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INTERVIEW

Japanese

BiSH

2019年07月号掲載

BiSH

メンバー:セントチヒロ・チッチ モモコグミカンパニー ハシヤスメ・アツコ

インタビュアー:宮﨑 大樹

-リード曲で言うと『CARROTS』のリード曲が「I am me.」ですよね。みなさんがもしBiSHじゃなかったらというパラレルワールドのMVも公開されていて。

チッチ:私は助監督の役だったんですけど、普段から仲のいいまこっちゃん(田中真琴)と一緒に住んでいるっていう役だったので、今までのMVの中では一番自然体で撮影できました。BiSHに入る前はテレビ制作を目指して専門学校に行っていたので、やりたいことをやらせてもらった感じがしています。

-ハシヤスメさんは通勤中のOLみたいな役でしたよね。

アツコ:この仕事をしていると、通勤の時間帯に電車に乗ることもたまにあるんですよ。そういうときって"あ、これを毎日経験しているサラリーマンやOLってこんな気持ちなんだ"って自分が原点に戻れるような感じがするんです。今回この役を演じて電車を待っているときも、役になりきって電車を待っていました。

-憂いを含んでいるような絶妙な表情でしたよね。

アツコ:あれは素な感じでしたね。"BiSHじゃなかったらどうだったんだろうなぁ"とか思って(笑)。そういう気持ちになったMVでした。

モモコ:私は美容師のアシスタント役をやらせていただきました。美容師になりたかったというわけではないんですけど、"そういう人生も楽しそうだな、でも大変そうだな"とか考えつつ、BiSHじゃないとしても、私はそんなに変わってないんだろうなって思いましたね。この感じで違うことをやっているだけなんだろうなと。

-BiSHに入って変わった、みたいなことはそんなになかったんですか?

モモコ:生き方みたいなのは昔からずっと同じですね。全然変わってないと思います。好きなものとかもあまり変わらないし。ただ、BiSHに入って外界からの刺激みたいな、いろんなものと生で触れ合うことは多くて、そこでいろんなものを吸収できているっていうのは確実にあると思います。

-モモコさんは今回のアルバムで2曲作詞していますけど、そういう、ここ最近の刺激だったり、吸収したものだったりを反映しました?

モモコ:どっちも反映していますね。「CHOP」っていう曲の歌詞は、BiSHのことを考えて書きました。こんなにも違う6人が一緒の空間に集められているので、楽屋にいると窮屈で空気が悪いときもあるんです。だけどこれが、もしいつか終わってしまうものなら、一緒の空間にいる今は終わったあとからしたら全部楽しいことになるんじゃないのかなって考えて。それでポップめな歌詞にしました。

-個人的に「CHOP」がすごく好きで。聴いていて気持ちいいんですよ。

モモコ:私もデモを聴いて好きになったんですよ。だから、誰よりも先に歌詞を提出してしまって......本当はあっちゃん(アツコ)も歌詞を書きたかったみたいなんです。ちょっと先走ってしまったら、私の書いた歌詞に決まっちゃって。

アツコ:これから書こうと思ったら"もう決まりました"って。

一同:(笑)

アツコ:まだ曲も聴いていないのに(笑)。期限が近いものから先に片付けていくタイプなんですよ、私は。

モモコ:先に提出しても6人の歌詞を待って決めると思うじゃないですか? でも決まっちゃったんです。それくらい好きで、スラスラ言葉が出てくる曲でした。

-先ほどモモコさんは、初期メンバーだから激しい方、汚い方がBiSHと言っていましたけど、この曲はそれこそ『Brand-new idol SHiT』(2015年リリースの1stアルバム)時代の空気感を感じたんですよ。

モモコ:他の方にも"「DA DANCE!!」(『Brand-new idol SHiT』収録曲)の第2期みたいな感じがするよ"って言われたことがあって。自分的には『CARROTS and STiCKS』には明るい面、暗い面があるなかで、「CHOP」はディストーションがかかっているけどそんなに暗くない、ポップな面を持ち合わせている中間の曲だなと思っています。初期のBiSHだと「ぴらぴろ」(『Brand-new idol SHiT』収録曲)っぽいなって感じがしますね。ライヴでやったらお客さんも喜んでくれるのかなって。

-最近はこういうテイストの曲があまりなかったですよね。

アツコ:選ばれなかったのかもしれないです。こういう曲の歌詞を書いたことも結構あったんですけど、採用されていないんですよ。

モモコ:あっちゃんはメンバーの中でも一番ポップで明るい歌詞を書く人だなって思うんです。だからこういう曲が合ってたかもしれないので、ちょっと申し訳ないです(笑)。

アツコ:いやいやいや(笑)。ちょっと話が変わるんですけど、「FREEZE DRY THE PASTS」っていう曲の歌詞は"縄文"、"弥生"、"古墳"、"飛鳥"、江戸時代の年号とかを全部入れた歌詞を書きました。年号が変わるときに新年号の予想とかも書いて。採用されたのは松隈さんと渡辺(淳之介/マネージャー)さんの歌詞なんですけどね。

モモコ:私は駅名を並べて入れてました。"明大前を通って~"みたいな(笑)。

-(笑)歌詞で言うとチッチさんは「FiNALLY」の作詞をしていますよね。凶悪な『STiCKS』の中でもクールな面もあってカッコいい曲です。

チッチ:私の心の中にあるヘイトな部分を冷静に書きました。"攻撃しよう"っていうよりも"吐き出してやろうか"みたいな感じで。世間とかお客さんも含めての相手に対して思う私の感情っていう感じです。この曲は早口で言葉を詰め込んでいるところがすごく難しくて、デモの段階で"誰も(歌詞が曲に)当てはまってないから書き直してくれ"って言われて書き直したんですよ。ほぼこの歌詞だったんですけど、当てはめ方が難しかったから何回も何回も聴いて、何回も何回も歌って、やっとしっくり来たのがこの歌詞です。

-ヘイトな部分というと、具体的にはどんなことを?

チッチ:"結局、人は手のひらを返すんだな"って瞬間を今まで何度も見ていて、そこで感じたことだったり、ニュースを見ていて、ひとつに固執してそればっかりを流しているのが鬱陶しいなって思ったり。実はこの曲の歌詞でAメロに誰か具体的な存在がいたら明確に言葉が伝わるかなって思って立てたのが渡辺さんのイメージなんです。上を見上げているような孤独なイメージとか、よく吐いているイメージがあるから"吐いた君を見てた"って書きました。

-よく吐いている?

アツコ:"おえぇー気持ち悪い"って。

-物理的な"吐く"なんですね(笑)。

チッチ:お酒もあるし、痩せることに執着しすぎてご飯を食べられないときがあって。そういう人なんです。"ち○こ"とか言ったりTwitterで毒を吐いたりする人なので、パッパラパーに見られているけど、その行動には何か意味があったりとか、誰かのことを思って悪役になったりしていることが多いので、一番孤独な人間なのかなって。だから、この曲に登場人物がいるとしたら渡辺さんですかね。

-そして「FiNALLY」から「CAN YOU??」、「GRUNGE WORLD」という流れがアルバムをギュッと引き締めていくのですが、「CAN YOU??」の青春パンク的なサウンドとメロディがたまらないです。

チッチ:私は青春パンクが好きなので、「CAN YOU??」と「まだ途中」がすごく好きなんですよ。懐かしさとか、"カーッ"て湧きあがってくる感じとかがメロディだけでも感じられて。「CAN YOU??」を作詞したアイナ(アイナ・ジ・エンド)は"気恥ずかしい"って言っているんですけど、今こういうふうに思っているのかな、ひとりの女の子として伝えたいものがあったのかなって私は受け取っています。