Japanese
ビッケブランカ
2020年03月号掲載
Interviewer:吉羽 さおり
ビッケブランカの3rdアルバムが完成した。"Devil"と名付けられたアルバムは、まさにビッケブランカというアーティストの本性、創造の本質にある楽しさや快楽、欲求を赤裸々に形にしたような1枚だ。前作『wizard』にもあったEDMあり、美しい名バラードもあり、リード曲「Shekebon!」のようなグランジ・ヒップホップもあり、また、今回は素の表情をも垣間見せるようなユーモアもふんだん。この肩の力が抜けた感じが、ポップ職人的な精密なこだわりに洒脱な印象を加えている。フレンドリーで、音楽的にはかなり贅沢なアルバムだろう。この『Devil』へと至る思い、作品を生み出すことの楽しみについて話を訊いた。
-ニュー・アルバム『Devil』もまた、美しいバラードあり、EDMあり、ソリッドなロックやスケール感溢れる曲もありと、幅広い内容になりました。前作『wizard』(2018年リリースの2ndアルバム)ではいろいろな挑戦も詰まっていましたが、そのリリースを経て次なる作品へということで、自分で興味を持って音楽的に突き詰めようって思ったのはどういうものでしたか?
「Save This Love」と「Heal Me」という世界標準のEDMですね。新しいものを徹底していこう、新しく吸収して成長しながら作るということで言うと、この2曲で。やるべきことがはっきりわかっていましたね。
-そこでまずは学ぶこと、吸収することがあったんですね。
例えば、この曲だとここのキックのチューニングが違うのかとか、いろんなことを考えながらでしたね。ヨーロッパの人間のほうが面白いものを作っていたりするので、そういうのを聴いたり。だんだんとわかってくると、そのジャンルの中でもやろうとしているスタイルが分かれてくるわけですよね。テクノに寄る人たちもいるし、チルっぽく作る人もいれば、神聖なチャーチ感みたいな雰囲気で作る人もいて。その中で自分はどれなのかなって言ったら、自然とできるものがチャーチ寄りなものなんですよね。マイナー調の、おとぎ話的な感じの雰囲気で、クリスチャン・フォークみたいなほうにいきがちだなという発見はありました。
-ある程度の型がわかったところで、じゃあ自分の音は何かっていう追求していくプロセスになると。
1個土壌がわかってくると、そのうえで遊べるようになってくるんですよね。だから、理解するのにしっかりと時間をかけたっていう感じでした。
-前作で初めて作り上げたEDM「キロン」や「Smash(Right This Way)」は、今考えるとどういう段階だったと思いますか?
あれもまだ発展途上だったにしろ、結構よくできてるなと思いますね。そのときにできる全力は出せているなと。
-当時はアレンジ面でサポートをしている方もいて、制作と同時に学びながら進めていたものでしたよね。
そうです。キックの音とかヒューっていうSEみたいなものとかを自分では持っていなかったし、作り方もわからない時期だったので、こういうふうにやりたいんだって言って作ってもらって。それを、どうやってやったんですかって聞いて、これはこういうふうに音源が売ってるから、これを買ってハメるだけなんだよとか、いろんな方法やソフトを教えてもらって、そういうもので増強された俺の部屋から今回の曲ができあがったんです。今回は誰の手も借りていないので。
-この構築性のあるサウンドを今回ひとりで作り上げているっていうのは、ひとつ大きなポイントですよね。それが付け焼き刃的でないっていうのはアルバムを聴いても思いましたし、「Save This Love」にしても一聴するとシンプルですが、ひもとくとかなりの音が入った曲になっていて。
そうなんですよ。サビの音はラインとしてはひとつなんですけど、7つくらいの音が重なっているんですよね。でも、それってオリジナルじゃなく、プリセットなので、実は誰でも出せちゃうものなんです。そのプリセットを加工して、音を変えて、なおかつそういったものを7個くらい並べることにより、やっと聴いたことがない音にできるので、いろんなことをしましたね。
-EDMやダンス・ミュージックは、いろんな人がフックとして使うような常套手段的なものって結構ありますよね。
そう、それを、いかにオリジナル性を持ってやっていくかなんですよね。
-今作では2曲だけが収録されましたが、アイディアはここだけで収まっていないだろうなっていうのはすごく感じますね。
今一番作るのが楽しいのが、ああいうダンス・ミュージックなんですよね。
-そう考えると、今やピアノ1台での制作というところからは考えられないところにきていますね(笑)。いちシンガー・ソングライターとして、こういうトラックからアレンジなど、すべて自分でできるっていうのは個性でもあるし、新しさになりますね。
デビューして3年間やってきて、自分はどこが人と違うかっていうことをなんとなく認識していくなかで、アレンジがしっかりできるところと、あとは自分がすごく大事にしているのがやっぱりメロディ・ラインなんです。そういうことを複合的に考えていくとこういうダンス・ミュージック、EDMっていうのはアレンジメントが主役であるわけですよね。音がどう鳴るか、ここでキックが鳴って、ここでこう展開してとか、歌がない部分を聴くというものでもあるんですけど、その部分を良くするためには、その手前のビルドアップというところで、めっちゃいいメロディを歌っていないといけないんですよ。そこで一番メロディが丸裸になるんです。
-あぁ、なるほど。
そういう自分が得意とするところがふたつとも重要なところに存在しているっていうのは、めちゃめちゃハマりますよね。
-まさに必然でもあるんですね。歌に関してはこの2曲共、憂いがある旋律になりましたが。
チャーチ感出ちゃうんですよ(笑)。アゲにならないんですよね。本質的にいいメロディと感じるのがちょっとマイナー調のものなのか、憂いを帯びたメロディが根本的に好きなんだろうなっていうのは気づきました。
-このメロディはトラックができてから乗るんですか?
「Heal Me」は弾き語りのメロディ・ライン先行で、これをEDMに変えてみようっていう順番でしたね。だから、「Heal Me」はどちらかというと歌が強くて。「Save This Love」はトラックのイメージ、音サビのイメージがあって、それを一番盛り上げられる歌詞に歌いながら変えていったという感じでしたね。
-「Heal Me」は英語詞の曲で、癒していくという意味合いがありますが、サビ部分で歌う"heal it・heal it "っていう音が日本語の"ヒリヒリ"に聞こえてくる。そういう音の遊びで意味が深まっていて面白い曲だなと思いますが、あれは仕掛けたものなんですか?
本気で歌ってるのに、突然ヒリヒリ言い出すみたいな(笑)。でも、そこのメロディ・ラインにハマるのが"ヒリヒリ"だったという、それだけなんですよね。絶妙な感じになってると思います。
-そうだったんですね。「Heal Me」はメロディ先行だったということですが、ピアノが基調の曲でもあるし、アレンジの可能性が広い曲です。そういう曲がどういう流れでEDMになっていくんですか?
たしかに普通に演奏する曲にもできたんです。でも、そうするならやっぱり日本語で歌わなきゃいけないというか。今は自分の中でより極端化してるんですよね。英語で歌って気持ちいいことが証明されてしまった場合は英語で歌わないといけない。でも、英語で歌う曲をバンド・サウンドでやっても、それを求める人がいないように感じるというか。
-J-POPとは離れてしまうというか、うまく馴染まないのではないかと?
J-POPとは離れてしまうのに、サウンドのメイキングはJ-POPみたいなことが起こるのは、どうしたらいいかわからない扱いになってしまって。さすがに曲がかわいそうかなと思ったので、それならこのメロディや英語詞が生きる枠組み、なおかつ自分が得意な枠組みに入れてあげようという感じなんです。
-その曲が育ちやすい環境にしてあげるという感覚なんですね。そういう発想だからなのか、サウンドの幅もどんどん広がっているし、そこにこうじゃなきゃっていう固定観念がない作品になっていますよね。
わけがわからないことになってますね。「白熊」を歌ったあとに「Heal Me」で"ヒリヒリ"ですから(笑)。これを同時に愛してくれる人が少なからずいてくれると思うと、なんとありがたいことかと思いますね。こんなにいろんなものを好き放題に詰め込んだものを好んで聴いてくれる人がいるのは、本当にありがたいことだなと。
-それは、ある程度ビッケブランカの色みたいなものを作り上げてからでないとできなかった、踏み込めなかったものでもあったと思いますか。
そうですね。その殻を1個破ったとしたら、前作で英語詞のEDM「Smash(Right This Way)」を作れたことで。前作もEDM曲が2曲入っていて、それが英語詞の「Smash(Right This Way)」と、もう1曲が「キロン」という日本語で歌っていたものなんですけど。「キロン」は、あれはあれでサウンド的にすごく好きなんです。EDM調の構成で日本語詞っていう形なら、まだ日本には受け入れられる土壌があると思いますけど、逆に、ガッツリと英語詞でバンド・サウンドっていうものの居場所がない感じがするんですよね。「キロン」は日本で愛され得るポテンシャルを持っているけど、バンド・サウンドでの「Heal Me」は愛されないような気がしちゃっているんですよ。これは自分で勝手に決めつけているだけかもしれないですけど。
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