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DISC REVIEW

O

CONTINEW WORLD

ORESAMA

CONTINEW WORLD

"CONTINUE=続く"と"NEW WORLD=新しい世界"が掛け合わせられた本作『CONTINEW WORLD』。DISC 1にはアニメ・タイアップ曲4作に加え、ポップでファンキーなディスコ・チューン「パラレルモーション」、スキャットが印象的な「Chewy Candy」、切ない夜を歌うバラード「夜行ノ雨」、ゴスペル調の「Moonlight」などバラエティに富んだ12曲が収録された。最後を締めくくる表題曲には、変わり続ける新しい世界を振り返らず進んでいくというコロナ禍にも通ずるポジティヴなメッセージが込められている。DISC 2では、YouTubeで公開されたセルフ・カバー企画"Dressup cover"シリーズが全曲CD化。新たなORESAMAワールドの扉を開く1枚だ。(中尾 佳奈)

OPEN THE WORLDS

ORESAMA

OPEN THE WORLDS

TVアニメ"叛逆性ミリオンアーサー"第2シーズンのオープニング主題歌と、同作エンディング主題歌のセルフ・カバーを収録。表題曲は各楽器の絡みと音の隙間がグルーヴを作り上げる、風通しが良く躍動感のあるポップ・ナンバーだ。特にイントロや間奏にあるピアノとギターが作り出すユニゾンやハーモニーは斬新で、キャッチーさとスリリングさをどちらも内包している。仲間と共に前進していく強さと刹那が描かれた歌詞のテーマとアンサンブルが合致して、説得力のある楽曲に仕上がった。Track.2はロマンチックなピアノの音色が効果的なORESAMA流ファンク・アレンジ。語感に特化した歌詞によってメロディに艶も生まれた。規格外の音使いをポップスに昇華する手腕に、毎度のことながら恐れ入る。(沖 さやこ)

ホトハシル

ORESAMA

ホトハシル

メジャー1stフル・アルバムから約4ヶ月のインターバルでリリースされるシングルは、TVアニメ"ムヒョとロージーの魔法律相談事務所"エンディング・テーマと株式会社ロッテ"雪見だいふく"Twitter企画テーマ・ソングの2曲入り。表題曲はハイ・テンポのタイトな16ビートにファンクのフレーズを織り交ぜてORESAMA流のロック・ミュージックを実現させ、c/wではこれまでORESAMAが培ってきたシンセのディスコ感にニュー・ジャック・スウィングのテイストを融合させている。どちらもORESAMAにとって新機軸のダンス・ミュージックを提示した楽曲となった。口ずさみやすいメロディと、非現実に連れていくようなサウンド・スケープと、歌詞世界の可能性を、さらに追及した攻めのシングルだ。(沖 さやこ)

Hi-Fi POPS

ORESAMA

Hi-Fi POPS

Hi-Fiなものが当たり前の2010年代にあえて"Hi-Fi"という言葉を持ってくるところも、うとまるのアートワークや70~80年代のディスコ・ミュージックのエッセンスを取り入れたサウンド・アプローチとリンクする。2017年に半年間で3枚の3曲入りシングルをリリースという精力的な活動を見せたORESAMAによるメジャー1stフル・アルバムは、2年半の歴史とこれからを詰め込んだ、まさに名刺代わりの1枚。"ORESAMAのポップス"のひとつの到達点である「流星ダンスフロア」からさらに進化を見せた「cute cute」は、生楽器とデジタルのいいとこ取りであり、そんな手法もあり? と驚いてしまうほどの大胆さを持つ。これからどんなことに挑戦してくれるのか期待が高まる充実の内容だ。(沖 さやこ)

流星ダンスフロア

ORESAMA

流星ダンスフロア

再メジャー・デビュー後、3枚目のシングル。表題曲は前作に続きTVアニメ"魔法陣グルグル"のオープニング・テーマ。作品の鍵でもある"ダンス"をフィーチャーしたことで、J-POPとファンクやディスコを掛け合わせた"ORESAMA流のディスコ・サウンド"の集大成的楽曲に仕上がった。TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDとの共同編曲により、カラフルで躍動的なサウンドスケープになり、特に間奏の様々な楽器の掛け合いは大きなアクセントだ。カップリングには生音主体の切なく優しいクリスマス・ソング、アンドロイドに宿る強い気持ちを綴ったエレクトロ・ナンバーという趣向の異なる楽曲を収録。ORESAMAのポップスのテリトリーをまたひと回り拡張する作品になっている。(沖 さやこ)

Trip Trip Trip

ORESAMA

Trip Trip Trip

再メジャー・デビュー・シングルからわずか2ヶ月で放たれる3曲入りシングル。TVアニメ"魔法陣グルグル"のオープニング主題歌のTrack.1は"冒険の始まる高揚感、きらきら感"や"おもちゃ箱"をキーワードに制作されている。シンセが前面に出た煌びやかなアレンジのなかでひと際異彩を放つアグレッシヴなベースがいいアクセントだ。Track.2はイヤフォン環境下で聴くことを重視した音作りで、定位や休符の使い方も効果的なソウル・ナンバー。Track.3はフィリー・ソウルの楽曲の音色を雅楽の楽器に置き換えたという斬新なトラックと、3曲すべてに趣向の異なる"ちょっとした違和感"が存在する。これこそORESAMA流のユーモアの効いたポップ・センス。熱い気持ちが綴られた歌詞も鮮やかに響く。(沖 さやこ)

ワンダードライブ

ORESAMA

ワンダードライブ

ORESAMA単体名義のフィジカル盤としては2015年12月にリリースされたセルフ・タイトルの1stフル・アルバム以来となる、再メジャー・デビュー盤。TVアニメ"アリスと蔵六"のオープニング・テーマであるTrack.1では主人公やストーリーとORESAMAの心情が重なる部分を丁寧に抽出し、音の面では作品から受けたインスピレーションを疾走感や煌びやかなハウスのビートに落とし込んでいる。新しい舞台に立つ決意表明が描かれた曲になった。カップリング2曲も充実のクオリティで、Track.2は昨年のぽん(Vo)の心情が赤裸々に綴られた軽やかなダンス・ナンバー。Track.3は生楽器でふくよかに彩られたソウルのアプローチが甘美だ。3曲それぞれ異なる音楽性を見せ、ORESAMAならではのポップスの可能性を広げたシングルになっている。(沖 さやこ)

H△G × ORESAMA

H△G × ORESAMA

H△G × ORESAMA

H△G恒例のスプリット・アルバム、今回のパートナーは80sディスコをエレクトロやファンク・ミュージックでリメイクした新しいダンス・ミュージックを作り出す2人組のORESAMA。H△Gは新曲でクリスマス・ソングに初挑戦し、渋谷を拠点に活動するORESAMAとのスプリットということで東京をテーマにした楽曲を制作。ORESAMAはH△Gの持つ"青春"というカラーに合わせ、新曲としてすでにライヴでよく披露していた楽曲と、東京の若者をテーマにした楽曲を収録している。これに加えて互いのカバー曲も収録しており、それぞれでカバーの解釈や手法が異なるところも面白い。音楽ジャンルは異なる2組だが、どちらもポップ・ソング。1枚で2組が作る現実と理想の狭間の世界を感じられる。(沖 さやこ)

Carry On!

ORESKABAND

Carry On!

ガールズ・スカ・バンド、ORESKABANDのレーベル移籍後初となるミニ・アルバムはアッパー・チューン中心の構成。アルゼンチンとブラジルでの海外公演などライヴの合間を縫ってレコーディングされたからなのか、生の温度感をそのまま味わわせてくれるような曲ばかりだ。iCas(Vo/Gt)のラップが新鮮な「Carnival」、ベースとギターの絡み合いがスリリングな「Brand New Day」、ゴスペル的要素を盛り込んだ「Getting Higher」など、サウンド面での挑戦が耳に楽しい。今年で結成10周年のタイミングだが、ブラバン女子のわんぱく好奇心は健在。"続けていく"という意のアルバム名のもと、彼女たちの溌剌さが炸裂するサマは実に痛快だ。(蜂須賀 ちなみ)

BEST(2003-2013)

ORESKABAND

BEST(2003-2013)

幼馴染で中学のブラスバンド部のメンバーを中心に結成され、昨年10周年を迎えたバンドのキャリア初となるベスト・アルバム。今でこそ10代の女性バンドがデビューすることは珍しくないが、才能によりキャリアをブチ破って出てきたオレスカバンドのデビューは当時衝撃的ですらあった。ホーン・セクションを配したバンド編成で、最初から唯一無二のオリジナリティを確立していた彼女たちの音楽性の変遷がわかる選曲で、「ピノキオ」のような王道のスカと2013年作品「それは勝手な理論」のK-POPばりのエレクトロ・ダンス・ポップの対比に時代を感じて面白い。昨年もアメリカ・ツアー、ブラジルでのライヴを敢行するなど世界を股にかけて活躍するバンドの逞しさがギッシリ詰まった1枚。カッコイイ!(岡本 貴之)

Hot Number

ORESKABAND

Hot Number

前作『COLOR』より2年3ヶ月ぶりのリリースとなるミニ・アルバム。ジャケットのデザインやアーティスト写真からもわかるようにヴィジュアルのイメージを一新し、そのサウンドも彼女たちの原点であるスカは勿論ベースにあるが、レゲエ色の強い「ラブ・ラ・ラバーズ」、キーボードやサンプリングを多用した「それは勝手な理論」など、今までにはなかった新しいORESKABANDを感じることができる。ロック、ジャズ、ファンク、レゲエ、ソウルなど、ありとあらゆる現代音楽の要素を取り入れた今作は、ミニ・アルバムというコンパクトな箱の中に、色とりどりの楽曲を詰め込んだ贅沢な玩具箱だ。その箱を一度開ければ、鮮やかでアグレッシブな楽曲の数々に夢中になり、時間を忘れて楽しむことができるだろう。(石井 理紗子)

セピアに褪せる

Organic Call

セピアに褪せる

結成5周年を迎え、ブレイクは目前!? と期待が募るギター・ロック・バンド、Organic Callの2nd EPは、3rdシングル『Hello,Good-bye』からの「Hello My Friend」、「Good-bye」に「ブルーアワー」、「未来は君の手の中」、「なにもいらない」を加えた全5曲を収録。2ndミニ・アルバム『箒星、残像を探して』はバンドのスケールアップを確信させたが、今回の5曲が印象づけたのは、未来に向かって加速し始めたバンドの思いだ。リード曲「ブルーアワー」の"守りたいものがある 迷う暇なんてない"という歌詞は、まさに今現在のバンドの心境なのだろう。そして、タフになった印象に加え、楽曲は突き抜けていく勢いと彼らのライヴの景色を変えるアンセミックな魅力も放ち始めた。(山口 智男)

箒星、残像を探して

Organic Call

箒星、残像を探して

1曲目の「明けない夜はない」を聴いた瞬間、歌、演奏、そしてメッセージともにスケールアップを確信。その気迫に圧倒されながら、思わず快哉を叫んだ。ロック・バンド、Organic Callが前作『白昼夢も何れ』から、1年2ヶ月ぶりにリリースするミニ・アルバム。オルタナおよびシューゲイザーの影響が色濃いフレーズを奏でるカワカミトモキ(Gt)をはじめ、メンバーそれぞれに自分は何をすべきなのかが前作以上にわかってきたようだ。演奏をしっかりと支えながら遊び心を加え、演奏に変化をつける植木貴士(Ba)ときっつー(Dr)のプレイも聴きどころ。平田真也(Vo/Gt)は「彗星のよう」でラップ風のヴォーカルに挑戦。バンド初の全国流通盤はバンドの新境地も印象づける。(山口 智男)

白昼夢も何れ

Organic Call

白昼夢も何れ

"強い信念を持ち、明日への微かな希望を唄う"と信条を掲げる東京のロック・バンド、Organic Call。今年、結成4年目を迎えた彼らが満を持してリリースした1stミニ・アルバムだ。いわゆる日本語のギター・ロックながら、オルタナおよびシューゲイザーの影響が色濃いバンド・サウンドと、低音の響きが魅力の平田真也の芯を感じさせる歌声で差をつける。MVを作った「海が見える街」をはじめ、夜明け前ならではの希望と不安がないまぜになった全6曲の歌詞から窺えるのは、それを書いた平田が持っている揺るぎない世界観。この作品ではバンド・アンサンブルはもちろん、その世界観を言葉にする方法も磨き上げたという。バンドの今後が楽しみになるような作品が完成した。(山口 智男)

Disgraceland

THE ORWELLS

Disgraceland

結成からわずか4年で世界に飛び出してきた5人組がいよいよメジャー・デビュー。彼らの存在をアピールしてきた破天荒なライヴ・パフォーマンスとは若干印象が違い、20歳そこそこのメンバーがここで奏でるガレージ・ロックンロールは荒々しさのみならず、曲が持つノスタルジックかつポップな魅力も際立たせるものになっている。THE STROKESからElvis Presleyまでと語る幅広いバックグラウンドは決して伊達ではないらしい。曲作りのうまさに加え、ARCTIC MONEKYS を手がけたJim Abbissら、3人のプロデューサーによる導きも大きかったとは思うが、フレーズ作りや音の響かせ方にも明らかな成長が窺える。ボーナス・トラックとして、ライヴ・ヴァージョンで収録された「Mallrats」は彼らの代表曲中の代表曲だ。(山口 智男)

The Truth Is...

THEORY OF A DEADMAN

The Truth Is...

前作『Scars and Souvenirs』は全米で100万枚以上のセールスを樹立! NICKELBACKのChad Kroegerに才能を認められ音楽シーンに登場した若者たちは、年齢、そしてキャリアの成熟とともに、己の理想の音楽性をさらに確実に見い出した。“ロカビリー風のサウンドがあったので、それをさらに追求したいとHoward(プロデューサー・Howard Benson)と話した”とフロントマンのTyler Connollyはインタビューでも語っているが、そのどこかオールディーズな空気をまとう、良い意味で土臭い感触は今作でも彼らのサウンドの特徴的なポイントになっている。かつ、トイ・ピアノやウクレレなど多彩な楽器も駆使して新たな境地を開拓しようとする、貪欲な姿勢も感じ取ることができる意欲作だ。(道明 利友)

October.

osage

October.

2017年に精力的に活動を始めてから、"murffin Audition 2018"のグランプリを獲得し、今年4月に『ニュートラルe.p』をリリース、そのツアーも大盛況......と順調に階段を上っている4人組、osage。しかし、今作を聴くと、嗅覚や味覚をも刺激する歌詞も、どんなジャンルにも通底するようなポップ・センスも、器用に見えて"もどかしさ"がガソリンとなっている印象を受ける。その人間臭さに惹かれた。1曲目「アナログ」の歌い出しから炸裂する、儚いほどに美しい山口ケンタのハイトーン・ヴォイスにも、バンドの精神性が表れている気がした。言葉と音の豊かな表現が絡み合う「ginger air」などから、ありきたりとは一線を画す未来も見えてくる1枚。(高橋 美穂)

Festival

Os Ossos(ex-Sentimental boys)

Festival

長野県上田市出身の4人組ロック・バンドが、3年の構想を経て2ndフル・アルバムを完成させた。"誰もいない夏"をテーマに制作された本作は、自然とまぶたの裏に原風景が浮かび、どこか懐かしさを感じさせるような、浮遊感のあるエモーショナルな楽曲たちが詰め込まれている。幻想的なサウンドスケープと穏やかなメロディが心に染みる「ユーモアを聴かせて」や、ゆったりとしたリズムから徐々に加速していくラストの展開が、夢からハッと覚めるような感覚を味わわせる「Festival」、メロディアスなギターが耳に残る「情緒」など、哀愁の中にも温かさが感じられる全10曲を収録。様々な情景が音で描かれ、群像劇的な作品に仕上がっている。アナログ録音によるこだわりの1枚を、ぜひ堪能してほしい。(三木 あゆみ)

青春が過ぎてゆく

Os Ossos(ex-Sentimental boys)

青春が過ぎてゆく

ライヴ会場、通販限定盤だった『グッドバイ e.p.』に新曲「はっぴいな日々」(Track.4)と「青春が過ぎてゆく」(Track.5)を加え、かけがえのない青春のひとときを、切なくも甘美で美しい結晶に閉じ込めた『青春が過ぎてゆく』。バンド・サウンドとしても、意欲的に試みや企みを盛り込んだ時期の曲が並び、初の全国流通ミニ・アルバムに相応しい内容となった。ミディアム・テンポで、景色や感情、纏う風や香りも、音と言葉で丹念に描こうとする。細やかなアレンジも、ニューミュージック的な雰囲気漂うメロディで、キャッチーにポップに響かせる、奥行きある音楽になっている。今回のジャケットは、Instagramで見つけた男子高校生が撮ったものだという。青春真っ只中のアングルで撮られた写真もまた、作品の入り口として、心をくすぐる。(吉羽 さおり)

Tamer Animals

OTHER LIVES

Tamer Animals

2009年USインディー期待の新星という高評価と共にデビューした男女5人組バンドOTHER LIVESの2年ぶり2ndフル・アルバム。RADIOHEADのツアーにて前座へ大抜擢される快挙を成し遂げただけあって、その音楽性は崇高で神秘的な世界観に満ちており他のインディー・バンドとは異質である。それはタイトル曲「Tamer Animals」に鳴り響く力強くも幻想的なピアノの旋律と、まるで世界への啓示のように淡々と歌われる独特なメロディを聴けば納得して頂けるだろう。そしてリード曲「For 12」ではアメリカらしいクラシカルなフォーク・ロックの雰囲気に叙情的な深みを加え唯一無二なポップへと昇華させている。どこまでも美しすぎるオリジナリティで溢れた会心の1作。(平野 スミオ)

Tamer Animals

OTHER LIVES

Tamer Animals

2009年USインディー期待の新星という高評価と共にデビューした男女5人組バンドOTHER LIVESの2年ぶり2ndフル・アルバム。RADIOHEADのツアーにて前座へ大抜擢される快挙を成し遂げただけあって、その音楽性は崇高で神秘的な世界観に満ちており他のインディー・バンドとは異質である。それは作品タイトル曲「Tamer Animals」に鳴り響く力強くも幻想的なピアノの旋律と、まるで世界への啓示のように淡々と歌われる独特なメロディを聴けば納得して頂けるだろう。そしてリード曲「For 12」ではアメリカらしいクラシカルなフォーク・ロックの雰囲気に叙情的な深みを加え唯一無二なポップへと昇華させている。どこまでも美しすぎるオリジナリティで溢れた会心の一作。(平野 スミオ)

淘汰るTOKYO

O'tiempoman

淘汰るTOKYO

終始向かい風の中を歩いているようだった。このアルバムから発せられるすべての音を聴き逃すことができないのだ。音、言葉、声、ひとつひとつに宿る重量感。これがこのバンドの、この5人が積み上げてきた人生なのか。本気そのもの、妥協なし、ストイック。常に"お前はどうだ?"と問うような鋭い緊張感がありながら、シリアスになりすぎないという各楽器のアンサンブルが絶妙である。円熟した情熱は、冷静さを生む。がむしゃらに突っ走るのではない。苦しさも楽しさも嬉しみも知っている人間が鳴らすサウンドでありメッセージだ。一般的なポスト・ハードコアよりテクニカルで、ポスト・ロックと呼ぶには男くさい。夢を追う人間を送り出すだけではなく、リアルを突きつけながら、前へと歩む力を与えてくれる。(沖 さやこ)

WE ARE

OTOTOI GROUP

WE ARE

The Mirraz、Czecho No Republic、踊ってばかりの国などでおなじみのmini muff recordsから次にとび出すバンドは女性ヴォーカル! 男4人、女1人という構成で、ゆるく脱力感もあるヴォーカルとちょっぴりストレンジな独自のOTOTOI GROUPワールドに引き込んでいく摩訶不思議サウンド。小学生のときの下校時を思い起こさせる懐かしさもあり切なさも含んだ音に涙腺を刺激され、気付くと鼻歌を歌ってしまう。しかし油断していると、ときたま核心をつくような刺さるフレーズにハッとさせられる。中野~高円寺あたりを想起させる雑多感もたまらない。初全国流通盤となる今作。ユーモアがふんだんに散りばめられた万華鏡みたいなOTOTOI GROUP、今後目が離せない存在だ。(高橋 香奈)

新呼吸

otter hangout

新呼吸

強烈な熱量と歌声"を持つ名古屋の3ピース・ガールズ・ロック・バンド、otter hangoutの全国流通盤は、これまでのバンド活動の中で生まれた、"自分自身に言い聞かせるだけでなく、誰かの背中を押して応援したい"というあやかす(Vo/Gt)の想いを込めた作品だ。リード曲「閃光」を筆頭に、明るく疾走感のある、爽やかでパワフルな直球ギター・ロック・ナンバーが多いなか、「秋雨」や「醒めないで、夜」ではクールでダークな一面や、捻くれた部分、歌詞とリンクした3人の丁寧なプレイも光り、まだまだこれは彼女たちの魅力の内の、氷山の一角に過ぎないのかもという期待を持ってしまうほど。ガールズ・ロック・バンド・シーンに乗り込んでくる彼女たちの今をいち早く体感できる。 (稲垣 遥)

Into the wild

Outside dandy

Into the wild

"HAMIDASHI Records"を立ち上げて再始動したOutside dandyの2ndアルバム。はみ出し者的でワイルドな印象を受ける前半の疾走感ある楽曲から、ミディアム・テンポのメロウ・チューン「After the rain」を挟み、各楽器のソロで聴かせどころを作るダークな「スモーキンレディ」、ダンサブルな「クレイジーサーカス」でライヴ感を演出する展開が心憎い。メロディアスなギター・ソロやベースのスラップ、畳み掛けるドラムといった演奏が楽しめると共に、熱いヴォーカルが心を震わせる。全体的に激しく男臭い楽曲なのだが、どこか侘しさや孤独を感じさせる。特にメロディアスなギターのイントロから始まるロッカ・バラード「猫背男」は突出した名曲で、その力強いメッセージにうるっときてしまった。(岡本 貴之)

Mr.

Outside dandy

Mr.

2007年に結成され全国規模でライヴ活動を行ってきた4人組ロック・バンドのデビュー・アルバム。キャッチーなギター・リフを中心としたTrack.2「レイジーモンスター」、Track.7「愛のラビリンス」を始めとする性急な疾走感のあるサウンドと村上達郎(Vo/Gt)の豪快な歌声がマッチしており、ダンス・ロック・チューンのTrack.4「メリーゴーランド」などはライヴで大いに盛り上がりそう。違った表情を見せるバラード曲Track.6「Good night my sweet elegy」も含め、演劇調にすら感じるほどのドラマティックさがある。骨太な音を聴かせるロック・バンドではあるものの、楽曲のイメージ的にはアニメ作品などとの親和性もありそうな気がする。(岡本 貴之)

Real Intention of Life and Boisterous Gramophone

O'VALENCIA!

Real Intention of Life and Boisterous Gramophone

都内のライヴハウスを中心に活動する4人組バンドO'VALENCIA!の2ndミニ・アルバム。個性的で優しくハスキーな歌声に込められた感情が、耳元からじんわりと染み入るように胸の奥を揺さぶる。ニヒルな歌詞でありながら、それを感じさせないキラキラとしたギター・サウンドが印象的。アルバムを優しく締めくくる「We're Snow」は真冬の寒空の下で聴くと格別だろう。川谷絵音(indigo la End/ゲスの極み乙女。)や佐藤(きのこ帝国)らが称賛するのも納得の叙情的な楽曲の数々。しかしながら、全体を通していささか落ち着きすぎているようにも感じる。冬だからこそじっくり聴きたい1枚。12/11に開催されるindigo la Endとのレコ発イベントにも足を運んでみたい。(奥村 小雪)

WORLD OF SNEEZER

OVER THE DOGS

WORLD OF SNEEZER

メジャー・レーベルを離れて以降、オバ犬は吹っ切れたというか自由度が上がったな、と思っていたが、その印象は本作を聴いても変わらず。4ピースのギター・ロックという基本編成はそのまま、ジャズのリズムが密かに香っていたり、ピアノの音色が煌いていたり、電子音が取り入れられていたり......と、その音はよりカラフルになった。だからこそ、まるで陽の光によって影が浮かび上がるみたいに、"嬉しさ1割、悲しさ9割"の世界のリアルや、その中で揺れ動きながら生活をする主人公の姿がまざまざと晒されていくこととなる。気の抜けたコーラのような、味の抜けたガムのような日常を丁寧に鳴らす音楽。たわいもない日々を愛すためのヒントは、もしかしたらここで見つかるかもしれない。(蜂須賀 ちなみ)

冷やし中華以外、始めました。

OVER THE DOGS

冷やし中華以外、始めました。

"オバ犬(ケン)"ことOverTheDogsの約1年ぶりとなる全国流通盤。亀田誠治、故・佐久間正英らのプロデュースでメジャー・デビュー・アルバムをリリースしているだけあって洗練されている。勢いよくギターが飛び出してくる冒頭の「ココロデウス」から楽器それぞれの粒が立っていながらしっかりしたアンサンブルを聴かせている。軽快にリフを刻む一方、ショート・ディレイでノスタルジックな音像を作るギター・サウンドの「幸、安堵、ピース」、前のめりに煽るベース・ラインとキラキラしたピアノが美しい「STAR ON MAGIC」といった楽曲で甘酸っぱくナイーヴなヴォーカルが活かされている。表題曲が言葉少なに切なさを感じさせる内容で思わずグッときてしまった。(岡本 貴之)

The Midsummer Station

OWL CITY

The Midsummer Station

Adam Youngのソロ・プロジェクトOWL CITYの、通算3作目となるオリジナル・アルバム。過去作は全てAdamが手掛けてきたが、今作は積極的に共作者や外部のプロデューサーを起用している。自分を守るために音楽を作り、1人で慎重に楽曲の世界を構築してきた彼にとってこれは大きなチャレンジだっただろう。彼は様々な人々と制作する上で"聴き手の心を動かすための芸術作品として曲を大切にすることを学んだ"という。煌びやかで叙情的なポップなシンセ・サウンドはそのままに、堂々としたリズムとダンス・ビートが躍動。ドリーミーな世界から飛び出した音は更に外向的になり、手と手を取り合うような多幸感と包容力を生み出した。大胆で甘酸っぱい、まさにミッドサマーな1枚だ。(沖 さやこ)

All Things Bright And Beautiful

OWL CITY

All Things Bright And Beautiful

シングル「Fireflies」が全世界で1200万枚(!)売り上げるなど破格の成功を果たしたOWL CITYだが、そんな環境の激変で彼の姿勢が変化することはなかった。というより、彼の音楽の魅力はさらに磨きをかけている。この2ndアルバムを一言で言うなら、美しい。「Alligator Sky」ではShawn Chrystopherのラップをフィーチャーするなどアッパーなリズム感を演出しながら、作品全体で強い印象を残すのはやはり美しいサウンド・レイヤー。メロディ、ダンサブルなリズム、それを包むきめ細やかな音の粒......。全ての要素の重なりは、本当に優しい感触で心に染みる。All Things Bright And Beautiful――全ては輝き、美しい。必ずしも幸せばかりではないものがあふれるこの世界が輝き、美しくあるように......。アルバム・タイトルとこの楽曲たちは、OWL CITYの平和への願いかもしれない。(道明 利友)

NAKED

OZ RAM INDIO

NAKED

もともと、ラウド・シーンに軸足を置いていた男女混成の4人組が、自分たちの音楽をより幅広いリスナーに届けるため、ラウド・ポップを掲げ、ポップさとキャッチーさをテーマに完成させた3rdミニ・アルバム。18歳のヴォーカリスト、Megによるハイトーン且つエモーショナルな歌と楽器隊のテクニカルな演奏を軸に、R&B、パンク/メタル、ゴス、バラードなど、多彩な要素が2曲のインストを含む全9曲に散りばめられている。そんな楽曲の多彩さもテーマのひとつだったそうだが、1曲の中で劇的に場面が転換するようなアレンジもまた、このバンドの持ち味のひとつだろう。今回、Megがほぼ全曲に加えたラップもスタイルにとらわれず、メロディに収まりきらない感情を自由且つダイナミックに表現している。(山口 智男)