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INTERVIEW

Japanese

ユビキタス × オワリカラ

2015年07月号掲載

ユビキタス × オワリカラ

Member:ユビキタス:黒田 保輝 (Vo/Gt) オワリカラ:タカハシ ヒョウリ (Vo/Gt)

Interviewer:沖 さやこ Photo by 石原 慎

-またまたまさかの共通点が......(笑)。でもおふたりのバックグラウンドはまったく違いそうですね。

黒田:僕もともとギターがめっちゃ好きで、Eric Claptonばっかり弾いてたんですよ。

タカハシ:おお、意外と渋いとこ好きなんだね。

黒田:高校生のときMR.BIGみたいな速弾きに挫折して(笑)、ブルースみたいな。だからユビキタスとは全然違うんですよ。ユビキタスは"今やりたいこと"をやってるだけで、"音楽が好き"という芯はあるけど"こんな音楽が好き"というのがなくて、すぐぶれるし(笑)。もう、やりたいことがやりたいんです。叫ぶなら叫びたいし、いい歌を歌うなら歌いたいし。素でいたい。それにメンバーも"次こいつどんなもん持ってくんねん"みたいにドキドキしてついてきてくれてますけど。

-今は歌にフォーカスを当てるモードということ?

黒田:ここ1、2ヶ月は完全にギタリストですね。ギターが好きで仕方なくて。最近の若い子、上手でしょう? 今の子めっちゃうまいから、うまくないとライヴせえへんみたいなところもあるなと思ってて。僕らが10代のころとかは"フレーズ決まってへんけどライヴ決める"って感覚やったのに――。

タカハシ:ほんとそう。俺後半ひたすらノイズが入る14分の曲とかやってたもん(笑)。最近若手で出てきて下手な子いないよね。

黒田:今の子、本当にきれいにバン!とやるなあと思いますね。

-ヴォーカリストとしてお互いのヴォーカルに思うことはありますか?

タカハシ:(黒田は)きれいな声だし、イケメン声というか、見た目が想像できるというか。世界観にもすげえ合ってるんじゃないかな。本当は俺もこんな感じにやりたいのになって。俺も本当、藤原基央(BUMP OF CHICKEN/Vo/Gt)みたいな感じだったらそうしてたもん。でも違ったから仕方ない(笑)。

黒田:オワリカラは歌詞がめっちゃ楽しいんですよ。韻の踏み方とかリフレインの感じとか。どういう感覚で書いてるんですか?

タカハシ:自分の快感原則に忠実に......あとは"これ絶対他のやつに書けないな!"というのをできるだけ優先してるかな。1番ベストなのは、ものすごく普通なことを俺だけの言葉で言えることかな。例えば"物事が移り変わっていく"とか"変化していく"とかは誰もが言うけど、それを"ロールシャッハ"という言葉で言えたとか。

-歌詞をリフレインするバンドは多いけど、オワリカラは単なる繰り返しではなく、ちゃんとリズムとして機能しているというか。

黒田:そうなんですよね、違うんですよ。セコいんすよ(笑)。胸が熱くなるリフレインです。

タカハシ:セコくねえよ、全然得してねえもん(笑)。俺は日本の音楽で好きなのが井上陽水かあがた森魚で、海外のサイケやオルタナを取り込んでて、メロディに関しては完全なフォークで。THE FLAMING LIPSとかARCTIC MONKEYSとかをバックに井上陽水が歌うバンドがいいなと思って、なんとなくそういうイメージで始めたから。ユビキタスはメロディちゃんとしてるじゃん? あれはすごく良くて。......アップ・テンポの曲でラップ調に歌うというか、メロディがない状態でダーッと細切れに言葉を発していくことは俺にとっては"逃げ"なの。そうじゃないけど疾走感があるものがいいなと思ってて。だからそういう感じ頑張ろ~って(笑)。

黒田:ユビキタスは言葉に意味があるなと思って曲を書いてて。......僕は早口になるときがあるんですよ。

タカハシ:でもメロディはあるもんね。

黒田:最近はずっと目を瞑っても画が見えることを意識してて。昔は感覚で言葉を書いてたんですけど......だから歌詞を書くのがすごく難しくて。自分の限界を感じて、本を読むようになりました(笑)。僕は天邪鬼やから歌詞でも裏切りたいんですけど、メロディも"ここであえてファルセット"とか、そういう"あえて感"ばっかり考えてますね。普通にストレートに"愛"とか言えないんですよ。"「好きや」というのは遠まわしに言うてるから感じて"でいいかなって。

タカハシ:僕は四畳半的なものが書けないんだよねー......たまに書けるんだけど、クリティカル・ヒットでないと書けない。普通に書くと、漫画と日常生活がイコールになってるものを作っちゃう。目標としては、普通の言葉で誰にも書けないものを書けたら1番いいと思ってるんだけど。

黒田:やっぱり"他人が書けないもの"ですよね。"自分がここで音楽をしている"という理由が欲しいんで、普通のことはしたくない。もしかしたら俺らのやってることは普通のことに聴こえるかもしれないんですけど、僕にとっては普通のことじゃないんで。それを周りの人に認めてもらえるように......そこだけはぶれずにやっていきたいなと思ってます。僕は好きなジャンルがころころ替わるんですけど、それは"音楽が好き"ってことで勘弁してください(笑)。