Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

LIVE REPORT

Japanese

BRADIO / Yellow Studs / Large House Satisfaction

Large House Satisfaction

Official Site

2015.07.24 @下北沢LIVEHOLIC

山口 智男

"このライヴハウス、バカでしょ(笑)。キャパ・オーバーしすぎ。すごいメンツを出したいのわかるけど(笑)"
この夜、LIVEHOLICの開店を祝う気持ちを込め、Large House Satisfactionの小林賢司(Ba)が言った通り、現在のライヴ・シーンの最前線で活躍しているバンドが多数、顔を揃えたLIVEHOLICのこけら落とし公演シリーズ。そのセミファイナルとなる第16弾を飾ったのは、ガツンと来るロックを奏でながら、それぞれのやり方でスタイリッシュな打ち出し方をしている3組のバンドだった。

それぞれに個性が強すぎる分、リスナーを選びそうな3組が揃ったにもかかわらず、前掲の言葉通り、開演前から場内はギッチギチのすし詰め状態。入口から入ったものの、前に進むことができず、バンドの演奏に合わせ、上下左右に揺れる無数の頭越しにステージを眺める羽目になってしまったが、この夜はいわゆるキッズのみならず、年齢が高めのお客さんが少なくなかったのが印象的だった。


トップバッターは結成から10年、精力的なライヴ活動がようやく実り始め、めきめきと頭角を現してきた3人組、Large House Satisfaction。最近、ロック系のライヴに足を運ぶと、かなりの確率で彼らのライヴに出くわすことが多いが、観客の手拍子と"ランラララ"というシンガロングを誘った1曲目の「CM」からダンサブルな魅力もあるロックンロールを畳み掛ける彼らにギュウギュウ詰めの客席はあっという間にヒートアップ。"まだまだいけるだろ、おまえら!まだまだ足りない足りない!"賢司が曲間、火に油を注ぐように客席を煽りながら、披露した曲はライヴの定番ばかりなのだから盛り上がらないわけがない。中盤、"新曲を持ってきました"と「セイギノシシャ」を客席にぶつけると。ギターのリフが豪快なハード・ヒッティンなロック・ナンバーにオーディエンスは早速、"オイ!オイ!オイ!"と応える。この盛り上がりはもう誰にも止められない。そして、"LIVEHOLICに捧げます!"と、最後に「Stand by you」を演奏して締めくくった。


"こんばんは。イエスタです。来い!"という野村太一(Key/Vo)の掛け声でスタートしたイエスタことYellow Studsは、メンバー全員がスーツでキメた5人組。2003年の結成以来、インディペンデントであることにこだわった活動を続けてきたが、彼らは演奏する音楽もまた独自路線を貫いている。野村太一のキーボードがジャズっぽいフレーズを奏でる冒頭の2曲――「ロック」と「ライブハウス」は、ボン・ボン・ボンと唸るウッド・ベースを含むバンド・アンサンブルの押しと引きを聴かせ、アダルトなムードを印象づけたが、そこから一転、ファンキーなロックンロールの「言葉にならない」とスカの「脱線」ではマイク片手に野村太一が客席に身を乗り出すという激しい一面もアピールした。
この日演奏した新旧の10曲の中で1番印象に残ったのが「中野ワルツ」。タイトル通りワルツのリズムを持ったロックンロールだが、徐々に熱を帯びる演奏を聴きながらイエスタの音楽は大人と背伸びした子供のためのロックンロールなんだと思った。ただ、観客を暴れさせて終わりじゃない。この夜もゴキゲンなビートで踊らせたり、じっくりと酔わせたり、もちろん激しい演奏で暴れさせたり、曲ごとに変わる観客の反応からもイエスタの音楽はユニークなものであることが伝わってきた。
ラストはKIRIN氷結ストロングのCMに使われた「トビラ」をこの1番の激しさで披露。直前に演奏したのが、せつない物語をしっとりと聴かせ、観客の気持ちを鷲掴みにした「秋晴れの空」だっただけに「トビラ」の激しさはより一層際立っていた。


そして、メンバーそれぞれに赤・黄・青・緑色のスーツを着たBRADIOは6月3日に1stフル・アルバム『POWER OF LIFE』をリリースしたその勢いで、Large House Satisfactionとイエスタが盛り上げた客席をダメ押しで沸かせるという、先輩たちから花を持たせてもらう形で務めたトリの大役を見事、まっとうしてみせた。


彼らが提供したのはオープニングの「Flyers」を始め、R&Bをベースにしたファンキーなロック・ナンバーとセクシーなバラード「Chocolate Flavor」、そして誰もが楽しめる最高のエンターテインメントだ。曲数はアンコールを含め、全6曲と少なめだったが、曲間にバンドと観客のコール&レスポンスを何度も盛り込んでいたから、物足りなさはこれっぽっちもなかったはず。
以前は若干、照れが見え隠れしていた真行寺貴秋(Vo)もこの日はすっかり特大アフロヘアーのファンキーなキャラクターに徹して、MCの最中、ふと口にした"ソオォォル!(=ソウル)"というフレーズをアドリブで繰り返して、笑いを取るなど、フロントマンとして格段に成長した姿をアピールした。その彼が最後に"誰もが持っている笑顔になれるという才能を見せてくれ"なんてセリフを真顔で口にするわけだ。そこにいる誰もが笑顔にならずにいられないじゃないか。

本編ラストの「FUNKASISTA」、そしてアンコールの「スパイシーマドンナ」。全員が終演を惜しむように存分に踊り狂った。