Japanese
ビッケブランカ
Skream! マガジン 2023年09月号掲載
2023.07.31 @Zepp DiverCity(TOKYO)
Writer : 吉羽 さおり Photographer:藤井拓
5月からスタートした全国ツアー"Vicke Blanka LIVE HOUSE TOUR 2023"のファイナル公演が、7月31日にZepp DiverCity(TOKYO)で開催された。今回は久々のライヴハウスでの公演であり、またコロナ禍を経て観客の歓声や歌声が帰ってきたところでのツアーでもある。このZepp DiverCity(TOKYO)公演も、SEで3月に配信リリースした「革命」のイントロダクション部分がファンファーレとして鳴り響くと、フロアの温度が一気に上がったのが肌で感じられた。お馴染みのバンド・メンバー、横山裕章(Key/Cho)、井手上 誠(Gt/Cho)、若山雅弘(Dr/Cho)、まきやまはる菜(Ba/Cho)、岡部磨知(1st.Vn)、天野 恵(2nd.Vn)がそれぞれの位置についたあとに、ビッケブランカは観客の大きな拍手と歓声と熱気を一身に浴び、その高い熱量を味わうかのようにゆっくりとステージ中央へと到着すると、エネルギッシュなドラムビートと共に「Get Physical」でライヴを幕開けた。
今回の"LIVE HOUSE TOUR 2023"はメジャー・デビュー5周年を経て、新たな地平を目指すビッケブランカの"革命"的第一歩を体現するツアーがテーマとなった。ライヴハウスという観客と一体となって騒げる場所で、その1曲目がパワフルなバンド・アンサンブルとシンガロングでフロアも一体となって拳を突き上げるロックでアンセミックな「Get Physical」だというのが痛快だ。今回はこのバンド・アンサンブルもいつにも増してフィジカルな勢いやスピード感があって、メンバーの前のめりの感じもまた会場の陽性の濃度を上げている。続く「Slave of Love」では歌詞にある"no"のシュプレヒコールが大きく響き、間奏パートはビッケブランカが名MCのごとく観客の拍手を指揮して盛り上げていく。イントロでピアノを奏でたかと思うと、ギターを背負って骨太なロック・サウンドで駆け抜けていく「Black Catcher」と、序盤からカロリー高めのステージで、フロアからは"ビッケコール"や"カッコいい"という声が上がる。
来場者への感謝やこの日を楽しみにしていたことなど挨拶をしたビッケブランカは"早く曲をやりたいので次に行こう!"と、続く「Shekebon!」や「Natural Woman」のキャッチーでグルーヴィなリズムで会場を揺るがすような観客のジャンプを起こし、「Want You Back」では、まず"AHA"のコール&レスポンスで観客の声をどんどん大きくしていってから曲をスタート。曲中のコール&レスポンスはエンドレス状態で、ライヴは早くもクライマックスの様相だ。昨年行われた全国ツアー"THE TOUR「Vicke Blanka」"など、コロナ禍でのライヴは、"エンターテイナー"ビッケブランカで魅せるステージで、めくるめくポップ・サウンドを聴かせると共に演出面でもこだわった内容にもなっていた。
今回のライヴハウス・ツアーは演出をシンプルに、ビッケブランカの今をリアルに際立たせるステージになっている。ライヴハウスが舞台の今回のツアーに沿ったアレンジで楽曲のエネルギーを高め、また白熱した演奏が改めてエヴァーグリーンなメロディの魅力やヴォーカルの力強さを引き立てる。内なるものを解放するパワーがより饒舌にさせるのかMCはユーモアがたっぷり。この3ヶ月にわたるライヴハウス・ツアーの間にも、サウジアラビアやフランス、イタリアと中東と欧州でライヴをしてきた各国でいろいろと体験した土産話を、友だちにでも話すように聞かせ、笑いもとっていく貪欲さに会場が沸く。そうした海外のライヴがあってのこの締めくくりがこのZepp DiverCity(TOKYO)ということで、"僕にとっては来日公演ですよ"と、お茶目にMCを着地させて後半戦へと折り返した。
"夏の歌をやろうと思います"と言って演奏したのは、白昼夢的なメロウさがここ数日の気だるいほどの暑さにぴったりな「夏の夢」。音源ではチル・アウトなムードが強いが、今回のアレンジではダンサブルなアンサンブルで観客の身体を揺らす。その心地よい揺れを大きなハンドクラップに変えた「オオカミなら」では、ビッケブランカはハンドマイクでステージを闊歩し、盛り上げる。すでに熱気が立ち込める会場だが、それをさらに引っ張り上げたのが続く「Stray Cat」。ビッケブランカがサンプリング・パッドを叩き、ドラムと共にパーカッシヴに、あるいはギターとも呼応して肉体的に音を作り上げていく。躍動するサウンドにフロアが踊り、歓喜し、しかしサビではしっかりハンドマイクで歌い上げ観客のエモーションを昇華する。そんなアンセミックな仕上がりになっており新鮮だ。勢い良くスモークが上がって観客の興奮もジャンプも右肩上がりにしていった「蒼天のヴァンパイア」はドラムのキックが強調されたラテン・フレイバーが強め。観客は気持ち良さげに、持っているタオルを頭上で振り回した。
会場内の温度が上昇一方のなか、ライヴはいよいよ終盤に。ビッケブランカは、キャリアのスタートが曲を作ることからでライヴは好きではなかったけれど、それが今こんなに楽しいことになっているのが面白いと語る。海外でもリスナーを増やし、海外でのライヴも行っているけれど、それはここ日本での基盤があるからこそできることだと告げる。今日のファイナルが特別なものとなったと、改めて観客に感謝を伝えて突入した「This Kiss」では、その思いが溢れたのか、冒頭の歌詞で"ありがとう"というフレーズが口をついてしまうハプニングも(ちなみに正解は"流行りのテラス席")。自分でもびっくりしていたビッケブランカだったが、気を取り直してもう一度頭からスタートした「This Kiss」が盛り上がったことは言うまでもない。
カラフルな上昇気流を生み出す「ウララ」から、最高のライヴ・チューンへとますます磨きがかかっている「Ca Va?」で、盛大な"Ca Va?コール"を巻き起こすと、ラストは「革命」へ。"このツアーは、この歌で始まって、この歌で終わります"と言って、頭の高揚感溢れるマーチングのパートから、バンドや観客のシンガロングを指揮すると、ギターを背負ってバンド・アンサンブルのアクセルを踏み込んでいく。壮大でシンフォニックな展開の曲だが、あくまでギター・オリエンテッドなロック「革命」。どこかバカでかい重たい扉を素手でこじ開けていくかのような馬力があるバンド・アンサンブルが、会場をひとつにする。これまでも壮大な楽曲でエンディングを迎えるライヴは多いが、その中でも味わったことのない爽快感や、これもまた序章に過ぎないのではないかというこれからへの大きな期待感とが混じり合ったエンディングに、会場は拍手喝采となった。
アンコールでは、8月30日に新曲「Snake」がリリースとなること。そして12月28日には待望の第2弾となるスペシャル・イベント"Vicke Blanka presents RAINBOW ROAD -翔-"がTOKYO DOME CITY HALLで開催されることも発表となった。嬉しいアナウンスのあとに、久しぶりに大切な歌を披露したいとピアノの弾き語りからスタートしたのは「まっしろ」。1音も逃すまいという観客が息を呑むなかで歌い上げたこの曲に、ビッケブランカも様々に募る思いがあったのか、胸を駆け上がってくる思いを押し戻すようにゆっくりと息を整え、「ファビュラス」、「Great Squall」でアンコールを駆け抜けた。メジャー・デビュー6周年目はエネルギッシュで騒々しく、その多彩な音楽もエモーションも、まだ見ぬ景色を求めて爆発していることを感じるツアーとなった。
プレイリスト情報
"Vicke Blanka LIVE HOUSE TOUR 2023"
7月31日(月)Zepp DiverCity(TOKYO)
OPEN 18:00 / START 19:00
プレイリストはこちら
[Setlist]
1. Get Physical
2. Slave of Love
3. Black Catcher
4. Shekebon!
5. Natural Woman
6. Want You Back
7. 夏の夢
8. オオカミなら
9. Stray Cat
10. 蒼天のヴァンパイア
11. This Kiss
12. ウララ
13. Ca Va?
14. 革命
En1. まっしろ
En2. ファビュラス
En3. Great Squall
[Member]
横山裕章(Key/Cho)
井手上 誠(Gt/Cho)
若山雅弘(Dr/Cho)
まきやまはる菜(Ba/Cho)
岡部磨知(1st.Vn)
天野 恵(2nd.Vn)
- 1
LIVE INFO
- 2023.09.22
-
羊文学
Cö shu Nie
虎の子ラミー
THE ORAL CIGARETTES
milet
ザ・クロマニヨンズ
SPARK!!SOUND!!SHOW!!
the shes gone
saji
Helsinki Lambda Club
Omoinotake
ASIAN KUNG-FU GENERATION
神山羊
斉藤和義
THE FOREVER YOUNG
ずっと真夜中でいいのに。
mol-74
CVLTE
キタニタツヤ
ウェルビーズ / 千年ポプラ / MONKEY GROW
- 2023.09.23
-
ExWHYZ
NEE
神はサイコロを振らない
"JOKAFES.2023"
SHISHAMO
ネクライトーキー
anew
キュウソネコカミ ※公演延期
SAKANAMON
reGretGirl
THE BOYS&GIRLS
"AKABIRA CAMP BREAK 2023"
ASP
WOMCADOLE ※振替公演
Helsinki Lambda Club
Omoinotake
あらき
虎の子ラミー
the shes gone
伊東歌詞太郎
BiS
Plastic Tree
ALLiCA
LONGMAN ※振替公演
moon drop
MOROHA
"中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2023"
"NAKAYOSHI FES. 2023"
Bentham
ASH DA HERO
This is LAST
- 2023.09.24
-
THE SPELLBOUND
ネクライトーキー
Cö shu Nie
あらき
キュウソネコカミ ※公演延期
THE FOREVER YOUNG
SAKANAMON
GANG PARADE
THE BOYS&GIRLS
"AKABIRA CAMP BREAK 2023"
ASP
THE ORAL CIGARETTES
鉄風東京 × ルサンチマン
Plastic Tree
Helsinki Lambda Club
milet
ザ・クロマニヨンズ
Novelbright
ヲドルマヨナカ
BiS
SHISHAMO
MAGIC OF LiFE
"中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2023"
伊東歌詞太郎
MyGO!!!!!
メメタァ
TK from 凛として時雨
RAY
ASH DA HERO
KODALINE
- 2023.09.25
-
THE FOREVER YOUNG
UVERworld
ザ・クロマニヨンズ
KODALINE
鉄風東京 × ルサンチマン
レイラ
虎の子ラミー
saji
- 2023.09.26
-
神はサイコロを振らない
キュウソネコカミ ※公演延期
THE ORAL CIGARETTES
Saucy Dog ※振替公演
SEKAI NO OWARI
THE BAWDIES × ジャルジャル
Helsinki Lambda Club
ジェニーハイ
- 2023.09.27
-
THE FOREVER YOUNG
SEKAI NO OWARI
Post Malone
- 2023.09.28
-
THE ORAL CIGARETTES
THE BAWDIES × ジャルジャル
ONCE
Saucy Dog ※振替公演
THE FOREVER YOUNG
never young beach
Age Factory × ドミコ
ずっと真夜中でいいのに。
リュックと添い寝ごはん
- 2023.09.29
-
tricot
ASIAN KUNG-FU GENERATION
SUPER BEAVER
羊文学
ザ・クロマニヨンズ
ヤユヨ
虎の子ラミー
THE BAWDIES × ジャルジャル
Bentham
Cö shu Nie
kobore × the dadadadys
ニガミ17才 × マハラージャン
ずっと真夜中でいいのに。
BRADIO
おいしくるメロンパン
INORAN
優里
- 2023.09.30
-
KEYTALK
MOROHA
the shes gone
PIGGS
tricot
ASP
セックスマシーン!!
Dragon Ash / ACIDMAN / 新しい学校のリーダーズ ほか
"ASO ROCK FESTIVAL FIRE 2023"
Omoinotake
古墳シスターズ
reGretGirl
伊東歌詞太郎
BiS
ALLiCA
SUPER BEAVER
ヤユヨ
リーガルリリー
須田景凪
ザ・クロマニヨンズ
ラックライフ
THE ORAL CIGARETTES
THE BOYS&GIRLS
SHISHAMO
GANG PARADE
キタニタツヤ
ナードマグネット
メメタァ
優里
眉村ちあき
豆柴の大群
豆柴の大群
Novelbright / yama / 水曜日のカンパネラ / wacci ほか
佐々木亮介(a flood of circle)
THE FOREVER YOUNG
"PIA MUSIC COMPLEX 2023"
Cö shu Nie
androp
LiSA
雅桜おみ / 未確認動物うまぴ / AZ-ON ほか
- 2023.10.01
-
the shes gone
ALLiCA
ASP
SHISHAMO
セックスマシーン!!
"ASO ROCK FESTIVAL FIRE 2023"
古墳シスターズ
BiS
the quiet room
羊文学
伊東歌詞太郎
フジファブリック
ネクライトーキー
あらき
君島大空
YAJICO GIRL
milet
I Don't Like Mondays.
THE FOREVER YOUNG
リーガルリリー
キタニタツヤ
眉村ちあき
never young beach
The Cheserasera
LACCO TOWER
ポップしなないで
大森靖子
"PIA MUSIC COMPLEX 2023"
ASIAN KUNG-FU GENERATION
flumpool
おいしくるメロンパン
yutori
LiSA
- 2023.10.03
-
あらき
感覚ピエロ
ヤバイTシャツ屋さん
SEKAI NO OWARI
あいみょん
The Ravens
大原櫻子
レイラ
塩入冬湖(FINLANDS)
ザ・クロマニヨンズ
羊文学
- 2023.10.04
-
あいみょん
古墳シスターズ
never young beach
The Ravens
ASIAN KUNG-FU GENERATION
SEKAI NO OWARI
フジファブリック
ずっと真夜中でいいのに。
GANG PARADE
なきごと
Keishi Tanaka
ONCE
polly
MOROHA
羊文学
- 2023.10.05
-
sumika
Keishi Tanaka
PEDRO
ヤバイTシャツ屋さん
ADAM at
ASIAN KUNG-FU GENERATION
大原櫻子
フジファブリック
東京スカパラダイスオーケストラ
ONCE
REX ORANGE COUNTY
BRADIO
- 2023.10.06
-
The Ravens
GANG PARADE
SHISHAMO
THE BOYS&GIRLS
Keishi Tanaka
秋山黄色
ずっと真夜中でいいのに。
TENDRE
GRAPEVINE
ヤバイTシャツ屋さん
Age Factory / TETORA / きょんぺ
メメタァ
XIIX
阿部真央
ADAM at
ザ・クロマニヨンズ
インナージャーニー
Base Ball Bear / ポルカドットスティングレイ / パスピエ
NOMELON NOLEMON
SUPER BEAVER
anewhite
BRADIO
Omoinotake
flumpool
かたこと / berry meet / Gum-9 ほか
- 2023.10.07
-
SAKANAMON
GANG PARADE
キタニタツヤ
ヤングスキニー
sumika
XIIX
THE BOYS&GIRLS
東京スカパラダイスオーケストラ
Keishi Tanaka
PEDRO
ずっと真夜中でいいのに。
Dios
おいしくるメロンパン
PIGGS
WurtS
9mm Parabellum Bullet
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
"FM802 MINAMI WHEEL 2023"
ASP
SHISHAMO
ネクライトーキー
"イナズマロック フェス 2023"
NEE
君島大空
セックスマシーン!!
スキマスイッチ / 徳永英明 / きゃりーぱみゅぱみゅ ほか
milet
jizue
私立恵比寿中学
JYOCHO
TOKYOてふてふ
岡崎体育
夜の本気ダンス
YAJICO GIRL
ドレスコーズ / THEティバ / toe ほか
fhána
indigo la End
"Mt.FUJIMAKI 2023"
NOIMAGE / irune / Midnight 90's ほか
RELEASE INFO
- 2023.09.22
- 2023.09.23
- 2023.09.24
- 2023.09.26
- 2023.09.27
- 2023.09.29
- 2023.10.01
- 2023.10.03
- 2023.10.04
- 2023.10.05
- 2023.10.08
- 2023.10.09
- 2023.10.10
- 2023.10.11
- 2023.10.13
- 2023.10.14
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
阿部真央
Skream! 2023年09月号