Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

Mrs. GREEN APPLE

2016年06月号掲載

Mrs. GREEN APPLE

Member:大森 元貴(Vo/Gt) 若井 滉斗(Gt) 山中 綾華(Dr) 藤澤 涼架(Key) 髙野 清宗(Ba)

Interviewer:石角 友香

太陽が照りつけたっていつまでも走り続けて、遊び疲れて......そんな子供のころの全能感を思い出させてくれるような『サママ・フェスティバル!』。今作で、狙い澄ましたかのようにサマー・チューンのド真ん中をストレートに提示してきたMrs. GREEN APPLEは、メジャー・デビュー2年目の今、前向きな意味で、よりカテゴライズ不可なフィールドで自由に音楽を鳴らし始めている。インタビューは、この新曲が初披露された全国14都市を回った前回のツアー"TWELVE TOUR~春宵一刻とモノテトラ~"の振り返りからスタート。5人のモードを探ってみた。

-ツアー(※2016年3~4月に開催)がずいぶん前のことのように感じられますね。それまでのライヴへのスタンスと全然違うものを感じたファイナル公演(※4月10日赤坂BLITZにて開催)でした。

大森:今までは考えてやってたんですけど、今回はあんまり深いことを考えずに"楽しむ"ということに100%重きを置いてました。等身大のライヴしかできないだろうから、そこはわかったうえで臨んでいた感じはあります。

-等身大であそこまで演出が入れられるのはすごい(笑)。

大森:ああいう演出って出しどころが大切だと思うんです。自分たちは活動のサイクルやヴィジョンを抱くのが早いので、出しどころを間違えちゃうとすぐ錆びちゃうんです。なので結構、早めに取り組んでましたね。

-そしてアンコールで披露された今作の表題曲「サママ・フェスティバル!」(Track.1)を聴いたときに"うわー、狙ってきた!"と思ったんですよね。これはどういうタイミングで作った曲なんでしょうか?

大森:『TWELVE』(2016年1月リリースの1stフル・アルバム)をリリースする前後に曲の制作を始めていて、"夏にリリースする"という話だったので、"まぁ、そういうことだよな"と夏の曲を作ろうと思ったのと、わかりやすい曲を――もちろん「サママ・フェスティバル!」も書きたい曲なんですけど、自分の思いを発散するだけじゃなくて、今後のMrs. GREEN APPLEがもっともっと楽しむためには、いろんなものに手を出さないといけないし、わかりやすい楽曲がどうしても必要だとわかっていたので。たしかに狙ったと言えば狙ったんですけど、ただ楽しい曲にしたいなと思って。2016年は"楽しいサイクル"がピークにきてるんで(笑)、それを普通に曲に落とし込めたらいいなと思って書きました。

-「Speaking」(2015年リリースのメジャー1stシングル表題曲)でSNS時代のコミュニケーションをとる若者像を描いたからこそ、さらに有効的な展開の曲だなと思いました。

大森:そうですね。自分たちより下の世代に聴いてほしいという欲があったので、それを曲にするにはどうしたらいいかな?と思って。やっぱり夏って、自分たちの中でも冬より全然キラキラしてるので、今まで書きたかったことをこのタイミングで書けたかなと思いますね。

-いい意味で狙っていかないと意味がないというか、さっき言っていた"錆びちゃう"という話にも通じてると思うんですよ。

大森:たしかに。夏感って、やっぱ錆びていくものだと思ってるので。小学生のころに感じていた夏感と、今感じてる夏感ってすでに違うんですよ。あのころ感じていた夏感って忘れないと思うので、それを曲と一緒に収められたらなと、そういう意味で"下の世代に"という話なんですけど。

-これまで発表してきた作品が好きな人たちを、より解放してあげられる曲だなと。

大森:ありがとうございます。もう、作っていて自分たちが楽しかったので、一番開けた感じが今まで以上に出たんだろうなと思います。

-"サママ・フェスティバル!"って記号みたいな感じですね。タイトルが最初にできてたり?

大森:どっちだったかな? たぶんタイトルが最初だったと思いますね、フレーズと共に。何回か清書するような感じで作っていったんですけど、今回初めてそういう作り方をして。一番最初は"清涼飲料水みたいな曲"というタイトルだったんです。そこからAメロの雰囲気ができて、聴いていたらフェスティバルみたいだったんで――しょっぱなは"フェスティバル"ってついてなかったんですけど、ひとつのサビのフレーズとしてそれがハマッたときにできたんだと思います。

-意味がどうというより、有無を言わせないというか。

大森:間違いない。"サママ・フェスティバルってどういう意味ですか?"って聞かれても、自分たちでも答えられないですもん(笑)。

藤澤:でも、聴いてくださる方の景色と曲が一緒に記憶されるのが一番いいんじゃないかなと思って。景色とか匂いとか、自分の思い出と"サママ・フェスティバル!"が結びつけばすごくいいなと。

-大森さんがデモを持ってきた際、どういうふうに捉えていきましたか?

若井:"ザ・夏曲"だよなっていうのはデモをもらった段階から思ってて。わかりやすいフレーズが「Speaking」のときよりも多くなってたし。夏曲の中でも一番わかりやすい"夏"が題材の曲なので、より幅広い年齢層に届けたいんだろうな、とは思いましたね。

髙野:歌詞がすごくストレートになったなと。小学生が聴いてもイメージしやすい歌詞だし、ちゃんと遊び心をくすぐるところもあるんだろうなって思いますね。