Japanese
CIVILIAN
Skream! マガジン 2016年11月号掲載
2016.10.13 @渋谷WWW X
Writer 沖 さやこ
7月にLyu:Lyuとしてのラスト・ツアーを回り、8月にはLyu:Lyuとしてのラスト・ライヴでありCIVILIANとしての初ライヴを行い、翌日にCIVILIAN名義での初作品『Bake no kawa』をリリース。今回は、CIVILIANとしての初のワンマン・ツアーとなった。このライヴ・スケジュールからも、彼らがリスナーと手を取り一歩一歩踏みしめるようにLyu:LyuからCIVILIANへと前進してきたことがわかる。自分自身の気持ちを確かめ、相手にそれを伝え、受け取った側は想いを返す。なんだかそれは少し恋愛と似ていた。
バンドは序盤から「Bake no kawa」、「カッターナイフと冷たい夜」、「アノニマス」とソリッドな楽曲でハイ・ペースに畳み掛ける。軽やかな印象を与えるユーモラスな「自室内復讐論」ではコヤマヒデカズ(Vo/Gt)がアコギに持ち替えた。今年に入ってからの彼らのライヴでは、要所要所で同期音を取り入れたり、ドラムに華やかなリヴァーブをかけたりと、音響効果も大きく働き、様々なサウンド・アプローチを展開している。
"生まれて初めてのCIVILIANのワンマン・ツアー。今日集まってくださったみなさんが、今日この日参加したことを誇りに思えるような1日にしたいと思います。みなさんもそういう気持ちで今ここにいるはず。その気持ちに俺たちが全力でお応えいたします"と話すコヤマは、いつもより表情や口調が少し硬い。それは緊張というよりは"なんとしてでもこのライヴを成功させたい"、"この会場にいる全員に納得してもらえるライヴをしなければ"という強い想いや責任感がそうさせているように見えた。「君から電話が来たよ」の前に"今日この会場に来る途中に、やっぱり俺はこの歌みたいなことをずっと考えてました。そして、考えるだけ考えて、バカは俺も一緒だと思った"と笑う彼に、フロアからも微かに笑いがこぼれる。彼は会場にいる全員だけでなく、ここに来ることができなかった自分たちを愛するすべての人々にも、必死に音と言葉を届けているようだった。「文学少年の憂鬱」は純市(Ba)の平熱で奏でられるメランコリックなベース・フレーズ、有田清幸(Dr)の緩急が効いたドラミングに、心地いい緊張感が宿る。そのグルーヴに感化されるようにコヤマのヴォーカルもラストには伸びやかになり、前半戦最大の高揚感をもたらした。
11月23日にリリースするメジャー・デビュー・シングルの表題曲である「愛 / 憎」を披露したあと、これまで吟味しながら言葉を発していたコヤマが、一転ラフに"いい曲でしたか?"とフロアに語り掛ける。それに対して観客は大きな拍手と歓声を上げ、コヤマはホッとしたように無邪気な笑みを浮かべた。目の前にいる観客の愛情と彼の想いがしっかりと近づき、彼が張りつめた責任感から解放された瞬間だったのでは。続いて彼が"みなさんに聴いてほしい曲があります"と言い演奏したのは、コヤマがVOCALOIDクリエイターのナノウとして世に発信した楽曲のひとつである「3331」。バンドはたちまち水を得た魚のように勢いを増した。コヤマはCIVILIANとして活動するにあたって、これまでバンドで積み重ねてきたことも、インターネット上で音楽活動をしていたことも、これから自分がやっていきたいことやバンドがやりたいことも、すべてをCIVILIANで表現していこうと思ったという。想いを音楽だけでなく、ひとつひとつ言葉で伝えていく誠実な姿勢に、観ているこちらも背筋が伸びた。"最初に約束したとおり、俺たちは今日、みなさんの気持ちをすべて受け止めて全力でお返しいたします"と語る彼の姿は、過去に見たこともないほど堂々としている。これ以降の3人はもう向かうところ敵なしだった。「ランララ」のあとの未発表曲「ぜんぶあんたのせい」は直情的なヴォーカルがドラマチックで、「空- カラ-」は純市と有田の刻むリズムの躍動感が非常にフレッシュ。バンドは完全に音楽に集中した状態になり、そのランナーズ・ハイな状態は見た目も音も美しかった。
そして本編ラストの前に、コヤマが口を開く。"むかしむかし、ずっと暗い歌ばかり作っている人間がいました。目に映るものも自分自身もすべてを憎んで、それに対して呪いの歌ばかりを作っていた男でした。でも集まってきたみんながとても優しかったから、いつしか呪いの言葉だけではなく、もっといろんなことが歌いたくなりました"、"この曲を歌うたびに、きっと俺も、CIVILIANも、こんな曲をずっと引きずって生きていくんだろうなと、いつも、いつも、いつもいつも思います。でもこれからはもう、ひとりじゃないんだなと思いました。それは俺たちと関わってくれるすべての人たちのおかげです"、"胸が潰れるくらいのいい音楽を、たくさん生み出していこうと思っています"――そう語ったあとに演奏された「メシア」は、これまで彼らのライヴで感じたことがなかった大きく優しい包容力と、全部を背負っていく強い覚悟が漲っていた。特にすべての感情を赤裸々に歌にするコヤマの気迫はただならぬもので、痛みも悲しみも含めて愛しか感じさせない。最後の"でもあなたが今日笑ったこと 他でもないあなたが笑ったこと/それで僕の世界は 救われたんだよ/本当さ"というラインのヴォーカルが、言葉以上の温もりを帯びたのは、私が記憶する限り初めてだったと思う。彼は誤魔化すことなく、我々の耳元に自分の気持ちを素直に囁いたのだ。
アンコールでコヤマは"アンコールになると気が抜けてしまって"と笑っていたが、そのぶんとても素顔の演奏だった。特にラストの「花よ花よ」は、静かに抱きしめるように熱を帯びた音像に陶酔した。すべてを背負い、新しいスタートを切った3人。1年半前にはできなかったことが、今の彼らにはできる。彼らはこれからさらにその"できること"を増やしていくだろう。まだ見たことがない表情に触れられる日は、そう遠くないかもしれない。
- 1
LIVE INFO
- 2025.09.13
-
cinema staff
ヤバイTシャツ屋さん / UNISON SQUARE GARDEN / sumika ほか
神はサイコロを振らない
The Birthday
AIRFLIP
神聖かまってちゃん
This is LAST
GRAPEVINE
佐々木亮介(a flood of circle)
四星球 / 藤巻亮太 / eastern youth / 踊ってばかりの国 ほか
Creepy Nuts
KING BROTHERS
崎山蒼志 / moon drop / SPARK!!SOUND!!SHOW!! / ExWHYZ ほか
"ナガノアニエラフェスタ2025"
WtB
PIGGS
TOKYOてふてふ
LACCO TOWER
安藤裕子
GOOD BYE APRIL
The Biscats
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025"
"New Acoustic Camp 2025"
wacci
- 2025.09.14
-
セックスマシーン!!
ビレッジマンズストア
AIRFLIP
TOOBOE
THE BOHEMIANS × the myeahns
flumpool / 三浦大知 / コブクロ / C&K
ガガガSP / GOING UNDER GROUND / 日食なつこ / LOVE PSYCHEDELICO ほか
ナナヲアカリ
WtB
Academic BANANA
Creepy Nuts
打首獄門同好会 / GLIM SPANKY / yama / bokula. ほか
KING BROTHERS
"ナガノアニエラフェスタ2025"
センチミリメンタル
mzsrz
ぼっちぼろまる
SIRUP
Maica_n
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025"
"New Acoustic Camp 2025"
Mirror,Mirror
- 2025.09.15
-
セックスマシーン!!
cinema staff
Bye-Bye-Handの方程式
WtB
ビレッジマンズストア
Kroi
GRAPEVINE
Appare!
THE CHARM PARK
TOKYOてふてふ
緑黄色社会 / 04 Limited Sazabys / キュウソネコカミ / Hump Back ほか
羊文学
PIGGS
DYGL
THE SMASHING PUMPKINS
FOUR GET ME A NOTS
Bimi
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025"
FIVE NEW OLD
eill
UNFAIR RULE / Blue Mash / ペルシカリア / ポンツクピーヤ
アーバンギャルド
NOIMAGE
- 2025.09.16
-
THE CHARM PARK
THE BOHEMIANS × the myeahns
MONOEYES
Aooo
コレサワ
Laughing Hick / アンと私 / つきみ
"LIVEHOLIC 10th Anniversary series〜NEWIMAGE〜"
- 2025.09.17
-
YOASOBI
THE ORAL CIGARETTES
DYGL
Mirror,Mirror
Hump Back
a flood of circle
THE SMASHING PUMPKINS
ガラクタ / 東京、君がいない街 / Fish and Lips
点染テンセイ少女。
- 2025.09.18
-
YOASOBI
キュウソネコカミ
LAUSBUB
DYGL
Mirror,Mirror
MONOEYES
終活クラブ
TOOBOE
THE SMASHING PUMPKINS
椎名林檎 / アイナ・ジ・エンド / 岡村靖幸 ほか
打首獄門同好会
the paddles / DeNeel / フリージアン
otona ni nattemo / 南無阿部陀仏 / ウェルビーズ ほか
- 2025.09.19
-
THE ORAL CIGARETTES
a flood of circle
UVERworld
セックスマシーン!!
Bye-Bye-Handの方程式
Redhair Rosy
たかはしほのか(リーガルリリー)
終活クラブ
あたらよ
Aooo
KING BROTHERS
bokula. / 炙りなタウン / Sunny Girl
The Birthday
- 2025.09.20
-
カミナリグモ
Lucky Kilimanjaro
TOOBOE
GRAPEVINE
This is LAST
LACCO TOWER
WtB
キュウソネコカミ
reGretGirl
岸田教団&THE明星ロケッツ
ASH DA HERO
THE SMASHING PUMPKINS
Miyuu
竹内アンナ
ぜんぶ君のせいだ。
PAN / SABOTEN
SHE'S
"イナズマロック フェス 2025"
LAUSBUB
渡會将士
Plastic Tree
ヨルシカ
cinema staff
Broken my toybox
あたらよ
大森靖子
04 Limited Sazabys / 東京スカパラダイスオーケストラ / ザ・クロマニヨンズ / 奥田民生 / ヤングスキニー ほか
ART-SCHOOL
AIRFLIP
"NAKAYOSHI FES.2025"
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025"
GOOD ON THE REEL
クジラ夜の街 / Dannie May / 終活クラブ / アオイロエウレカ(O.A.)
フラワーカンパニーズ
- 2025.09.21
-
ExWHYZ
HY
豆柴の大群
TOOBOE
カミナリグモ
LACCO TOWER
The Biscats
WtB
キュウソネコカミ
envy × OLEDICKFOGGY
Plastic Tree
Broken my toybox
ぜんぶ君のせいだ。
THE SMASHING PUMPKINS
アルコサイト
ART-SCHOOL
星野源
"イナズマロック フェス 2025"
岸田教団&THE明星ロケッツ
TOKYOてふてふ
ヨルシカ
竹内アンナ
GRAPEVINE
大森靖子
ACIDMAN / GLIM SPANKY / Dragon Ash / go!go!vanillas / Omoinotake ほか
LAUSBUB
Devil ANTHEM.
peeto
KING BROTHERS
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025"
GOOD ON THE REEL
超☆社会的サンダル / さとう。 / ルサンチマン / SENTIMENTAL KNOWING(O.A.)
PIGGS
- 2025.09.22
-
WtB
reGretGirl
OKAMOTO'S
古墳シスターズ
レイラ
Bye-Bye-Handの方程式
ビレッジマンズストア
Ryu Matsuyama
CENT
- 2025.09.23
-
水曜日のカンパネラ
ART-SCHOOL
Lucky Kilimanjaro
TOOBOE
リュックと添い寝ごはん
古墳シスターズ
Omoinotake
Kroi
TOKYOてふてふ
Plastic Tree
WtB
MUSE / MAN WITH A MISSION / go!go!vanillas
amazarashi
GRAPEVINE
YONA YONA WEEKENDERS
DYGL
cinema staff
Bye-Bye-Handの方程式
Another Diary
adieu
竹内アンナ
Cody・Lee(李)
トゲナシトゲアリ
"TOKYO CALLING 2025"
- 2025.09.24
-
水曜日のカンパネラ
THE SMASHING PUMPKINS
ドミコ
UVERworld
Kroi
a flood of circle
Hump Back
shallm × sajou no hana
- 2025.09.26
-
This is LAST
the cabs
ドミコ
Age Factory
Aooo
Keishi Tanaka
MONO NO AWARE
トンボコープ
Base Ball Bear × ダウ90000
DYGL
OKAMOTO'S
SUPER BEAVER
otsumami feat.mikan
セックスマシーン!!
YONA YONA WEEKENDERS
- 2025.09.27
-
TOKYOてふてふ
amazarashi
アーバンギャルド
SCOOBIE DO
LACCO TOWER
Academic BANANA
The Birthday / 甲本ヒロト(ザ・クロマニヨンズ) / 志磨遼平(ドレスコーズ) / GLIM SPANKY / TOSHI-LOW(BRAHMAN/OAU) ほか
ぜんぶ君のせいだ。
センチミリメンタル
LAUSBUB
Awesome City Club
NEE × CLAN QUEEN
Plastic Tree
This is LAST
LOCAL CONNECT
YOASOBI
TOOBOE
MONO NO AWARE
EGO-WRAPPIN' × 大橋トリオ
豆柴の大群
reGretGirl
cowolo
コレサワ
ExWHYZ
レイラ
INORAN
MAPA
LiSA
mudy on the 昨晩
WtB
キタニタツヤ
"ベリテンライブ2025 Special"
藤巻亮太
"TOKYO CALLING 2025"
- 2025.09.28
-
ナナヲアカリ
NEE × CLAN QUEEN/サイダーガール × トンボコープ
SCOOBIE DO
LACCO TOWER
TOKYOてふてふ
SUPER BEAVER
"いしがきMUSIC FESTIVAL"
cinema staff
ぜんぶ君のせいだ。
YONA YONA WEEKENDERS
コレサワ
SPRISE
Plastic Tree
YOASOBI
リュックと添い寝ごはん
EGO-WRAPPIN' × 大橋トリオ
Age Factory
WtB
TOOBOE
mzsrz
Broken my toybox
古墳シスターズ
RAY
"ベリテンライブ2025 Special"
"TOKYO CALLING 2025"
RELEASE INFO
- 2025.09.17
- 2025.09.19
- 2025.09.24
- 2025.09.26
- 2025.10.01
- 2025.10.03
- 2025.10.05
- 2025.10.08
- 2025.10.10
- 2025.10.11
- 2025.10.12
- 2025.10.14
- 2025.10.15
- 2025.10.17
- 2025.10.22
- 2025.10.24
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
OASIS
Skream! 2025年09月号