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INTERVIEW

Japanese

ネクライトーキー

2023年08月号掲載

ネクライトーキー

Member:もっさ(Vo/Gt) 朝日(Gt) 藤田(Ba) カズマ・タケイ(Dr) 中村 郁香(Key)

Interviewer:石角 友香

音楽フリークの琴線に触れる楽曲の幅を示したメジャー2ndアルバム『FREAK』(2021年5月)、初のシングル『ふざけてないぜ』(2021年9月)以来の新曲が一気に4曲パッケージされた、初のEP『踊れ!ランバダ』。すでに収録曲である「ランバダ・ワンダラン」は4月に開催されたファンからの人気投票曲を演奏したツアー"ネクライトーキー「ゴーゴートーキーズ!番外編 ~泣いても笑ってもアンケート順に演奏ツアー~」"で披露されたが、改めて音源になるとバンドの持ち味である奇想天外感と音楽的な深さを両立した曲であることがわかる。今回は初のEPでもあり、よりアプローチに自由度が窺え、もっさのヴォーカリスト、ストーリーテラーとしての個性も際立つ。次なる季節の入口にいるメンバー全員に話を訊いた。

-リクエスト・ライヴ・ツアーの、自分たちに選択の余地がないという状況はどうでしたか?

藤田:ライヴで人気な曲が結構ランクインしてたんで気負うことなくできましたね。

-なかなかハードそうでした。

朝日:元気な曲が集まって(笑)。

中村:バラードが思ったより少なかったので、ずっとテンション上げていく感じでした。

-そのライヴのアンコールですでに「ランバダ・ワンダラン」は披露していましたが、これはネクライトーキーの『FREAK』以降の次のフェーズと捉えていいんですかね?

朝日:次のフェーズっていうか、まぁそう行けたらいいなっていう(笑)。

-そういう心持ちでっていうことでもなかったんですか?

朝日:明確に変えようとかじゃなくて、単純により良くなっていけてたらいいなっていうので。でもメロディの書き方とか曲の書き方はわりと意識して、やってない感じのことをやろうっていうのはあります。

もっさ:角度が"そこから差すんや"と思われるような気が(笑)。

朝日:すごく鋭角だったりすごく優しかったり。

藤田:朝日さんが"より開けた音楽にしたい"みたいなのはずっと言ってたんで。『FREAK』のときが、"FREAK"ってタイトル通り音楽フリークに向けた曲の集まりみたいな感じだったので、もうちょっと開けた曲も作っていきたいみたいなのはありました。

タケイ:その結果が「ランバダ・ワンダラン」(笑)。

一同:(笑)

もっさ:"開けた曲作ろう"ってなってたけど、みんなが"めちゃくちゃ面白いやんこの曲!"って盛り上がったのが「ランバダ・ワンダラン」で、それを肉づけしていったらこんな感じになっちゃって、"おや"ってなってる(笑)。びっくりした。

タケイ:歌ってて気持ちいいとか、そういうようなテーマがあったけど。

もっさ:気持ちいいようなものを作ろうってなったなかで、でもみんな結構この曲で盛り上がらんかった?

藤田:一聴してめっちゃ爆笑しながら最初から最後まで聴いて、"絶対やりたい"って。

もっさ:デモを聴いたときにみんなで"めっちゃおもろいやん、この曲!"っていう反応があったのが「ランバダ・ワンダラン」だった気がする。

朝日:とはいえ、歌メロに関してはすごく歌モノを目指してはいて。それの中で、バンドの演奏っていうのがどんだけ自由であれるか? っていう、ある種......好みの部分ではあるんですけど。せっかくバンドやってるんだから、ただただメロディに付き従う演奏陣じゃなくて、楽器がちゃんとバンド・メンバーとして主張のあるもの、プラスそれに負けないメロディがあればいいなと。まぁ結果として、一聴した感じはすごく特殊な感じの曲にはなったんですけど、メロディとしてはすごく歌ってて気持ちいい歌モノっていう最初のコンセプトは一応、俺の中で達成してる(笑)。

-(笑)歌謡的なものがあるなと思ったんですよね。

朝日:そうですね、なんとなく。イントロからまずピンク・レディーを意識して(笑)。

-「UFO」みたいな?

朝日:「UFO」みたいな(笑)。あの時代のメロディの良さがもともと好きで、それをネクライトーキーがやったりもっさが歌ったりしたら楽しそうだなっていうのはずっと思ってたので、歌ってて気持ちいい歌モノっていうのを考えているなかで歌謡曲っていうのはすごく大きなヒントになったと思いますね。

-それを"こうやったら面白いんちゃうか?"というバンド・アレンジをしてたらこうなったと。

朝日:(笑)歌謡プログレ。

もっさ:やりたいことがいっぱいあって。

-今って奇怪なぐらい展開が多いような曲もヒットしてたりしますけど、そういうことではなかったんですね。

朝日:あ、でも昔から奇怪な曲、案外ありますから(笑)。

-(ネクライ)トーキーにも?

朝日:いや日本に。なんなら昭和歌謡のほうが展開めちゃめちゃ多いとかね。「君に、胸キュン。-浮気なヴァカンス-」(YELLOW MAGIC ORCHESTRA)とか途中から驚くほど繰り返す、あれ聴いててすごいなと思って。"君に胸キュン"っていうワードが途中で......。

-"キュン(キュン)"ってリフレイン?

朝日:はっぴいえんどとかも、サビとか関係ない曲いっぱい出して、それでもみんなの心を掴んでるし。意外とみんな歌のメロさえしっかりやれば、きっと聴いてくれるんだなっていうところはあるんですよね。

-歌謡曲的なメロディがありつつ、そこからは?

朝日:そもそも最初に思いついたのが、イントロの最初の"ツッツッツッツッ~"っていうあのフレーズで。そこから、ちょっとシリアスなメロディ、ちょっと開けたメロディ、ちょっと寂しいメロディっていうふうに組み立てていって、時間をかけてメンバーとも話をして、コーラス・パートができて、ソロ・パートができました。