Japanese
ビッケブランカ
Skream! マガジン 2017年11月号掲載
2017.10.14 @赤坂BLITZ
Reported by 石角 友香
ミュージカル・テイストの華やかな楽曲を紡ぎ、セルフ・プロデュースもできるヴァーチャルな王子感と同時に、新旧、古今東西のポップス、ロック、ソウル、ファンクなどをオリジナルに落とし込むナード感の両方が、ライヴだとさらにビビッドに伝わってくる――ビッケブランカというアーティストの存在意義を大いに発揮した、ツアー・ファイナル公演。
ステージ前面に張られた紗幕の向こうで、アルバムのオーバーチュア的な「FEARLESS」が雷鳴とともに流れると、ビッケのシルエットが浮かび上がる。オープナーはファンキーなピアノ・ポップ「Take me Take out」で、演奏途中に紗幕が落ちると、そこにはセーラー・ルックのバンド・メンバーが。背景にはカラフルなフラッグや"FEAR"の文字が掲げられ、"船出"のイメージがセッティングされていた。兎にも角にもビッケのファルセットが冒頭から冴えまくる。音源ではホーンを導入したこの曲を、キーボードのアレンジはもちろん、タフなバンド・アレンジで遜色なく表現するのも頼もしい。続けて「ココラムウ」、「アシカダンス」と、多様な踊れるビートを繰り出していく。ビッケはピアノを弾きながらでも、ハンドマイクでも、内側からエネルギーが迸っているようで、音はポップでありつつ、迫ってくる熱量はかなりエクストリーム。
多様なジャンルを横断する魅力と同時に、突っ走りながらもちょっと臆病な恋愛体質の男の子が主体になっているのも彼の作品の大きな魅力だが、それが立て続けに楽しめたのが「Bad Boy Love」そして、「Natural Woman」というメロディアスな流れからの、英語詞ラップを交えた「Broken」の強度だ。コードを強打しながらの変幻自在のメロディを歌うスタイルは、彼のヒーローであるMIKAやFreddie Mercuryたちを参照することもできると思うけれど(それでもそれを自己流に解釈して歌っていること自体、凄まじい音楽的運動神経だと思うが)、「Broken」をライヴで聴き、観ると、単にコードだけじゃなく、リフやフレーズを弾きながらラップしていることにかなり驚いた。しかもすべからくどの曲も長ったらしいアウトロはなし。潔いエンディングにバンドとして磨き上げてきたツアーの頂点を見た気もする。思わずクラップが起こり、フロア全体がダンスする「追うBOY」、そのままのテンションでさらにグルーヴが加速する「Want You Back」では、メンバー各々のプレイをフィーチャーしながら、ファンク/ソウル・バンドにも似たレビューっぽい長い演奏が展開される。気まぐれに映るビッケのコール&レスポンスの指示にも笑顔で食らいついてくるファンのエネルギーに、バンドも焚きつけられて、前半のクライマックスを迎えた。
中盤には"より歌詞を明確に届けるため"に「さよならに来ました」と「幸せのアーチ」をアコースティック編成で披露。同じものを見ても響き合わなくなってしまったふたりが切なく描かれた「さよならに来ました」だが、不思議とライヴでは曲への共感が会場を何か信じるに足るもので繋いでいく。ただ様々な曲調があり、踊れもするし、じっくり聴き込むこともできる多彩なライヴというよりも、ひとりの男性、男の子の成長物語として一編の舞台を見るようないい集中力も必要とされる――それにハマるとビッケブランカの表現はさらに自分事として吸収できることを実感。そして、スタート時の雷鳴が再び暗闇に響き、妖しいフィロソフィをまとった「Stray Cat」で踊らせ、さらに航海が嵐に突入していくように曲間の雷鳴が激しくなって、『FEARLESS』のラスト・ナンバーである大曲「THUNDERBOLT」へ。ドラマチックに強く奏でられるすべての楽器と"強いわけじゃない/強くありたいだけ/誰だってそうやって生きてゆく"という高低差のあるサビ。徐々に力が結集されていく曲展開とフロアのムードがひとつになって、二度目のピーク・タイムが醸成された。ちなみに背景の"FEAR"の文字は"FE"が傾き、怖れに音楽が打ち勝った演出も。そしてエンディングに向かっては、さらにエモーションを爆発させるように「Moon Ride」、驚異的なほど飛躍するヴォーカルに鼓舞される「Slave of Love」がやはり見事。優雅に歌う余裕はないぐらい全力のパフォーマンスを行ってきたビッケだが、それでもこの曲の現実からのジャンプ力は素晴らしかった。本編ラストに選んだのは代表曲「ファビュラス」。コーラスをフロアに求め、声と声がどんどん重なっていく心強さ。本編で全てを出し切って、メンバーはステージをあとにした。最初は自分が楽しむために作っていた音楽。それが今、曲の良し悪しの答えはみなさんの笑顔だと明言。受け取ったものがどう楽曲に反映されていくのか? 早くも楽しみでならない。
[Setlist]
1. Take me Take out
2. ココラムウ
3. アシカダンス
4. Bad Boy Love
5. Natural Woman
6. Broken
7. 追うBOY
8. Want You Back
9. さよならに来ました
10. 幸せのアーチ
11. Echo
12. Stray Cat
13. THUNDERBOLT
14. Moon Ride
15. Slave of Love
16. ファビュラス
en. Wake up sweetheart
- 1
LIVE INFO
- 2021.03.01
-
SUPER BEAVER
さなり
優利香
UNISON SQUARE GARDEN
the paddles
アイナ・ジ・エンド(BiSH)
- 2021.03.02
-
Hakubi
GO TO THE BEDS
the quiet room×Ivy to Fraudulent Game
ヤバイTシャツ屋さん
UNISON SQUARE GARDEN
moon drop ※振替公演
- 2021.03.03
-
the paddles
ヤバイTシャツ屋さん
HINA-MATSURI 2021
Tielle ※公演延期
クリープハイプ ※振替公演
The Songbards
moon drop
- 2021.03.04
-
Hakubi
KALMA
the paddles
ハンブレッダーズ
fox capture plan×jizue
山中さわお(the pillows)
THE BACK HORN ※振替公演
- 2021.03.05
-
Hakubi
a flood of circle
SPARK!!SOUND!!SHOW!!
SUPER BEAVER
kobore
Novelbright ※振替公演
the paddles
Creepy Nuts
GO TO THE BEDS
ヤバイTシャツ屋さん
PELICAN FANCLUB
moon drop
センチミリメンタル
SPiCYSOL
- 2021.03.06
-
The Songbards
a flood of circle
ぜんぶ君のせいだ。
SPARK!!SOUND!!SHOW!!
フラスコテーション / PICKLES ほか
私立恵比寿中学 ※振替公演
KANA-BOON ※振替公演/中止
SUPER BEAVER
indigo la End
ドラマストア / Half time Old / reGretGirl ほか
ACIDMAN
THE PINBALLS
Creepy Nuts
秋山黄色
GO TO THE BEDS
milet
ヤバイTシャツ屋さん
藍坊主
工藤晴香
東京スカパラダイスオーケストラ ※振替公演
夜の本気ダンス
怒髪天
- 2021.03.07
-
Hakubi
ぜんぶ君のせいだ。
soto-oto'21~春~
須田景凪
kobore
三原健司(フレデリック) / 松本 大(LAMP IN TERREN)ほか
秋山黄色
フラスコテーション / PICKLES ほか
ひかりのなかに
flumpool ※開催延期
moon drop
怒髪天
MAGIC OF LiFE
GO TO THE BEDS
harue
東京初期衝動 ※振替公演
YAJICO GIRL
Shingo Kanehiro ※公演延期
THE BACK HORN ※振替公演
- 2021.03.08
-
Halo at 四畳半
- 2021.03.11
-
ACIDMAN
そこに鳴る
クリープハイプ ※振替公演
Creepy Nuts
マカロニえんぴつ×フジファブリック
The Songbards
SUPER BEAVER
Cö shu Nie
4s4ki
- 2021.03.12
-
SIX LOUNGE
moon drop
ぜんぶ君のせいだ。
um-hum
androp
東京スカパラダイスオーケストラ
クリープハイプ ※振替公演
THE BACK HORN ※振替公演
緑黄色社会×04 Limited Sazabys
OKAMOTOʼS
そこに鳴る
THREE1989
a flood of circle
kobore
MONO NO AWARE ※振替公演
THEティバ
SUPER BEAVER
the telephones
the paddles
須田景凪
- 2021.03.13
-
THE PINBALLS
The Songbards
indigo la End
ぜんぶ君のせいだ。
AFTER SQUALL
harue
Cö shu Nie
東京スカパラダイスオーケストラ
ひかりのなかに
Maki
a flood of circle
kobore
Ivy to Fraudulent Game
フラワーカンパニーズ
フラスコテーション / PICKLES ほか
ビッケブランカ ※振替公演
Vaundy×Hump Back
GO TO THE BEDS
wacci
INORAN
SPARK!!SOUND!!SHOW!!
LACCO TOWER
須田景凪
the paddles
- 2021.03.14
-
moon drop
ぜんぶ君のせいだ。
ZOC
SIX LOUNGE
SPARK!!SOUND!!SHOW!!
DYGL
私立恵比寿中学
THE PINBALLS
GO TO THE BEDS
wacci
ドラマストア
"KADODEフェス2021"
フラスコテーション / PICKLES ほか
Mashroom 2021 ~Hello new wind~
工藤晴香 ※振替公演
the paddles
LIVEHOLIC presents CATCH UP Youth!!!
- 2021.03.15
-
DYGL
私立恵比寿中学
Cö shu Nie
THE KEBABS
GO TO THE BEDS
ラックライフ
- 2021.03.16
-
私立恵比寿中学
KANA-BOON ※振替公演/中止
SIX LOUNGE
the paddles
RELEASE INFO
- 2021.03.01
- 2021.03.03
- 2021.03.04
- 2021.03.05
- 2021.03.10
- 2021.03.11
- 2021.03.12
- 2021.03.17
- 2021.03.19
- 2021.03.24
- 2021.03.26
- 2021.03.30
- 2021.03.31
- 2021.04.07
- 2021.04.14
- 2021.04.15