Japanese
Mrs. GREEN APPLE
Skream! マガジン 2023年01月号掲載
2022.12.27 @Zepp DiverCity(TOKYO)
Writer : 石角 友香 Photographer:鳥居洋介
Mrs. GREEN APPLEが全国14公演にわたるツアー"Mrs. GREEN APPLE Zepp Tour 2022 ゼンジン未到とリライアンス~復誦編~"を完走した。7月のフェーズ2初のライヴ時は彼らの特別な存在感を再認識したが、今回は、バンドはツアーをすることで、その"肉体とシステム"に血液が巡ることを痛いほど実感した。進化と不変。2022年のミセス(Mrs. GREEN APPLE)はそれを証明したのだ。
フル・キャパシティのフロアは久しぶりに開演前の興奮が伝わる賑わい。SEに乗せ、サポート・メンバーも含む5人が2段になったセットに立つ。まず若井滉斗(Gt)のフィードバック・ノイズから「藍」がグッとプリミティヴなリズムで放たれた。Zeppにはオーバー・スペック気味の膨大なムーヴィング・ライトも相まって、ステージ上もフロアも最大限のパワーを放出する。前回がアリーナ公演だったせいもあるが、メンバーがより近く感じられた。テンポ良く「灯火」、「ニュー・マイ・ノーマル」と新旧の楽曲を違和感なく繋いでいく。メンバーは立ち位置から動かず、特に大森元貴(Vo/Gt)はアップ・チューンでも端正な所作で、歌詞を補完していった。
MCでは大森の発言に歓声が上がるだけでなく、直接質問するファンもいて、存外カジュアル且つ頼もしいムードができあがっている。コロナ禍と活動休止期間にファンになった10代のリスナーもいたはずだが、周りに食らいつくというより、楽しさや感激で自然とアクションしているように見受けられた。
イントロが鳴り始めてから"次の曲だけ写真撮影OKです"とさらっと大森が言い、「CHEERS」が演奏されたが、ずっとスマホを掲げているファンは少数。ステージ上に並ぶ4つのミラーボールがフロアや天井にまき散らす光は祝福するようだ。さらにクラカズヒデユキのトライバルなドラムが映える、アリーナに似合いそうな「How-to」。そのままシーケンスで繋いで"行けるか? Zepp、「インフェルノ」!"の叫びもろとも同曲へ。落ちサビのカオスな展開を見せるアンサンブルは、単にこの曲がハードでアッパーなアレンジを超え、ライヴの中でより深い存在に育ってきたことを印象づけた。さらに藤澤涼架(Key)とドラムの掛け合いがシンコペーションになっているイントロは、リアレンジされたものだろう。「No.7」のユニークでちょっとコミカルな展開がさらにブラッシュアップされている。大森のフロントマン気質というか、存在がコンサート・マスターのような司令と飛ばす迫力が完全に戻ってきた。そして若井も藤澤もパーソナル・トレーニングやダンス・トレーニングの成果がパフォーマンスに明確に出ていて、軸がしっかりした姿勢から放たれるリフやフレーズが格段に明快になったのだ。これは本当に頼もしい。
また、3人を支える森 夏彦(Ba)とクラカズのプレイヤーとしての確かさだけでなく、ミセスの楽曲の理解も演奏を深化させている。
爆速で飛ばしたあとメンバーを紹介し、大森が、情緒が一定じゃないセットリストなのでアクティヴな曲のあと急にフラっとするかもしれない、その際は遠慮なく近くの人に声を掛けて、とカーム・ダウンするように「soFt-dRink」へ。転調や大森の地声とファルセットの行き来が、穏やかな曲だからこそエモーショナルだ。ここから内省的なターンに入るのだが、藤澤のピアノをたっぷり聴かせ、大森のヴォーカルも喉の使い方を自在に変化させる新しいアレンジでの「青と夏」、そして大森がフルアコを爪弾きながらポツポツと弾き語りする「僕のこと」。1番をひとりで、2番をバンド結成後ずいぶん経過し、この曲を完成する際に作ったという経緯に沿うように、2番で楽器の音が足されていく。不安や怖さを抱えているのは当たり前のことで、何かを発信することで誰かと出会い、思いが共振する。怖くても止まらないこと。この曲の意味とは違うけれど、年末に労いのメッセージを受け取った気分になってしまった。大人も救われる。
さて、今回のツアーがよほど楽しいのか、MCは彼らのコメント動画などで見られるようなシュール且つインプロのような爆笑モノの会話が頻発。大森が藤澤と若井に、映画"ONE PIECE FILM RED"のウタに提供しセルフ・カバーもしている「私は最強」を、"どこまでノー・ブレスで歌えるか"と対戦を仕掛け、ふたりとも酸欠になるまで歌い切る身体を張った挑戦が笑いを誘う。壮大な前フリを踏まえたうえで披露された「私は最強」は、改めてミセス節をウタ(Ado)というヴォーカリストにストレートに投げた曲だったのだなと認識。ここから始まったブロックはバンドのタフさがさらに冴える。「Soup」、「アボイドノート」と、複雑なリズム・チェンジも含むアンサンブルに5人のグルーヴを存分に感じた。そして、ようやく演奏された大森がハンドマイク、若井がグルーヴィなカッティングをしながらステージを移動する「ダンスホール」も、ロック・バンドが演奏するソウル・ナンバーといった趣きで、ロング・ヒット・チューンであると同時に、ミセスのライヴの幅を大いに拡張した感じだ。
長めのMCでは若井が久々のツアーで、地方でも待っていてくれたファンの存在を確認でき、改めて感謝の気持ちに溢れているとストレートに伝えたところに、大森がコード・カッティングして若井に即興ラップを促すと、なんとか形にしてしまう。ツアーは明らかにメンバーを鍛えたようだ。
続いて、リリースは最近だが、曲を作ったのはかなり前という意外な選曲の「スターダム」。重心の低い8ビートを堂々と届けるタフさがあった。さらに今回のライヴでのリアレンジで大胆に変化していて驚かされたのが、ミセスの基本姿勢であり、人間の倫理観にも触れる「パブリック」。静けさと強めの演奏がスイッチし、トーキング調のヴォーカルを挟むことで、より言葉が刺さるアレンジに進化していたのだ。ミセスのスタンダードと言えるこの曲に続いては実験的な「フロリジナル」。音源でのエディット感のある音の貼り合わせを生でも実現していて、パズルのような演奏に耳を澄ませてしまう。これまで大森の高度な歌唱や彼のカリスマ性を軸に、半ば力技で牽引してきた印象もあったのだが、明らかにメンバー全員でライヴ・アレンジを深め、研ぎ澄ませてきた演奏が続いた。本編ラストの「CONFLICT」も生音の良さに引き込まれてしまった。
アンコールではどデカいお知らせ3連発――結成10周年を迎える2023年は4年ぶりのフル・アルバムのリリース、7年ぶりの対バン・ライヴ、そして3年半ぶりのアリーナ・ツアーを発表し、ファンが狂喜するだけでなく、メンバーも嬉しさを爆発させていた。最後の最後にメジャー・デビュー曲「StaRt」、そして最新曲で"この曲を書けたことで次に行けた"と大森が語った「Soranji」という、ミセスが歩いてきた軌跡を集約するような展開をエンディングで見せてくれたのだ。ブレスからいきなりのトップ・ノートへ突き抜ける「Soranji」の歌い出しの迫力は、巧さだけで実現できるものじゃないだろう。再始動時の不安を、曲を作りライヴをすることで乗り越えてきた2022年の締めくくりに相応しい、記憶に刻まれるツアー・ファイナルだった。
[Setlist]
1. 藍
2. 灯火
3. ニュー・マイ・ノーマル
4. CHEERS
5. How-to
6. インフェルノ
7. No.7
8. soFt-dRink
9. 青と夏
10. 僕のこと11. 私は最強
12. Soup
13. アボイドノート
14. ダンスホール
15. スターダム
16. パブリック
17. フロリジナル
18. CONFLICT
En1. StaRt
En2. Soranji
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