Japanese
ユビキタス
2014年01月号掲載
Member:ヤスキ (Vo/Gt) ニケ (Ba) ヒロキ (Dr)
Interviewer:沖 さやこ
はっぴぃえんどや高田渡、あがた森魚などを輩出したBellwood Records内に立ち上がったロック・レーベルROCKBELL recordsから、大阪発の3ピース・バンド、ユビキタスがデビューする。結成からわずか1年強という若いバンドながら、ライヴ活動は地元でコンスタントに行い、全国へのアプローチはインターネットで徐々に評判を集めてきた。シンプルなアンサンブルを一筋縄ではいかない展開で魅せ、日記のような歌詞とそこに寄り添うメロディで語り掛ける。我々リスナーに向けられた手紙とも言うべき7曲が収められた『リアクタンスの法則』について、メンバー全員に訊く。
-まずユビキタスは2012年10月に遊び感覚で結成された、とのことですけれど。
ヤスキ:全員もともと飲み友達のようなもので。メンバーみんな各々バンドをしていて"3バンドでイベントをしよう"という話になって、その余興で組んだのがきっかけなんです。
ヒロキ:たまたま3人とも楽器が違うし丁度良かったんです。いま僕はそのときのバンドをやめてこっち1本に絞って、ヤスキとニケはバンドを掛け持ちしてます。
-結成から1ヶ月で自主制作シングル『僕の証明』を完成させた。
ヤスキ:遊びでやってみたものの、できあがった曲が3人とも衝撃的な感じやったんで、すぐにレコーディングしようと。で、録って"これはみんなにきいてもらいましょ"と(笑)。だから最初はガンガンノリでやってました。
-皆さんがもともとやってらっしゃったバンドとユビキタスの音楽性は全然違うんですか?
全員:全然違います。
-ではもともとのバンドでできないことをやろうと。
ヤスキ:それは僕は大きいですね。ユビキタスは内容の濃い歌詞が多いんですけど、向こうはもうちょっとエレクトロなバンドやから歌詞もリフレイン系で。もともと3人とも歌ものが好きで、ヒロキが叩いてたバンドは歌ものやったし。
-"ユビキタス"という言葉はいたるところに存在するという意味で、よくインターネットなどの情報ネットワークに、いつでも、どこからでもアクセスできる環境のことを言いますよね。
ヤスキ:バンド名は僕がつけたんですけど......ありきたりな言葉のバンド名をつけるのは嫌やなぁと思って。ニケからもいろんな案をもらったけどパッとしない言葉ばっかりで(笑)。ユビキタスもゆうほどパッとせぇへんけど......(笑)、意味がしっくりきてこれで行きたいなと。いつでもどこでも誰でも同じだけの環境というか。僕らみたいな奴ですけど、どんな人でもしんどいときでも楽しいときでもいつでも来てよ、という意味が込められています。
-かなり積極的にインターネット、主にTwitterを使って情報拡散をなさっていることもネーミングの一因ですか?
ニケ:そういうことです!
ヤスキ:いやいや、後付けやん(笑)。
-(笑)。まだバンド結成から1年なのに、バンド・アカウントのフォロワーさんが13000人以上いらっしゃるので本当にびっくりしました。
ヒロキ:有り難い限りです。YouTubeに載せてから増えてきたのもあるし、ユビキタスのことを書いてある子たちはこちらからもフォローさせてもらったり、音楽を好きな人には聴いてもらいたいからフォローしたり。地道に毎日やっていってるんで、それで徐々に1年であの数になっていって。みんなTwitterで"この曲がいい"とか書くじゃないですか。そういう風にユビキタスのことを書いてくれた人のツイートがいろんなところに回って、気になりだしてくれたお客さんがいまはいちばん多いと思うんで。僕らだけでなく、僕らを好きになってくれた人たちが僕らを拡散してくれるという感じがあります。
-そして初の全国流通作品として『リアクタンスの法則』という意味深なタイトルのアルバムが完成しました。リアクタンスはいろんな使い方がありますよね。誘導性リアクタンス、容量性リアクタンス、合成リアクタンス、心理的リアクタンス......。
ヤスキ:僕らは心理的リアクタンス(※人が自分の自由を外部から脅かされたときに生じる、自由を回復しようとする動機的状態)の意味合いでつけました。ちょっと天邪鬼なタイトルつけちゃったかなぁと思うんですけど(笑)、ユビキタスという名前も何となく響きでつけて、意味は後付けなので、今回のアルバムのタイトルも結構そういうところが大きいかなぁ。なのでその言葉についてお客さんに考えてもらいたいです。歌を聴くだけじゃなく、もっと"どう思ってんねやろ?"とかそういう作業をしてくれたらいいなというのがあるんで。名前とかはまずいろんな人に興味を持ってほしいきっかけというか。中身はまっすぐなので。
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