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INTERVIEW

Japanese

Brian the Sun

2017年11月号掲載

Brian the Sun

Member:森 良太(Vo/Gt) 白山 治輝(Ba/Cho) 小川 真司(Gt/Cho) 田中 駿汰(Dr/Cho)

Interviewer:沖 さやこ

-ロック・バンドならではのスリリングで音楽的な遊びということですね(笑)。

森:歌詞の部分は「カフネ」と整合性を取ろうとした部分はあるんですけど、サウンドに関しては真逆のことをやれたらいいかなと思って。テンポも235あるんです。

小川:Brian the Sunあるある、実はテンポがめっちゃ速い(笑)。

白山:俺らの曲は音ががちゃがちゃしてるわけではないからね。

森:そうやね。この曲は透き通ったイメージもあるし。シングルの表題曲で出したいくらい気に入ってますね。「カフネ」も「フォレルスケット」も同じくらいの割合で聴いてほしい。

-そうですね。この前良太さんは"俺らの音楽は地味やけど"とおっしゃっていましたけど、これだけ隅々まで突き詰めているんですから全然地味じゃないですよ。ほんと。

森:音に派手さはないんですけど(笑)、やってることはね。やっぱり俺らは、コンポで聴いたときにめっちゃいい音で鳴っててほしい。聴く環境は人それぞれやと思うんで、合わせていったらキリがないけど、いい音になっていると思います。たぶん、Jack White的ないい音なんやと思うんですよね。クリアな音ではないし、極端にエフェクトを切ったりはしないから、一般の人の思う"いい音"とはまったく違うと思うけど。録り音いじられるの、真司とかめっちゃ嫌がるし(笑)。EQ(イコライザー)触るのも嫌がる人たちの集まりやから。

小川:めっちゃ嫌やなぁ(笑)。いじるなら録るとき言うてや、と思う。のちのちデジタル的に変えるなら、録るときにそういう音を鳴らした方がいい音になる。

森:レコスタで音決めする作業がめっちゃ楽しいんですよね。

田中:うん。楽しいなぁ~。

森:レコーディングもミックスもマスタリングも想像を絶する神経質さでやってます(笑)。昨日レコーディングしてたんですけど、リード・ギターのピックが擦れる音が気になって、落とし終わったのにどうするかめっちゃ悩んで。ミックスでエンジニアさんにも"ちょっとハイハットうるさなったっすね~......"とかめっちゃ言うから、傍から見たら"お前うっさい、黙っとけ"って感じっすわ(笑)。右にあるスピーカーと左にあるスピーカーから音鳴らして聴いてほしいっすね。

-Brian the Sunがずっと守っているものはたくさんありますよね。成長しているし挑戦もしているけれど、バンドの根幹は全然変わってないなぁと思います。10周年というタイミングで、いろいろ過去を思い返すことも多いと思いますが、気づきや心境の変化はありますか?

白山:10周年が関係あるかどうかはわからないんですけど......。いままでは数字とかほかのバンドのこととかを気にしてこなかったんですよ。たぶんこの4人の中なら俺が一番気にしていたけど、そういうことをあまりメンバーに言うてなかったんです。でも最近はそういうことに関してめっちゃがめつくなってきてますね。数字を出すための音楽をするわけではなく、俺らの音楽を数字に繋げたい。もっと広めたい。

森:自発的に数字に対してちゃんとアプローチできる人はおるやないですか。でも俺から直接数字にはたらきかけることはできない。だからこそどういう曲なら動きやすいんかな......と考えたりはするんです。

白山:"Brian the Sunは売れなくてもいいと思ってるよね? 自由に自分たちの好きなことをやっていればいいんでしょ?"と言われることが多いんですけど、そうではないんです。

-そうですよね。自由に自分たちの好きなことだけやっていたいなら、メジャーにフィールドを移す必要ないですし。

森:そうそう。もはや"やりたくないこととやりたいこと"という次元の話ではないんです。とはいえ節操ないことはしたくないから、手段ややり方はちゃんと選びたい。ある程度自分の正義はあったうえで物事が進んでいった方が気持ちいいし。前はもっと"それはポリシーと反します"とか言うてたかもしれへん。でも死守するべきラインは状況によっても変わってくる。大事なものを守れれば、あとはなんでもやりますよーという姿勢ですね。

白山:そう思うきっかけになったのが、友達のバンドがいっぱい出てる大阪城ホールのイベントやったんです。そういうイベントは必ず行ってたんですけど、"なんで俺ら出てへんねやろ"とめっちゃ悔しくなったんですよ。だから誘われたけど気持ち的に行けなくて。そこから変わりましたね。「カフネ」を録るか録らないか......くらいのときでした。

森:なんとなーくある邦ロックというシーンとは別の場所にいたいんです。唯一無二でありたい。"目指す場所はこういうところやな"ということを4人で話したので、それを早く体現できるようになりたいです。そこにいくためには時間も必要やし、やるべきこともたくさんありますね。結果を残していかないと。

-いちリスナーとしては、長く続けられる音楽をやっていてほしいなと思います。

森:普通にしてたいです(笑)。普通のこと、普通にできる人たちでいたいですね。それが一番難しいけど。

小川:でもまぁ、10周年迎えていい感じやな。

森:そうやな。いい感じやな。寝ながらドラム叩いてくれる人もおるしな(笑)。