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INTERVIEW

Japanese

蟲ふるう夜に × Lyu:Lyu

2015年05月号掲載

蟲ふるう夜に × Lyu:Lyu

Member:蟻(蟲ふるう夜に) コヤマヒデカズ(Lyu:Lyu)

Interviewer:吉羽 さおり

-蟻さんの成長としては、以前から蟻さんの曲は一人称が僕であったりするけれども、今は同じ僕を使っていてもっと大きな視点や、包容力で歌っているなあと思うんです。

蟻:少年だったんでしょうね。女であるコンプレックスとかも抱えてましたし。髪もずっと短かくて中性的っていうか、そういう部分がないとたぶん自分じゃなかったと思うんだけど。実は去年ずっと、計画を立てていたんです(笑)。来年は髪を伸ばそう、そして女性らしく生きようって。

-形から入ろうと(笑)。

蟻:形からってめちゃくちゃ大事だと思ってるんです、わたし。よく言うんですけど、心が弱い人は身体を鍛えた方がいいと思うんです。あとは薬を飲むんじゃなくて、玄米を食べるとか(笑)。

コヤマ:玄米なんだ。

蟻:形からってものすごく大事で。胸がつっかえて夜眠れないとかよくありましたけど、うちのベースの春ちゃんはどこでも寝ちゃうような人で。"コツを教えて?"って訊いたら、"寝たって思うんです"って。口とかもぱかーって開けて、寝たときって顔とか力は入らないじゃないですか。"よだれ垂らすくらいの顔になって脱力すると寝れるよ"って。やってみたらうまくいって。形からって大事だなあって――何の話だ、これ(笑)。

コヤマ:でも俺も似たようなことを思ったことがある。精神と肉体っていうものがあって、人って感情とか精神が先にあって身体があとからついてくるって思いがちですけど、そうでもないなって思うんですよね。例えば、部屋の掃除がめちゃくちゃめんどくさかったりしても、案外やり始めたらできちゃったみたいなことがあったりするじゃないですか。

蟻:そうそうそう。

コヤマ:思うよりも先に身体を動かしちゃうと、案外気持ちってついてくるなっていうのがあるんですよね。

蟻:それをわたしは、歌詞でもやるんです。ちょっと先の自分を描く、先に進もうとする自分を描くと、気持ちってついていくんですよね。

-まさに、"言霊"にするっていうことですね。

蟻:しちゃいますね。

コヤマ:三島由紀夫が、太宰治のことを、"太宰治は毎日30分くらい外をジョギングしたりすればあんなメンタルにならなかったはずだ"みたいなことを言ってたって聞いて、なるほどって思った(笑)。

蟻:それ間違いない(笑)! わたしの周りにはやっぱり、メンタルの弱い人が集まってきやすいんですよ。たぶんコヤマさんも同じだと思うんですけど。でも、そういう人たちってアドバイスを聞かないじゃないですか。

コヤマ:そうなんですよね。

蟻:だから玄米食べろって言ってるじゃん!っていう(笑)。あと"嫌われる勇気"(アドラー心理学)を読め、と。玄米食べて、"嫌われる勇気"読んで、あとはショウガ紅茶を飲んだら、もう大丈夫!って。でも絶対しないし、本も最後まで読まないし、約束も守れないし。約束の時間に来れないんですよ、そういう人たちって。何でかなって思ってたけど、そういえばわたしもそうだったと思って。心が重たい日は身体も動かないじゃないですか。心が身体や周りを巻き込んじゃっているんですよね。でも、行動すると心も動くから。

-思い切って外に出てみようとか。それだけでも、空気は変わりますしね。

蟻:外出るの大事ですね。わたしも未だに完全にはできなくて、ナメクジみたいな生活送っている(笑)。でも、大変だけどやっていこう、って。だから、みんなもやってみよう、って。Lyu:Lyuはそろそろ次の作品に向かっているころだと思うんですけど、歌詞ってポンポン出てきますか?

コヤマ:歌詞も曲もそうですけど、時間が膨大にあればできるのかというとそうではないんですよね。どんなに時間があっても、悩んで悩んで結局ギリギリになることもありますね。今は、曲を作っているところですね。

蟻:うちもそのはずなんですけどね(笑)。『スターシーカー』を出して、思いを詰め込み放題詰め込んだので。放心状態が長いなって思ってます。

コヤマ:俺もそうなんですけど、そのときにできることを全部やっちゃうので、次どうしよう?ってなるんですよね。空っぽになって、またいろんなものを見たり聴いたりして、書いて、また空っぽになってという繰り返しで。

-曲はいつでも書けますってうタイプの方もいますよね?

蟻:そういう人に以前会ったんです、"この消火器で今1曲作れるよ"っていう。それが、"いつでも君のために備えて待ってるよ"みたいな、すごいいい曲で(笑)。

コヤマ:そういう歌詞の書き方って、すごく、J-POP的というかポップスだなって思う。うまいこと言ったもん勝ちっていうか、大喜利みたいなところがあって。そういう感じで書ける人って、軽やかに書ける人だなって思う。

蟻:テクニックがありますよね。

コヤマ:それは羨ましいなと思うんですけどね。自分が書くときは、"うーん、進まない"みたいな感じだから。

-うまいこと言ってやろう感はないんだ?

コヤマ:うまいこと言ってる感が出ちゃうとすごい照れ臭いんですよね。ドヤ顔感というか。

蟻:Lyu:Lyuのドヤってる曲聴きたいけど(笑)。