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INTERVIEW

Japanese

ASCA×阿部真央

2018年06月号掲載

ASCA×阿部真央

ASCA
阿部 真央
インタビュアー:杉江 由紀 Photo by 上溝恭香

正直"私が歌うのよりもいいな"と素直に思ったんですよ(阿部)


-とはいえ、最新作となる8thアルバム『YOU』(2018年3月リリース)でも阿部さんの七変化ぶりは相変わらずどころか、より磨きがかかっているような印象さえあります。

阿部:ほんとですか? ありがとうございます(笑)。デビューからここまでいろいろとやってきて、今は一周回ってきた感じでより自由にやれているのかもしれません。

-話は再び「Don't leave me」の件に戻りますが、ASCAさんが初めてのカバー・ソングにトライすることになったとき、ほかの誰でもなく阿部さんの曲、そして数ある中でもこの楽曲を選んだ理由を改めて教えてください。

ASCA:自分にとって、「Don't leave me」は"私もこんな歌が歌えるようになりたい"と初めて強く感じた曲だからです。失恋の経験がなかった自分でも、聴いているうちに泣けてしまったというのは......やっぱり、歌にそれだけの力があったからだと思うんですよ。高校生になってからもこの曲はずっと大好きで毎日ずっと聴いていましたし、音楽教室で歌を習い始めてからも、そこでの発表会的なライヴで「Don't leave me」を歌いましたし、当時はその会に向けて音楽教室に行くたびにいつもこの曲を練習していたんですね。だから、自分にとっては慣れ親しんできてかなり歌い込んできた曲でもありますし、ASCAのシングル『凛』に阿部真央さんの曲を入れることによって、ASCAの世界をここでまた広げられたらいいなとも思ったんですよ。こういう曲も歌えるということを、聴いてくれている方たちに提示したかったんです。だから、スタッフさんから"何かカバーしたい曲はあるか?"と訊かれたときには、真っ先にこの曲を挙げさせていただきました。

阿部:嬉しいなぁ。そんなに長く「Don't leave me」を歌ってきてくれているなんて。それだけ歌い続けてきてくれているせいもあるのか、今回のASCAちゃんが歌ってくれたものを聴いたときに、正直"私が歌うのよりもいいな"と素直に思ったんですよ。これはほんとに、お世辞とか抜きで。

ASCA:えーっ!

阿部:たぶんね、まずは回数の面でも単純にASCAちゃんの方が「Don't leave me」をいっぱい歌ってくれているというのが大きいと思います。だってほら、さっきのお話だと毎週レッスンのたびに歌っていたわけでしょ? 私なんかは、せいぜいレコーディングのときと今までのライヴでしか歌っていないわけで、そこからして違うと思うんですよ。そのうえ、中学生とか高校生とかの最も多感な時期に好きになってくれた曲で、いろいろなことを感じてくれた曲なわけですしね。自分自身も、そうやって感情移入するほど好きだった曲はあるので気持ちはよくわかります。そういう曲って、歌うときにも心を込めやすいんですよ。そういうふうにASCAちゃんが「Don't leave me」を愛でてくれている、というのは私としてもアーティスト冥利に尽きます。

ASCA:私にしてみたら、真央さんは"神"ですよ! その"神"と今こんなふうにお話ができているなんて、中学生のころの自分に教えてあげたい。いつか本物に会えるよ、って(笑)。

阿部:あははは(笑)。

-たしか、ASCAさんは2ndシングル『PLEDGE』(2018年2月リリース)の取材(※2018年3月号掲載)でお会いしたときに"芯の強い女性を感じる歌が好き"ということをおっしゃっていた記憶があります。阿部さんの歌は、きっとその意味でも心に響くものなのでしょうね。

ASCA:間違いないです。歌そのものもちろんそうですし、歌詞の面とかでも、だいぶ影響を受けてますし、刺激を貰ってます。多感な時期に聴いていただけに(笑)。

阿部:なるほどね(笑)。

-阿部さんご自身は、芯の強い女性像というものをご自身のキャラクターのひとつとして自覚されているものですか。

阿部:もう今は。残念ながら、自分はそういうタイプだとわかりましたね(苦笑)。

-残念ながら、なのですか? ASCAさんは、そこもリスペクトされているそうですよ。

阿部:それが、昔はそういう自覚ってなかったんです。むしろ、どちらかというと自分では繊細な乙女心を表現しているつもりだったんですよ(笑)。実際、そういう曲もありますしね。だけど、いろいろな取材もそうですし、ファンの方たちの感想であったり、周りからの客観的な意見をいただいていくうちに、だんだんと自分の中のそういうところに気づきだしたんです。時期的にも20代後半に差し掛かってきていろいろな経験もさせていただいたことも、ひとつにはあったんでしょうね。このところは、強い自分というものに対してやっと馴染んできたところがあります。