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INTERVIEW

Japanese

GANG PARADE × 超能力戦士ドリアン 座談会

2025年03月号掲載

GANG PARADE × 超能力戦士ドリアン 座談会

GANG PARADE (L→R):ヤママチミキ ユメノユア ユイ・ガ・ドクソン 月ノウサギ ココ・パーティン・ココ キャン・GP・マイカ
超能力戦士ドリアン (L→R):やっさん(Gt/Vo) おーちくん(Dance/Vo) けつぷり(Gt/Cho)
Interviewer:宮﨑 大樹 Photographer:藤咲千明


ドリアンは全員ユイ・ガ・ドクソン推し?


-平等にできるのは全員の個性がしっかりあるからなんでしょうね。

やっさん:そうですね。同じような人ばっかりだったら、その中で上手い人だけ歌っといたらいいけど、ギャンパレは全然違う。

-ちなみに、"沢山居るから流石に/1人くらい推しを見つけられるでしょ"という歌詞に関して、ドリアンのメンバーもギャンパレに推しを見つけられましたか?

やっさん:ドク!(ユイ・ガ・ドクソン)

月ノ:やっさんは対バンのときから言っていますよね。

ココ:なんでドクなんですか?

やっさん:なんか......顔が覚えられた(笑)。ライヴの演出でめちゃくちゃいじったキャン・GP・マイカと、全くいじってないけど覚えられたドクやったら、まぁ推しはドクやな。

マイカ:えぇ~! なんでよぉ~!!

けつぷり:俺は曲を作って、レコーディングもさせてもらって、全員を平等に見るという立場があるから推しは決めないです。

ドクソン:絶対に1人、誰か選ばないと死ぬとしたら?

けつぷり:う~ん......。

ココ:じゃあ好きな色は?

けつぷり:好きな色は白(※ユイ・ガ・ドクソンの担当カラー)か黒(※担当メンバーなし)やな。

-となると、けつぷりさんもドク推し。

ミキ:推し被り(笑)。

やっさん:おーちくんは?

おーちくん:バランス考えたらドク以外かなぁ。

けつぷり:でも、おーちくんはメガネ女子が好きなんです。

月ノ:じゃあ全員ドク(笑)!?

ココ:逆に平和だ(笑)。

やっさん:まぁ、あのレコーディングを経験しちゃうと決められないでしょうね。僕はその前に言っているからいいですけど、レコーディングで頑張っているのを見ちゃっているので決められない。

おーちくん:全員にそれぞれ違う魅力がほんまにあったから。

けつぷり:マジで全員推してもうてるかも。

ギャンパレ一同:嬉しい!

-レコーディングに立ち会ったということですけど、何か印象に残っているエピソードはありますか?

やっさん:面白エピソードはないですけど、ココが――

ココ:あ! やめて(笑)!

やっさん:真剣な話をしたんですよ。パートを貰う/貰われへんみたいな話で。技術はあるし歌は上手いけど、意外とパートがないことがあるみたいで。それでこっちの、選ぶ側の感覚をお話したらココが"課題が見つかった"と。ココ的にいい分岐点になったらいいなと思いました。

ココ:ドリアンさんのレコーディングはすっごい楽しみにしていたんですけど、めっちゃ凹んで帰ってきたんです。ギャンパレは全員声色に特徴があって、11人いても全員の声を聴き分けられるぐらい、同じような声の子がいないんですね。今回の曲はそういう特徴が映えていて。で、レコーディングは2日間に分かれていて、1日目の子の歌を聴かせてもらったら、みんなすごく良かったんですけど、自分は普通に歌っちゃったなと思ったんです。で、そういう話をドリアンさんからしてもらって、"すごく上手だけど、うん"みたいな。

やっさん:特徴というか、癖みたいなのがないと。

ココ:メンバーが特徴的だからBメロとかは逆に普通に歌おうかな、とか自分なりにいろいろ考えて歌い分けてはいたんですけど、そういうとこだよなぁ......って。自分の歌での悩むポイントというか、それを再確認できてもっと頑張ろうと思えた日だったので、あの日はターニング・ポイントです。

-ギャンパレの歌割を決めるのって難しそうだなとは思います。

けつぷり:クソ難しかった。録りながらトークバック(※調整室からレコーディング・ブースにいる演者と会話を行うためのシステム)を返していないときに"どうしよう、全部いいやん......"って。前半は"助かるなぁ"、"みんな器用で、簡単にはめていけそうやなぁ"とか思っていたんですよ。

やっさん:でも、ずっと上手いから、後半は"迷惑やなぁ......"って(笑)。

一同:(笑)

月ノ:自分の順番の前にそれをポロっと言っていたのが聴こえて、"やべぇ、ミスったら絶対使われない"と思ってめっちゃ緊張して歌っていました(笑)。

やっさん:全員を使うのはやる前から確定していたんですけど、どこにするかの問題で。

-結局はどういうポイントや観点ではめていったんですか?

けつぷり:個別にちょいちょい喋らせてもらったり、一言二言の挨拶を交わしたりしていくなかで、メンバーのキャラや性格はなんとなく把握していていたんです。なので、この子は普段からこういう感じだよな、というのが出ているところを僕等なりに抜き出したつもりで。それが実際どうかは分からないですけど、僕なりにはこれが自然じゃないかなという歌割にさせてもらいました。

ユア:私は"声を出してみて"というところを歌わせてもらってるんですけど、レーベルさんが"ユアはデス・ヴォイスが出せます"と言ってくださって、その流れで低めの声で歌ったところを採用してもらえました。録っているときに"ここは使うやんな"みたいな話をしてくださったから、それは嬉しかったです。

ミキ:私はBメロ確定みたいな感じで。1回パっと録った後にBメロだけ重点的に録ってもらったんです。私もワーナーのスタッフさんから"あの人もっとできますよ"、"もっと癖出せますよ"みたいなことを言ってもらって、ちょっとずつちょっとずつ癖を小出しにしていきました。そうしたら1回行きすぎたから(笑)、また戻してとかやっていって。そうしたら本当にちゃんとそこを使っていただいたので、これを聴いたときに"ヤママチミキってこういう歌を歌うよね"と改めて再確認できるものを作ってもらえたかなと思います。

-さて、改めてこの「So many members」という曲は、遊び人にどんなふうに楽しんでもらいたいですか?

マイカ:私たちは"みんなの遊び場"というコンセプトでライヴをしているけど、ドリアンさんのライヴを観たときに、"本物の遊び場"を観たような気がして、すごい衝撃を受けたんです。"こういうライヴを作りたいんだよな"と思って今回楽曲提供していただいたので、それを再現というか、やりたいものに一歩でも近づけるようになったらいいなという想いで振付も作らせてもらったから、遊び人にも思う存分楽しんでもらえたらなと思います。

やっさん:濃いお客さん、自分たちのことを好きだと言ってくれるお客さんがいたとして、例えばそれが高校生だったら、大学生になるときに僕たちというコンテンツがどんだけ良くても、生活が変わるだけでライヴに行かなくなっちゃったりするんですよ。社会人になったり結婚したり出産したり、生活が変わるだけでそうなるから、知っている人に向けてだけライヴをするのって、ファンが擦り減っていくだけだなと僕は思うんです。なので、知っている人も、知らない人も楽しめるのがライヴではめちゃくちゃ大事だなと思っていて。だから僕等はそういうライヴをするようにしていて、今回はそこを褒めてもらったので、曲の構成的にも初めての人でも手を挙げやすい、声を出しやすい作りにしました。ギャンパレにはいろんな楽曲がありますけど、"セットリストの中であの1曲だけは覚えられたな"、"あの1曲で恥ずかしさが消えたな"みたいな、そういう役割を担ってくれたらいいなと。もちろんギャンパレや曲自体が広まるのが一番いいんですけど、知らなくても使える武器として使ってもらえたらなと思っています。

-今日はありがとうございました。最後に、今日はせっかくの座談会の機会ですので、お互いに聞いてみたいことはありますか?

けつぷり:ライバル心、競争心みたいなのは強い? 僕等は正直あんまりないんですよ。人数は少ないしキャラも別々だから、1つの弾として売れたいという気持ちが強い。でも11人になるとどこかで被りがあるんかなって。この子とこの子は趣味が一緒だけど、どっちかの仕事にしかならないとか。そういうことってありますか?

ココ:ライバル心的なもので一番分かりやすいのは歌割だと思うけど、逆に言うとそれ以外はあんまりないです。うちらもギャンパレとして売れたいから、例えば個人仕事があったとしても、そこからギャンパレのために、みたいな感じです。

やっさん:ドラマに出ても?

ココ:たしかにその規模になったことはないからなぁ(笑)。それは"いいな"ってなるかもしれない(笑)。

ミキ:なるかもしれないけど、その子が売れればギャンパレの名が広まるわけだから、"じゃあ頑張ってくれ"って思う。

ドクソン:でも、分からんで。上手くいきすぎて抜けるかもしれない。

ココ:1人バズりパターンか。

ミキ:まぁそれはその子の努力だから、それはそれでしょうがないなと思う。

マイカ:この子はぐいぐい行っているから自分も頑張らなきゃな、こっちの軌道に自分も乗ろう、みたいな気持ちになると思います。

やっさん:やっぱり思ってたWACKじゃないわ~(笑)。

けつぷり:推せるな(笑)。

マイカ:蹴落とそうとする子とかはいないよね?

月ノ:うん。例えば誰かが全然挨拶しないとか陰口を言って、それで悪い評判が広がったらそれはギャンパレの評判になっちゃうし。

けつぷり:うわ、バリ大人やん。

-ギャンパレからは何かありますか?

マイカ:ギャンパレはここを強くしたらもっと上に行けるんじゃないか、というドリアンさんから見た意見を聞きたいです。

おーちくん:ほんまにレコーディング観ていてもライヴを観ていても、とにかく良かったからないねんな。グループで行きそうやし、行ってほしいなって。なんか足りへんみたいなものってあるかな?

やっさん:WACKってBiSHのフォーマットみたいなのは下ろしてこないんですか?

ユア:昔はありました。ライヴハウスの規模とかツアーも、BiSHがやってきたことになぞらえていたけど、今はないよね?

月ノ: BiSHが最盛期だった時期とはアイドルの流行りも違いますからね。

やっさん:"かわいいだけじゃだめですか?"みたいな。なるほどね。でもギャンパレはいいものやからさ、それをいいものって知られるだけ。そういう状態やから、SNSとかをスタッフさんに頑張ってもらって広げるしかない。"こんなにいいものがあるんですけどどうですか?"って。アイドルをどうやって広げるかは僕には分からないんですけど、バンドだったらライヴの映像を上げる。僕等は強みがどこかみたいなのを考えて上げるんですけど、ギャンパレはもういいものなので、それを広めるだけ。

けつぷり:曲を作るのは僕等やったり作曲家さんやったりだから、その人等がどれだけいい曲を書いてくれるかとかも正直関わってくると思う。だからそういう仲間をどんどん増やしていく。パーツはいっぱいあるんだから。

やっさん:バズることが得意な知り合いがいて、その人が言っていたんですけど、バズるって交通事故みたいなものやから道路に出ないと始まらん。でも、車が来るかどうかは運次第だから、道路に出続ける。全然車来ぉへんけど毎日毎日出続けたらある日急に来るから、道路に出続けてほしいです。なので、道路に出続けるためにどうしたらいいか、みたいな会議をいっぱいしてください。

ココ:ありがとうございます。本日もターニング・ポイントになりました。学び。

ギャンパレ一同:頑張ります!