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INTERVIEW

Japanese

ラックライフ

2016年05月号掲載

ラックライフ

メンバー:PON(Vo/Gt)

インタビュアー:吉羽 さおり

多くの盟友や先輩/後輩バンドを呼び、徐々に規模を大きくしながら大事に育て上げて、38回目を迎えた自主企画イベント"GOOD LUCK"を成功させたラックライフが、結成10年を経て満を持してメジャー・デビューを果たす。ふとしたときに心を灯す歌は、このデビュー・シングル『名前を呼ぶよ』にも変わらずある。グッド・メロディとライヴで鍛え上げてきた熱いアンサンブルで、ずっとその火を絶やさぬようにエネルギーを送り続ける曲は、実にラックライフらしい。愛と笑顔を生み出すような今作について話を聞いていたら、同時にこれまでのラックライフの歩みも辿っていくようなインタビューとなった。

-メジャー・デビューが決定して、その第1弾となる作品がシングル『名前を呼ぶよ』になりますが、このシングルをメジャー・デビュー曲として選んだのは、どんな思いがあったんですか。

TVアニメ"文豪ストレイドッグス"エンディング主題歌のタイアップをいただいて、曲を書いてほしいと言われたのが最初で。それで"メジャー・デビューしましょう"という感じだったんです。バラードが欲しいというオーダーだったんですけど、まずはどんな歌にしようかなと思いながら原作を読ませてもらいました。自分と重なる部分を探していたんですけど、主人公の"人は誰かに認められないと生きていけないんだ、「生きていていい」って言われないと生きていけないんだ"っていうセリフがあって。ああ、すごくわかる気がするなと思って、このことを曲にしようと思ったんです。それで、自分に重ね合わせて考えてみたら、やっぱりバンドのことやったんですよね。バンドを10年くらいやってきて、しんどいときもいっぱいあったけど、自分が落ち込んでいるときに"ラックライフの音楽がすごく好きです"とか"支えられてます"と言ってくれるそのひと言が、自分の中で支えになってた部分があって。そうやって自分を認めてくれて、助けてくれた人たちへの恩返しじゃないですけど、自分たちが歌うことで、その人たちの支えになれたらいいなと思って書いたのが、この「名前を呼ぶよ」(Track.1)なんです。

-この"名前を呼ぶよ"というフレーズはシンプルだけれども、とてもいろんな思いを含んだいい言葉ですよね。これは、制作の早い段階で浮かんだ言葉だったんですか?

"自分が自分でいられる"ってどういうことやろなと思いながら、歌詞を書いていたんですけど。名前って、自分だけのものじゃないですか。同じ名前の人もおるけどそんなん抜きにして、自分が自分でいられる1番の理由が名前やと思うんですよね。あだ名でもいいし。自分のことを、相手が認識してくれてるから呼んでくれるし、名前を呼んでもらったら"自分はここにおるなあ"と、ここにいてもええんかなと思えるというか。バンドでもそういう場面がたくさんあって。そういうものに支えられてきたなと思ったんですよね。

-バンドの歩みと、これからのことを重ね合わせても、とても響く曲ですね。

ありがとうございます。

-曲もサウンドも前向きであたたかいものだけれど、歌詞の中にはダークな部分も含まれいますよね。"『いなくてもいいか』"なんて、ハッとするようなフレーズだと思うんです。

ネガティヴ発信ポジティヴ志向なので。そういうときのことを思い出しながら書いたからというのもあると思うんですけど、でもやっぱり今でも不安になるときなんて山ほどあるし。今、メジャー・デビューさせてもらえるということで、たくさんの人が力を貸してくれるんですけど、"自分でええんかな?"って思うときもあったりして。そういうところから始まった曲でもあるんですよね。

-そういった不安からの、リアルな心情なんですね。

僕は地元の安威川までアコギを持っていって、曲を作ったりするんですけど。曲が全然出てこおへんときとか、ほんまに"消えた方がええんちゃうかな"とか、曲できへんのやったらいる意味ないやんって思って......。

-その発想までいっちゃうんですか。

そうなんですよね。あの孤独感みたいなのって、他の人にはない感覚やと思うんです。バンドでは、自分が曲を書かんと何も始まらへんのに、書けへんみたいなときって、ほんまに消えたくなるし、おらん方がええんちゃうかとか(笑)。自信も何もなくなってしまって。でもそういうところから這い上がらせてくれるのは、ライヴで見る光景やライヴのあとのお客さんの顔で。そういうのを思い出して、やっぱり"やらなあかん"という感じで自分を奮い立たせる力をもらっているので。いつもそこに感謝してますね。

-しんどいなっていうときに見えているもの、思い浮かべるものっていうのは、他の何よりもライヴなんですね。

やっぱりライヴが、生々しくいろんなものを受け取れる場所でもあるし。遠い場所でCDを聴いてくれている人ももちろんそうやし、今やったらSNSで、"ラックライフ聴いてますよ"とか"ライヴ行けへんけど、聴いてるから頑張って"とメッセージをくれたり。そういうのをひとつひとつ思い出していると、最終的に行き着くのはライヴの光景やったりしますね。

-デビュー作がバラードというのは、ラックライフとしてもPONさんとしても問題なかったんですか?

僕は自信のある曲が書けたら何でもいいと思っていたので、そこは全然問題なかったです。バラードでメジャー・デビューって珍しいけど、それもラックライフらしくていいかなという軽い気持ちで(笑)。