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INTERVIEW

Japanese

Brian the Sun

2017年07月号掲載

Brian the Sun

Member:森 良太(Vo/Gt) 白山 治輝(Ba/Cho) 小川 真司(Gt/Cho) 田中 駿汰(Dr/Cho)

Interviewer:沖 さやこ

-ははは。「ねこの居る風景(ねこねこ日本史version)」はタイトルから察するに、もともとのアレンジがあるということですか?

森:そうです。『パトスとエートス』のツアー・ファイナルでも演奏したんですけど、"ねこねこ日本史version"とはまったく違って、超オルタナな感じなんですよ。

白山:シャーン、シャーン、シャーン、パーン!! って感じのドラムから始まる(笑)。

小川:"ねこねこ日本史"を観てライヴに来た人はびっくりするやろな(笑)。

森:そもそもオルタナ・バージョンの「ねこの居る風景」を作ってアニメ制作サイドに提出したんですけど、"もっとライトにしてもらえますか?"とオーダーがあって(笑)。

-またチャレンジャーな(笑)。

森:基本的に"なんでもやりますよ"というスタンスなんですけど、言われたとおりのことをするだけじゃ面白くないじゃないですか(笑)。サビはちゃんとがっつり"ねこねこ日本史"の空気感でポップにして、"これくらい激しくてもいけるっしょ!"とそれ以外はロックに突飛なことをしてみたんですけど、ちょっとちゃうかった(笑)。歌詞も(最初は)もうちょっと尖ってたかな。"ねこねこ日本史version"のアレンジも曲の良さが出ているので好きですね。


衰えたり、感覚が鈍っていったりすることも"いいよね、美しいよね"と思いたい


-「天国」(Track.4)はギターでヴァイオリンの音を出しているそうですが。

森:一番前で聞こえるヴァイオリンと、2Aで鳴ってるオルガンの音はそういう音に変えられるエフェクターを使ってギターで弾いたもので、バンド以外の音は全部打ち込みです。

小川:ギターを弾いたらヴァイオリンやオルガンの音が鳴るから、レコーディング中もどっちが鳴ってるかわからんくなって(笑)。シミュレーターを噛ましてるから、弾くのもめっちゃ難しい。音の余韻とか途切れ方、繋ぎ目とか、フレット間の移動ですら気を遣わないと変な音になっちゃうし。

森:ギターの信号がいったんエフェクターに入って、それを解析してエフェクターが音を足すんですよね。それによってストリングスのように聞こえるという仕組みなんです。だから、ボディにちょっと手が当たった音とかも読み込んで音を鳴らしちゃうんですよ。そうならないように、ほんまに鳴らした音だけになるように......(笑)。

-それは大変だ。それでもギターを使う必要があったと。

森:ギタリストなんでね。ギタリストはギターを弾いていてほしいじゃないですか。真司がヴァイオリンを弾ければいいけど、ライヴで弾けないと嫌やなと思ったからこのエフェクターを買って......。でも、ライヴでできるんかなぁ?

小川:作ってから後悔するパターンにならんように練習せなな(笑)。

-それだけストリングス、オルガン、ティンパニというバンド以外の音にする必要がある曲だったんですね。

森:それこそこのアルバムの中で一番遠い音にしたかったんですよ。音が遠い感じにしたくて、最初はJohn Lennonみたいにヴォーカルにダブリングしてたんです。実際やってみてめっちゃいい感じやなと思ったんですけど、アルバムをトータルで聴いたときにこの曲だけ時代が変わりすぎたので聴きにくくて(笑)。それはなしになりました。本当はもっと乾いた、ぱさぱさした感じにしたかったんです。乾いたものにすぐリヴァーブがかかる、みたいなイメージにしたかった。

-リヴァーブはウェットな印象を与えますけど。

森:そうそう。だからいきなりリヴァーブじゃなくて、原音はちゃんとぱさぱさしていることがわかるようにしたかった。そういう音作りにはなってるので、オーケストレーションが入る前とかは特にどういう空間で叩いているか、弾いているかが頭に浮かんだ状態で聴けるかなって。ノスタルジックな寂しい感じ、且つあたたかいみたいな。

-うんうん。"天国"というタイトルにも影響されているかもしれませんが、振り返ってみて幸せだったな......と噛みしめるような音というか。

森:そうです、そうです。そういう感じで作りたかった。