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INTERVIEW

Japanese

ネクライトーキー

2026年01月号掲載

ネクライトーキー

Member:もっさ(Vo/Gt) 朝日(Gt) 藤田(Ba) カズマ・タケイ(Dr) 中村 郁香(Key)

Interviewer:石角 友香

メジャー・デビュー5周年の2025年、初の主催フェス"オーキートーキーフェスティバル2025"、EP「モブなりのカンフー』に新曲「ら行が言えない、言葉が足りない」のリリース、メンバー制作のラジオ・トーク番組等、様々な挑戦で楽しませてくれたネクライトーキー。今回はフェスで受け取ったどデカい感慨に始まり、「ら行~」の発端、そして3月に控える5周年の締めくくりとなる東阪ワンマン"〆"への抱負を、メンバー全員にインタビュー。まずは愛しかなかったフェスの余韻からスタート!

-そもそもどういう動機で"オーキートーキーフェスティバル2025"の開催を決めたんですか?

もっさ:まず、5周年でせっかくならいろんな楽しいことをやりたいですっていう話があって。今までいろんなバンドさんのフェスに呼ばれたんですけど、そのたびにいつかこういうフェスができたらいいなみたいな話はしてたんで、この5周年という記念イヤーだからこそできるんじゃないかと。一部特別バンドもいるんですけど、今まで対バンしてきて友達だと思ってるバンドを集めて、わいわいお祭り騒ぎをできたらいいなっていうのが最初のきっかけです。

-いろんな感慨はあると思うんですけど、一番大きな手応えとして残ったことは?

藤田:ほとんどステージの袖にいて、ライヴが終わったバンドのお出迎えをしてたんですけど、たまに10分だけ楽屋に戻ったときに、楽屋でみんながすごい楽しそうに盛り上がってて。できて本当に良かったなっていうのをそこで一番思いました。

もっさ:フレデリックを袖で観てたときに、(三原)健司(Vo/Gt)さんが私たちをちょっと煽る感じで"これがお前たちが作ったフェスの景色やぞ"みたいなことを言ってたんですよ。それを聞いて、もちろん主催は私たちなんですけど、出演したバンドにめっちゃ助けられてこの景色を見てるっていう感覚にすごくなって。今度は自分たちが、今日出てくれたバンドぐらい力を持って助けられる存在になりたいって決意を持てたっていうところはあるかもしれないですね。それが得られた大きなものだと思います。

タケイ:自分たち主催で大人数で大トリで、やる前はプレッシャーに感じてたんです。でも実際ステージに立つと、今まで出演してステージを盛り上げてくれたバンドとか一日を楽しんでくれたお客さんの力とか、見えないパワーみたいなのに背中を押されて演奏できているような感覚になって。それが初めての体験だったんです。この先ステップアップしていくときにまだまだ感じたことのない感情があるんだとしたら、また頑張りたいなって思いました。

中村:今までフェスとかだと、自分達より前の出番のバンドを観ると、だんだん自分の演奏が不安に感じて焦り始めてたんですけど、今回ステージに上がってみたらお客さんがいつもよりもすごい笑顔でいるのが自分でも分かってやりやすかったです。それと、ネクライトーキーの演奏中に袖で応援してくれてる出演者の何人かがすごい泣いてて。"今日を作れて良かったな"って思えたことが嬉しかったですね。

朝日:まだちょっと分かってないんですよね。1バンド目が終わってから、ずっともう打ち上げしてると思ってたんで。

一同:(笑)

朝日:普通に好きなライヴ観て楽しんで、最後の自分たちの演奏も"これもええやろう!"つってみんな楽しんで。で、ずっと友達しかいないからずっと楽しく喋って(笑)、朝の4時半に終わったっていう。もう楽しすぎたことしか覚えてなくて(笑)、手応えをまだ得られてないんですよね。でも、半年後とか1年後とかに"あの日あった出来事がなかったらここに来れてないな"って思う瞬間が音楽やってると多々あるんで、絶対そういう土台のうちの1つになるんじゃないかと思ってます。

-出演した9バンドがネクライトーキーのフェスじゃないと集まらない顔ぶれだなと思ったんですけど、朝日さんがXにポストしてらっしゃったみたいに、それってお客さんも居心地が良かったと思うんですよ。

朝日:誰でも入っていいっていう。

-例えばチーム自主休講が好きな人もズーカラデルが好きな人も交ざってる、それがすごく面白かったですね。しかもそれがネクライトーキーの音楽性のミックス具合とも繋がってるように感じて。

もっさ:本当に思いました。それぞれのバンドだけ見たら離れてるように見えるけど、ネクライトーキーが呼んだと思ったら被ってる部分が全部少しずつ見えてくるというか。もちろん私たちが好きだから呼んでるバンドなんで、そういうのは出てるかもしれないです。

-そして大トリのネクライトーキーだけセットリストが長いというわけでもなく。

一同:(笑)

-みんな一緒だったじゃないですか。

朝日:アンコール分だけですね。

-自分たちのセットリストというのはどう考えました?

藤田:「ティーンエイジ・ネクラポップ」(2019年リリースのミニ・アルバム『MEMORIES』収録曲)をすごく大事にしたいなと思った記憶があります。

-あの曲でライヴ中に一段階エモさが高まりましたね。

中村:鉄板曲もちゃんと入れたいし新しい曲も入れたいんですけど、節目節目の大事なライヴにはいつも"「ティーンエイジ(・ネクラポップ)」入ってるな"って記憶があって。今回も入れたことであのステージの景色が見えたから、「ティーンエイジ」がやっぱ鍵だったというか、この曲じゃなかったらもうちょっとあっさり終わってしまったかもなっていう気もします。

もっさ:めっちゃ個人的な思い出になるんですけど、最初に聴いた「ティーンエイジ」が最後に人の声がめっちゃ入ってて。ネクライ(ネクライトーキー)じゃなくてボカロ・バージョンで作ってあった「ティーンエイジ・ネクラポップ」(2012年リリースの石風呂の1stアルバム『ティーンエイジ・ネクラポップ』表題曲)の音源の最後のアウトロらへんなんですけど。

朝日:じん(自然の敵P)さんとかと合唱を入れたんです。メインはボカロで合唱の"ラララ"を入れて。しかも最後終わった後、"ハハハ"ってふざけてる音声も入ってて。

もっさ:その音源で初めて聴いたんですけど、そこの印象がめっちゃ強くて。だから、「ティーンエイジ」をみんなと歌っておきたい、せっかく仲間もお客さんも他のバンドのファンの人も集まる日だから、全員で合唱するっていうのをどうしてもやりたかったと強く言っていました。

-フェスの中での最大のトピックはそれぞれなんでしたか?

朝日:これずっと言ってるんですけど、SAKANAMONの「猫の尻尾」って曲ですね。あれが来た瞬間、ずっとフェスのテンションで楽しい曲をいっぱい聴いてきたわけですけど、それこそKANA-BOONの「フルドライブ」とか「シルエット」と同じぐらいの衝撃でバラードが突き刺さるっていう、SAKANAMONの強さに度肝を抜かれて"最高だ!"ってなりました。

中村:自分たちのスタイルをちゃんと突き抜けて持ってたところにびっくりして。結構フェスって明るく盛り上げて、時間も少ないし楽しませようっていうのがあったんですけど、そこには衝撃を受けました。

-SAKANAMONを讃えるタイム(笑)。他にはどうでしたか?

藤田:コンテンポラリーな生活のときに、もともとじん君と一緒の事務所で。じん君を昔ライヴで見たのがもう十何年前で、その上で今回こうやって特別に出てくれて朝日がギターを弾いて、「僕らに喜劇を見せてくれ」は朝日さんが歌ってたけど、それを見たときに"この光景を見れることあるんだ。本当に音楽続けてて良かったな"ってガチ泣きしちゃって。目の前で奇跡起きてるな、いい景色見させてくれてありがとうって感じでした。

タケイ:僕はちょくちょくPA席の後ろに行ってメイン・ステージとか見てたんですけど、フレデリックを途中からずっと観てて。なんかもうフェスの......。

朝日:王者(笑)。

タケイ:「飄々とエモーション」をやってたとき、よりそれを強く感じて。初めてフレ(フレデリック)がうちのバンドを呼んでくれたツアー("FREDERHYTHM TOUR 2019〜UMIMOYASU編〜")が「飄々とエモーション」をリリースした後のツアーで、ネクライトーキーでもカバーした曲で、思い出もあったんで、すごいうるっときました。

もっさ:いろいろあるんですけど1個だけ挙げるとすると、PEDROが「音楽」をやってるときに"デレレレレレレレデレレレ"ってギターが入る瞬間、あれがめっちゃ良くて。で、朝日さんが目の前で(※腕を叩きつけるように振るアクション)。

一同:ハハハ!

もっさ:手をガンガン振ったのが"そうやんな!"って。普段朝日さんはライヴ観てるときあんま動かんのに、よく分からん動きしてて(笑)。あの瞬間、音楽のすごさを感じましたね。

-田渕(ひさ子)さんがギターを弾いてるあの感じですね。

朝日:そう。俺等世代からしたらオルタナティヴの総本山の一番上にいる人だから。じんさんもちょっと緊張してたもんね。

もっさ:"オーキートーキーフェスティバル2025"で田渕さんのギターが鳴ってることも、本当にすごいことだなって思う。

-終わって2日しか経ってないんで(取材日は11月18日)、これからにどう繋がるかは難しいかもしれないですけど、2回目もありそうですかね?

もっさ:いつかは満を持してやりたいんですけど、毎年できるぐらいのあれはないんで(笑)、友達ももうちょっと増やして(笑)。

朝日:俺は全く同じメンツでやりたい。

中村:例えば5年後になるとしたら、全く同じメンツで5年前の自分たちと比べたりとかしてみたい。