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INTERVIEW

Japanese

ハルカトミユキ

2017年07月号掲載

ハルカトミユキ

Member:ハルカ(Vo/Gt) ミユキ(Key/Cho)

Interviewer:金子 厚武

-「WILL(Ending Note)」(Track.6)も印象的な仕上がりでした。

ミユキ:新しい挑戦をしたくて、1回話し合いをしたときに、語りがいいんじゃないかって話になったんです。2月のライヴで「夜明けの月」(2016年リリースの2ndフル・アルバム『LOVELESS/ARTLESS』収録曲)の前にハルカが朗読をして、ああいう感じで今やったらきっと面白いものができるんじゃないかって。アレンジ的には、私はトリップ・ホップが好きで、インタールードみたいな感じかなと悩んでたら、"このサビは強いから、曲としてちゃんと作った方がいい"と言ってもらえて、自分の好きなトリップ・ホップと、J-POPな感じを混ぜました。これもそこに強い言葉が乗ったからこそ、存在感のある曲になったと思います。

-初回盤に収録されてる「LIFE 2」もそうですけど、こういうループを基調にして、言葉を連ねていくタイプの曲はハルカトミユキの真骨頂だと思います。

ハルカ:そうですね。詩にも近いですし、こういう縛りみたいなのは得意というか、いいなって今回改めて思いました。ただ、一歩間違ったらマニアックな曲になっちゃうから、この世界観に何を乗せたらいいんだろうと考えるのは難しかったんですけど、"遺書"っていうテーマが決まってからは、自分にとっての誰かの存在を書き連ねていって、最終的に何になるかなって思ったら、やっぱり希望や未来だったんです。最後に思うことって、やっぱり先のことっていうか、自分ができなかった後悔を思い出すのも、その先に対する意志があるってことで、つまりは未来なんだなって思ったんです。

-「宝物」(Track.7)も素晴らしい曲だと思いました。"青春"を改めて捉えなおすような視点が、それこそ池袋の話ともリンクするし、今のハルカトミユキにしか作れない曲だなって。

ハルカ:私は今27歳なんですけど、この歳ってアイデンティティを見失う歳というか、今まで書けてたような歌詞が書けなくなってきて、その苦しさがずっとあったんです。もちろん、もう子供じゃないんだけど、完全に成熟した大人でもなくて、その苦しさがものすごくあったなかで、逆に27歳の今だからこそ書けることは何だろうってすごく考えました。

-最初に"無理に大人になろうとしてた"という話もあったように、どこか丸くなってる自分に対して、ずっと葛藤があったと。

ハルカ:そこを曖昧にできないような歌詞を書いてきちゃったんですよね。いくら歳を重ねても、ずっと同じことを言ってる人もいますけど、それではいけない立場な気がするっていうか、それは逃げのような気もして。でも、「宝物」はそういう自分を認めてあげられたというか、今でも青い春が終わってないっていう、それを言葉にすることで、自分も救われたなと思います。まぁ、私は死にはしないですけど、ミュージシャンがこの年齢で死ぬ気もちょっとわかったというか。

-Kurt Cobainを始め、"27クラブ"のミュージシャンたちの気持ちがちょっとわかってしまったと。ミユキさんは27歳という年齢に対して思うところはありますか?

ミユキ:私は図太いから絶対死なないと思います(笑)。ハルカはもしかしたら死んじゃうタイプかもしれないけど、私がいる限りは、死なないと思う。

-頼もしい(笑)。あとは最後の「種を蒔く人」(Track.12)のことも話したくて。個人的には、今回のアルバムの中でも一番"希望の歌"だと思って、すごくシリアスな歌だけど、だからこそ、希望を感じたし、途中で「WILL(Ending Note)」の話をしながら、この曲に通じる部分があるなって思いました。

ハルカ:裏表みたいな感じですよね。「WILL(Ending Note)」がどこかに行ってしまう人の歌だったら、「種を蒔く人」は残された人というか。"種を蒔く"って言葉はずっと使いたくて、この行為ってまさに希望じゃないですか? 私の好きな言葉で、"毎日何を収穫できたかじゃなくて、どれだけ種を蒔けたかで、その日を評価しなさい"というのがあって、それって芽が出て花が咲くかはわからないから、虚しいことでもあるけど、それでもみんな何かを期待して種を蒔くわけで、それ自体希望だと思うんです。

-その種が、言葉だったり、音符だったりするかもしれない。そう考えると、ミュージシャンがやることって、"種を蒔く"っていうことなのかなって。

ハルカ:ホントそうですね。どこで咲くかもいつ咲くかもわからないけど、歌詞で"次の誰かが 拾って歩きだす"って言ってるように、自分ができなかったことを、次の誰かがやってくれるという、それはやっぱり希望だと思うんです。すぐに何かを残せなくても、未来の歌として残ったらいいなって思いますね。

-最後に、9月に行われる三度目の日比谷野音公演に向けて、意気込みを聞かせてください。

ミユキ:もう今はどんな新しい曲を作ろうか考えていて、それをまた新たな一面として発表できたらいいなと思うんですけど、まずは今回のアルバムで本質を確立したうえで、どういうライヴができるかだと思ってます。最近はハルカが舞台をやることで、パフォーマンスがすごく広がっていて、より曲が伝わるようになってると思うんですけど、私たちにあんまり言わずにやるから、やってる側は空気がピリッとしていいし、見てる側もテンション上がると思うんです。そのうえで、私は自由にやらせていただきます(笑)。

ハルカ:怒りを取り戻した時点で、"この曲たちがあれば大丈夫"っていう気持ちがあって、パフォーマンスに関しても、どこか吹っ切れてできる気がします。前は"できるけど、したくない"ってことが結構あって、簡単に言えば、煽ったりすることですけど、今はそういうことも気にならないというか、吹っ切れた感じがするんです。前までは"これをやっちゃうと、自分たちらしさが壊れちゃう"と思ってたのかもしれないけど、"そんなやわなものじゃないな"とわかってきたので、思いっきりやりたいですね。