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INTERVIEW

Japanese

ネクライトーキー

2021年05月号掲載

ネクライトーキー

ネクライトーキー

Official Site

メンバー:もっさ(Vo/Gt) 朝日(Gt) 藤田(Ba) カズマ・タケイ(Dr) 中村 郁香(Key)

インタビュアー:石角 友香

昨年9月に開催した東京、大阪の野音公演をパッケージした『ゴーゴートーキーズ! 2020 野外音楽堂編』を4月にリリース。20曲超えの熱演を異なるアングルで切り取り、ライヴ・バンドとしての魅力を詰め込んだこの作品に続き、音楽愛とバンド愛が凝縮された待望のニュー・アルバム『FREAK』を今月リリースする彼ら。90年代ギター・ロックや、オルタナ好きをニヤニヤさせつつ、知識を超えたところでバンドの楽しさや、フロントマン もっさの急成長を見守ってきたファンも多いなか、ニュー・フェイズに突入した印象が強い今作。コロナ禍の中でメンバーが感じたリアルもそこここに表現された内容をひもといていく。

-ライヴ映像作品(『ゴーゴートーキーズ! 2020 野外音楽堂編』)からアルバムと怒濤のリリースですね。みなさんは、映像作品として野音のライヴはどこを推しますか?

中村:ピンポイントでいいですか? 久しぶりに有観客でやった大阪城公園(大阪城音楽堂)で、自分の機材の音が鳴らなくなったときのみんなのフォローの仕方を見てほしい。

藤田:東京と大阪では撮り方が全然違うので。セットリストは言っても数曲しか違わないんですけど、それでまったく映像の印象が変わってるのが面白いんで、両方観ていただけたら。

もっさ:CDの作り込んでる音源もいいけど、ライヴならではの生々しい音も面白いんじゃないかなと思います。

-そして3枚目のフル・アルバムの『FREAK』ですが、ネクライトーキーが音楽的にどんどん自由になってる印象を受けました。今回はどういうタイミングでした?

朝日:ほとんどの曲がやっぱり、コロナ禍で制作した曲ですね。最初はWEEZERの"グリーン・アルバム"(3rdアルバム『Weezer』)みたいな、超聴きやすいのを作るぞと思ったんですが、意外と......自分的には聴きやすいアルバムにしたつもりなんですけど(笑)。

-短い尺で1曲にアイディアのコアが詰まってる感じがします。これはどのバンドもそうだと思うんですけど、なかなか自由に動けない状況の中、曲作りへの影響はどうでした?

朝日:家にいることが多かったんで、より生活のことを歌にしてるような気がします。今こそ生活のこと考えるのが一番面白いやろなっていう、勝手にそんな感じにはなりました。

-朝日さんから最初に出てきた曲はどれですか?

朝日:今回、ビデオになった「続・かえるくんの冒険」。意外とスッと出てきたというか、裏テーマとして――隠れてないんですけど(笑)、ゲーム音楽があって。シンプルに最初の電子音から後半、バーンってバンド・サウンドになるんですけど、その合間にもズーっていうコントラバスみたいな音が入ってるんです。それも電子音に生楽器を混ぜて、だんだん変化させていって、みたいなのがやりたくて。最近ゲームをやってて"今のゲーム音楽、めちゃくちゃ音いいな"とふと感動したときに考えたんです。この変化ってものすごく面白いなぁって、なんとなく自分なりに歴史をなぞらえてみた曲というか、自然な流れで考えました。

-すごいじゃないですか、このサビ。

朝日:いつもサビとかが変化していくのを"こういう感じにしたくて"って言葉で説明しても、メンバーにキョトンとされるだけなんですけど、今回どうしても伝えたかったんで頑張って歌詞まで書いて(笑)。"こういう変化をつけたいねん"って頭の中ではできてるんですけど、言葉でいくら話してもたぶん伝わりにくいんで、デモ段階で作り込みました。

-民族音楽的な意味でのフォークロアという感じがして。

朝日:たしかに民族音楽的なのはすごく好きで。CD屋でワールド・ミュージックの棚とかがあったら、そっち系をとりあえず手に取ることは多いですね。ゲーム音楽って、ワールド・ミュージックと深い繋がりがあって。海外のゲーム・メーカー、有名なんでいうと"スーパードンキーコング"とか、あれは海外で作って任天堂が発売元になってるんです。だから、海外のゲーム会社に作曲家の方がいて、その人の作る曲にもすごく影響を受けてるんで。

-今、オンライン・ゲームの市場がすごくて、そこで孤独を感じずに生きられてる人が多いらしいです。ゲームっていうキーワードは今、大きいかもしれない。

朝日:僕の生まれ年ぐらいにスーパーファミコンが発売されて、そこから怒濤の進化を遂げて。子供の頃、スーパーファミコンの最新のゲーム機器は家になくて、まずはファミリーコンピュータがあったんです。それをやってたから、人が左右に動いてテニスボールを打ち返すだけのゲームから始まって、今や世界中の人たちが現実みたいなグラフィックでゲームしてる。そんなワクワク感を貰ってきたんで、そういう冒険みたいな感じを曲の中に入れ込めたらいいなってのはイメージしながら作ってて。めちゃくちゃ楽しかったです。

-勇ましさというか、こういうタイプのもっささんのヴォーカルを聴くのも初めてで。

もっさ:歌にも力が入るというか、勇気が出るような歌い方に勝手になっちゃいますね。

-1曲目の「気になっていく」もなかなか挑戦的な曲じゃないでしょうか。

朝日:これは一番苦労した曲です。アルバムを作っていく過程で"ちょっと元気な、派手目な曲もあったらいいな"って空気感もありながら(苦笑)、どうしようと思って。自分の中でのやりたいことと周りの注文でいろいろ悩みながら、でも、周りも俺のこと知ってるから、"もう1回「オシャレ大作戦」(2018年リリースの1stフル・アルバム『ONE!』収録曲)みたいな曲書いてよ"とは言わないんですね、絶対。だから、今までやってないタイプの曲で元気が出て、派手で......難しい! と思いながら、作ってったらこういう感じになって。意外とこのアルバムの中で唯一、人に聴かれることを意識した曲かもしれないです。

-しかも歌始まりだし。

もっさ:1曲目の始まりの言葉も気にしたんだろうなと思いました。"曇天"の"どん"って(笑)、そういうの考えてこの歌詞選んだのかなと。

朝日:"どん"って僕の中で一番キャッチーだと思ってる(笑)。

-この"席で待ってるだけの何もない時間"のところのメロディと展開、かっこいいですね。

朝日:ここ、一番気に入ってます(笑)。一番聴いてほしいのはドラムなんですよ。ドラムが......あれどうなってるの?

タケイ:それはもう最近のトレンドっちゃトレンドなんだけど、J DILLA的なビートを取り入れております。

藤田:この曲はタケちゃん(タケイ)がほんとに好きなことしまくってる(笑)。

-謎な歌詞もありますけど、比較的シリアスというか現実に即してる感じがしました。

朝日:曲もすごく考えたんですけど、今回のアルバムは結局歌詞に一番心を割いたかもしれないですね。

-もっささんは歌ってて感情移入っていうか、そのままスッと歌いやすかった曲と、気持ちを作らないといけなかった曲というのはありますか?

もっさ:スッと歌えたのは意外と「はよファズ踏めや」ですね。逆に「気になっていく」はスッと入れないというか、ただ単に難しかっただけって感じで。「豪徳寺ラプソディ」も全然スッと歌えてないんですよ(笑)。一番時間がかかったというか、これはなんなんだろう? みたいな(笑)。たしかに悩むのが多かった気がする。やっていくうちにどんどん馴染んではきたんですけど、レコーディングは......。

朝日:ライヴでやるとわりとパキッと歌うんですけど、レコーディングのときにね。"ダラダラ歌って"って。

もっさ:そう。"ダラダラ歌ってほしい"、"こんな感じぃ~?"とかやりとりして。あんまり普段そんなふうに歌わなかったから、若干不慣れな感じ(笑)。

中村:この1枚にいろんなもっさがいますよね。

-「豪徳寺ラプソディ」は個人的にはDINOSAUR Jr.みたいに聴こえました。

朝日:あぁー。そのあたりとか、歌い方は"もっとPAVEMENTみたいな感じで"みたいな(笑)。俺、「Cut Your Hair」のド頭の超不安定なコーラスめっちゃ好きで。

もっさ:音程を当てにいかない。逆にそれが難しかったです。"逆にちょっと当たらない感じで"って。

朝日:今の時代、そういう音源出したらみんな普通に聴いてくれないんだろうなっていうのも(笑)、途中で若干冷静に思うんですけど。でも、"構うもんか"って(笑)。