Japanese
ビッケブランカ
2021年03月号掲載
Interviewer:吉羽 さおり
3rdアルバム『Devil』以降、コロナ禍でライヴができない状況ではあったが、試みのある4thシングル『ミラージュ』や、岡崎体育とのコラボ・シングル『化かしHOUR NIGHT』の発表などで、変幻自在なポップスを聴かせてきたビッケブランカ。2021年の第1弾リリースとなる5thシングル表題曲「ポニーテイル」は、この季節に寄り添った春のミドル・バラードだ。これまでひとひねり、ふたひねりした音の魔法をかけ、ひねくれた悪戯心でリスナーのポップなツボを刺激してきたが、この「ポニーテイル」は正統的な爽やかさをイメージするタイトル通り、春風にポニーテイルが揺れるような、切なくもロマンチックな1曲になった。タッグを組んだのは数々のJ-POP、ヒット曲を手掛ける、編曲者 本間昭光。その制作の背景を訊いた。
-"ポニーテイル"という言わばポップスの定番のようなワードを使って、ビッケブランカは何を作るんだろうというのがまずあったんですが。これが、期待を上回る正統派のポップスを作ったなという印象です。今回はどういう感じで曲作りをスタートしているんですか。
春にシングルを出す、というところからですね。「ウララ」(2018年リリースのメジャー1stシングル表題曲)という昔の曲があるから、それをなんとかして超える、せっかくなら超えたいなってくらいの心持ちでした。
-そのときは、曲の世界観やタッチについての感触はまだない状態ですか。
サウンドが重くならなければいいかなという感じで。でも、今回はサウンド面が先行ではなかったんです。だから、サウンドについてはそれほど考える瞬間はなかったですね。メロディに関しても1回作り直したくらいで。
-歌詞の世界が先立っていた?
どちらが先かというと曲だったかもしれないですけど。最終的に比重が置かれたのが歌詞でした。
-なぜ"ポニーテイル"だったんですか。
ポニーテイルは、僕は好きだって昔からずっと公言してますから。女性誌のインタビューで"好きな髪型は?"みたいなのがよくあるんですけど、"ポニーテイル1択でしょう"みたいなことを言っていて。で、自分にとっての春の季節とか、いろんなことにピタピタピタッとハマって、自分の好きなポニーテイルっていうのが偶然出てきた感じなんです。なので、趣味趣向のタイトルで(笑)。
-歌詞の世界を広げる、非常に洗練されたサウンドになっていて。シングルにも収録されるインストゥルメンタル・バージョンを聴くと、シンプルながらいろんな音で構成されているのがわかりますね。アコギからエレキ・ギター、ピアノ、打ち込みのビートでという、その組み合わせの面白さもありました。
今回はアレンジを本間昭光さんがやってくれたんですが。ある程度の曲の基盤だけを作って、世界観を伝えてという感じで、アレンジになるべく時間を割かないようにってテーマがありました。そのぶん、メロディと歌詞のことだけを考えるというのがひとつテーマとしてあったんです。音楽が言葉の邪魔をしないようにというテーマですね。曲の展開や、重要な部分のコード進行だけは指定をして、他は本間さんのメソッドに任せるよという作り方だったんです。
-なぜ今回は、あえてアレンジャーを立てるという作り方だったんでしょう。
わからないんですけど、今もそうですが、家にずっといなきゃいけない時期が続いているじゃないですか。ライヴもできないし退屈なんですよね。やりたいことがやれん状況で、それに打ちひしがれていたわけでは全然ないんですけど。そういうのを1年くらいやっていると、"音楽を聴いているときまで心揺さぶられたくない"みたいな気持ちになるんです。疲れちゃうっていうか。洋楽とかですごくグワーっとしたものを聴くと、わかったわかった、ちょっとゆっくりさせてくれってなるんですよね。というので去年の11月くらいからは自然と中庸な雰囲気の、ふわっとしたものを好む傾向にあった気がするんです。その頃から、次に作る曲は自分でもこういう曲になるだろうなという予感はあって。で、春の歌を書こうとしたらこうなったという感じなんです。すごく素直だなと思いますね。
-歌詞もその素直さが出ていますよね。いつものシニカルな視点の入る余地がない。
ない。ないかもしれない(笑)。
-コード感の遊びはありますが、普段だったら言葉の遊びとして毒をちょっと入れるだろうなというのもなく。
そういうところだけは抜こうと思っても、出てしまう部分があると思うので。今までそんな曲をいっぱい作ってきたからこそ、逆にまっすぐな曲を書いても、それが変化球になりうるという自分にしかできないタイミングかもなと考えたんです。それもあって、こういう作り方にしました。
-本間さんにアレンジをお願いするというのは、早い段階で決まっていたんですか?
決まってなかったですね。曲を作って、アレンジにこれ以上時間を費やしたくないなとなったときに、レーベルに"人に頼んでいい?"って聞いたら"いいよ"って言うから。"誰がいい?"って言うから、本間さんがいいですって言って。
-なぜ、この曲で本間さんにお願いしたいと?
もともとすごく昔からの知り合いなんです。本間さんが作ったデモの仮歌を歌うバイトみたいなことをしてたこともあって。だから、これまでもいつでも仕事をするチャンスはあったし、話はできるくらい信頼関係はあったんですけど。今じゃない、まだ自分でやれることがあるなっていう感じだったんです。でも、このタイミングで、自分でアレンジに手をつけないという選択で1曲作ってみたいとなったとき、満を持して本間さんが出てきたんですよね。
-本間さんにはどういうアレンジを期待しましたか?
本間さんは大J-POPをたくさん作ってきた人だから、自分にはわからないレベルでのメソッドを知っているだろうというのと、僕は......ピアノは弾けるんですけど、ピアノで大事なのは小指で。小指がどこにいくかでナインス・コードとかサスなんとかコードになるんです。それを知らないから、そういう動きを知ってる本間さんに、僕が弾いたピアノにさらに深みを出してもらう作業、リハーモナイズというのをしてもらって。本間さんはそういうのを僕の周りで一番知ってるピアノマンなので、迷いなくお願いしましたね。
-実際、アレンジ作業は一緒にしているんですか?
リモートでしたけど、一緒にすることもありました。データを渡してもらって、ここはさすがに爽やかすぎるみたいなところは、僕の汚いコードに戻してもらうとか(笑)。基本的には、できあがったアレンジに口を出すだけで僕が自分で打ち込むというのはなかったですね。
-そういう今までにない曲作りをしてみてどうでしたか?
マジで、むっちゃ楽だった。
-特にアレンジはいつも根詰めてやっている部分ですもんね。
それに一番時間を割いていたんだなって改めて自覚して。そんなやってらんないぜって思った(笑)。
-いやいや、そこはビッケブランカさんの面白さですから(笑)。
今は自分が偏屈な曲を作れないマインドで。ってなったらそれに特化した人がいるだろうという。でも、まっすぐさというのはひとつだけど、偏屈さって多種多様だからアレンジメントや、歌詞に関しても偏屈なものを作るときは人には頼めないと思うんですよ。だけど、そうじゃないときだからこそ、人とやってみることで自分の経験を増やしたいなというのもありましたね。
-J-POPの定番的と言えるA、B、サビ、そしてクライマックスで大サビという着地まで優等生的な曲で。ただビッケブランカの曲としては、かえってそこに新鮮さがあって、曲から聞こえてくるドラマがより立ち上がる感じがありました。
その時々でいろんなジャンルから好きなものを自分で吸収して、自分でアレンジをして歌詞を作ってメロディを作って、機材も揃えて、サウンドもこだわってとやってましたけど。始めの頃って、ラッパとかが入ったファンクみたいなものをやって、シンフォニックな感じにいって、ヒップホップ、ラップみたいなノリもやってEDMをやって。自分の自意識としては、それぞれのジャンルでそこに並べられても、恥ずかしくないクオリティでちゃんと作ったつもりではいるんです。片足突っ込みましたみたいな、"今回はなんとか調の音楽"で、"なんとか風の"というのは脱しようってつもりでやっていたから。それぞれのジャンルに一瞬どっぷりハマっていく感じでやっていくなかで、今はJ-POPにハマってるときっていうただそれだけのことなのかなとも思うし。
-そのJ-POPは、原点回帰的なところもあるのでは?
そうですね。初めに音楽を好きだと思ったのがSMAPとかが歌っているもので、ストレートな言葉をみんなで歌うのがいいというところから、いろんな音楽を知ってしまったばかりに、その都度いろんなところに浸かってやってきて。1周回って、もう1回それをいいと思える自分になるみたいな感じでしたね。
LIVE INFO
- 2025.10.28
-
終活クラブ
SIX LOUNGE
アイナ・ジ・エンド
YOASOBI
吉澤嘉代子
藤巻亮太
超能力戦士ドリアン
サニーデイ・サービス × NOT WONK
リュックと添い寝ごはん
- 2025.10.29
-
吉澤嘉代子
Damiano David(MÅNESKIN)
amazarashi
キュウソネコカミ
moon drop
怒髪天
- 2025.10.30
-
超☆社会的サンダル
LONGMAN
YOASOBI
凛として時雨
夜の本気ダンス
キュウソネコカミ
SIX LOUNGE
打首獄門同好会
Nikoん × Apes
挫・人間
- 2025.10.31
-
すなお
ExWHYZ
吉澤嘉代子
東京スカパラダイスオーケストラ
LONGMAN
YOASOBI
ガガガSP
フリージアン
FINLANDS
Newspeak
夜の本気ダンス
go!go!vanillas
超能力戦士ドリアン
インナージャーニー
岸田教団&THE明星ロケッツ
ポップしなないで
RAY
アイナ・ジ・エンド
- 2025.11.01
-
東京スカパラダイスオーケストラ
怒髪天
PIGGS
超☆社会的サンダル
ポルカドットスティングレイ
MONOEYES
シド
LACCO TOWER
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
LiSA
Omoinotake
"ボロフェスタ2025"
ドミコ
TOKYOてふてふ
Dannie May
SIX LOUNGE
hockrockb
go!go!vanillas
osage
RADWIMPS
The Biscats
brainchild's
ぜんぶ君のせいだ。
INORAN
chilldspot
moon drop
インナージャーニー
KANA-BOON
AFTER SQUALL
松永天馬(アーバンギャルド)
NANIMONO
愛美
CYNHN
DeNeel
kobore
the cabs
離婚伝説
[Alexandros] / WANIMA / UNISON SQUARE GARDEN / くるり ほか
- 2025.11.02
-
osage
OKAMOTO'S
PIGGS
HEP BURN
秋山黄色
吉澤嘉代子
MONOEYES
セックスマシーン!!
ビレッジマンズストア
離婚伝説
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
"ボロフェスタ2025"
KING BROTHERS
wacci
Laura day romance
PIXIES
Devil ANTHEM.
TOKYOてふてふ
RADWIMPS
Dannie May
ぜんぶ君のせいだ。
INORAN
キタニタツヤ
moon drop
KANA-BOON
AIRFLIP
ハンブレッダーズ×秀吉×囲碁将棋
羊文学 / sumika / クリープハイプ / マルシィ ほか
私立恵比寿中学
The Biscats
WtB
:[Alexandros] / 10-FEET / go!go!vanillas / マカロニえんぴつ ほか
bokula.
- 2025.11.03
-
irienchy × no more
NANIMONO
秋山黄色
フレデリック
怒髪天
OKAMOTO'S
東京スカパラダイスオーケストラ
Devil ANTHEM.
ポルカドットスティングレイ
セックスマシーン!!
キタニタツヤ
シド
LiSA
"ボロフェスタ2025"
yama
キュウソネコカミ
愛美
brainchild's
藤巻亮太
AIRFLIP
私立恵比寿中学
Bye-Bye-Handの方程式
moon drop
SCOOBIE DO
the telephones
フラワーカンパニーズ
清 竜人25
THE BACK HORN
凛として時雨
Age Factory
hockrockb
LACCO TOWER
阿部真央
- 2025.11.06
-
RADWIMPS
古墳シスターズ
ねぐせ。
超能力戦士ドリアン
吉澤嘉代子
TENDOUJI
東京スカパラダイスオーケストラ
THE SPELLBOUND
LEGO BIG MORL
LONGMAN
キュウソネコカミ
フィロソフィーのダンス
夜の本気ダンス
GLIM SPANKY / 神はサイコロを振らない / レトロリロン
礼賛
ブランデー戦記
- 2025.11.07
-
YONA YONA WEEKENDERS
コレサワ
Rei
SIX LOUNGE
古墳シスターズ
あたらよ
Chimothy→
NANIMONO
超能力戦士ドリアン
崎山蒼志
ザ・シスターズハイ
MONOEYES
インナージャーニー
PompadollS
LEGO BIG MORL
androp
reGretGirl
終活クラブ
フレデリック
DOES
brainchild's
LUCKY TAPES
大橋ちっぽけ
BLUE ENCOUNT
- 2025.11.08
-
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
ねぐせ。
FINLANDS
フラワーカンパニーズ
NANIMONO
Rei
SCOOBIE DO
打首獄門同好会
離婚伝説
PIGGS
終活クラブ
東京スカパラダイスオーケストラ
moon drop
キュウソネコカミ
eastern youth
wacci
Cody・Lee(李)
フレデリック
osage
怒髪天
優里
ASH DA HERO
irienchy × no more
パスピエ
MONO NO AWARE / ウルフルズ / Jeremy Quartus(Nulbarich) / SIRUP ほか
向井秀徳 / the band apart / ラブリーサマーちゃん / サニーデイ・サービス / 石野卓球 ほか
ザ・シスターズハイ
藤巻亮太 / SHE'S / SOIL&"PIMP"SESSIONS / 寺中友将(KEYTALK) / CENT ほか
ビレッジマンズストア
- 2025.11.09
-
コレサワ
Mrs. GREEN APPLE
Laura day romance
ねぐせ。
NANIMONO
SUPER BEAVER
フラワーカンパニーズ
あたらよ
ズーカラデル
osage
FINLANDS
SCOOBIE DO
MONOEYES
Devil ANTHEM.
崎山蒼志
打首獄門同好会
キタニタツヤ
リュックと添い寝ごはん
LUCY
水平線
KANA-BOON
ラックライフ
暴動クラブ
東京スカパラダイスオーケストラ
chilldspot
インナージャーニー
ドミコ
森 翼
PompadollS
Appare!
キュウソネコカミ
eastern youth
Cody・Lee(李)
BLUE ENCOUNT
優里
岸田教団&THE明星ロケッツ
Rhythmic Toy World / BIGMAMA / LACCO TOWER / kobore ほか
ASIAN KUNG-FU GENERATION / SHISHAMO / 水曜日のカンパネラ / TENDRE ほか
シド
"四星球放送局FESTIVAL"
Dannie May
a flood of circle
センチミリメンタル
怒髪天
- 2025.11.11
-
PEDRO
Age Factory×ジ・エンプティ
BIGMAMA
Laughing Hick
SAKANAMON
僕には通じない
Ado
RELEASE INFO
- 2025.10.29
- 2025.10.30
- 2025.10.31
- 2025.11.05
- 2025.11.07
- 2025.11.09
- 2025.11.10
- 2025.11.11
- 2025.11.12
- 2025.11.14
- 2025.11.17
- 2025.11.18
- 2025.11.19
- 2025.11.21
- 2025.11.26
- 2025.12.03
FREE MAGAZINE

-
Cover Artists
暴動クラブ
Skream! 2025年10月号



















