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LIVE REPORT

Japanese

ネクライトーキー

Skream! マガジン 2020年11月号掲載

ネクライトーキー

Official Site

2020.09.27 @日比谷野外大音楽堂

Reported by 三木 あゆみ Photo by 垂水佳菜

この日ネクライトーキーは、揺らいでいた天気も、どんよりとした人々の心も晴れさせた。9月27日に日比谷野外大音楽堂で行われた"ゴーゴートーキーズ! 2020 野外音楽堂編"。この公演は、新型コロナウイルス感染拡大予防のガイドラインに基づいた対策を講じたうえで、観客を入れて開催された。メジャー・デビュー・アルバム『ZOO!!』のリリース・ツアー"ゴーゴートーキーズ! 2020春"が、初日以降中止となってしまったこともあり、都内で彼らのライヴが観られるのは久しぶり。会場に入った瞬間から、テーマパークにでも来たかのように気分が高まってくるのがわかる。この久々の感覚を、ここにいるファンたちはみんな噛みしめているのだろう。そう思うと、生でライヴを観ることができる嬉しさがさらにこみ上げてくる。当日は雷雨の予報だったが、彼らが音を鳴らす時間はずっと晴れていた。それも何か不思議な力が働いているような気がしてならなかった。

SEが鳴り出しメンバーが登場すると、観客は声を出せない代わりに大きな拍手で迎える。もっさ(Vo/Gt)が飛び跳ねながら嬉しそうに客席を眺め、1曲目からパワフルな「虫がいる」でライヴが幕開け。そこから「夢みるドブネズミ」、「めっちゃかわいいうた」、「音楽が嫌いな女の子」と続け、会場のボルテージをぐんぐん上昇させていき、観客も負けじと手拍子でステージに熱を返す。この日のもっさの歌声は雲をも貫く勢いで突き抜けており、朝日がかき鳴らすギター、地面を伝って心臓に響いてくる藤田のベース、グルーヴを引っ張るカズマ・タケイのドラム、彩りを与える中村郁香のキーボードと、野外で浴びる5人のバンド・アンサンブルは、これ以上ないくらい清々しく爽快で、なおかつものすごくエモーショナル。歌詞にもリンクする夕暮れに歌われた「放課後の記憶」では、一本筋の通ったもっさの声がより心に刺さった。だんだんと空が暗くなるなか、賑やかな夜の始まりを予感させる「だけじゃないBABY」、「夏の暮れに」、「夕暮れ先生」を披露。日暮れの様子と絶妙にマッチするセットリストも秀逸だ。

そして、5人の歌声がしっかりと届けられた新曲を終え、ライヴの定番曲「許せ!服部」が始まるのだが......これがもうすごかった。もっさが"CD"と"ライブ"のパネルを交互に上げ、楽器隊はアグレッシヴなアレンジの"ライヴ・バージョン"と、"音源バージョン"を代わる代わる演奏する。それから、"ライヴ・バージョン"のまま、爆発するかのようにソロ・パートに突入! ショルダー・キーボードを背負いステージ前方に飛び出してきた中村からスタートし、全員のソロを放ってヒートアップしていったこの曲は、この日のハイライトのひとつだった。個性際立つ5人の姿は、戦隊ヒーロー感まである。また、この曲で朝日が"騒ぐな服部ー!!"(※普段は騒げ)と叫んでいたのも、いつもの"1、2、3、4"の掛け声が手拍子に変わったのも、この日ならではの味であった。

すっかり暗くなった時間帯にぴったりな「渋谷ハチ公口前もふもふ動物大行進」、スポットライトに照らされてもっさが歌い出したバラード「深夜とコンビニ」と、ぐっと聴き入るナンバーも披露。"いろいろありましたが、生きて音楽やれているので良しとしましょうか"とMCで朝日が話し、演奏された「明日にだって」は、より意義深いものに聴こえた。それぞれの音のディテールが鮮明だった「こんがらがった!」、イントロのアレンジのセンスが抜群な「北上のススメ」でラスト・スパートを掛け、最後は「朝焼けの中で」。ポップさの中にどこか切なさが漂うこの曲を全身で感じながら、"いろいろあるけれど、明日も生きよう"と改めて考えた観客も多かったのではないだろうか。一音一音に想いを込めたエンディングを経て、メンバーはステージをあとにした。

会場いっぱいに響くアンコールの手拍子を受け、再び5人が登場。もっさから"こういう世の中ですが、ライヴはやろうと思います"と告げられ、12月に5大都市ツアー"ゴーゴートーキーズ! 2020 師走"を開催するという嬉しい知らせが。そして、今月28日にリリースとなるTVアニメ"秘密結社 鷹の爪 ~ゴールデン・スペル~"主題歌の新曲「誰が為にCHAKAPOCOは鳴る」、「オシャレ大作戦」、「遠吠えのサンセット」と熱く駆け抜けていき、アンコール含め全23曲、ロックにポップに大展開し、充実のワンマン・ライヴは幕を閉じた。バンドのライヴとして、音楽のエンターテイメントとして、ユーモアとアイディアに溢れる素晴らしい景色を見せてくれたネクライトーキー。会場をあとにする観客たちの表情も、マスク越しでもわかるほど明るかった。

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