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Lucky Kilimanjaro
Member:熊木 幸丸(Vo) Interviewer:蜂須賀 ちなみ
結成10周年イヤーを邁進中のLucky Kilimanjaroが、新EPを7月、10月に配信リリース。身体で踊れる『Dancers Friendly』と心で踊れる『Soul Friendly』。彼等が以前から提唱してきたダンス・ミュージックの2つの機能をあえて分離させ、特化して表現する試みだ。2作には、やはり人類にはダンスが必要だという熊木幸丸の思いが込められている。10年で伝えられたこと、伝えきれていないこと、彼の目に映る現代社会について訊いた。
-『実感』(2024年4月のシングル)リリース時以来のインタビューです。この半年間はどのように過ごしていましたか?
ライヴをするか、曲を作るかという感じでしたね。いいアイディアってデスクの前で考えているときじゃなくて、遊んでいるときに出てくることが意外と多いんですよ。仕事仕事してしまうと、作品に変化が出ないので、遊ぶ時間、生活を楽しむ時間もしっかりと作っておきたい。このスケジュールの中で、自分を仕事=音楽の外側に持っていく時間を作るのは大変でしたけど、楽しく過ごせたと思います。
-10周年に際しての心境に変化はありましたか?
"10周年といっても、まだまだスタートラインにいる"という感覚がずっとありましたが、ライヴを通じて"あぁ、10年ちゃんとやってきたんだな"という実感を得ましたね。僕等のライヴでは曲と曲を繋ぐインタールードというものがあるんですけど、10周年のツアー([Lucky Kilimanjaro presents.自由"10"に踊ろう TOUR])では、以前のライヴと同じ繋ぎ方をする箇所をあえて作ったんです。それもあり、ライヴをしながら"こういうこともあったな"、"いろいろやってきたんだな"という気持ちになりました。
-なぜ以前の演出を踏襲してみようと思ったんですか? お客さんが楽しめるようにという気持ちからか。自分たちで改めてアーカイヴをチェックするなかで"これ良かったよね"という会話があったのか。
両方ですね。お客さんの中には"あのインタルードがまた聴きたい"と言ってくれる人もいましたし、メンバーとも"このインタルード、やっぱり良かったね"みたいなことを話しました。
-"あの曲が聴きたい"じゃなくて"あのインタルードがまた聴きたい"というのがいいですね。コアなお客さんが付いているというか。
Lucky Kilimanjaroの作ってきた文化をお客さんも一緒に楽しんでくれていると感じたツアーでした。一方でまだできてないこと、やりたいこともいっぱいある。そのあたりが『Dancers Friendly』、『Soul Friendly』に出ていると思います。
-身体で踊れる『Dancers Friendly』、心で踊れる『Soul Friendly』と対になっている作品ですね。
ポケモンの赤と緑、金と銀みたいな感じで出したいなと。"私は『Dancers Friendly』派なんだよね"という人もいれば、"私は両方いけます"という人もいるだろうし。
-今の自分がどちらを好きになるかが、精神状態のバロメーターになる気がします。
そうですね。実際"私はどっちが好き"というよりかは"今の私はどっちが好き"という感じだと思うんです。朝は『Dancers Friendly』派だったけど、夜になったら『Soul Friendly』が聴きたくなったということもあるかもしれない。そんな感じで楽しんでもらって、Lucky Kilimanjaroの音楽がみんなと一緒に共鳴したらいいなと思っています。
-熊木さんの中では、この2作はどういう位置付けですか?
自分がずっと好きだったのは『Soul Friendly』的な音楽なんですよ。僕が音楽に対して初めて"うわっ!"ってなったのは、BUMP OF CHICKENのアルバム『jupiter』を聴いた時。当時中学生でしたが、勉強も運動もできるわけではなかったので、自分自身に対してずっとモヤモヤしていたんです。そんなときにBUMP OF CHICKENの音楽を聴いて、救われたような感覚があった。その体験がベースにあるので、『Soul Friendly』のスタイルが自分の芯にあると思っています。『Dancers Friendly』は拡張した先にあるものというイメージ。
-メジャー・デビュー以降のLucky Kilimanjaroは、配信シングルをいくつか出した後、フル・アルバムをリリースするというサイクルで活動していました。だけど今年はEPを2つ出そうと思ったのは?
10周年ということで何か面白いことがしたかったのと、自分自身もフレッシュな気持ちで作品に取り組みたかったからですね。ダンス・ミュージックの"踊れる"要素を分解した時に、身体で踊れる=機能性の部分と、心で踊れる=愛の部分に分けられるなと思ったんです。その2つにフォーカスして作ったら、どんな作品になるだろうという興味があって。アルバムだと2つのテーマが混合して、また違うテーマの作品になってしまう。あえて分けることで、よりエッジーな作品、今まで収録できなかったスタイルの曲が生まれるのではないかと思いました。
-ということは、曲を一気に作ってから、2つに振り分けるやり方ではなかったと。
『Dancers Friendly』ができあがってから『Soul Friendly』に着手しました。同じタイミングで作ってしまうと、2つのEPのバランスを考えてしまう気がして。あと、作るときの脳が一点に集中せず、振り切れない感じになってしまうのではないかと思ったんですよね。
-『Dancers Friendly』を作っている最中に『Soul Friendly』的な曲を作りたくなることは?
作っている最中はなかったですけど、終わったときはめちゃくちゃありましたね。『Dancers Friendly』を作り終わった瞬間は"マッシヴな曲はもういいわ......"という感じで、『Soul Friendly』の制作がすごく楽しみになりました。だけど『Soul Friendly』を書き終わった後には"こういう曲はしばらく書きたくない......マッシヴな曲を書きたい......"と(笑)。それくらい自分の気持ちを集中させて、絞って、絞って作ったというか。制作テクニックやアイディアを試されている感覚がありましたし、自分の力をしっかりと出すいいきっかけになったと思います。
-『Dancers Friendly』の1曲目は「Dancers Friendly」。エッジーなEPの、特にエッジーな曲ですね。
"Dancers Friendly"というタイトルを付けてる以上、踊りづらい曲、分かりづらい曲が1曲目に来るのは嫌だなと思ったので、しっかりと踊れる曲を書こうと思いました。歌詞もリフレインですし、ヴォーカルの処理も一般的なものとは違っていて、歌を楽器の一つのように扱っています。そういうところも含めて、ダンス・ミュージック性がすごく強い曲かなと。ライヴでは僕も歌わずに、踊るか、楽器をやるかでもいいんじゃないかと思っているくらい。
-セルフライナーノーツには"日々にノリ続けていくこと、そのノリを壊すこと。ダンスミュージックはどちらの選択肢も軽やかに提案し続けてくれる"と書いていましたね。そもそも熊木さんは、ダンス・ミュージックが自分の人生観にフィットすることにどのように気付いていったんですか?
天啓みたいな感じで降ってきたわけではなく、最初は"ダンス・ミュージックって、自分の人生哲学となんか近い気がするな"という仮説から始まって。ずっとやっていくうちに"そうかも"、"そうだな"と確かな感覚に変わっていきました。"こういうふうに人生を歩んでいきたい"という自分の思いと重なる部分がある感覚は、年々増しています。
-"自分に重なる"という実感が"もしかしたら、あなたにも重なるのでは?"という提案に結び付いた結果がLucky Kilimanjaroの活動、作品かと思いますが、この表題曲からは"とにかく踊らせるぞ"という気概を感じました。ダンス・ミュージックの本質にまだ気付いていない人を振り向かせる強さというか。
ダンス・ミュージックに対する世間的なイメージが、未だに"チャラい人がサングラスを掛けて、ビールを飲みながらウェーイって楽しんでる"みたいなところにいる気がするんですよ。それは僕の思うダンス・ミュージックとは少し違う。僕の考えるダンス・ミュージックの面白さ、パワフルなイメージをちゃんと伝えたいという思いで書いた曲でもありましたね。
-「High」は"あまた走馬灯/その中 銀行口座 映るのか?"という歌詞が面白いなと思いました。日々働きながら"貯蓄しなきゃ"、"NISAやらなきゃ"とか考えてしまうけど、そればかりになってしまうのも良くないなと。
タイム・パフォーマンス、コスト・パフォーマンスにとらわれて、本質的な喜び、幸せを見失ってない? と思う瞬間が結構あって。"これ、自分の中でキてるかもな"と思うものに出会ったら、お金や時間をしっかりと使ったほうがいい。そういうところでようやく生きている感覚を持てると思うんです。とはいえ、貯蓄やNISAが良くないという話ではなくて。僕もNISAはしっかりとやってます(笑)。
-タイム・パフォーマンス、コスト・パフォーマンスに着目しようと思ったのはなぜですか? 周りを見ていて思うことがあったのか。自分にもそういう節があるなと思ったのか。
どっちもあると思います。例えば音楽機材はレビューが本当に役に立たないんですよ。結局は自分との相性なのに、僕もレビューを見てから決める癖が付いてしまっている。事前情報や他の人の意見を先に確認してタイム・パフォーマンスが良くなった気になっていますけど、本当は触りに行ったほうが早いから、実は時間をすごく無駄にしているんですよね。映画のあらすじを全部確認してから観に行く、SNSで話題になっている映画しか観に行かないという話もよく聞きますけど、"違うよな"とずっと思っていて。この曲は、そこに対するアクションですね。
-「Ran-Ran」は、ピアノ・リフから発展していくアレンジが新鮮でした。
VULFPECKという、インストでファンクやジャズ・フュージョンをやっているアメリカのバンドがいるんですけど、技術的にもカッコいいですし、フレーズのご機嫌な感じも好きで。あれをEDM調にしたら面白そうだなというアイディアからスタートした曲です。
-Lucky Kilimanjaroのフィルターを通すとこうなるんだな、という感覚はありましたか?
そうですね。どの曲も、どれだけ離れてもやはり自分の曲だなと思います。編集の考え方は自分から出てくるものだから、"じゃあこの曲を参考にしよう"、"こう組み合わせてみよう"というところから始まっても、最終的には自分のスタイル、自分の音にしかならない。"何やってもいいのであれば、なんでもやったほうがいい"と思える一方、"もっと変えていきたい"という気持ちもずっとあります。そこは音楽家としての楽しみでもあり、葛藤でもある。
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