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COLUMN

月蝕會議エンドウ.の"月蝕會議室24時"【第3回】

2022年02月号掲載

月蝕會議エンドウ.の"月蝕會議室24時"【第3回】

ミュージシャンにとってなかなか面白い本を読みました。その本に書かれている内容を大雑把に言うと、「バンドマン(ミュージシャン)を続けるために、もう1つの本業を持って時間とお金に余裕を持ちましょう。そうすればもっとバンドを続けられるかもよ?」という感じ。これには激しく納得しました。悩める日本のバンドマン達は、バンドをやるか就職するか、この究極の二択に限定してしまっている例が多いんですよね。

そう言えば、ちょっと前までは「本当はバンド続けたいけど、就職するからバンドやめる」とか「バンドでは喰っていけない。生活のために就職するからバンドはもうできない」といったような理由でバンド界から足を洗うエピソードはたくさんあったように思います。

しかし時は流れてバンドを取り巻く環境は大きく変わり、今では自分たちのデモCD-Rを配る事も無く、ホームページも持たずにSNSだけでスタートするバンドも増え、ライブよりもYouTubeでの動画アップロードや配信に力を入れたりするバンドも多くなってきました。それと共に自分たちの音源を世に放つためにCD店にCDを卸す必要もなくなり、自分らで音源配信して収益を得ることも簡単になりました。

今までレーベルと契約したり、事務所に所属して活路を見出すのがバンドの在り方の基本でしたが、この現代ではそういったオトナ達とビジネスしなくともバンドが羽ばたける時代になったのです。素晴らしい。

またバンドに時間もお金も捧げて、オフ日はバイトに忙殺されるという貧乏バンドマンのお手本のような暮らしも、最近では変わってきているという話も聞きます。

冒頭の本にも書いてありましたが、バンドと仕事を両立させて活動していく「複業」というスタイルも増えてきているんですね。「副業」ではなく、「複業」なんです。バンドも仕事もどっちも本業であるという事です。バンドもちゃんとお仕事なんです。

時代が変わってきたと言いましたけれど、確かに昨今ではコロナの影響もあり、リモートで仕事できることも増えてきました。個人が就職せずに仕事する方法も挙げればキリがありません。もう就職の為にバンドを辞める時代ではなくなりつつあるのです。

そもそも海外では昔っからバンドと仕事を両立している複業スタイルは当たり前でした。知り合いの外国人バンドマン達はみんな仕事を持っていて、ツアーのオフは普通に働いています。日本も段々とそうなっていくんでしょうね。最近はHIP HOP優勢の日本の音楽シーンですが、バンド頑張りましょう。みんなバンドやろうぜ!

あ、こないだ発熱して抗原検査したら陰性でした!

月蝕會議

全員が作詞、作曲、編曲家でありアーティストでもあるバンド形態の音楽ギルド。それぞれのスキルと個性を"co-write(コライト)"の化学反応によって高次元でまとめあげる。ももいろクローバーZやHey! Say! JUMP、"ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-"など、アーティストや作品の音楽プロデュースや、バンド・サポートも請け負う。2021年10月には約2年ぶりのニュー・アルバム『月蝕會議2019・2020年度議事録』をリリースした。