Japanese
ガガガSP × フラワーカンパニーズ
ガガガSP:コザック前田(唄い手) 山本 聡(ギター弾き手)
フラワーカンパニーズ:鈴木 圭介(Vo) グレートマエカワ(Ba)
インタビュアー:池田スカオ和宏
聴いてくれる方々がいてくれないと。その方々なしでは続けたくても続けられない(鈴木)
-両者とも長くメンバー・チェンジ一切なしで活動し続けていますが、何かその秘訣があれば教えてください。
マエカワ:秘訣はわからんけど、両バンド佇まいはすごく近い気がする。特にコザックと鈴木はすごく近いなって。盛り上がったら天邪鬼に違うこと言っちゃう面とか(笑)。まぁ、そこがカッコ良かったり、もったいなかったりする部分なんだけど(笑)。
鈴木:ガガガは年齢のわりに趣味が渋い。以前自分たちも一緒にやる機会があったけど、最初にガガガと泉谷(しげる)さんがやった話を聞いたときには妬いたもん。クソーって。それらも含め、音楽的にも信頼が置ける。
前田:自分にとってフラカンは、"いくつになっても常にハイアベレージをライヴで叩き出してるバンド"って印象なんです。僕今年40歳なんですけど、おふたりの40歳を迎えた際はいかがでしたか?
鈴木:よく"四十にして惑わず"なんて言うけど、全然迷ってたよ(笑)。基本"曲を作り、作品を作って、それを持ってツアーを回って"の繰り返しだったから。でも、俺らの場合ちょうどその頃再びメジャーからリリースした時期でもあったんで、気持ち的には高ぶっていたかな。"よし、もう一度ガツンといくぞ!"みたいな。
-逆に50歳を迎えてからはいかがですか?
鈴木:年をとることを素直に受け入れられるようになったかも。それまでも若ぶってたわけじゃないけど、どこか"実年齢より若いことをしよう!"という野心があった気がする。なので、前だったら"おじいちゃんみたい"なんて言われるとムキになって"そんなことない!"と返してたけど、今はむしろそれすら受け入れられてるから。いや、やっぱおじいちゃんは嫌だ(笑)。実年齢相応がいい(笑)。
マエカワ:俺は今が一番いいし、これからまたちょっと違ってくるかもなって。というのも、4月に20代の頃に出したライヴ映像をデジタル・リマスター化して"フラカン、二十代の記録(フラカン、二十代の記録 -Flower Companyz Twenties Records-)"というタイトルで、Blu-rayで発売されることになって先日そのライヴ映像を見返したんだけど、当時、無我夢中だったし演奏も下手で笑えたけど、カッコいいな......とも改めて感じて。あの頃には、今はない情熱があったんだよね。で、対して今の俺たちはそういった部分ではダメだなって。そこで"これだ!"っていうのが見えたんだよね。もともと"50代は40代の延長戦上のままではダメだし、自身でも面白くないだろうな......"と考えていた最中だったけど、この51歳以降はまた何かあるなって予感にワクワクしてる。次に向かうべきものや自分がやらなくちゃならないものが改めて見えたし、気づけた感があるんだよね。
前田:僕ら逆に今そのような時期みたいで、40代に入り、音を作る時点でも変化が生じてきているんです。
マエカワ:わかる。今回のニュー・アルバムを聴いて俺もそれを真っ先に感じた。
前田:そのあたりは今回から自分が中心ではなく、メンバー全員で曲作りや楽曲制作のイニシアチブを持ってもらったことが大きくて。中でも今作はやまもっちゃん(山本)に多くの曲を書いてもらっていて、それが今までの自分たちにはなかった要素を多々吹き込んでくれたんです。すごく自分たちでも新鮮に挑めたし。
山本:一度峯田(峯田和伸/銀杏BOYZ)さんに話を聞いたことがあったんです。"どんなふうにやったらいいですかね?"的な。そこで"バーンとやるトップギアはもうすでにあるんだから、それは保持しつつ、違う部分も模索したほうがいいよ"とのアドバイスを貰って、それがこんな感じのアルバムに至ったところもあります。
マエカワ:今作はこれまでとは違うな、と一聴して思ったもん。"これは何か心境の変化があったな......"って。音が全然違う。言葉は今のコザックの心境を、自身を始めメンバー各人が汲み取って作ったんだろうけど、ヴォーカルの歌い方も含め音像には驚いた。正直これまでとはまったく違うバンドぐらいの変化にショックを受けて。ギターの音にしても、非常に聴き心地のいい音になってたり。
前田:そのあたりは意識的でした。曲も各人が持ち寄っても、一度やまもっちゃんのパソコンを通し、アレンジを組み直し、キッチリとプリプロをしてレコーディングに挑んだり。
-曲調的には様々でしたが、どこか歌内容には近いものを感じました。
山本:歌詞もメンバー各人が作ったものなんですが、共通していたのは昨年、周りの近しい方が亡くなることがいくつか重なって。そういった部分ではより振り返ったり、懐かしんだり、ノスタルジックな歌詞が中心になったかも。
マエカワ:今回はガガガのこれまでの魅力である、"ライヴにおけるガツンとしたもの"や勢いみたいなものに頼らない、より楽曲や作品性に向かった感があるんだよね。ギターの重ね方もコーラスの重ね方も、各曲、各箇所、非常に丁寧だし、直球だけじゃない。"えっ!? ガガガってこんなことをやるんだ?"って驚きがあった。
前田:そのあたりは、いろいろな方のライヴを観たり体験たりしてきて、以前よりも自分のエゴが減ってきたのも関係しているかもしれません。"俺はこうだ!"、"これを聴け!"みたいなエゴがなくなってきたんですよね。だけど、これまで同様、自己肯定感はしっかりとあるというか。
山本:その"以前より丁寧になった"というのは自分でも実感していて。前田さんの歌にしてもめっちゃ丁寧に歌い張ってたし、自分的にも昨今思いついた"次の作品ではあんなことをやりたい"、"こんなことをやりたい"を実験も含めていろいろと入れられましたから。あとは、これまでは"めっちゃ嬉しい"、"めっちゃ悲しい"と二極化のみの感情だったものも、今回はもう少しファジーさやグレーさ、どっちでもあるし、どっちにもとれる、そんな曲に挑んでみました。
鈴木:それすごくわかる! 俺たちにもかつてそんなタイミングがあったから。ピークだけを切り取るんじゃなくて、そこまでへの経緯やそれを経たもの、そこを想像させる類いというか。いわゆるみなまで言わず、その後の物語を聴き手に委ねる。そのあたりも今作からは非常に感じた。
-鈴木さんの当時も現在のガガガと同じだったんですか?
鈴木:自分の場合は、それほど自覚的じゃなく、気づいたら自然とそうなっていたって感じ。いや、未だそれがキチンと表せているのか自分ではわからなくて。その場その場で今自分が思うことを歌にしていたら、気づけば"変わった"と言われるようになってたから。未だ聴く人によって"変わったね"という人もいれば、"昔から変わらないね"という方もいる。それも面白い。
マエカワ:自分が歳をとると周りからも"丸くなった"と言われるし、実際言葉や演奏も丸くなったと感じたとする。それを"丸くなって面白くなくなった"と捉える人がいれば、"より深みが増した"って捉えてくれる人もいるけど、そのどっちに転んでもいいかなって。自分たちが自然な成り行きでそうなってきたんだから、そこは自信を持ったほうがいい。だけど、そこで模索しないとバンドとしての進化もなくなってくる。これ、自分たちにも言えることで......。面白いよね。自分のバンドのことは自分ではわからんけど、人のバンドを通して改めて自分たちの変化や考え方の移り変わりがわかる(笑)。
-お互い今後も長くバンドを続けていく所存なんですよね?
前田:もちろんです。フラカンの歌詞じゃないけど、最近は"長く続けていく"ことを目標というか、根本にしているところもありますから。そんななか、フラカンをはじめ、諸先輩方の背中をこれから先も見せてもらいながら、自身の糧にしつつ、また一緒にライヴとかをさせていただけたらなって。
山本:今日は"まだまだいろいろなことを試してもいいし、失敗してもいいんだ"という励みになりました。これからもやりたいこと、やれることを信じてやっていこうと改めて決意できましたから。
マエカワ:俺たちもこういったアルバムを聴かせられると燃えるよね。これを聴いて逆に俺たちも刺激を貰ったし、まだまだやりたいことをやっていこうと改めて話を聞いて感じた。
鈴木:俺もガガガの今作からは勇気あるチェンジを感じた。こういう気持ちを自分たちも常に持っていたつもりなんだけど、もしかしたらいつの間にかどこかに置き忘れていたかもしれないし、それを改めて思い出させてくれた感もある。あとは"長く続けていく!"ということでは自分らも一緒で。続けていける状況を作り続けるにも、やはり聴いてくれる方々がいてくれないとだし、その人たちがいないと続けたくても続けられない。ということは続けるというのは聴き手を増やしたり、今聴いている人たちを守り続けたりすることなんだろうなって。そういった意味ではずっと続けるというのは、活動するだけじゃなく、アーティストにとって大切なことがあるな......って思う。俺が20代の頃は、"ロック・バンドが長く続けているのはダサい"とさえ思えて軽蔑していたけど、今は"続ける"の見方が当時とは全然変わってきてる。ただ惰性で続いていくと思っていた当時の"続ける"が今は全然違う。惰性じゃ絶対に続かないし、何か魅力を持ち続けていないと続けられないし、実は絶えず変化しているということも続けていくうえで必要だと思う。今ならそれがよくわかる。自分たちも徐々にマイナー・チェンジを繰り返したりしながらこれからもずっと続けていきたいし、ガガガにも続けてほしいよね。
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