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INTERVIEW

Japanese

2016年01月号掲載

鶴

Member:秋野 温(うたギター) 神田 雄一朗(ウキウキベース) 笠井 快樹(テンパリドラム)

Interviewer:岡本 貴之

-いや、十分上手いです(笑)。笠井さんは前回、秋野さんの出しているものが笠井さんの中にはないもので、そのぶんやりがいもあるとおっしゃっていましたが、今回で言うとTrack.7「蜃気楼」、Track.3「Funky Magic」のような曲を指しているのでしょうか?

笠井:「Funky Magic」は大変でした、すごいやりがいでしたね。Track.11「泣くなまだ」とかも結構ややこしいフレーズがあったりとか。Track.8「Home」は自分的には難しかったですね。手癖ではないものとか、歌モノに沿うようなドラムというのが。結構ピンポイントに"ここにドラムのキックが欲しいんだ"、"ここにスネアの裏が欲しい"とか、地図みたいに置いた結果こうなったフレーズもあって。"これはなかなか難しい地図を描いたね"というものがありました。

秋野:点と点がね。それを結んで線にしたら結構難しいよねっていう(笑)。

-「Funky Magic」は途中から急にヘドバンしたくなるようなアレンジに変わりますね。

秋野:ちょっと趣味が出ちゃいました(笑)。

神田:今回曲作りをスタジオじゃなくて僕の家でやったんですよ、3人で。もう頭ボサボサの感じで来てリラックスしながらやっていて、2時間くらいしたら"疲れたな、よしビール飲もう!"みたいな。これがリハスタでキッチリやったら"ちょっとそれやりすぎじゃない?"ってなったと思うんですけど、"いけいけー!"みたいな感じで、脳みそが柔らかい感じのアレンジができましたね。

-途中で違う世界に行って戻ってくるような感じで、なんだこれは!?って思っちゃいました。

秋野:入った瞬間爆笑、みたいな感じで。"頭悪りぃ~この人たち"って(笑)。

笠井:それで"帰ってきた~!"って(笑)。

神田:ぜひライヴでは手を後ろに組んでヘドバンして欲しいですね(笑)。

-神田さんは制作過程で曲に新鮮なものを感じている、とおっしゃっていましたが。

神田:今回出た曲たちみたいなものが、秋野色なのかなって。こういうのが中心にあるんだなっていうのが1番わかりやすかったなって感じますけどね。ヘヴィなものとかソウルっぽい、歌謡曲っぽいとか。なんか、鶴としてこういう曲を出そうというスタンスから、"今俺、こういう曲書きたい歌いたい、だからやります"みたいなところにシフトしたような感じがするんですよね。

秋野:自分なりのソウル・ミュージックとロックのブレンド具合が上手くいったなと思っていますね、今回は。

-それが最初におっしゃった"衝動的な部分"で書いたもの、ということでしょうか。

秋野:そうですね。頭を抱えすぎないで、口をついた言葉を選んだりとか、思いついたアレンジやコードを採用したりとか、好みのものに自然と向かっていった結果ですね。

-歌の内容としては、やはりツアー中にできた作品というのが色濃くて、"旅"がキーワードになっている印象ですが、歌詞を書くうえで自然とそうなった感じですか?

秋野:最初、そこまで旅っぽい曲を書こうって意識したわけじゃないですけども、出てきた曲が全部こう、"旅してんな"って(笑)。だから出るんですよね、生活がそのまま出るタイプなんです、僕は。

-Track.2「愛の旅路」はファン、家族、そしてメンバーに向けてのメッセージを感じます。

秋野:昔から"泣き笑いのエンディング"っぽい曲が好きなんですけど、「愛の旅路」ができたときは、"ああ、またこれはできたな"と。そういうところに行けたらいいなという曲の雰囲気というか、書いたときに満足しました。ホロリとするんだけど楽しい曲だなって。

-冒頭からホロリとする歌詞ですもんね。これは神田さん笠井さんも感じるものがあるのではないですか?

神田:演奏しながら、やってる側なのに結構言葉を聴いてたりしますね。

笠井:秋野君の曲って、いい意味で振りきらないんですよね。"すげえ悲しい"とか"すげえ楽しい"とかそういうのじゃなくて、なんかその間の右上あたりとか、なんとも言えない雰囲気を出すんですよね。それって狙っても出ないというか。そういう曲だらけなんですよ。だから"癖が強い"って最初に言ったんですけど。この曲もああ、秋野君なんだなって思いましたね。

-Track.5「乾杯」はまさにツアーから生まれたという、神田さんが肝臓を傷めながらツアーをやってきたことをうかがわせる曲ですね。

神田:(しみじみと)そうですねえ......たしかに。

秋野:捧げるよ、この曲は捧げる(笑)。

神田:年末に来て、だんだん肝臓が弱ってきた気がしますね。ツアー2周目もいい感じに肝臓をイジメてますからね。ライヴがない日にも3人で飲みに行ってますから(笑)。

秋野:別にライヴないときはいいのにね?

笠井:肝臓休ませたい(笑)。

神田:旅が続いて、ちょっと疲れも溜まってきたし、今夜は肉でも食った方がいいんじゃないか!?って。

秋野:それで焼肉屋に行って結局飲み続けているという(笑)。

神田:飲み続けて、転がってます。