Japanese
Large House Satisfaction
2012年03月号掲載
Writer 遠藤 孝行
2010年にリリースされたTHE BLUE HEARTSのトリビュート・アルバム『THE BLUE HEARTS “25th Anniversary” TRIBUTE』にPUFFY、BEAT CRUSADERS等の大御所と共に大抜擢され、名曲「チェルノブイリ」をカヴァーしその名を一気に広めた3ピース・バンドLarge House Satisfactionがいよいよ1stシングル『Traffic』をリリースする。
彼らの魅力は疾走感溢れるヘヴィなギター・サウンドとバンド・アンサンブル。全身から吐き出される様な、激しく艶やかなヴォーカル。そして圧倒的なライヴ・パフォーマンス。魅力を1つ1つ上げると切りがないが、一言で表すならば理想的なロックンロール・バンドであるということだろう。今どきの日本のロック・シーンを追いかけている人にも、これまで沢山のロックを聴いてきた人にも自信を持っておススメ出来るバンドだ。
2005年に高校の同級生だったベースの小林賢司とドラムの田中秀作が組んでいたバンドに賢司の弟である小林要司がヴォーカル、ギターとして加入し結成。逆OASISの様な流れだが、兄弟仲は一緒にお風呂に入るくらい良いのだそう。70’s、80’s、そして日本のロックンロールを下地とした、ストレートなロックを鳴らす。ギター、ベース、ドラムという最小人数で放たれるそのグルーヴは鳥肌もの。あの怒髪天やGOING UNDER GROUNDなど、多くのアーティストの楽曲をプロデュースしているあの上田健司が “3ピースではこれが限界と思える程たくましいリフとグルーヴが彼らには満載している”と絶賛するほどだ。
そして今回リリースされる2曲入りシングル『Traffic』、タイトル曲は彼らの魅力が凝縮された必殺のロックンロール・ナンバー。ライヴに足を運んでいる方ならお馴染みかもしれないが、終盤で披露されるこの曲の破壊力は凄まじい。四つ打ちのビートにソリッドなギターが絡み合い、キャッチーなコーラスのリフレインに突入する。この強烈に耳に残るリフレインがこの曲を特別なものにしているし、その後訪れるサビを一層引き立たせている。生々しく荒々しいサウンドも彼らのライヴ感をそのまま伝えている。今年のアンセムの1つになるのは間違いないだろう。カップリングである「デルテ」も絞り出すようなエモーショナルなヴォーカルとヘヴィでメタリックなサウンドがバンドの新たな一面とポテンシャルを覗かせている。
まずこの1stシングルでぶっ飛ばされてほしい。そして全身の血がたぎるようなライヴを体験してほしい。ちょっと悪そうで最高にクールなロックロール・バンドを探しているなら彼らに飛びつかない手はないだろう。
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