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INTERVIEW

Japanese

ユビキタス

2015年11月号掲載

ユビキタス

メンバー:ヤスキ(Vo/Gt) ニケ(Ba) ヒロキ(Dr)

インタビュアー:沖 さやこ

2015年10月に結成3周年を迎えたユビキタス。昨年1月に1stミニ・アルバム『リアクタンスの法則』、同年9月に2ndミニ・アルバム『奇跡に触れる2つの約束』、そして今年5月と7月にTOWER RECORDS店舗限定で2枚のシングルを発表し、遂にこの秋1stフル・アルバム『記憶の中と三秒の選択』をリリースする。今作のテーマは"進化と退化"。新しいユビキタスと懐かしいユビキタスが同居する、3年間の活動が1枚に収まった実に1stフル・アルバムらしい仕上がりになった。

-ユビキタスは今年2枚のワンコイン・シングルをリリース。Skream!ではそれぞれのリリース時期に対談企画を組みました。それぞれで制作が大変だったお話を聞いていたので、無事にいいアルバムができあがってよかったなと。

ヤスキ:制作大変でした。僕のこだわりが強くなりすぎて譲れなくなっちゃって......。このままじゃ嫌やなと思って、アルバムのレコーディングが1ヶ月ずれこんでしまったんで......チームのみんなには本当に迷惑かけました。初フル・アルバムだからこれまでとは違う言葉や違う視点で曲を作りたかったんです。それで、オワリカラの(タカハシヒョウリとの)対談のときに、(タカハシが)漫画好きという話を聞いて、漫画を読んで曲を書いてみようかなと思って。"僕のヒーローアカデミア"と"四月は君の嘘"を全部読んで、泣いて(笑)。それでできたのがリード曲のTrack.3「ヒーローのつくり方」とバラードのTrack.5「君の季節」で。

ヒロキ:それで10曲を客観的に聴いて「ヒーローのつくり方」がリードやなと思ったんです。俺こういうのめっちゃ好きなんで、誰がなんと言おうとこれや!とも思ったし。

-レコーディングを1ヶ月ずらしたことで、このアルバムでもかなりキーになる2曲が誕生したんですね。ヒョウリさんとの対談は6月に行われましたが、そのとき今回のアルバムに新録されてる曲はできていなかった?

ヤスキ:まったくできてなかったんですよね......(苦笑)。本音を言えば、ずっとどんなバンド像で行くか迷ってたんです。1stシングル(2015年5月リリースの『空の距離、消えた声』)の制作時にも煮詰まって、初めてメンバーの前で泣きそうになったんですけど、アルバム曲の制作ではそれ以上に底辺までグッと落ちて......。

ニケ:(ヤスキが)バンド像に迷っていたのもあって、どんなアルバムにしようか見えてなくて。いろんな曲を持ってくるんですけど"ユビキタスはこういう感じじゃないでしょ"と思うものが多かったんです。1~2ヶ月くらい曲がまとまりませんでした。

ヤスキ:そんなときにヒロキが"(曲中で)ウォーウォー言いたい"って楽曲のリクエストをくれて(笑)、「リフレイン」(Track.6)ができて。

ヒロキ:あと「メランコロニー」(Track.10)も俺が"こんな曲欲しいねんけど"と頼んでできた曲ですね。ヤスキ・ワールドが1番広がってる曲やと思います。

ヤスキ:「メランコロニー」は結成初期の楽曲のイメージで作っていきました。でも全部同時期に作った曲やから似たものにならないか気にしたし、初のフル・アルバムということで気持ちの入り方も違ったし、余計に時間がかかって。結成当初の3年前、衝動的に作ってた音楽と、それがきっかけでできた1枚目と2枚目の(ミニ・アルバムの)要素と、今の自分たちにしか出せない3枚目の要素が欲しかったんで、進化も過去も両方入れちゃえ!と思って。

-そういう気持ちが歌われているのは今年7月にリリースされたシングル『透明人間』のカップリング曲でもあるTrack.2「キャッチする選択」ですね。"今しかできないことを/やりとげて君と笑いたいの"など。この曲に限らず、今回バンドへの気持ちを歌った曲が多いですよね。

ヤスキ:そうですね、たしかに。あの曲はユビキタスに対して、自分たちに向けて作った曲ですね。今はすごくメンバー3人の気持ちがいい方向に向いているというか。結成して3年経って、楽曲に対しても4周年目に向けてどうしていきたいかが一致してきてるんですよね。そういう意思表示ができる作品になれば、という気持ちが強いかな。"こうしていこう"という道がちゃんとしっかりあって、工程があって、1曲1曲きれいに作っていけるという環境がちゃんと整ってたんで。制作時間もあまり取れなかったんですけど、スピード的には今までの2~3倍で録れたんちゃうかなって。

-ヒョウリさんとの対談のとき、ヤスキさんはギタリスト・モードだとおっしゃっていましたが――。

ヤスキ:そうやったんですけど、今回はギターを弾かへんように弾かへんようにしたんです(笑)。上モノはあんま入れへんようにして、今回はドラムとベースに頑張ってもらいました。3ピースらしい部分を出したいなと。......カルテットが入る曲あるんで、裏切っていきますけど(笑)。

-(笑)「君の季節」はもともとヤスキさんにカルテットを入れるイメージが?

ヤスキ:「君の季節」は1枚目(※2014年1月リリースの1stミニ・アルバム『リアクタンスの法則』)に入ってる「再生」の次をいくような曲を作りたくてできたもので、最初は全然ストリングスを入れる予定はなかったんです。レコーディングが全部終わって、歌録りもして。僕らはコーラスを入れる段階でプロデューサーと話し合って"ここにこういう音階でコーラスを入れよう"と決めるんですけど、そのときに倍音でストリングスや上シーケンスが聴こえた気がしたんですよね。それで僕がふわっと"ストリングスが入ったら面白そうですよねー"とつぶやいたら、プロデューサーが"それだ! よし、やってみよう!"って(笑)。生のカルテットを入れてもらいました。2Aのピチカートは僕がリクエストをして。

ヒロキ:まさかこんなに早く(生のストリングスを入れることが)できるなんて思ってもみなかったですね。

ニケ:プロデューサーの方がテンション上がってたもんね(笑)。

ヤスキ:たまたま入るスペースがあって入れてみたらばっちりハマって。サビのレンジの広がり方とか"うわあ......!"って。やっぱりストリングスはバラードで素敵に響くな、すごいなと思いました。自分としてもすごく手応えがあって、バラードの方が得意なんかな? と思うくらい。

ヒロキ:ああ、俺はヤッちゃん(ヤスキ)はバラードが得意やと思うよ。

ヤスキ:でもライヴはオラオラなんですよね。そういう音源とライヴの差別化は大事やと思ってます。だからレコーディングを終えた今は3ピースで「君の季節」をライヴで演奏する方法を模索中です。バラードやミドル・テンポの曲はライヴでも起承転結をつけるのに必要な曲やと思うんで、ライヴでマストになる曲になればいいなと。