Japanese
Mrs. GREEN APPLE
2015.09.26 @渋谷WWW
Writer 石角 友香
"メジャーデビューしたら自分が持ってる劣等感とか拭えると思ってたけど、そんなに簡単じゃないんだなって。もちろん、こうしてステージに立ってることは幸せなんだけど、ステージに立つと嘘つけないし。音楽に苦しめられてるけど、音楽ないと生きていけないし"――本編ラスト前に大森元貴(Gt/Vo)が吐露した心情が7月のメジャー1stミニ・アルバム『Variety』のリリース・パーティからおっそろしい速度で変化/進化した今の彼らを象徴していた。
意外にも初ワンマンとなったこの日、渋谷WWWは即完売。正直、もっと大きなキャパでも完売はしただろう。でも、現時点でバンドの核心を伝えるには良い選択だったと思う。
登場SEとともに静かにステージに現れた5人は白い衣装。ごく自然に「WaLL FloWeR」、「我逢人」と、曲調はキャッチーでフックありまくりなのだが、安易な共感を越えて絶望も希望もフラットに見据える歌詞が Mrs. GREEN APPLEのど真ん中を示唆する楽曲で、ライヴをスタートさせたことに意思を感じる。挨拶もそこそこに『Variety』から、すでにライヴの定番になった感のある「VIP」、藤澤涼架(Key)のアクションの激しさが増す「リスキーゲーム」、どの曲でもより歌を際立たせるギター・アレンジに長足の進歩を感じさせる若井滉斗(G)のマス・ロック調のイントロが冴える「FACTORY」と、序盤からすでに幅広い音楽的なレンジを持つ彼らの特性をこれまでリリースしてきた音源から万遍なくピックアップ。
どの曲も潔いエンディングで、より1曲1曲が描く情景を受け手の心に刻み込むライヴを進行しているにも関わらず、大森と藤澤が最初にMCらしいMCで口にしたのは"緊張するねー"という意外な言葉。大森は普段なら非常口あたりに視線を向けて歌うのだけれど、WWWだとお客さん全員が見えるせいかもと言っていた。でもそれがいい緊張感とグルーヴを生んでいるのも、また事実だったのだ。
大森がピン・ヴォーカルで、さらに抑揚の効いた歌を聴かせた「HeLLo」「アンゼンパイ」の後、一旦メンバーがはけ背景にはバンド・ロゴとそれに重なるように森をイメージしたようなシルエットが投影され、SEも鳥のさえずりが流れ......大森はアコギ、髙野清宗(Ba)はアコースティックベースを手にして、ミセス流のチェンバー・ポップと言える「ノニサクウタ」「春愁」を披露。高揚したライヴハウスにいながら1対1で対峙する音楽の豊かさを実感できた流れに続いて、全員のサウンドがイーヴルに会場を震わせる「ミスカサズ」が鳴り終わった瞬間は、場が静まり返るほど、ステージ上もオーディエンスも集中していた。この3曲はアルバム未収録曲でもあり、ライヴで触れられることがことさら貴重なせいもあるだろうが、それにしても演奏の求心力が素晴らしかった。
しかも、さらに発売も解禁も決まっていない新曲をやりますという大森のMCに歓声とどよめきが起こったまっさらな新曲「鯨の唄」と題されたそれが奏でられ始めると、そのエヴァーグリーンで大きなメインテーマを持つ......OASISやTHE BEATLES、さらにメロディの高低差や自在さに中村一義の名前なんかも想起してしまった......要はMrs. GREEN APPLEの新しくも大きな側面を見る曲だった。何らかの形で発表されるのか今はまだわからないが、この曲を体験したことが彼らの進化のスピードと、単にスピードだけじゃないこのバンドが内包しているいい意味での重さに、より惹きつけられた要因だと思う。そんな大曲のエンディングにシーケンスが重なってきて、これまたデビュー盤のテーマを成す大事なナンバー「道徳と皿」をシームレスに披露。ただそこは馴染みのナンバーでもあり、ザクザク刻まれるリフとアッパーなリズムでオーディエンスも一気に爆発。
そこからは怒涛の畳み掛けで、山中綾華(Dr)のパワーヒッターっぷりも炸裂、激しいコード・カッティングでガレージ・ロックばりのプレイも見せる若井の引き出しの多さにも驚いたりしながら、明らかに出音が大きくなった「StaRt」で、二拍のクラップや部分部分、オーディエンスもともに大声で歌い、ジェットコースターのように展開するこの曲を一体になって乗りこなす。そこで感じたのは単に終盤に向かうライヴのフィジカルなピークというより、完全な解決なんてないことがわかっていても、せめて音楽が鳴っているこのとき、解放されたい何百かの心が素直に出口を求めた景色だったんだと思う。しかしだ。明るい出口の先に大森が放ったのが冒頭のMCだった。前に進んだら進んだで新たな混沌と矛盾が立ちはだかる。そのことを受け入れるように本編ラストは"対立"や"衝突"を意味する「CONFLICT」を力強く、意思表示として鳴らした大森元貴という、まだようやく青年のとば口に立ったこのアーティストの決意、ちょっと食らってしまいましたよ、正直。
ユニークだったのはアンコールもまた本編が始まるかのように心音のシーケンスとともに再登場し、切実で揺さぶられる「L.P」、そのムードから一転して新たなポップな武器を手にした印象のある初披露曲「Speaking」(アニメ"遊☆戯☆王ARC-V"タイアップ曲)をわりとサラッと演奏。ダブル・アンコールでは、これまた音源化が望まれてやまない、Mrs. GREEN APPLEのというか、大森の人間を見抜く力と図太いバンド・アンサンブルにおいて、彼らの背骨というべき「パブリック」で、とてつもなく濃い初ワンマンを締めくくってみせたのだった。
- 1
LIVE INFO
- 2025.09.10
-
Aooo
Hump Back
ハンブレッダーズ
This is LAST
The Birthday
パーカーズ × 浪漫派マシュマロ
とまとくらぶ
THE GET UP KIDS
打首獄門同好会
- 2025.09.11
-
Bye-Bye-Handの方程式
YOASOBI
The Birthday
w.o.d.
MONOEYES
THE GET UP KIDS
TOOBOE
鶴 × ONIGAWARA
- 2025.09.12
-
Aooo
ナナヲアカリ
神聖かまってちゃん
TOOBOE
w.o.d.
ビレッジマンズストア
YOASOBI
THE BOHEMIANS × the myeahns
the band apart (naked)
Rei
Awesome City Club
"LIVEHOLIC 10th Anniversary series~この声よ君の元まで!!〜"
- 2025.09.13
-
cinema staff
ヤバイTシャツ屋さん / UNISON SQUARE GARDEN / sumika ほか
神はサイコロを振らない
The Birthday
AIRFLIP
神聖かまってちゃん
This is LAST
GRAPEVINE
佐々木亮介(a flood of circle)
四星球 / 藤巻亮太 / eastern youth / 踊ってばかりの国 ほか
Creepy Nuts
KING BROTHERS
崎山蒼志 / moon drop / SPARK!!SOUND!!SHOW!! / ExWHYZ ほか
"ナガノアニエラフェスタ2025"
WtB
PIGGS
TOKYOてふてふ
LACCO TOWER
安藤裕子
GOOD BYE APRIL
The Biscats
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025"
"New Acoustic Camp 2025"
wacci
- 2025.09.14
-
セックスマシーン!!
ビレッジマンズストア
AIRFLIP
TOOBOE
THE BOHEMIANS × the myeahns
flumpool / 三浦大知 / コブクロ / C&K
ガガガSP / GOING UNDER GROUND / 日食なつこ / LOVE PSYCHEDELICO ほか
ナナヲアカリ
WtB
Academic BANANA
Creepy Nuts
打首獄門同好会 / GLIM SPANKY / yama / bokula. ほか
KING BROTHERS
"ナガノアニエラフェスタ2025"
センチミリメンタル
mzsrz
ぼっちぼろまる
SIRUP
Maica_n
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025"
"New Acoustic Camp 2025"
Mirror,Mirror
- 2025.09.15
-
セックスマシーン!!
cinema staff
Bye-Bye-Handの方程式
WtB
ビレッジマンズストア
Kroi
GRAPEVINE
Appare!
THE CHARM PARK
TOKYOてふてふ
緑黄色社会 / 04 Limited Sazabys / キュウソネコカミ / Hump Back ほか
羊文学
PIGGS
DYGL
THE SMASHING PUMPKINS
FOUR GET ME A NOTS
Bimi
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025"
FIVE NEW OLD
eill
UNFAIR RULE / Blue Mash / ペルシカリア / ポンツクピーヤ
アーバンギャルド
NOIMAGE
- 2025.09.16
-
THE CHARM PARK
THE BOHEMIANS × the myeahns
MONOEYES
Aooo
コレサワ
Laughing Hick / アンと私 / つきみ
"LIVEHOLIC 10th Anniversary series〜NEWIMAGE〜"
- 2025.09.17
-
YOASOBI
THE ORAL CIGARETTES
DYGL
Mirror,Mirror
Hump Back
a flood of circle
THE SMASHING PUMPKINS
ガラクタ / 東京、君がいない街 / Fish and Lips
点染テンセイ少女。
- 2025.09.18
-
YOASOBI
キュウソネコカミ
LAUSBUB
DYGL
Mirror,Mirror
MONOEYES
終活クラブ
TOOBOE
THE SMASHING PUMPKINS
椎名林檎 / アイナ・ジ・エンド / 岡村靖幸 ほか
打首獄門同好会
the paddles / DeNeel / フリージアン
otona ni nattemo / 南無阿部陀仏 / ウェルビーズ ほか
- 2025.09.19
-
THE ORAL CIGARETTES
a flood of circle
UVERworld
セックスマシーン!!
Bye-Bye-Handの方程式
Redhair Rosy
たかはしほのか(リーガルリリー)
終活クラブ
あたらよ
Aooo
KING BROTHERS
bokula. / 炙りなタウン / Sunny Girl
The Birthday
- 2025.09.20
-
カミナリグモ
Lucky Kilimanjaro
TOOBOE
GRAPEVINE
This is LAST
LACCO TOWER
WtB
キュウソネコカミ
reGretGirl
岸田教団&THE明星ロケッツ
ASH DA HERO
THE SMASHING PUMPKINS
Miyuu
竹内アンナ
ぜんぶ君のせいだ。
PAN / SABOTEN
SHE'S
"イナズマロック フェス 2025"
LAUSBUB
渡會将士
Plastic Tree
ヨルシカ
cinema staff
Broken my toybox
あたらよ
大森靖子
04 Limited Sazabys / 東京スカパラダイスオーケストラ / ザ・クロマニヨンズ / 奥田民生 / ヤングスキニー ほか
ART-SCHOOL
AIRFLIP
"NAKAYOSHI FES.2025"
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025"
GOOD ON THE REEL
クジラ夜の街 / Dannie May / 終活クラブ / アオイロエウレカ(O.A.)
フラワーカンパニーズ
- 2025.09.21
-
ExWHYZ
HY
豆柴の大群
TOOBOE
カミナリグモ
LACCO TOWER
The Biscats
WtB
キュウソネコカミ
envy × OLEDICKFOGGY
Plastic Tree
Broken my toybox
ぜんぶ君のせいだ。
THE SMASHING PUMPKINS
アルコサイト
ART-SCHOOL
星野源
"イナズマロック フェス 2025"
岸田教団&THE明星ロケッツ
TOKYOてふてふ
ヨルシカ
竹内アンナ
GRAPEVINE
大森靖子
ACIDMAN / GLIM SPANKY / Dragon Ash / go!go!vanillas / Omoinotake ほか
LAUSBUB
Devil ANTHEM.
peeto
KING BROTHERS
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025"
GOOD ON THE REEL
超☆社会的サンダル / さとう。 / ルサンチマン / SENTIMENTAL KNOWING(O.A.)
PIGGS
- 2025.09.22
-
WtB
reGretGirl
OKAMOTO'S
古墳シスターズ
レイラ
Bye-Bye-Handの方程式
ビレッジマンズストア
Ryu Matsuyama
CENT
- 2025.09.23
-
水曜日のカンパネラ
ART-SCHOOL
Lucky Kilimanjaro
TOOBOE
リュックと添い寝ごはん
古墳シスターズ
Omoinotake
Kroi
TOKYOてふてふ
Plastic Tree
WtB
MUSE / MAN WITH A MISSION / go!go!vanillas
amazarashi
GRAPEVINE
YONA YONA WEEKENDERS
DYGL
cinema staff
Bye-Bye-Handの方程式
Another Diary
adieu
竹内アンナ
Cody・Lee(李)
トゲナシトゲアリ
"TOKYO CALLING 2025"
RELEASE INFO
- 2025.09.10
- 2025.09.12
- 2025.09.17
- 2025.09.19
- 2025.09.24
- 2025.09.26
- 2025.10.01
- 2025.10.03
- 2025.10.05
- 2025.10.08
- 2025.10.10
- 2025.10.11
- 2025.10.12
- 2025.10.14
- 2025.10.15
- 2025.10.17
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
ExWHYZ
Skream! 2025年08月号