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INTERVIEW

Japanese

indigo la End

2016年06月号掲載

indigo la End

メンバー:川谷 絵音(Vo/Gt) 長田 カーティス(Gt) 後鳥 亮介(Ba) 佐藤 栄太郎(Dr)

インタビュアー:沖 さやこ

ドラマーの佐藤栄太郎の正式加入後、初となるindigo la Endのフル・アルバム『藍色ミュージック』、バンドの本領発揮である。メンバーの持つ音楽的センスを存分に取り入れながらも、純度の高いメロディと歌詞、耳触りのいい透明感のあるヴォーカルで、ポップ・ミュージックとして成立する楽曲が揃っている。聴き方によって楽しみ方が変わる作品だ。indigo la Endを全国デビューのタイミングから追ってきたSkream!で、初のメンバー全員対面インタビューが実現。メンバー同士の空気感や会話のテンポの良さからも、バンドの充実度がうかがえた。

-アルバム『藍色ミュージック』について聞く前に、まず2015年12月3日に東京国際フォーラム ホールAにて行われたワンマン・ライヴ"蒼き花束"についてうかがいたいのですが。

川谷:すごく楽しかったんですけど、それ以外のことはあまり覚えてないですね(笑)。ツアーでもなかったし、リリース記念ライヴでもなかったし、いろんな人に祝ってもらった謎の誕生日というか(※開催日当日は川谷27歳の誕生日)。

-indigo la Endはツアー・タイトルが伏線になっているパターンが多いですし、2015年3月に栄太郎さんが正式加入してからは、『悲しくなる前に』(2015年6月リリースのメジャー3rdシングル)、『雫に恋して/忘れて花束』(2015年9月リリースのメジャー4thシングル)、ワンマン・ライヴ"蒼き花束"、『心雨』(2016年2月リリースのメジャー5thシングル)、そして今作の『藍色ミュージック』と、どんどん藍色に近づくように色が濃くなっていっている気もしていて。ジャケットもすべて青が基調でしたし、"蒼き花束"も関連づいているのかなと深読みをしてみました(笑)。

川谷:"蒼き花束"は関係なかったですね(笑)。曲がどうというよりは、indigo la End自体が名前どおり"藍色"という色なのかなと。『幸せが溢れたら』(2015年リリースのメジャー1stアルバム)のときは"失恋をテーマに書く"ということを最初に決めてたんですけど、今回はそういうテーマを全然決めず、本当にやりたいことをやりました。やっとやりたいことがやれたから、"インディゴ・ミュージック"ってことで、"藍色ミュージック"と名づけました。できあがってみると藍色をイメージする曲が多かったので、ちょっとセルフ・タイトルっぽい感じというか。

-"やりたいこと"とは具体的にどういうことでしょう。

川谷:ドラマーが変わったので、本当に別のバンドになったし。今までやりたかったリズムや、音楽の深みを追求することができました。......もともと、ずっと「夏夜のマジック」(Track.9)のようなことをやりたかったんですよね。栄太郎が加入したことでそれができて音の幅が広がって、「風詠む季節」(Track.10)みたいな曲や、「ココロネ」(Track.3)のようなちょっとダンス・ミュージックっぽい曲もできるようになって――リズムだけの問題ではないんですけど、(佐藤)栄太郎が入ったことによって芋づる式に、今までできなかったことが全般的にできるようになったんです。ドラムが変わると、上に音を乗せる僕らも変わってくるから。

-そうですね。それぞれのフレージングなどにも、だいぶ変化が見えます。

後鳥:僕も前はリズムではなくメロディを弾いたり、ギターのようなフレーズを弾いたりしてたんですけど、栄太郎のドラムはしっかりしてるし、ドラムだけでもしっかりリズムになっているので、その上に乗せるような感覚でした。あとは、栄太郎とふたりでひとつのリズムを作ったり、ループするベースを作ってみたり。進むだけではなく、一歩引くことや、数を減らすことができるようになりましたね。

長田:うん。僕も"歌とギター"という感じで、ひたすら弾き続けてて。でも、そういうアプローチの方法はもういいかなあ......と思ってたころに、栄ちゃん(佐藤)が加入して。栄ちゃんのドラムはいい意味で手を抜けるんです。こっちが隙間を作れるというか。自分のフレーズを別の方向性にシフトできるいいタイミングでした。

川谷:僕は最後にメロディを入れるので、アレンジにメロディが左右されたりするんですけど、「ダンスが続けば」(Track.12)みたいなメロディは今までだったら出てこなかったかなと。ということは結果論として、この演奏から引き出されたものなのかな、というのはあります。だから"やれることが増えた"という感じです。

-メジャー・デビュー時に絵音さんにインタビューさせていただいたとき、"クラムボンやくるりみたいな存在になるには、まず一度バンド・シーンを通過しなければならない"とおっしゃっていましたよね。

川谷:はい。

-それを独自の方法で実行に移して、その完成形が『幸せが溢れたら』なのかなと思うんです。『藍色ミュージック』はそこから逸脱していることはもちろん、ポップ・ミュージック、バンド・ミュージック、indigo la Endの音楽人生においても、新しい時代を切り開いていく作品になるのではと。

川谷:ありがとうございます。今はバンド・シーンに入っていく気も特にないし。今回は自分たちのやりたいことをただやった、それだけなんです。だから何も考えなかった。でも、くるりやクラムボンやスピッツみたいな、ポップ・ソングとして成立していながらも、音楽的に深みのあるものはやりたいと思っていたことですね。それはずっと変わってないです。

-マスタリング前の音源も聴かせていただきましたが、その状態でもとても音が良くて。それぞれの技術的な進歩を感じました。

川谷:それはレコーディング・エンジニアさんのおかげですね。俺らはミジンコみたいなバンドなんで(笑)。