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INTERVIEW

Japanese

ハルカトミユキ

2014年06月号掲載

ハルカトミユキ

ハルカトミユキ

Official Site

メンバー:ハルカ(Vo/Gt) ミユキ(Key/Cho)

インタビュアー:天野 史彬

これから5年10年と経った時、きっとハルカトミユキの2人は、この作品を聴いて恥ずかしそうな笑みを浮かべるだろう。なぜならこの3rd EP『そんなことどうだっていい、この歌を君が好きだと言ってくれたら。』は、デビュー以降、大きな変化の季節を歩み続けてきた彼女たちの心のドキュメンタリーのような作品だからだ。かつては歌に守られてきた少女たちが、大人になり、今度は歌を届けるために経験した様々な苦悩、逡巡、そして喜び――そういったものが着飾ることなく、ただありのままに描かれた美しい5曲のドキュメント。"今"のハルカトミユキが刻まれた傑作だ。

-アルバム『シアノタイプ』が出て半年経ちましたが、この半年間はどんな期間でしたか?

ミユキ:この半年間は......ツアーがあって、それから制作に入ったんですけど、今回のツアーでは初めてお立ち台を作って、ちょっとだけお客さんを煽ってみたりして。今まではずっと突き放す形だったけど、もっとお客さんと距離を測れるようになったというか。お客さんを近く感じられたっていうのが1番ありました。あと、『シアノタイプ』はいろんなことをやったので、じゃあ次の作品をどうするかって考えた時に、ハルカトミユキっていう2人の人がいて、その後ろにギターとベースとドラムがいるっていうシンプルさを出せたらいいなと思って今回のEPは作り始めたんです。

-ハルカさんは?

ハルカ:私はもはやこの半年間を覚えてないんですけど......。東名阪のワンマン・ツアーがあって、その後EPを出そうっていう計画があったんですけど、その間、何やってたか本当に覚えてないんですよね。でも、ミユキが言ってたみたいに、変わったことももちろんあって。アルバムを出して、CDを聴いてもらって、お客さんと会って、歌って、伝えようと思ったことがちゃんと伝わってたり、雪の日にあれだけ人が来てくれたり(※今年2月に行われた渋谷CLUB QUATTROワンマンの日、東京は13年ぶりの大雪に見舞われた)。それは凄く自信になったし。あの時もMCでも言ったんですけど、"このまま曲げずに一緒に未来を描いてください"って、本当にそう思いましたね。

-僕は去年12月の新代田FEVERでのワンマンと、今年2月の渋谷QUATTROでのワンマンを観させてもらってるんですけど、この少しの期間でライヴの印象がガラッと変わりましたよね。ミユキさんがおっしゃったように、お客さんを積極的に煽って一体感を生み出そうとしたり、聴き手に寄り添っていく感じが前面に出てくるようになった。この変化はどうして生まれたんだと思いますか?

ハルカ:ひとつは、凄くお客さんを信頼できるようになったんだと思います。自分たちは煽ったり踊ったりできるような音楽をやってるわけじゃないので、そこに対する抵抗がずっとあったんですけど、そうじゃない形でも、ハルカトミユキのライヴでの盛り上がり方、ノリ方が絶対あると思っていて。それを模索しながらやっていくうちに、どんなやり方であっても、お客さんはハルカトミユキとして見てくれるっていう信頼が生まれてきて。私たち自身が嘘をつかずにやっていれば、お客さんもそれを信頼して見てくれるっていう自信が生まれたんです。こっちが開けば応えてくれるし、向こうが求めるものにこっちも応えたいっていう気持ちが自然に出てきて。大阪、名古屋と凄く温かかったし、東京でも、あの雪の中来てくれた人たちと――あの時もMCで"運命共同体"って言いましたけど――今、凄く築きたいものがあって。それでああいうステージになったんじゃないかなぁ。

-そういったライヴ現場での意識の変化がある中、今回のEP『そんなことどうだっていい、この歌を君が好きだと言ってくれたら。』の制作へは具体的にどういう感じで向かっていったんですか?

ハルカ:さっきも言ったんですけど、本当に、この半年間のことって覚えてなくて。だから次の作品のためにこういうものを書きたいとか、よくわからないままで制作に入ったんですよね。特に具体的なイメージもないままに作り始めて、凄く悩みながら作っていって......アルバムを出した後に何を歌いたいかっていうことを自分で模索しながら作り始めたので、全体像も全然見えてなくて。でも、1曲目の「その日がきたら」ができた時に、やっと他の曲の並びとかも見えてきたっていう感じで。探りながら作ってましたね。

-ミユキさんはさっき、2人がいて、そのバックにサポートの3人がいてっていうハルカトミユキのシンプルさを形にしたかったっておっしゃってましたけど、ミユキさんは、ハルカさんと違ってこのEPに向けて見えているものが多少なりともあったんでしょうか?

ミユキ:いや、最初から見えていたわけではないですね。ワンマンが終わって、ちょっと一段落してからどうするかって考えて。前作がいろんな音が入っててグシャってなってたりしたけど、今回はそういうのじゃなくて、シンプルに"これがハルカトミユキです"って言えるような自分たちらしさが出たらいいなと思って制作し始めて。基本的に、作る時は"こういうのを作りたい"っていうのが最初にあるというよりは、"こういうのが出てきたから、ちょっと探ってみよう"って感じなんです。それがだんだん形になってきてから、これはもっとこうしようっていうふうになるので、そこまでしっかりとは考えてなかったですね。