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DISC REVIEW

C

DEAR FRAME

CLOW

DEAR FRAME

アコースティック・ギターを抱え、日常のドキュメンタリーを歌い綴るシンガー・ソングライター、CLOW。Track.1「スクロール」では、世界の紛争も、事件や事故、下世話な芸能情報から知人の近況まで、手の内で情報がスクロールされていくことを歌う。平熱のヴォーカルながらも、内側では、不穏な何かに押し潰されて、今にも叫び出しそうな衝動も抱えている。爆発寸前のヒリヒリとした感情が、静かで、可憐ですらあるメロディの薄い皮1枚の下で、尖っている。彼女自身はインタビューで、自分の歌はうまいこと言えてないと語っていたが、五感を研ぎ澄まし、見えるもの聞こえるもの感じるものを端的に切り取ったワードは、弾丸のようなスピードで突き刺さる。そういう歌の威力を持ったソングライターだ。(吉羽 さおり)

人生賛歌

CNBLUE

人生賛歌

韓国と言えばダンス・ヴォーカル・グループのイメージが強いが、このCNBLUEはポップな曲調ながらも本格派のバンドだ。もともと、バンド文化が根付いている日本で活動したい、という思いがあって日本のマーケットを意識した活動をしていた彼等だが、今年UVERworldと日韓で対バン・イベントを行ったこともあり、より日本のファンに親しみやすい存在となった。今回のシングルでは初の日本語タイトルとなった表題曲、そして盟友 UVERworldとの共作含め、3曲とも日本語詞と英語詞の絶妙なバランスで歌が耳にスッと入ってくる。ソフトでノリやすいポップ・ロックは、EDMに慣れきったK-POP界隈よりも日本のシーンで受け入れられるはず。(山本 真由)

ニライカナイ

Cocco

ニライカナイ

曲の幕開けを告げる、琉球音楽のメロディから強烈に心に突き刺さる。この人の声はやっぱり、一聴でCoccoだと認識させるインパクトを持っている。その唯一無味な個性を支えるのは、5thアルバム『ザンサイアン』以来4年ぶりとなる根岸孝旨との共同作業で作り上げたバンドサウンド。"生まり島 忘れんなよ 踊れ踊れ 輪になれー"。日々の喧騒の中で忘れがちになってしまう、自分の出自。家族、故郷、大切な人や心の在りかた・・・。あなたが生まれた原点は、どこにある?そんなメッセージも汲みとらせるスピリチュアルなリリックを、人間の本能に訴えかけるエネルギーに満ち満ちた強靭な音色が伝える。カップリング「やぎの散歩」は、若干14才の映画監督・中村颯悟作品『やぎの冒険』への書き下ろし楽曲。(道明 利友)

Coccoさんの台所CD

Cocco

Coccoさんの台所CD

雑誌「パピルス」にて連載されていたエッセイに、書き下ろしエッセイなどを加えた最新エッセイ集『Coccoさんの台所』から生まれた4曲を収録した、1年10ヶ月ぶりの最新作。春夏秋冬、それぞれの季節への想いを歌った4 曲で四季を表現している。「絹ずれ」は、ダイナミックなロック・サウンド、「the end of Summer」は全英詞で夏の終わりの切なさを静かに歌う。「バイバイパンプキンパイ」では、オーガニックなアコースティック・サウンドに合わせ、前向きな歌詞を歌う。そして、美しいサウンド・スケープを見せる「愛について」でしめくくる。Coccoらしい深く自分を抉り出すような歌詞を散りばめながらも、柔らかく、ポジティヴなフィーリングが特徴的な楽曲集となっている。(佐々木 健治)

Storage of Solutions

CODE OF ZERO

Storage of Solutions

"渋谷最恐POP"を掲げるCODE OF ZEROの最新作は、"Storage of Solutions=解決策の倉庫"がテーマ。ガールズ・パワー全開のメッセージをラウドなサウンドに乗せた「S/O/G」や、挑発的な歌詞で焚きつけるヘヴィ且つダンサブルな「BAN=DA RANDOM」、弱音を吐く自分も受け入れ前に進むポジティヴなデジタル・ポップ「L.I.F.E. (SOS ver.)」、呪縛からの解放と新たなスタートを歌う爽快なナンバー「Periodicity」など、メッセージ性の強い6曲が収録された。ロックからEDMまでを独自のポップ・サウンドに落とし込み、ライヴで鍛え上げられた歌声はより表情豊かに。悩み多き時代に悲鳴を上げる心の"SOS"に応え、6曲それぞれのアプローチで解決へ導く1枚。(中尾 佳奈)

MAKE ME REAL

CODE OF ZERO

MAKE ME REAL

2016年の活動開始以来、精力的なライヴと会場/配信限定リリースを続けてきた女性ヴォーカリスト、0Cによるソロ・プロジェクト、CODE OF ZEROが満を持してリリースする初の全国流通盤。ラウドでありつつダンサブルな魅力も持つモダンなロックをバックボーンに、アンセミックでポップ、そしてエモーショナルな全5曲を収録した。ガール・ポップの王道と言えるパワフル且つキュートなヴォーカルもさることながら、熱度満点でライヴ映え必至のテクニカルなバンド・サウンドからは、0Cのバックグラウンドや、どんな表現を目指しているかが窺える。ライヴのサポート・メンバーに加え、印象に残るギター・プレイを披露したvivid undressのyu-ya、vistlipのYuhの客演も聴きどころ。(山口 智男)

心拍数とラヴレター、それと優しさ

Cody・Lee(李)

心拍数とラヴレター、それと優しさ

高橋 響(Vo/Gt)が中学生の頃文集に綴った"僕はソニーからデビューします"という夢は現実となり、ついにメジャー・デビュー作がリリース。独特な表現のワードをポップに放つ「愛してますっ!」や、タイトルからは想像がつかないロマンチックで'80s感漂う「冷やしネギ蕎麦」、繊細なピアノと情熱的なギターが混ざりあう「honest」、アップテンポで駆け抜ける全肯定ソング「W.A.N.」、切なさが染みる冬のバラード「しろくならない」、街と日常を切り取った素朴さが心地よい「世田谷代田」など12曲が収録された。シティ・ポップからパンクまでを奏でるそのあまりの振り幅の広さに、まだまだ見せていない顔があるのではと期待してしまう。海外からも注目を集める彼らの、計り知れない可能性を感じる1枚。(中尾 佳奈)

cogency

COgeNdshE

cogency

本作のリリース元でもある残響recordをはじめとしたレーベルの熱心なフックアップの功績も大きいのだろう、ここ日本には、ポスト・ハードコア/ポスト・ロックの豊潤な土壌がある。本来、このジャンルには独特の勤勉さ、ストイシズムが宿るものだが、日本のバンドたちはその中にこの国ならではの文学的な叙情性を宿すことによって、確固としたアイデンティティを築いてきた。変拍子を多用したリズムにIDMやエレクトロニカを租借した電子音を散りばめ、その上をリズミカルかつフリーキーなギターが縦横無尽に走る。その音楽性は非常に綿密かつスリリングだが、ヴォーカル藤江香織の歌声が、楽曲全体に歌謡性の高い艶やかさとスケール感の大きさを宿らせている。1曲を聴く度に、まるで壮大な屏風絵でも見ているような気分にさせられる1枚。 (天野 史彬)

The Afterman:Descension

COHEED AND CAMBRIA

The Afterman:Descension

ビルボード5位を獲得した『The Afterman:Ascension』の第2章となる本作。Track.1「Pretelthal」から宇宙的ともいえるような壮大なアルバムがスタートする。彼らの持ち味であるテクニカルでプログレッシヴな展開と、それをマニアックに落とし込まないポップ・センスは相変わらずだが、今作は今までの作品と比較してもそれが素直に、ストレートにアウト・プットされていると感じる。ハードなロック・ナンバーのTrack3.「The Hard Sell」からファンクなポップ・ナンバーTrack4.「Number City」への流れは驚かせるが、彼らにしか成し得ない振り幅の広さだろう。2013年はフェスでの来日も予定されているという噂もチラホラ。是非ライヴで体感したい。(伊藤 啓太)

世田谷スウィートメモリーズ

THE COKEHEADS

世田谷スウィートメモリーズ

世田谷発の4人組THE COKEHEADS。これは困った。不思議なバンドだ。ストレートなエモーショナル・ロックで始まったかと思えば、グラム・ロック、穏やかなサイケデリック、はたまたパンキッシュな曲もある。シンガロングな王道ロックを書いてみたかと思えば、ディストーションを撒き散らす。そして、メロディはどこまでも日本的で、歌詞はどこまでも自意識丸出し。こう書くととっちらかっているようだが、そんなこともなく筋は通っている。だけど、何度聴き通しても、どうにも捉えどころがない。音の向うに何かある気がする。何と言うか、変態なのかな。変態なんだろうな。変態ですよね?音楽性の幅広さからして、どうにでも化けれそうだし、さらに踏み込めばもっと面白くなると変態な音好きは思う。(佐々木 健治)

Cherish The Light Years

COLD CAVE

Cherish The Light Years

2009年にリリースされた1stアルバムに収録されていたキャッチーで女性ヴォーカルが印象的なシングル「Life Magazine」が日本でもクラブ・ヒットしたのも記憶に新しいCOLD CAVEがついに日本デビュー。その前作も非常にポップだったが今作は更にポップさを増している。前作の不穏でダークな印象が影を潜め、今作では80’Sシンセ・サウンドが全面に押し出され、DEPECHE MODEやPLUPを彷彿とさせるロマンティックでより肉体に訴えかけるようなサウンドが核となっている。ビートも強度を増していてフロア受けも良さそうだ。この大きな変化は驚きだが前作と同じく中毒性も高く聴けば聴くほどにはまっていく。(遠藤 孝行)

Love In Tokyo

COLDPLAY

Love In Tokyo

2015年発表の『A Head Full Of Dreams』を引っ提げ、世界各国で計122公演を行ったツアーから、2017年の東京ドーム公演を含む全14曲を収録したライヴ・アルバム。タイトルは日本のファンのためにリリースされた作品だからだが、ここには世界中のファンとバンドが育んできた愛が詰まっている。それを物語るのが全曲で聴こえるファンのシンガロングだ。バンドが煽っているわけでも、あからさまなシンガロング・パートがあるわけでもない。でも全曲で歌うんだから、それを愛と言わずしてなんと言う? バンドのアンサンブルはEDMやモダンなR&Bを昇華したものに変化したが、誰もが歌わずにいられない曲の良さという意味では、彼らの魅力はまさに不変。それが不動の人気の理由だ。(山口 智男)

Kaleidoscope EP

COLDPLAY

Kaleidoscope EP

今年4月に開催された東京ドーム公演は完売。2000年以降、名実ともに最も成功したバンドとなったCOLDPLAYによる最新EPは、最近の実験的な試みを血肉化させた新曲のみを収録。初期の不穏な空気感も漂うTrack.1からはメンバー自身の人間的な成長を感じさせ、デトロイトのラッパー Big Seanを招いたTrack.2では爽やかな歌メロとスタイリッシュなフロウが絡み合い、トラック自体の自由度の高さを証明している。何より嬉しいのは、人気EDMデュオ THE CHAINSMOKERSとのコラボレート曲で、東京ドームでのライヴ音源を用いたTrack.4がオフィシャル作品としてパッケージされたことだろう。バンドというスタイルは維持しながらも。音楽性の解放を続ける彼らの深化に触れられる1枚。(小田 淳治)

Ghost Stories

COLDPLAY

Ghost Stories

私はこのアルバムを、あえてCOLDPLAYの"復活作"と呼びたい。Brian Enoをプロデューサーに迎えた前々作『美しき生命』と前作『Mylo Xyloto』で見せた、実験的な音作りとスケールのデカいポップネスを融合させたスタジアム・ロックも、もちろんCOLDPLAYにしか作り得ない世界ではあった。が、あの2作において、音の実験性――とりわけビートに対する探究心と、とにかく壮大さを求めていくドラマティックなメロディの過剰さは、本来のCOLDPLAY最大の魅力である、生活の片隅にこそ小さな幸せを見出すような繊細なロマンティシズムを、その音楽から消し去ってしまっていた。しかし本作にはそれがある。このアルバムを覆うのは、メロウで静謐な、まるで私たちの日々にそっと寄り添うかのような孤独で優しげな音世界。こんなCOLDPLAYが聴きたかった。(天野 史彬)

carry on

Cold Retriever

carry on

甘酸っぱい青春の香り漂う歌メロは、誰もがいつか感じたことのある心象風景にピタリとハマるはず。キレイなだけにまとまらず、ところどころに見せる初期エモやハードコアの歪みのようなものも、楽曲にいいバランスで深みを与えている。そういう微妙な部分で、歌モノからギター・ロック、パンク、ハードコアやらJ-POPなどなど、メンバー個々の中にあるエッセンスがじわじわ溶け合って、核となる飾り気のないシンプルなサウンドをより彼ららしい味つけにしているのだろう。"高知のバンド"というとなんだか遠い存在のような気がしてしまうが、自信たっぷりの今作を引っ提げて、ライヴハウスの住人たちをもれなくワクワクドキドキさせてくれるシンガロング・パートを武器に、これから各地のライヴハウスを盛り上げてほしい!(山本 真由)

DRIVIN' BEAST -Official Bootleg-

The cold tommy

DRIVIN' BEAST -Official Bootleg-

2016年4月に新ドラマーとしてマー(ex-folca)を迎えての新体制となってから初の作品は、TOWER RECORDS、ライヴ会場限定販売の"オフィシャル・ブートレッグ"と題したアルバムで、とにかく荒々しく、野性味と人間味に溢れ、滴る汗まで伝わってきそう。下北沢のライヴハウス、Daisy Barにてライヴさながらの一発録りで行われたというレコーディングの熱気が目に浮かぶような躍動感が、3人の波長がいかに合っているのかを証明している。収録曲はライヴの定番曲のほか、インディーズ時代の「朱が射したら」、「新世界」や新曲「LET IT DIE ~ネオングリーンの逆光~」も含め全11曲。一気に突っ走るテンションの高い作品で、彼らが言う"The cold tommy元年"に相応しい力作。(岡本 貴之)

FLASHBACK BUG

The cold tommy

FLASHBACK BUG

感情に敏感でありすぎるがゆえに、喜怒哀楽では名づけることのできない思念の渦の中で、次第に引きつり笑いを起こす神経質なサウンド。80年代ニュー・ウェーヴのような甘美なメロディ、それにハード・ロックやグランジの意匠を受け継ぐヘヴィネス。時折、リズムの中に覗かせる黒さ。そんな様々なエッセンスを昇華した3ピースの研ぎ澄まされたアンサンブルは、しかし"人生とはフラッシュバックし続けるトラウマだ"とでも言いたげな冷めた眼差しで、外部に対してひたすら違和感を発散させていく。それはまるで、手のひらで潰した蠅の死骸とその血痕をまじまじと見つめるようなやり切れなさと、清々しさを伴って。"共有することはできない"という事実のみを聴き手と共有しようとする、そのスタンスが何よりリアルなメジャー・デビュー作。(天野 史彬)

Mira

COMEBACK MY DAUGHTERS

Mira

米英のインディー・ロックに共鳴する作品には違いない。しかし、洋楽志向のバンドが持つ特有の気取りはここにはない。メジャー移籍第1弾となる5作目のアルバムは前作『Outta Here』同様、名盤から珍品までが揃ったセンス抜群の中古レコード店に迷いこんだような楽しさでいっぱいだ。オーケストラル・ポップ、アメリカーナのCBMD流解釈はもはや御手の物。今回、そこに新たにニュー・ウェイヴ調のサーフ・ロックやラテン風味のポップ・ナンバーが加えられた。かなりトンがった音作りに取り組みながら、それを温もりとともに聴かせるところが彼らの真骨頂。シンプルな楽曲をシンプルな演奏によって、壮大に聴かせる終盤の2曲に改めてバンドの実力を実感した。ハート・ウォーミングな音楽を愛するすべての人にオススメしたい。(山口 智男)

Blue

COMMUNIONS

Blue

デンマークはコペンハーゲンの新世代による男性4人組バンド COMMUNIONSのデビュー・アルバム『Blue』。"女性ヴォーカルかな?"と勘違いしてしまうほどフロントマン Martin Rehofの独特な甲高い歌声が飛び込んでくる「Come On, I'm Waiting」からスタートする今作。"Blue"というタイトルどおり、ヒリヒリとした若く青い色を彷彿とさせる衝動的なサウンドと、どこかOASISのようなビッグ・メロディをも感じさせる甘くて苦い全11曲を収録。これまで発表してきた作品が序章だとしたら、より研ぎ澄まされた今作でCOMMUNIONSの1章がやっと始まるのかもれない。まだ若く、エネルギー漲る彼らの1stアルバムを聴き逃さないでほしい。2月に来日予定とのことなので、こちらも要チェック。(白崎 未穂)

Obscure But Visible

COMPUTER MAGIC

Obscure But Visible

"不可解だが目に見える"というタイトルも示唆するように、Danielle Johnson(愛称:Danz)のインスピレーションが、これまで以上に高い音楽性と奥行きのあるパースペクティヴで表現されたミニ・アルバム。作品は特定できないが、宮崎駿作品にインスパイアされたというTrack.1の深い聴感やシンセのレイヤーの層の厚さが気持ちいいTrack.2、トライバルなパーカッションとジェット気流のようなサウンドを並列させたTrack.3、珍しくソリッドなギター・サウンドも用いつつもどこか不穏な空気を漂わせ、RADIOHEADにも通じるニュアンスのTrack.4、インディー・ポップなメロディに彼女らしさを感じるTrack.5と、アルバムの尺は短いものの、多様性に富み、深淵な印象を残して聴き応え十分。何よりDanzの声の表現がアートそのものだ。(石角 友香)

スノウドロップ

Conton Candy

スノウドロップ

話題作のタイアップを次々と担当し、その名をさらに広めるConton Candyがシングル『スノウドロップ』をリリースした。表題曲は、TVアニメ"青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない"オープニング・テーマで、原作内に出てくる"思春期症候群"をキーワードにし制作。彼女たちらしい瑞々しく疾走感のあるギター・ロック・ナンバーでありながら、アニメの主人公たちに寄り添い、切なくも温かい世界観を、原作の情景を思い浮ぶ歌詞や、紬衣のクリアな歌声とコーラスが積み重なるサウンドで見事に映し出している。またカップリングには、「虹色の羽虫」を収録。残暑の情景と未練の想いを重ねた歌詞をミドル・テンポに乗せて胸奥をそっと揺らす、夏の終わりにぴったりな曲だ。(中島 希実)

melt pop

Conton Candy

melt pop

甘酸っぱい恋模様をスウィートなサウンドとメロディに昇華した「ファジーネーブル」のヴァイラル・ヒットも記憶に新しいConton Candyによる1stフル・アルバム。同曲収録のEP『charm』でも見せた瑞々しさはそのままに、本作は数々の大型フェス出演や、自身初ワンマン等を経て、バンドとして一回りも二回りも成長したことが窺える作品に。初の映画主題歌となった「急行券とリズム」はメイン・キャストを務める日向坂46 四期生のフレッシュさと共鳴したような疾走感あるロック・チューンだし、パンキッシュなファスト・チューン「爪」もいいアクセントで、バンドのパブリック・イメージにとらわれない仕上がり。いい意味でバズの影響を感じさせない名刺代わりの1枚だ。(山田 いつき)

charm

Conton Candy

charm

2nd EP『angel』から約1年2ヶ月ぶりとなるEPは、精力的なライヴ活動で培ったエネルギッシュなサウンドで、現在のバンドの着地点を証明する1枚に。シンプルに歌に寄り添う愛情たっぷりのフレーズ、この3人ならではの見事なコーラス・ワーク、ノイジーなギター、等身大の想いを飾ることなくそのまま描いた歌詞、そのどれもが自信と共に凄まじくレベルアップし、このバンドの確固たる強みとなっている。SNSを中心に話題を呼び、バンドの新境地ともなったシングル「ファジーネーブル」の甘酸っぱさ、初期の楽曲で人気も高い「リップシンク」の不安定さ、先行配信された「baby blue eyes」の儚さとどの曲もギュッと抱きしめたくなってしまうのは、3人のリアルが色鮮やかに輝いているから。愛おしくて仕方がない。(藤坂 綾)

angel

Conton Candy

angel

1st EPから約1年、新たな曲を作りながらライヴ活動をしてきた3ピース・ガールズ・バンド、Conton Candy。この2nd EPでは、ライヴを重ね磨き上げてきたバンド感とともにサウンドスケープや曲の表現力が広がって、映像やドラマが浮かび上がったり、胸がチクチクとするような記憶を蘇らせたりと、ポップでリアルな作品になっている。ノイジーなギターと勢いのあるドラム&ベースで一気に引き込む「執着」は、切ない痛みと同時にどこか甘美な中毒性があるギター・ロックに。また衝動を爆発させるパワーとはひと味違った、引き算や余白のあるサウンドの「エンジェルスモーク」は、新たな挑戦で3人の妙味を聴かせる。背伸びしたり飾りたてたりすることなく、10代の繊細さと大胆さとが炸裂しているのが爽快だ。(吉羽 さおり)

newbalance

the coopeez

newbalance

2004年結成された"遅咲きロック・バンド"の2ndフル・アルバム。"生まれた時からクイズの時間"のリフレインが耳から離れなくなる「クイズ」、グラムロックな「皮一枚でつながって」、noodlesのyokoとのデュエット曲である小気味よいロックンロール「途中の人」など、クラシック・ロックへの愛情が伝わってくる絶妙なアレンジのグッド・メロディの楽曲は繰り返し聴きたくなる程キャッチー。ライヴ・パフォーマンスに定評があるようで、アルバムを聴けば聴くほど体験してみたくなる。コンプレックスを全開にしている、とはいうもののデザイナーでも充分食べていけそうなほど秀逸なアートワークを自ら手掛ける藤本浩史(Vo/Gt)をはじめ、大いに才能を感じさせる素晴らしいアルバムだ。こういうバンドが売れなかったらおかしいでしょ!?(岡本 貴之)

Los Lobos Del Mambo

COPA SALVO

Los Lobos Del Mambo

中南米の音楽に惹き付けられた日本人6人のミュージシャンを中心に2000年に結成されラテン・ロッカーズCOPA SALVO。FUJI ROCK FESTIVALを始め国内外のロック・フェスへの出演を含めワールド・ワイドな活動を展開。結成10周年にあたり、マンボに正面から取り組んだと語る本作は、18名のバンド編成を組み、GANBA ZUMBAでの活動でも知られるキューバのトランぺッターLuis Valleを迎え、華やかでグルーヴィーなサウンドを聴かせてくれる。そして、マンボという音楽が生まれてから50年たった今でも刺激的なダンス・ミュージックであるという事教えてくれる。マンボを知らなくても心から楽しめる、とても開放感に溢れた一枚。(遠藤 孝行)

FORTH

COPES

FORTH

男女ツイン・ヴォーカル・メロディック・ポップ・バンド COPESが、サポート・ドラマーだったちょたを正式メンバーとして迎え初の全国流通盤をリリース。はつらつとしたカメイナナコ(Gt/Vo)の歌声が突き抜け、しいなゆうき(Ba/Vo)が力強く支える抜群のハーモニーに、童謡を取り入れるなど遊び心もあるキャッチーなメロディ、駆け抜けるツービートと、持ち味の痛快なハッピー・チューンを中心に全11曲(※配信は10曲)が収録された。フロアを躍らせる代表曲「winner」などのライヴ定番曲から、夢に向かって走るエネルギーに満ちた表題曲「forth」といった新曲まで、新生COPESのいわゆる名刺代わりの1枚。沈む心も晴らすポジティヴなパワーでライヴハウスを沸かすニュー・カマーに注目だ。(中尾 佳奈)

Move Through The Dawn

THE CORAL

Move Through The Dawn

2年半ぶりの新作であり、通算8枚目となるオリジナル・アルバム。前作に続き、彼らの地元であるリヴァプールのパー・ストリート・スタジオでレコーディングを行い、Rich Turveyとタッグを組み共同プロデュースで制作された。今作はピュアなメロディに立ち返ったということで、ダークな作風から一転、華やかで柔らかいポップ・ソングが揃う。60~70'sロックとサイケ感を昇華したサウンドスケープ、豊かなコーラス・ワークといったバンドの特色であり個性を存分に生かしつつ円熟を感じさせる演奏は、キャリアの成せる業だろう。中でも、シリアスでスケールの大きい「Stormbreaker」から軽やかな「After The Fair」で終盤を迎える流れは、タイトルのとおり、嵐のあとの晴天のような心地よさだ。(沖 さやこ)

Distance Inbetween

THE CORAL

Distance Inbetween

5年間の活動休止を経てリリースされる7枚目のアルバム。収録曲の大半は生演奏の一発録りでレコーディングしているとのこと。不穏なギター・リフの音色から始まるTrack.1「Connector」、フロアタムを活かした土着的なリズムがひたすら続き、エスニックなアレンジで夢に憑りつかれたような気分に誘われるTrack.3「Chasing The Tail Of A Dream」、疾走感のある演奏とサイケな音像を兼ね備えたリード・シングルのTrack.6「Miss Fortune」など、5人編成によるポップで迫力のあるサウンドが楽しめる。文句なしの傑作アルバムだけに、モノクロ映画が幕を閉じるようなインストTrack.12「End Credits」のあとに入る日本盤ボーナス・トラックのTrack.13「Unforgiven」は蛇足のような気も。(岡本 貴之)

Butterfly House

THE CORAL

Butterfly House

THE CORALは60年代のロックを飲み込んで、今風にも聴こえるアレンジで絶妙な"古くささ"を醸し出し、独自のスタイルを確立。そしてギタリスト、Bill Ryder-Jonesの脱退を経て、3年ぶりの新作が到着した。"レコードは自分だけの世界を作り上げるマジカルで秘密の場所" というアイディアを楽曲に落とし込んだという今作は、何かが吹っ切れたかのように開放的に音が鳴らされているように思う。美しいコーラスに酔いしれるのも良し、ギターのメロディラインに聴き入るのも良し。何度もリピートしたくなる名曲揃いだ。どうやらメンバーも最高傑作と太鼓判を押している様子。その思い充分に伝わりました! いくつもの謎が残る「1000Years」のミュージックビデオもなんだか意味深。(花塚 寿美礼)

title call

The coridras

title call

00年代に登場したフォーキーなテイストもあるギター・ロック・バンドをさらに純化したような、カテゴライズの難しいスケールの大きさ、そんな印象を持たせるバンドだ。現実に押しつぶされそうだが、そこに生の実感を得ているようなTrack.1「愛をくれ」、"月が 綺麗で うざったい"から寂しい、良かったと変化していく歌詞に、同じものを見ても自分の心象が投影されることに不意打ちを食らうTrack.3「@live」、シンプルな曲調にまだやりきれていないという前向きな欲望と認識が刻まれるTrack.6「own song」、そして誰かのもの、誰かの音楽になりたいというThe coridrasの軸を表現しているラストの「僕らのメモリー」まで、どこを切っても、楽曲そのものが何より彼らを雄弁に語る。(石角 友香)

煙

The coridras

札幌を拠点に活動する3ピース、The coridrasによるTOWER RECORDS限定ニュー・シングル。ソリッドで、疾走感のあるギター・ロックは、素っ気ないくらいにぶっきらぼうだ。乾いた声でシニカルに、時に吐き捨てるように歌うソングライター、杉本健人(Vo/Gt)のヴォーカルや歌もまた、ままならない思いをくすぶらせて、睨みつけるように様々なシーンを切り取っていく。目に見えるもの、聞こえてくる雑音がすべて薄っぺらく苛立たしいと感じる時、或いは人との関係のなかで言葉1つでやきもきとしてしまうことや、自分自身の不甲斐なさについてなど。見栄っ張りで、しかし臆病な自分を嘲笑うようにして歌にする。頭のなかでは、この思いを伝えなきゃと思いながらも、言葉足らずになってしまう不器用さが、心をひっかいていく曲たちだ。(吉羽 さおり)

BE THE ONE

cOups.

BE THE ONE

2018年5月にライヴ・デビューした平均年齢20歳のオルタナ・バンドが残響recordからリリースする1stフル・アルバム。それぞれに幅広いバックグラウンドを持つメンバーが、Sean(Vo)が作ってきた曲に対してアイディアをぶつけながら、バンドが進む道を探ってきたという、その彼らがとりあえず出した答えがここに収録されている全11曲。ひと言で言えば、ダンサブルなロックということになるが、キャッチーなシンセの音色も交えながらグルーヴで聴かせるポップな前半と、轟音で鳴らすリフで聴かせるファンキーな後半で、ガラリと印象が変わる振り幅がバンド名にクーデターを掲げる彼らの可能性なのだろう。英語で歌いながら、突然、日本語を閃かせる歌も鮮烈な印象を残すという意味でキャッチーだ。(山口 智男)

Sometimes I Sit And Think, And Sometimes I Just Sit

Courtney Barnett

Sometimes I Sit And Think, And Sometimes I Just Sit

きっとTHE ROLLING STONESが好きなんだろうね。それとNIRVANA。あ、Bob Dylanも大好きに違いない!海外の音楽マスコミがこぞって注目しているということで気になっていたが、ついに完成させたデビュー・アルバムがこんなにロッキンな作品だったなんて嬉しい驚きだ。メルボルン在住のシンガー・ソングライター。いくつかのバンド活動を経て、ソロに転向したことや、すでに書いたようにこのアルバムを聴く限り、シンガー・ソングライターのひと言ではその魅力を伝えきることはできない。日々の気持ちの変化をバラードも含む幅広い曲に反映させながらあくまでもギターの歪みが心地いいラフなロックンロールとして聴かせているところが気に入った。新たな女性ロック・アイコンの誕生を予感させる快作だ。(山口 智男)

真夜中のアジテーション

CRACK BANQUET

真夜中のアジテーション

ファンキーなロックンロールという意味では、彼ららしさは変わらないものの、ぐぐっとクールになった印象がある2年ぶりの2ndミニ・アルバム。"Red Bull Live on the Road"の第1回目で見事、ウィナーに輝いた5人組、CRACK BANQUET。紅一点メンバーが奏でるテナー・サックスをリード楽器として巧みに取り入れたアンサンブルが彼らの大きな魅力だが、そのアンサンブルはより巧妙になる一方で、楽曲そのものの印象がよりキャッチーに聴こえるのはムダが一切ないからだろう。何よりもそこにバンドの成長を感じる。ラストを飾る「夜明けのルースター」は新境地を思わせるバラード・ナンバー。『Let It Bleed』のころのTHE ROLLING STONESを思わせるアレンジにロック・ファンならニヤリとせずにいられない。(山口 智男)

Buzz The World!!

CRACK BANQUET

Buzz The World!!

昨年、Red Bull Live on the Roadに参加し、見事、優勝を果たした東京の5人組、CRACK BANQUETによる初の全国リリース作品となるミニ・アルバム。アムステルダムと日本でレコーディングを行い、ライヴのテンションそのままにファンキーなロックンロールの魅力を封じ込めている。と言っても、ただ勢いだけのバンドではない。むしろ、スタジオ・レコーディング作品であるここでは、熱を帯びながらじわじわと盛り上がる演奏やセンスの良さを感じさせるアレンジの妙にじっくりと耳を傾けたい。特に絶妙のコンビネーションを聴かせるギターとサックスのアンサンブルは、他のバンドにはないこのバンドならではの聴きどころだ。都会の片隅で光を探してさまよっているような心情を歌った日本語の歌詞もおもしろい。(山口 智男)

Record City

Crahs

Record City

"暮らす"という単語をバンド名の由来に持つ男女混成バンドがTOWER RECORDS限定でリリースする初の全国流通盤。サックスの音色も映えるアコースティック寄りのバンド・サウンドとあたたかみのある中低音の歌声は、聴き手の心にじんわり染み渡ることだろう。Track.1「ビターパレードへようこそ」からして全方位に窓を開くようなテンションではあるが、上っ面だけの笑顔で両腕を広げているように見えないのは、いくらハッピーな作品だろうと、ネガティヴな感情を無視した内容ではないからなのだと思う。全7曲に込められているのは、綺麗事だけではやっていけない日常を少しだけ軽やかにするための考え方。ひっそりしっかり闘っている人たちの、力へとなりかわるような音楽がここに。(蜂須賀 ちなみ)

Something Else

THE CRANBERRIES

Something Else

全13曲中、新曲は3曲。それを物足りないというのはたやすいが、室内管弦楽団との共演が全曲、新曲だったら、それはそれで物議を醸しただろう。室内管弦楽団との共演という結成28年目の挑戦をファンと分かち合ううえで、「Dreams」、「Zombie」他のヒット曲の数々を、アコースティック・バージョンでセルフ・カバーするというやり方はとりあえずベストだったと思う。そして、その挑戦は心に残る曲をいくつも作ってきたという事実とともに透明感溢れる......などというひと言だけでは表現しきれない、冷徹さを湛えた紅一点シンガー、Dolores O'Riordanの歌声の魅力を改めてアピールする絶好の機会となった。昔からのファンならジャケ写にニヤリとなるだろう。その意味を想像しながら、そんな遊び心も楽しみたい。(山口 智男)

Roses

THE CRANBERRIES

Roses

U2やEnyaに続き、アイルランドで成功したアーティストとして知られるTHE CRANBERRIESが11年ぶりとなる新作を発表。フォークを基調としたバンド・サウンドと、静謐ながらも力強さを秘めたDolores(Vo,Gt&Key)の歌声は未だ健在で、本作では過去5作の中で時折見られたロック色の強さはあまり感じられない。プロデューサーも長年タッグを組んできたStephen Streetだけあって、ファンなら初期の彼らをついつい期待してしまうだろうが、決して本作は単なる原点回帰や復帰作で終わらない。それは人生を考察し詞作に活かしてきたDoloresをはじめとするメンバーの人生観が見事な形で結実しているに他ならない。これをキッカケにTHE CRANBERRIESを聴く人が増えるといい。(中里 友)

ENDLESS BLUE

CRAWLICK

ENDLESS BLUE

神戸のライヴハウス、太陽と虎を拠点に活動する5人組ギター・ロック・バンドの初の全国流通盤。2012年の結成から何度かのメンバー・チェンジを繰り返してきた彼らが、これまでライヴで大切に歌い続けてきた「ハローグッバイ」を始め、現体制の新曲も数多く収録した1枚。タイトルに"hope"という言葉をつけた壮大なオープニングのインスト曲から幕を開けると、疾走感溢れるバンド・サウンドに繊細なピアノのフレーズが絡む「BLUE」を皮切りに、ラップを取り入れたアップ・ナンバー「ギャロップ」、心が潰れそうなほどの"君への想い"を綴ったバラード「遭難信号」など、言葉とメロディ両方を大切にした全12曲を収録。そこには出会いと別れの過程で得たバンドの進化と、未来への真摯な想いが刻まれている。(秦 理絵)