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INTERVIEW

Japanese

BRADIO

2017年01月号掲載

BRADIO

Member:真行寺 貴秋(Vo) 大山 聡一(Gt) 酒井 亮輔(Ba) 田邊 有希(Dr)

Interviewer:山口 智男

-その他、新たな発見があったとか、今回、できてよかったという曲はありますか?

大山:めっちゃあります(笑)。1曲1曲にドラマがあるんですけど、個人的には「蝙蝠」(Track.4)。ネタの段階から、"これ、なんか程良いな"って曲ができたんですよ。今回、押しもしなければ、引きもしないという感覚の曲をやりたくて。これまでドーンって押すとか引くってことはできてたと思うんですけど、それこそ"程良いな"っていう曲が作れたらいいなと思いながら、それがうまくできたんです。で、"情景が浮かぶような歌詞にしてほしい"と貴秋に話して、書いてきた描写もすごく良かったので、何かひとつ破った感覚を持てた曲になりました。

田邊:それなら「ギフト」(Track.5)もバンドにとってターニング・ポイントになったんじゃないかと思います。今までハッピーとかファンキーとかってイメージで来て、そういうバンドだって印象を持たれているんですけど、左右に加え、上下に曲の幅が広がった今回のアルバムはそのイメージを変えると思うんです。その足掛かりになったのが「ギフト」。こういう曲をやれるバンドって意外と少ないんじゃないかな。特にインディーズでは。ハードコア・バンドでもハード・ロック・バンドでも、いいバンドなら必ず1曲、いいバラードを持っているというのが僕の持論なんですけど、それに近づけたと思います。「ギフト」のようなバラードがあるからこそ、ファンキーな曲も映える。「ギフト」があって、その次に発表したのが「Back To The Funk」(ライヴ会場限定シングルとして2016年11月にリリース)なんですけど、「ギフト」の次は180度違う曲がいいと思っていたので、アルバムに向けて、「ギフト」からいい流れで制作を進めてこられたんじゃないかなと思っています。

-真行寺さんと酒井さんは?

真行寺:俺は「Revolution」(Track.6)かな。主メロが譜面に書けないセッション感を表現したかったんですよ。Wilson Pickettのようなシャウターが好きで、そういう曲をこのバンドでできたらいいなと思ってたんですけど、「Revolution」のネタをもらったとき、もしかしたらそれができるんじゃないかってスタジオで一発録りして、アドリブで歌って提案したんです。結果、3テイクぐらい録ってしまったんですけど、そのライヴ感というか、セッション感はうまく捉えることができたと思います。

酒井:僕は断然、「彼女ハリケーン」(Track.3)です。3年ぐらい前からあった曲で、前作に入れたいと言ったら、3対1で敗れたんですよ(笑)。そのとき、"次のアルバムでまだ入れたいって言ってたら入れよう"って言ってくれたんで、"じゃあ入れよう"って言いました。この曲、すごく好きなんですよ。サウンドは結構洋楽っぽいのに、日本語の面白い歌詞が乗っている。そこがいいんです。単純に好きだから入れたいという希望がようやく叶いました(笑)。

大山:前回、他の曲と並べたとき――

田邊:パリッとしてなかった。

酒井:みんなピンと来てなかったもんね。

大山:ホーンを入れて、アレンジし直したら格段に良くなったんで、前作ではなく、今回で良かったと思います(笑)。

-1曲1曲それぞれに聴きどころのあるアルバムになりましたが、3月からは前回よりもさらに規模が大きくなったリリース・ツアーが始まりますね。

真行寺:しっかり魅せることはもちろんなんですけど、そこでセッション感があるというか、人間っぽさが出るツアーにできたらいいですね。

-4月30日のファイナルは中野サンプラザですが、ホール公演に挑戦ですね?

大山:ワンマンで席ありのライヴをやりたいとずっと思っていたんです。これまでスタンディングでやってきたので、今回のアルバムのタイミングで席ありの見せ方にチャレンジしたいと思いました。イベントならホールで演奏したことはあるんですけど、ワンマンではまだなくて、スタンディングでやるワンマンとは角度を変えてできるのかなと思っているので、ぜひ楽しみにしていてほしいですね。