Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

ラックライフ

2016年05月号掲載

ラックライフ

Member:PON(Vo/Gt)

Interviewer:吉羽 さおり

-10年前の何気ない言葉の意味を、今、理解できたということですか?

理解というか、なんとなく思い出したというか。結局また、あのとき感じたことと変わらんことを感じてるんですよね。たぶん、一生わからんのちゃうかなあと思うんですけど(笑)。不思議やなと思います。

-3曲それぞれでラックライフの強味が出たシングルですが、"メジャー・デビューします"というときの、周囲のバンドの反応はどうでしたか。

めちゃめちゃあたたかかったですね。1月に横浜BAYSISでやったライヴで発表したんですけど。僕らが思っている以上にお客さんも、友達のバンドも喜んでくれて。"そんなに喜んでくれんの?"って驚きました(笑)。泣いてるお客さんもおったし。友達のバンドのイベントやったんですけど、そのあとに出てくるバンドもみんな、ラックライフおめでとうっていう空気でライヴをやってくれて(笑)。愛されながら、10年やってこれたんやなってすごく嬉しかったです。10年苦労しながらやってきましたけど、しんどいことも山ほどあったし、辞めたいと何回も思ったけど。振り返ってみるとあっという間の10年やったんですよ。どちらかというと、楽しいことだらけやったなみたいな。周りは、苦労してることも知ってくれていたし、"10年てめちゃめちゃ長かったよな、あんなに頑張ってたもんな"って、泣きながら言ってくれる人もいて。友達もめっちゃ喜んでくれて、"祝うでー"って死ぬほど飲み会呼ばれたりとか。泣きそうです(笑)。

-自分たちとしてはあっという間の時間ですが、客観的に見れば10年って一区切りになるくらいの長さはありますからね。

そうなんですよね、10年って小学校よりも長いし。だって、子どもが生まれたら10歳になるんですよ(笑)。そんなん思ったら長いですよね。俺ら4人ともアホやから、"ああ、10年か。はははー"というタイプなので、それを重く感じてなかったんです。本人たちはノリノリで歩いてきた道やったので。それぞれの葛藤はありつつだとは思いますけどね。周りがそんだけ喜んでくれたのが、嬉しかったんですよね。

-それだけ見ていてくれたわけですもんね。ラックライフとしては、ここに至るまでに、メジャー・デビューに向けて、自分たちでも積極的に動いていたんですか。

それが、アホばっかりやから(笑)。今の事務所に所属するまでも、いろんなところからお話をいただいて挨拶に来てくれても、"ああ、どうもお疲れーっス"みたいな感じで、全然がっつかへんくて。俺は特にそうなんですけど、ラックライフはそのうち売れるから大丈夫って思っていて。自分からヘコヘコせんでも、行ける気がしてるからって(笑)。

-時は来るだろうと(笑)。

と思ってたら、全然そういうのがなくなっちゃった。というときに、今の事務所との出会いがあって。今の事務所の社長さんは、ラックライフを好きでいてくれて、"一緒に音楽を作って、死ぬまで一緒に音楽をやりましょう"と言ってくれたのがきっかけで。"そんな人初めて!"っていう(笑)。すごい前のめりで、ラックライフのことを思って話をしてくれていて。この事務所に入って2年くらいラックライフのやりたいようにやらせてもらって、力を貸してもらいながら活動している中で、今回こういう話をもらったので、これはもうやるしかないでしょと。"夢叶うっしょ"という感じですね(笑)。

-そのマイペースな思考が良かったのか(笑)。

もっと早く売れてたかもしれないけど(笑)。でもこれがラックライフらしい、いい形かなと思いますね。無理していないし。ちゃんと好きな人たちと一緒にできるのが、大きいと思いますね。

-ここからの、さらなるバンドの展望はありますか。

メジャーといっても、みんなきっとわからないと思うんですよね、メジャーとインディーの違いって。結局、メジャーだろうがインディーだろうが、俺らがやるのは曲作りとライヴだけじゃないですか。ちゃんとそこに信念を持って、自分たちが"これめっちゃええ曲やわ"って思える曲をいっぱい作って"今日めっちゃ楽しかったな"、"めっちゃいいライヴしたな"っていうライヴをやるだけやなっていうのを、いろんなインタビューでも読むじゃないですか。"音楽をこれまで以上に突き詰めて、自分たちのやりたいことをやるだけです"とか、テンプレ通りの答えやなって気持ちでいつも読んでいたんですけど、ほんまそれやわ、っていう(笑)。今までそう思っててごめんなさいと思いました(笑)。

-もう、本当に自分たちの音楽を突き詰めていくだけなんだなと(笑)。

周りに人が増えただけで、俺らは変わらないし。ラックライフの音楽は俺が作るし俺らが歌うし。と思ったら、これまで大事にしてきたものそのままでいいんだなと。なんにも手を離さんでいいし、むしろもっと強く握って、みんな楽しくなれたらいいなと思います。

-それを聴くと、これからもギターを持っていつもの河原に行って曲を作ったりするのも変わらなさそうですね。

変わらないですねえ、マジで(笑)。18歳のころからずーっと同じ場所に通い続けてますからね。僕らの地元のバンドはみんな、川で育ってるので。ヴォーカリストや曲作りする人は、昔っからアコギ持って川に行って朝まで歌ってます。なんやったらそこで後輩と鉢合わせて、仲良うなったりすることもあるくらい。安威川がなかったらつらいですね、僕は(笑)。ひとりになりたいときも行きますしね。パワー・スポット的な感じですかね。