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INTERVIEW

Japanese

ASCA

2019年03月号掲載

ASCA

メンバー:ASCA

インタビュアー:杉江 由紀

自らの内から湧き出してきたリアルな言葉と力強くも美しい歌声を武器に、ASCAは今新たな次元へとその一歩を踏み出した。現在絶賛放映中のアニメ"ソードアート・オンライン アリシゼーション"のOPとして起用されている今回のシングル『RESISTER』表題曲は、間違いなく彼女にとっての代表曲としてここから成長していくことになっていくだろう。来たる4月28日には待望の1stワンマン・ライヴ"ASCA LIVE 2019 -絶対零度-"が渋谷duo MUSIC EXCHANGEにて行われることも決定したという今、ここではデビュー以来とにかく"歌い表現すること"に自らのすべてを懸けてきたASCAの想いを改めて訊いてみるとする。


まさか自分が"SAO"シリーズに関わることなんてないだろうなと思っていた


-今回のシングル『RESISTER』の表題曲は、現在放映中のアニメ"ソードアート・オンライン アリシゼーション"のOPとして起用されております。ASCAさんとしては、この楽曲を仕上げていくうえで特にどのようなことを心掛けられたのでしょう?

今回、私は初めてCDシングルの表題曲で作詞をしたんですよ。だから、まずはアニメの世界観と、自分が聴き手の方たちに伝えたいことを、どうやって重ね合わせていったらいいのかな? ということを考えていくようにしました。

-"SAO(ソードアート・オンライン)"シリーズと言えば、昨今のアニメの中でも相当なビッグ・タイトルかと思います。その最新作のOPの歌詞を書くということは、どこかプレッシャーを感じられることもありましたか?

もちろんそれはありました。とにかくすごい大人気作品ですし、これまでのシリーズでは、私の所属しているレーベルの大先輩にあたる、LiSAさんや藍井エイルさんたちも主題歌を担当されてきているのも知っているので、まさかデビューしてまだ1年ちょっとの自分が関わることなんてないだろうなと思っていたんですよ。本当に、このお話をいただいたときは驚きました。

-ちなみに、詞を書くうえでの事前資料としては何を参考にされたのですか?

台本をあらかじめいただいたので、それを読んでから作詞を始めましたね。物語の流れとしては、主人公であるキリトとユージオが、それぞれの運命に抗いながら世界を変えていこうとする章でもあるので、そのふたりが果敢に立ち向かっていく姿がとても印象的な内容なんです。そして、それは私自身が上京したときとも重なったんですよ。地元の名古屋で暮らしながら、"自分はずっとここにいたままでいいんだろうか?"と葛藤していたころの気持ちや、"やっぱり上京しよう!"と決意したときの強い気持ちを思い出したんです。実は、その当時に書いていた歌詞ノートがとってあったので、今回はそれを改めて見返したりもしました。あのころに葛藤を経験したうえで、その後こうして歌手としてデビューすることができて、活動を続けている今の自分だからこそ書ける説得力を持った歌詞を形にしたかったんです。キリトとユージオが持ち続けている力強い意志を、私の言葉で表現してみようと決めていました。

-物語の内容を踏まえたものではありつつも、ASCAさん自身のリアルな経験が反映されていることで、この詞には多くの人たちへと向けた共感性が備わっていますね。

そう感じていただけると嬉しいです。ありがとうございます!

-例えば、この歌詞の中には"枯れない強い想いで輝くプライド"という一節がありますけれども、ASCAさんにとってのプライドとは基本的に何を意味しますか?

ずっと諦めずに"シンガーになる"というひとつの目標を掲げてここまで過ごしてきたことだと私は思っています。歌手になりたいという気持ちを初めて持ったのが小学校3年生のときで、節目ごとの進路相談のときも、毎回ちゃんと担任の先生に対して恥ずかしがらずに言っていたんですよ。"歌手になりたいんです!"って。

-そうした際はどのようなリアクションが返ってくることが多かったのですか?

文化祭や、学校で演劇とかミュージカルをやるときにも歌っていたので、私が歌を好きだということはみんなが知ってくれていたからなのか、否定してくるような先生はいなかったです。むしろ、応援してくれる人たちが多かったんですよ。"お前には無理だろう!"と言われるようなことはなくて、"お前ならやれるよ。頑張れ!"と言ってくれる方々ばかりだったので、きっとかなり恵まれた環境だったんだと思います。

-では、子供のころからの夢を叶えた今、ASCAさんがシンガーとして最も自信を持っているのは、ご自身のどんなところに対してでしょうか?

このところいろいろなライヴやイベントに出させていただく機会が増えていて、"初めまして"という状況で歌うことも多いんですけど、常に今の自分が持てるすべての力を最大限に発揮しようということは心掛けています。


"この曲なら絶対に自分の全力を出せる"って確信ができたんです


-その点で言うと、今回の「RESISTER」という楽曲はこれまで以上にたくさんの人たちや、様々な場に向けてASCAさんの存在を広めていってくれるものとなりそうです。なお、先ほど歌詞のことについてはうかがったのですが、曲と向き合ったときにヴォーカリストとして主に意識されたのはどのようなことでしたか?

この曲は以前出した「凛」(2018年5月リリースの3rdシングル表題曲)も書いてくださった重永亮介さんが作ってくださったものなんですが、最初に受け取ったときは真っ先に"ASCAらしさが出せそうな曲だな"ということを感じましたね。正直"SAO"とのタイアップの話をいただいた時点では"本当に私に務まるんだろうか......?"的な不安もあったんですよ。でも、この曲を貰った段階で"この曲なら絶対に自分の全力を出せる"って確信ができたんです。"最高の曲を最高のタイミングでいただけたな"と感じて嬉しかったですね。

-遡ると、昨年2ndシングル『PLEDGE』(2月リリース)を発表されたタイミングで、私は初めてASCAさんの取材(2018年3月号掲載)をさせていただきましたけれども、あの当時"この声質とこれだけの声量があるならもっとアタック感の強い楽曲も似合いそうだな"と感じたところがあり、そのことは取材後の雑談で伝えさせていただいたことがありました。今回の「RESISTER」は、まさにそれを具現化したようなものに仕上がっていて"これこれ、こういう歌も聴いてみたいと思っていたんですよ"と率直に感じた次第です。

その会話覚えてます。そして、この「RESISTER」は歌っている側の感覚としてもこれまで以上に気持ち良く歌えた手応えが強いんです。今までのレコーディングだと、わりと神経質になってしまったり、何回も何回も歌い直したりということが多かったんですけど、この曲に関してはレコーディング前に歌い込んでおいたというのもあり、完全に歌が自分の中に染み込んでいる状態で本番のレコーディングに臨めたんです。その結果、瞬間ごとの感情を大事にしながら歌うことができましたし、録り自体も肩に力を入れすぎずスムーズにキメて終わらせることができたんですよ。

-きっと迷いがなかったのですね。

そういうことなんでしょうね。自分で歌詞を書いているというのも大きい気がします。「RESISTER」はありのままの自分から出てきた言葉、ありのままの自分から出てきた歌を、自然な形で作品として仕上げることができました。

-"RESISTER"というタイトルとも繋がるものとして、この歌詞の中では"運命に抗ってゆけ"というフレーズも強い印象を放っています。とはいえ、誰しもにとって人生の中で抗うのはそう簡単なことではないようにも感じるのですよ。ASCAさんの場合、何かに抗わなければならない現実と直面したとき、その原動力となるものはなんですか?

音楽です。いろんなことで悩んだり、自分の人生について考えなきゃいけないことが出てきたりしたとき、私の背中を強く押してくれたのは間違いなく音楽で、何回も勇気づけられてきましたから。そのことを思って"今度は私の歌が聴いてくれている人たちの力になっていってくれたらいいな"という願いを心から込めながら詞を書いて、歌ったのがこの「RESISTER」ですね。

-この歌の中で描かれている抗いとは、外圧に対する抗いというよりも、自分自身に対する抗いを意味しているようにも感じられますね。

ここで書いているのはまさに自分との戦いです。今何かのために一歩を踏み出そうとしている人とか前を向こうとしている人にとって、この歌が意識をポジティヴに変えていくためのきっかけに少しでもなってくれたら嬉しいですね。"RESISTER"というタイトルもそこを象徴する言葉として付けました。