Japanese
CIVILIAN
2021年06月号掲載
メンバー:コヤマヒデカズ(Vo/Gt) 純市(Ba) 有田 清幸(Dr)
インタビュアー:秦 理絵
CIVILIANの4年ぶりとなるアルバム『灯命』にはとても多種多様な音が鳴っていた。サウンドの自由度が広がり、一曲一曲の世界観がくっきりと差別化された今作は、バンド史上最もバリエーション豊かな1枚と言っていいだろう。それでいて、すべてがCIVILIANの曲として成立するのは、これまでと変わらず骨太なロック・バンドであることが重視されているから。そして、"生きること"の光と闇を活写するコヤマヒデカズの生々しい歌詞が貫かれているからだ。前作アルバム『eve』から4年。あらゆる当たり前が失われたコロナ禍にあって、CIVILIANの音楽は、人間にとって何が大切かを取り戻させてくれる。
今回は派手なシンセが鳴ってたり、中国の楽器を使ったりしてるけど、そこに自分たちの演奏が負けないようにしたかった。ロック感は残したいというか
-CIVILIANの新作アルバムの待ち時間はだいたい4年ぐらいかかりますね(笑)。
コヤマ:ははは、そうですね(笑)。1stアルバム(2017年リリースの『eve』)を出したときから、すぐにアルバムを出したいっていう気持ちはあったんですよ。でも、タイアップのお話をいただけたっていう巡り合わせもあって。そのとき、そのときで目の前にあることをやるのがベストだろうってやってたら、4年経っていたという感じなんです。
-アルバムを作り終えた率直な気持ちはいかがですか?
コヤマ:とりあえず無事に出せて本当に良かったなって、胸をなでおろしてます。
有田:毎回アルバムを出したあと、次に考えることはライヴでやることなんですよ。だから、"やった! アルバムできた、これで終わりだ"っていう感じには意外となってないんです。今回のアルバムは生でやるとまた変わっていくと思うんですよね。
純市:俺もそうですね。早くライヴでやりたいです。
-今回のアルバム『灯命』の一番の特徴はサウンド・アプローチの広さだと思いました。
コヤマ:はい、そうですね。
-いろいろな楽器の音も取り入れてますけど。最初からそういう作品にしようと思ってたんですか? それとも、タイアップに書き下ろしていくうちにこうなったのか。
コヤマ:半々ですね。この4年間はいただいたタイアップのお話ごとに新しいことに挑戦する環境だったんです。作品の世界観をどうやったら汲めるだろう? って、一作品一作品、一曲一曲、一生懸命やっていった結果、どんどん使う楽器のバリエーションが増えていって。その広がったアプローチをバンドの曲作りにも還元していったんです。そういう流れで、こういったかたちのアルバムになったのかなと思います。
-今作のタイアップ曲というと、艶やかなピアノが印象的な「正解不正解」や、バキバキのシンセ・ロック「何度でも」、和テイストの「千夜想歌」、「導」あたりですね。
コヤマ:特に大きかったのは「千夜想歌」と「導」ですね。2曲とも、"魔道祖師"っていうアニメのオープニングで。最初にお話をいただいたときに、笛と琴っていうふたつの楽器が非常に重要な意味を持ってるから、ぜひ入れてほしいっていうリクエストをいただいたんです。そこから、自分たちがもともとやってきたバンド・サウンドにどういうふうに笛と琴を入れたらかっこ良くなるだろうなっていう思考錯誤をしていきました。
-和楽器を使った音楽を聴いたりして?
コヤマ:そうです。今まで一度も使ったことがない楽器だったので。そもそも琴って、チューニングどうなってるんだろう? とか勉強して。
-え? レコーディングは生楽器じゃないですよね?
コヤマ:違いますね。でも、自分で琴と笛の音を入れるにあたって、それを知らないままで適当に入れちゃうと、結局、笛っぽくならない、琴っぽくならない。これは琴の音階じゃないよなっていう問題が出てきちゃうんです。それで、まず音階を勉強して。中国とかアジアっぽい音楽をひたすら聴き漁ってましたね。
純市:この曲は、最初にデモを聴いたときから、すごかったですよ。
有田:今まで使ったことのない楽器だったのに、それを不自然じゃない状態まで持ってくるのは、すごく苦労があっただろうなと思いましたね。
コヤマ:いい経験になりました。
-もともとCIVILIANって、ギター、ベース、ドラムっていう3ピースのロック・サウンドを追い求める部分もあったと思うんですけど。今は意識も変わってきていますか?
純市:そういう時期もあったんですけどね。レコーディングで音を重ねても、ライヴをやったときに3人で再現できないことはしないっていうこだわりは持ってたので。
有田:そもそもバンドを組んだ経緯として、"コヤマの曲を一緒にやりたい"っていうメンバーが集まってるんですよ。で、その気持ちは今もブレてないというか。だから、コヤマから送られてくるデモを聴くと、"あ、これ、ドラム叩かなくてもいいかな?"っていうぐらいのものもあるんですけど、それはそれでいいっていう感じですよね。そのあたりのバランスっていうのも、完全にコヤマが考えてくれてるので。
コヤマ:音楽をもっと良くできる可能性があるのに、自分で勝手に制限を作って、楽器を使わないとか、ピアノを入れないっていうのは、ナンセンスだなと思うようになってきたんですよね。今は目の前の曲を良くするために、自分ができることをすべてやろうっていうふうに、考え方が単純になってるんです。
-自分たちを縛る制限をなくして、いろいろなトライアルを重ねてきた結果として、ついに『灯命』っていうとても自由な作品が完成した、ということですね。
コヤマ:そうですね。本当に今回は今まで作ってきたアルバムの中で一番バリエーションがあるなと思います。今は自分たちでもすごく自由に、やりたいことをやれてる感じはあるんですよ。もちろん初期の自分たちがダメだったとは思ってない。当時もいい曲を作ってたなっていう感覚はありますけど。音楽に対する考え方、自由度みたいなものは、今のほうが柔軟な姿勢でやれてるなって思います。
純市:メンバー同士でも、"いい音楽をやっていこうぜ"っていう話をしたりしますしね。あと、今回は派手なシンセが鳴ってたり、中国の楽器を使ったりしてますけど、そこに自分たちの演奏が負けないようにしたいなっていうのもあるんです。ちゃんとロックな感じは残したいというか。そこは大事にしてるんです。
-ええ。今作を聴いて、どんなに曲のバリエーションは増えても、CIVILIANは一貫してロック・バンドであり続けてるな、と思いました。
有田:最近のロック・バンドって、意外とアナログのドラムのレコーディングが足枷になってることが多いなって思うんです。
-たしかに。ドラマーがいないバンドも......。
有田:多いですよね。今はデジタル・サウンドが全盛っていうのもあるし。下手したら、ドラムでレコーディングをせずに、打ち込みの状態で音源を出すロック・バンドも増えてると思うんです。そこに対する、現時点における自分なりの答えを出せたのかなっていうのはあって。今回、レコーディングをするにあたって、アナログ・レコーディングのスペシャリストって言われるようなエンジニアの方を何人か入れたんです。
-言われてみると、「懲役85年」みたいなラップっぽい曲調だと、打ち込みで成立させるやり方もあったかもしれない。
純市:あぁ、うんうん。
-でもちゃんと全曲、生のドラムにこだわったんですね。
有田:そう。ロック・バンドって、それが普通だったと思うんですけどね。今はそれが古いとか言われるのかもしれなくて。だったら、ちゃんと最新の機材を使って、現状の回答を出したいなと思いながら、レコーディングしました。
-ちなみに、今回のエンジニアさんってどなたかうかがってもいいですか?
有田:チームL'Arc~en~Cielの比留間(整)さんとか、BUMP OF CHICKENとかをやってる牧野(英司)さん。あと、スピッツをやってる高山(徹)さんです。
-すごい。日本の最高峰のロック・アルバムを手掛けてきた人たちじゃないですか。
有田:重鎮ですよね。それぞれにサウンドメイクの方向性が違うので、こちらで楽曲の割り当ては決めさせてもらったんです。ミドル・テンポは牧野さん、ハイテンポな曲は高山さん、比留間さんにお願いしよう、みたいな感じで。その三者三様が混ざって、最後に、俺がすごく好きなマスタリング・エンジニアの茅根さんっていう方にまとめていただいて。1枚のアルバムを通じて、面白い音が作れたなっていうのは思いますね。
-なるほど。アルバムを作るにあたって、"こういう作品にしたい"っていうコンセプトとか、メンバーで共有したものは何かありましたか?
有田:あんまりなかったですね。自然とできた感じなので。
コヤマ:前作から4年以上期間があるなかで発表してない曲が本当にたくさんあったんですよ。ライヴでは演奏してるけど、音源化されてないものとか。その中から、今入れるとしたらこれだろうっていうのを選んでいったら、自然とできあがったので。月並みな言い方かもしれないですけど、このアルバムは僕たちの4年ちょっとの集大成というか。この4年間、何をやってきたのか? っていう足跡になってますよね。
-すでにライヴで演奏していた曲というのは?
コヤマ:2曲目の「ぜんぶあんたのせい」ですね。実はこれはすでにライヴの定番になってるんです。でも今まで音源化するタイミングがなくて。自分たちも気に入ってる曲だから、出すなら一番いいかたちで出したいっていうタイミングをずっと窺ってたんですよね。あとは「本当」とか「人間だもの」も、もうライヴでやってます。
-たくさん候補曲があったなかで、アルバムに入れる曲を選ぶ基準や、意図みたいなものは何かありましたか?
純市:ただ自分たちがやりたい曲を選んでいった感じですね。
コヤマ:これが好きだから入れたい、じゃあ、入れよう。で、残りの枠はどうしよう? ってなったときに、3曲分ぐらいは新しく作るのに残してっていうことでした。今回のアルバム用にゼロの状態から書いたのが「残火」とか、「遙か先の君へ」ですかね。
-今作を作るうえで、コロナが影響を与えた部分はありますか?
コヤマ:今言ったアルバムのために作った新曲ですかね。特に1曲目の「遙か先の君へ」は、今の世の中に通じるものがあるんじゃないかな。直接意識して書いたので。
-ポエトリー・リーディングの曲ですね。畳み掛けていく言葉とともに、バンドの演奏も高揚感が増していくっていう。
純市:この曲、ぐっときますよね。
-ええ。同時にすごく計算し尽くされた曲だなとも思いました。
コヤマ:これは最初に音を作って、音の尺に合わせて、言葉を乗せていって。で、その尺に収まらなかったら、尺を伸ばすか、言葉を切るかみたいな感じで、自分が納得いくまでその作業を積み重ねていったんです。
-歌詞は、地球が滅亡する未来の話をしてたはずなのに、気がついたら、逃げ場のないコロナ禍の心境に変わっていくんですよね。
コヤマ:そう、今のこの状況を書きたいっていうのは最初から決めて書き始めたものなんです。この曲ができたのは、アルバム制作の最後の最後のほうで。このアルバムの最初を飾るのに相応しい曲を作ろうって考えながら作っていきましたね。
-なるほど。曲自体は4年間で少しずつ作ってきたものですけど、アルバムのレコーディングは一定の期間を設けてやってるんですよね?
コヤマ:そうです。
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