルース、waybee、真空ホロウ、GIMMICK_SCULT、ウラニーノ、SHE'S、ココロオークション、PURPLE HUMPTY、ザ・マスミサイル、HEADLAMP、sumika、LOCAL CONNECT、ircle、Self-Portraitと、"本当にカッコイイと思えるバンド"にメンバー自身がオファー。会場には700人以上の観客が集まり、音楽が鳴り止まない1日を楽しんでいた。
イベントはメインとサブ、ふたつのステージを同フロアに設置。オーディエンスはもちろん、アーティストらも互いのステージを間近で観ることができる状態だ。それぞれのライヴを認め合い、競い合う。慣れ合いが一切ない本気のステージに触発され、互いに最高沸点を出し合う状態が続き、時間が経つほどにどんどんと熱量が上がっていく。
イベントのトリであるラックライフが登場するころには、もはや"この日最もカッコイイ"ステージを魅せるしかないほど会場のテンションは昂っていた。
ステージにメンバーが登場し、ドラム前で一同が気合を入れる。息を吸う音すら聴こえそうなほどとても静かな空間、誰もがその始まりの一音を待っていた。1曲目「君のこと」から始まったステージは、初っ端から愛に溢れた空間だった。"これぞラックライフ!"な軽快なポップ・サウンドが鳴り響く中、PON(Vo/Gt)が声高らかに叫び、唸る。かと思えば、オーディエンスひとりひとりに語りかけるように歌声を響かせる。続く「チキンボーイ」は前曲から一転、男気溢れる力強いロック・サウンドが放たれる。イコマ(Gt/Cho)のギターは気持ちのいいツボを絶妙に突いてくるし、たく(Ba)の軽快なリズムが体を揺らし続ける。
ラックライフはとことん"伝わる音楽"を鳴らし続けるバンドだ。"歌"の存在意義にこだわり、その歌に込める言葉に一切の"嘘"をつかない。作詞作曲を一任するPONの制作スタイルは自分自身の気持ちを削ることでよりリアルな楽曲を作り上げる。だからこそ彼らの音楽はより心に染み込み、耳から離れないのだ。
MCでは地元大阪での開催ということもあってか、トークではふざけつつもこの日集まったオーディエンス、そして共演したアーティストに大きな感謝の気持ちを伝える。"オレたちはラックライフの歌を(みんなの)心めがけてブン投げるのが仕事です! 今日の球は速いで~!"と、3曲目「その手とこの手」へ。音を鳴らす者と聴く者、ステージを隔てていても、まるで寄り添うように歌う楽曲にゆったりと聴き入るオーディエンスらは優しい表情をしている。続いて披露されたのは、シングル「アイトユウ」のカップリング曲でもある「ラングレット」。記者はライヴ前に音源を聴いていたのだが、目の前で生で体感した瞬間、楽曲の持つ世界観の大きさに驚かされた。"後悔"をテーマにした楽曲、LOVE大石(Dr)の弾くリズムがより楽曲の力強さを後押しし、心をぐっと掴まれ揺さぶられるよう。そして次曲「アイトユウ」。純粋な気持ちを綴ったラヴ・ソングは甘酸っぱく、情景が心の中にリアルに描かれていく。そして本編はラスト「フールズ」へ。
イコマの渋みのあるギター、たくの野太いリズム、LOVE大石のタイトなドラム、3人の音を受けPONが全力の声を上げて歌う。"音楽をやってて良かったと思った1日でした"、そう語りながら満開の笑顔ではしゃぐ彼からは前のめりのエネルギーしか感じない。本編6曲、あっという間に終了してしまった。
アンコールで改めてイベントへ参加してくれた人たちへ感謝の言葉を告げる。そして1stシングル「ハルカヒカリ」へ。鼓動を打つようなリズム、言葉を大切に運ぶように流れるメロディ、そして渾身の歌声で気持ちを歌う。全身で音を浴び、拳をあげて応えるオーディエンスらとひとつになり、全7曲のステージが終了。
15組のアーティストがともに全力のライヴを見せあった長い1日が終わった。ラックライフはすでに来年の"GOOD LUCK"開催を誓っている。常に切磋琢磨し、音楽と向き合うバンドとさらなる高みを目指していく彼ら。ラックライフはもちろん、全15組のアーティストの今後に期待したい。
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