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DISC REVIEW

When Youth Fades Away

SOMEBODY’S CHILD

When Youth Fades Away

現代ロック・シーンに旋風を巻き起こすFONTAINES D.C.やINHALER、NEWDAD等と同郷 アイルランド発の新世代バンド、SOMEBODY'S CHILDの2ndアルバムが到着。シンプルなビートを採用し、終盤にかけてダイナミクスを増幅させていく曲展開に加え、アルバム全体の楽曲構成は一見普遍的だが、それらを凌駕するオーセンティックなメロディがこれ程繰り返される作品は類まれない。「The Kid」や「Wall Street」を筆頭に、野心に満ちたヴォーカルとドリーミーなギターが絡み合う、多幸感溢れるコーラスは限りなく希望的。一貫したサウンド・アプローチの選択は、"青春の終わり"と対峙してきた彼等にとって必然だったのだろう。時の流れを受容し、新たな旅路へと前進する人たちの背中を押してくれる1枚がここに誕生した。(山本 剛久之)

Dreams On Toast

THE DARKNESS

Dreams On Toast

ワイルドで華のあるロックンロールで駆け抜けてきた2000年代のロック・レジェンド、THE DARKNESS。そんな彼等の新作は、スタジアム級のスケール感と、伝統的なスタイルをさらに磨き上げた1枚となった。KISSのようにシンプルに突き抜けたワイルドなロックから、QUEENを彷彿とさせる華やかさと色気、ドラマチックな展開の楽曲もあったかと思えば、牧歌的なカントリー調の楽曲、疾走感のあるパンキッシュな楽曲、Paul McCartney御大の王道的ブリティッシュ・ポップ・ロックを継承したようなキャッチーな楽曲まで。遊び心と冒険心で幅広い音楽の海を漂いながら、それでもどこを切り取ってもTHE DARKNESS節と言える、パワフルな個性を纏った楽曲の数々に驚かされる。(山本 真由)

Is

MY MORNING JACKET

Is

四半世紀以上にわたって、アメリカン・スタンダード・ロック、ポップ・ロックを追及し続けているMY MORNING JACKETが10作目となるアルバムをリリース。清涼感のあるメロディと、親しみやすいリズム、温かみのある楽曲の数々は、彼等がこれまで守り抜いてきたアメリカン・ロックの良心を象徴しているようだ。Jim James(Vo/Gt)の、特徴的で安定感のある澄んだ歌声も含め、全てのパートが調和した一体感が気持ち良く、アルバム1枚一気に聴かせてしまうような不思議なパワーがある。透き通っていてなおかつ様々な色の光を分散させるプリズムのように柔軟な彼等の音楽は、気の合う仲間同士の集まりにも、1人で過ごす静かな時間にも、様々な場面にマッチするだろう。(山本 真由)

People Watching

Sam Fender

People Watching

ロック系の男性シンガー・ソングライターとしては昨今珍しく、ソロで成功したアイコニックな存在、Sam Fender。そんな彼の3枚目のアルバムがこちら。一見シンプルなポップ・ロックだが、波乱万丈な人生のリアリティをドリーミーなギター・ロックに溶かしたサウンドは、彼にしか出せない独特の味わいとなっている。過去2作と比べて、全体的にダイナミックでリッチなアレンジには進化しているものの、本質的な素朴さは失われておらず、むしろどんどんピュアに研ぎ澄まされていくようなメロディに引き込まれていく。派手さはなく穏やかで、達観したような眼差しと、それでいて初々しいフレッシュな魅力のあるヴォーカルもSam Fenderらしさを貫いていて良し。(山本 真由)

Oh! The Ocean

THE WOMBATS

Oh! The Ocean

前作『Fix Yourself, Not The World』で初の全英1位を獲得した、リヴァプール出身のトリオによる6thアルバム『Oh! The Ocean』。グラミー受賞のプロデューサー John Congletonを迎えた新作では、代名詞のポップ・ロックだけではない新たな魅力を発揮している。チルなアンサンブルにファルセットが絡むTrack.1「Sorry I'm Late, I Didn't Want To Come」、エレクトロとピアノを用いたウェットなTrack.4「Kate Moss」、壮大なコーラスのTrack.11「Swerve (101)」等、キャッチーなメロディを活かしつつ奥深いアレンジで幅広いサウンドを提示。Track.3「Blood On The Hospital Floor」のような軽やかで溌溂としたナンバーも起伏を生み出していて、ベッドルームでもアリーナのライヴでも映える楽曲が揃っている。(菅谷 透)

Automatic

THE LUMINEERS

Automatic

デビュー・アルバム以来、コンスタントにヒット曲を提供し続け、堅実にキャリアを積み重ねてきたインディー・フォーク・デュオ THE LUMINEERS。5作目となる今作でも、マルチプレイヤーであるメンバー2人の才能が存分に発揮され、楽曲ごとに様々な楽器を用いているだけでなく、多彩なサポート・ゲスト・アーティストも参加し、層の厚いバンド・アンサンブルとメロディを引き立たせるバック・コーラスが充実している。柔らかな日差しの当たる窓辺や、雨上がりの湿った匂いのある片田舎の畦道。そういった時間がゆっくりと流れる場所が目に浮かぶような文学的な世界観は、決して明るく楽しげなものではないが、聴く者の心に寄り添う優しさや慈愛に溢れている。(山本 真由)

The Bad Fire

MOGWAI

The Bad Fire

結 成30周年、ポストロックのトップ・アクトによる11枚目のスタジオ・アルバム。初の全英1位を獲得した『As The Love Continues』の続編となる本作は、メンバーの個人的な喪失や困難からインスピレーションを受けており、レコーディングは避難所のような役割を果たしていたのだという。それもあってか、フィードバック・ギターが生み出す轟音、静謐なメランコリー、壮大なサウンドスケープといったバンドの代名詞的な要素=MOGWAIらしさをより自覚的に取り入れている印象。一方で抑制の効いたアレンジは円熟味を感じさせる。タイトルはスコットランドの口語で"地獄"を意味するそうだが、さながら地の底から見上げる光のように、仄かな希望が差し込む作品。(菅谷 透)

Brat Japan Edition

CHARLI XCX

Brat Japan Edition

世界各国で激賞され、2024年を象徴するアルバムになり、ポップ・アイコンとしてのCHARLI XCXの存在をより確固たるものにした大傑作『Brat』の、日本企画盤『Brat Japan Edition』が登場。先鋭的且つ刺激的なハイパーポップと、00年代のクラブ・ミュージックへの憧憬を感じさせる熱狂のダンス・ビートが混ざり合った楽曲群は、アグレッシヴでありながらも、とてつもなくキャッチー。自身の原点に立ち返りつつも、それをもって未来を切り拓いていく姿が見て取れる。日本盤には、かねてより名コラボ曲を生み出してきた、盟友のTroye Sivanを迎えた「Talk Talk Feat. Troye Sivan」を追加収録。解放感とそれがもたらす圧倒的な恍惚をぜひ堪能してほしい。(山口 哲生)

Critical Thinking

MANIC STREET PREACHERS

Critical Thinking

結成から40年近くほぼ変わらぬ幼馴染メンバーで構成され、コンスタントにリリースされてきた作品も常にUKチャートの上位を占めるクオリティを維持という、脅威のブレなさを誇るウェールズのベテラン・バンド MANIC STREET PREACHERS。そんな彼等の15thアルバムには、"弁証法が解決への道を見いだす"というNicky Wire(Ba/Vo)の言葉通り、一見矛盾するような眩い一面と哀愁が共存している。Nicky Wireがメイン・ヴォーカルをとり、James Dean Bradfield(Vo/Gt)が作詞を手掛ける等、柔軟なプロセスも含め活き活きと描かれた今作は、挑戦し続ける彼等の前向きな姿勢そのものと言えるのではないか。(山本 真由)

Vicious Creature

Lauren Mayberry

Vicious Creature

UK出身のエレクトロ・ポップ・バンド CHVRCHESのヴォーカル Lauren Mayberryが初となるソロ・アルバムをリリース。「Shame」や「Mantra」等、変拍子やダブ的なエレクトロを融合させた独特のリズムに、緩急を効かせた曲構成と目まぐるしい展開ながら、その隙間から届く彼女の歌声は限りなく冷静だ。そんな絶妙なバランス感を恐らく意図的に生み出した本作は"目に見えないもの"に焦点を当てた「Something In The Air」で幕を開ける。電波やコミュニティ、陰謀論......。不可視なものを求め、支配され、時に大事なことを忘れてしまう世界で、キュートなポップ・シンガー像から脱却した彼女が尊重したものは自身の"直感"か。闘志溢れる声でパーソナルな"意識"を紡いだ、鮮烈なソロ・デビュー作。(山本 剛久之)

94-Now: Collaborations

ASIAN DUB FOUNDATION

94-Now: Collaborations

多様なバックグラウンドを活かし、多国籍なジャンル・ミックスを実現、独自の音楽性で人気を博してきた、ASIAN DUB FOUNDATION。今作は、そんなADFの30周年を記念した、彼等の多様性の集大成的コラボ集だ。冒頭を飾るIggy Popとの共演曲「No Fun」の熱量で圧倒し、その後も激しいビートとアジテーション、ラップで畳み掛けたかと思えば、様々なスパイスの香り漂うオリエンタルな味付け、エレクトロ・ミュージックと伝統楽器のマリアージュという素晴らしい音楽体験を提供してくれる。RADIOHEADのEd O'Brien(Gt)、PRIMAL SCREAM、Chuck D等、ジャンルを問わず実力派が惚れ込むADFの世界観を凝縮した1枚。(山本 真由)

The Human Fear

FRANZ FERDINAND

The Human Fear

デビューから一貫して、女の子が踊れるロックを提供し続けてきた、FRANZ FERDINAND。6年半ぶりとなるファン待望の今作も、基本のコンセプトはブレることなく貫かれ、ノリが良く且つ品のあるサウンドで魅了してくれる。また今作は、約20年にわたりバンドの屋台骨を務めたドラマーのPaul Thomsonに代わって、女性ドラマーのAudrey Taitが加入した作品としても話題となっているが、ヒップホップ・ユニットで培ったダンサブルなビート、プロデュース業の経験から楽曲への理解度が高いこと等も含め、まさに適役の後任と言えるだろう。タイトルが示す通り主題は明るいものではないが、人生の暗部や悲哀も含め輝かせる彼等の音楽には元気を貰える。(山本 真由)

Lost In Heaven

CHASE ATLANTIC

Lost In Heaven

オーストラリア出身(現在はロサンゼルス在住)の3人組、CHASE ATLANTIC。同じくオーストラリア出身のTAME IMPALAからの影響を公言している通り、ロックとも密接したモダンなR&Bサウンドが特徴的だ。バンド・スタイルであるCHASE ATLANTICの持ち味が活きた、ライヴ・パフォーマンスが連想されるキャッチーなメロディ、洗練されたプロダクションも完成度が高い。今作制作時には、曲作りに使っていたラップトップの故障でデータがなくなってしまうトラブルがあったようだが、心折れずにここまでしっかりとアルバムを作り込めたというのもすごい。中性的な甘いヴォーカルと、メンバー全員のシュッとしたルックスも含め、K-POPファンにも響きそう。(山本 真由)

Come Ahead

PRIMAL SCREAM

Come Ahead

2016年リリースの『Chaosmosis』以来8年ぶり、12枚目となるPRIMAL SCREAMのアルバム『Come Ahead』。今作も、ファンキーでサイケデリック、それでいて伝統的な様式美を感じるロックンロールと、フロントマン Bobby Gillespieのこだわりがふんだんに盛り込まれた作品となっている。ライヴにも帯同するHOUSE GOSPEL CHOIRのコーラス、ストリングスをはじめとした様々な楽器のプロフェッショナルを迎えたサウンドは、聴き応えがある。いくらでも合成音声やシンセ、打ち込み等を用いて少人数で重厚感のある音楽が作れてしまうこの現代において、ここまで大所帯で作り上げるリッチなサウンドはまさに贅沢の極み。(山本 真由)

Shawn

Shawn Mendes

Shawn

自身のメンタル・ヘルスと闘いながら、約2年の歳月をかけて様々な場所で制作された5枚目のスタジオ・アルバム。自らの名前を冠したタイトルに加え、ジャケットに映る本人の顔つき、過去作に比べて落ち着きを纏ったメロディと、全てにおいて"成長"を感じずにはいられない。数年間の旅の経験が色濃く反映された本作は、Shawn Mendes史上最もパーソナルな作品となった。"不安"をひっくり返すような高揚感でボルテージを上げる「Why Why Why」をはじめ、"悲しみ"を祝福感溢れるコード進行で運ぶ「Heart Of Gold」等、見失いかけた自己との対峙で手にした確かな信念が楽曲に美しさを宿しているかのよう。新たな門出を祝う、愛に満ちた至高のアルバムがここに誕生した。(山本 剛久之)

Harlequin

LADY GAGA

Harlequin

映画"ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ"で自身が演じるキャラクターにインスパイアを受け制作されたアルバム『Harlequin』は、ジャズを基調とした楽曲を中心に、ドリーミーな心地よさが感じられるTrack.4「World On A String」、サックスが絡み異国情緒漂うTrack.7「Smile」等、ミュージカルを鑑賞しているかのようなサウンド、楽曲構成が印象的な1枚。要所に収録されたゴスペルやフォークの名曲カバーは彼女の世界観をより深く覗かせるように、作品に立体感を与えている。世界のポップ・アイコンが"道化師"となって提供したエンターテイメントは圧巻だ。陽気な雰囲気のなか、本作では異質な不穏さが同居するTrack.8「The Joker」のサビにおける唯一無二のフロウには舌を巻く。(山本 剛久之)

Songs Of A Lost World

THE CURE

Songs Of A Lost World

ポストパンク、ゴシック・ロックを代表する存在として語られ、長年多くのファンに愛されてきた、THE CURE。実に16年ぶりのニュー・アルバムとなる『Songs Of A Lost World』は、心が締め付けらるような、純粋で耽美なロマンチシズムを湛えたサウンドが全編に渡り鳴り響く、感動的な作品となっている。Robert Smithのナイーヴな表情を映した歌謡曲的なヴォーカルと、重厚感のあるバンド・アンサンブルのドラマチックなアレンジも相まって切なさが加速する。"Songs Of A Lost World(失われた世界の歌)"なんて、一見陳腐に見えてしまうようなアルバムのタイトルが極めて詩的に感じられるのは、THE CUREというバンドが持つ独特の空気感によるものが大きいだろう。(山本 真由)

Strawberry Hotel

UNDERWORLD

Strawberry Hotel

芸術点の高いサウンドで未知の世界へと誘う電子音楽の魔術師 UNDERWORLD。実験的な探求心に満ちたアートな世界を展開しつつも、中毒性の強いキャッチーなフックを持ったサウンドで、世界の音楽シーンをリードし続ける彼等が、5年ぶりのニュー・アルバムをリリースした。UNDERWORLD節炸裂の原点回帰とも言える今作。後光の指すような美しいコードの流れに、アンニュイなニュアンスを被せ、一瞬でリスナーをトランスさせる手腕は、一貫して衰え知らずだ。昨今の90年代懐古主義の流れに刺さるようなレトロなデジタル感も出しつつ、洗練され作り込まれた普遍的なポップ・センスで、色褪せないカラフルな魅力を存分に発揮している。(山本 真由)

No Obligation

THE LINDA LINDAS

No Obligation

"令和のRIOT GRRRL"THE LINDA LINDASが2ndアルバム『No Obligation』をリリースする。映画"モキシー ~私たちのムーブメント~"(2021年)でBIKINI KILLのカバーを演奏する彼女たちを見て、"小さな女子たちがこんなにしっかりとした演奏を!?"と驚いた方も多いだろう。それがあれよあれよという間に名門パンク・レーベル Epitaph Recordsと契約、"SUMMER SONIC"で来日と、着実にキャリアを築き、今作リリース時点では最年長のBelaがついに20歳に。1stの頃と比べると、確実に大人に近づいた印象だ。初期パンク/ガレージ好きには堪らない古き良きサウンドを勢いだけでない、しなやかなカッコ良さで表現する姿勢は、まさにファンの期待を裏切らない成長っぷり。(山本 真由)

Ouch

HONNE

Ouch

UK出身のエレクトロ・ポップ・デュオ HONNEが3年ぶりのアルバムをリリース。自身の人生について歌われた本作は、彼等の持ち味であるハートフルな温かみがより色濃く反映された。パートナーとの結婚、親になることへの想い等、生活を取り巻く環境が変化したことに対して綴られた"本音"は、パーソナルでありながら我々リスナーの生活にも寄り添う、幸せな情景が描かれている。「Girl In The Orchestra」や「Imaginary」の柔らかなコーラスや跳ねるようなローズ・ピアノが、アルバム全体を明るく心地よいトーンに引き上げた、16曲49分と非常にタイトで聴きやすい1枚(※日本盤はボーナス・トラックあり)。愛らしいアニメーションや家族が出演するMVでも視覚的にハッピーな空気が感じ取れる。(山本 剛久之)

143

Katy Perry

143

"プリンセス・オブ・ポップ"Katy Perryの復帰作。母となり、より大きく深い愛を手にした彼女の4年ぶりのアルバムには、"I Love You"を表すスラング"143"が冠された。全ての女性たちを讃える自信に満ち満ちたアンセム「Woman's World」や"永遠の愛"という壮大なテーマを掲げた「Lifetimes」等、女性として、母として、愛とともに力強く生きる姿が、至極のダンス・ポップに乗せて煌めいている。ダンス・フロアにフォーカスした今作は、21 SAVAGE、Kim Petras、Doechii、J.I.DといったラッパーやSSWを迎えた豪華なコラボ曲も聴きどころ。「Wonder」に登場する娘 Daisyの天使のような愛らしい歌声にも注目だ。(中尾 佳奈)

Rogue To Redemption

TUK SMITH & THE RESTLESS HEARTS

Rogue To Redemption

往年のロック・スターたちを彷彿させるピュア・ロック・スタイルで、レトロ・ロック・ファンの好感度百万点の新世代ロックンローラー、Tuk Smith。そんな彼が率いるTUK SMITH & THE RESTLESS HEARTSにとって2作目のアルバムである『Rogue To Redemption』は、懐かしさのあるクラシック・ロックとマニア心をくすぐるハード・ロックに、Tuk Smithのルーツでもある70'sパンクの力強さ、グラム・ロックのドラマ性、パワー・ポップのキャッチーさ等が合わさった胸が弾む内容だ。絶妙にカッコ付けたリリック・センスも、1周回って新鮮で面白い。この『Rogue To Redemption』を引っ提げての初来日公演も決まり、勢いに乗るバンドの充実ぶりが窺える1作となっている。(山本 真由)

Paradise State Of Mind

FOSTER THE PEOPLE

Paradise State Of Mind

FOSTER THE PEOPLEが約7年ぶりのアルバムをリリース。70年代ディスコやファンク、R&B、ソウルと縦横無尽にミックスされたグルーヴィなダンス・ミュージックで彩られる本作は、喜びや楽しさに焦点が当てられた、開放感のある1枚だ。ストリングスの甘美なメロディが心地よいTrack.2のレトロフューチャー感、緩やかなネオ・ソウルのTrack.4やスローモー・ディスコのTrack.8に抱く安らぎ、アルバムを締めくくる(※日本盤はボーナス・トラックあり)Track.11のシンセによる浮遊感。楽園へと向かって弾むポップネスは輝きを放つ一方、あらゆる社会不況に反抗するかのようにロックな一面も携える。アヴァンギャルドな攻撃性を"喜び"という純粋さで昇華させたアイディアに感服する。(山本 剛久之)

Smitten

PALE WAVES

Smitten

個性的なファッションでも人気のHeather Baron-Gracie(Vo/Gt)率いるPALE WAVESが、4thアルバム『Smitten』をリリース。前作『Unwanted』(2022年)は、BLINK-182等を手掛けたZakk Cerviniによるプロデュースもあって2000年代ポップ・パンクからの影響を感じさせる、盛り上がることを意識した勢いのある楽曲が印象的だったが、今作は方向性をガラリと変え、より自然体に。全体的にブリットポップを現代版にアップデートしたような曲調と、エモーショナル且つロマンチックでありながら、しなやかな力強さを感じるトーンで統一されており、作品のテーマである"クィアの恋愛"がナチュラルでポジティヴに描かれている。(山本 真由)