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月蝕會議エンドウ.の"月蝕會議室24時"【第11回】

2023年06月号掲載

月蝕會議エンドウ.の"月蝕會議室24時"【第11回】

レコーディングにはディレクションという作業が存在し、それを行う人を「ディレクター」と言います。ディレクターとは監督や指揮者を意味する語で、複数のクリエイターや技術者が協力して制作物をつくる際に必要な役割で、TVや映像やデザインの世界でも耳にする役職名ですよね。

レコーディング現場でのディレクターの場合は、主にテイクの良し悪しを判断し、OKテイクを決定したりする人。楽器で言えばサウンドの判断も担い、歌で言えば歌い方に対して提案や指導を行ったりもします。

思い起こせば、生まれて初めて自分たちのバンドでレコーディングしたときは、当然ディレクターなど不在で、メンバーみんなで話し合ったり、困ったときは録音してるエンジニアさんに助言を求めたりしました。しかし、プロの現場となればディレクターがいないことはまずありません。楽曲の制作者であったり、レコード会社のディレクターなどが担当したり、フリーのディレクターがいたりします。

もしディレクターが不在の場合でも、アーティスト自身が確固たる意志で責任もって良し悪しを決定できれば、その時点でディレクター能力があるので問題ありません。我々、月蝕會議はまさにこれにあたります。

先日、月蝕會議が楽曲提供するとある作品のオケ(伴奏)レコーディングがありました。メンバーが集結し、久々に「せーの」で同時にバンド録音したんですけれど、やっぱり楽しいもんですね。その際、いくつかテイクを重ねる中で、それぞれが自分のテイクの良し悪しを判断し、「今の少しミスってるからもう1度」、「このテイクでいこう」など自分で決定していきました。もちろん誰かのパートに意見を言うこともありますし、他メンバーに相談することもあります。月蝕會議はそれぞれが音楽プロデューサーとしても活動しているため、各自の判断を信頼しているので非常にサクサクと進むんですね。

このディレクション作業の良し悪しによって作品のクオリティは大きく左右されるので、ディレクターのお仕事は大役です。世の中には、ディレクターのような意思決定者が何人もいて「船頭多くして船山に上る」状態になったり、ディレクターに自信が無く決断が曖昧でイマイチなものが生まれてしまうこともありますからね。

5/26にリリースされた月蝕會議の楽曲「Avec toi」も、もちろん月蝕會議メンバー自身でディレクションしております。この曲はNintendo Switchソフト「終遠のヴィルシュ -EpiC:lycoris-」EDテーマにもなっているのですが、ゲームメーカー側にも信頼頂いて、自分たちの思うままに作りこませて頂きました。ありがたや。Vo.キリンが歌った様々な表現を、他メンバーが責任もってディレクションしたダイナミックなバラードナンバーをお楽しみください!

月蝕會議

全員が作詞、作曲、編曲家でありアーティストでもあるバンド形態の音楽ギルド。それぞれのスキルと個性を"co-write(コライト)"の化学反応によって高次元でまとめあげる。ももいろクローバーZやHey! Say! JUMP、"ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-"など、アーティストや作品の音楽プロデュースや、バンド・サポートも請け負う。2021年10月にはアルバム『月蝕會議2019・2020年度議事録』を発売。2023年6月23日に連続配信リリース企画第4弾楽曲「アシメトリー」を発売した。