Japanese
Lucky Kilimanjaro
Skream! マガジン 2020年09月号掲載
2020.08.22 @渋谷CLUB QUATTRO
Writer 稲垣 遥
"世界中の毎日をおどらせる"。Lucky Kilimanjaroのその信念は今1mmも欠けず、むしろ純度も、温度の高さも増していることをハッキリと示した配信限定ライヴだった。
本来は5月に行うはずだった、恵比寿LIQUIDROOM公演を含む東名阪ツアー、そして恵比寿LIQUIDROOMがソールド・アウトし発表され、同様にソールド・アウトしていた渋谷CLUB QUATTROでの追加公演が、新型コロナウイルス感染症の流行により中止になり、代わりに緊急アナウンスされた全国7公演のツアーも、開催見送りならびに一部キャパシティを変更して開催になることが発表。そんななか全世界へオンラインで届けられた本配信ライヴは、"DANCE IN DA HOUSE"と名付けられ中止となった渋谷CLUB QUATTROで開催された。
メンバーがステージに現れ、柴田昌輝によるバスドラムの力強いリズムが奥行きをもって響くなか、ワンテンポ置いてリーダーでヴォーカルの熊木幸丸が登場。「Drawing!」から勢い良く幕を開けた。浮遊感のある始まりからのサビの爆発力が強く、音源よりもあえてパワフルにしたバンド・サウンドが、1曲目にしてライヴならではの気迫を感じさせてくれて頼もしかった。そして「風になる」、「FRESH」と続くが、それぞれ軽やかなメロディに乗る"不安なままでもいいよ"、"知らないことは なんだか不安になるよな"という"不安"を抱える気持ちに寄り添うリリックにも、今だからこその温かさを感じる。
そして、ベースが効いた横ノリや緩急が心地いいハウス調の「新しい靴」から5月に緊急配信された「光はわたしのなか」へ。"憧れのリキッドルームはおあずけ"など、この時期を乗り越えた先での再会を約束するバンド自身のことを歌ったこの曲。しかし、同時に彼らの音楽を聴きながら過ごしてきた多くの人にとっても、日々どうにか前を向くために自分を鼓舞する曲だったと思う。そういったリスナーの想いも汲んでいるのか、熊木はマイクを両手で握り、祈るように歌い上げ、大きな使命感を持ってステージに立っているふうに見えた。多くは語らないが、ライヴ中何度も熊木は"みなさん、楽しく踊ってますか?"と優しく問い掛けた。ソールド・アウトして本来目の前にいるはずだった観客に対して、煽るというよりも、"一緒に楽しまない?"と誘い出すように。それがなんとも彼ららしくて嬉しくなるのだ。
6曲立て続けに歌ったあと、メンバー全員で自粛期間に何をしていたかというトークに花を咲かせる。最近Lucky Kilimanjaroを知った人からの"ラッキリ(Lucky Kilimanjaro)ってなんなの?"というコメントを見たとのことで、そういう視聴者に向けてというのもあったのかもしれない。"食って寝てしてたら腰痛になって整体に行った"というもはやイメージ通りと言いたい生活をしていたラミ(Per)から、ボディビルダーのYouTubeにハマっていたという柴田昌輝や、アイドル愛を熱弁した松崎浩二(Gt)など、これだけひとりひとりの個人的な話を聞けるのも新鮮な気がする。オーディエンスがいないことから大瀧真央(Syn)のところに用意された、歓声や笑い声をボタンひとつで鳴らせる"秘密兵器"も功を奏して楽しい。
大瀧による女声コーラスも重なってロマンチックな「初恋」から、ヒップホップな空気も帯びたミドル・テンポの「グライダー」とメロウな楽曲が続く。心地よく揺れながらも、山浦聖司のベースがシンセ・ベースに持ち替えられたり、大瀧やラミの手元を映したアングルがあったりと、映像だからこその"こんなふうにこの音が鳴ってたのか"という気づきもあり興味深い。
"家で踊れてる?"、キュートな大瀧の声を合図に始まったライヴ定番曲「Burning Friday Night」。"スーパー・ギタリスト、ジーコ!"と焚きつける熊木も、派手にソロを鳴らす松崎もとにかく楽しそうだ。曲ラストのフレーズがループし、これは――と思ったら、一瞬の間を開けてそのままメドレーのように「春はもうすぐそこ」へ。和の風情もあるシンセ・フレーズが新鮮だ。同様にシームレスに「エモめの夏」へ繋ぎ、描く季節の移り変わりと共にダンス・タイムは渦を巻いて熱を増していった。また、この曲ではサビの"もう"が音源と違い、地声で叫ぶような歌い方だったおかげで、まさに"エモめ"に突き抜けて響いたのも印象的だった。躍動するグルーヴの中で、"久しぶりにライヴするにしては休憩がなさすぎる"と笑顔で嘆くラミ。しかし、そのまま止まることなくライヴはラスト・パートへ突入していく。
2019年のWWWでの初ワンマンのアンコールで新曲として披露された、大胆で遊び心溢れる、お酒がテーマのナンバー「350ml Galaxy」。"GO!"の歌詞に合わせたメンバー全員でのポージングや、一杯飲んだあとの吐息を模した大瀧のコーラス(?)もユーモラス。終盤は熊木が本物のジョッキに並々注がれたビールを手にとりながら歌い、フロア=それぞれの"HOUSE"が大いに沸いているだろうことは想像に容易かった。
さらに、そのハッピーなムードのまま、この"DANCE IN DA HOUSE"というライヴのテーマ・ソングと言いたい「HOUSE」、そして「ひとりの夜を抜け」と畳み掛ける彼らはもう止まらない。ダンス・ミュージックに乗った混じりけのない"楽しい"が画面越しでもドラマチックに届き、熊木の真剣で心のこもった"好きな自分を諦めたくはないな"、"いつか踊りだす/未来を信じて"というフレーズにもグッときて、思わず落涙していた。"まだ、みなさんとは会えないかもしれませんが、Lucky Kilimanjaro、みなさんが踊れるように一緒に活動していきます。楽しんでいこう"曲中で熊木はそうハッキリと伝え、ラスト・チューン「太陽」で"踊れや!ほいやっさ!"と大団円。全員で拳を上げ、その拳をほどいて手を振り、"また会おう!"と1時間超の公演を締めくくった。この今しかない日を、自分の中の光を絶やさないように、踊りながら生きていこう。その先にはきっと、笑い合える未来がある。そう信じさせてくれるバンドの強さがそこに確かにあった。
[Setlist]
1. Drawing!
2. 風になる
3. FRESH
4. 君が踊り出すのを待ってる
5. 新しい靴
6. 光はわたしのなか
7. 初恋
8. グライダー
9. Burning Friday Night
10. 春はもうすぐそこ
11. エモめの夏
12. Do Do Do
13. 350ml Galaxy
14. HOUSE
15. ひとりの夜を抜け
16. 太陽
- 1
LIVE INFO
- 2024.04.27
-
ぜんぶ君のせいだ。/ 星歴13夜 / TOKYOてふてふ
ReN
TK from 凛として時雨
TRIANGLE 2024
People In The Box
ポップしなないで
"ARABAKI ROCK FEST.24"
BIGMAMA
SEKAI NO OWARI
ズーカラデル
KEYTALK / キュウソネコカミ / ポルカドットスティングレイ ほか
セックスマシーン!!
SAKANAMON
原因は自分にある。
BACK LIFT
リュックと添い寝ごはん
Base Ball Bear
SCANDAL
岡崎体育
the engy
豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL
Johnnivan
スカイピース
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
Novelbright
Amber's
THE YELLOW MONKEY
Ado
SPENSR
- 2024.04.28
-
ASP
眉村ちあき
ASH DA HERO
ポップしなないで
TRIANGLE 2024
SAKANAMON
ザ・クロマニヨンズ
People In The Box
"ARABAKI ROCK FEST.24"
SEKAI NO OWARI
ぜんぶ君のせいだ。/ 星歴13夜 / TOKYOてふてふ
The Ravens
Omoinotake
THE BOYS&GIRLS
MAIZURU PLAYBACK FES.2024
いきものがかり
MYTH & ROID
愛はズボーン
SCANDAL
超能力戦士ドリアン
忘れらんねえよ
"JAPAN JAM 2024"
ハシリコミーズ
礼賛
にしな
Ado
Laughing Hick
- 2024.04.29
-
ReN
fox capture plan
岡崎体育
TRIANGLE 2024
小山田壮平
ザ・クロマニヨンズ
シノダ(ヒトリエ)
リュックと添い寝ごはん
私立恵比寿中学
ゆいにしお
Creepy Nuts
眉村ちあき
ASIAN KUNG-FU GENERATION / THE ORAL CIGARETTES / Vaundy ほか
moon drop
MAIZURU PLAYBACK FES.2024
Age Factory
the shes gone / Ivy to Fraudulent Game / ドミコ / パスピエ ほか
ぜんぶ君のせいだ。/ TOKYOてふてふ / Not Secured,Loose Ends ほか
The Ravens
愛はズボーン
"JAPAN JAM 2024"
Novelbright
超能力戦士ドリアン
ヤユヨ
Poppin'Party × MyGO!!!!!
- 2024.04.30
-
I Don't Like Mondays.
シノダ(ヒトリエ)
藤巻亮太
君島大空
山内総一郎(フジファブリック)×斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN/XIIX)
フラワーカンパニーズ
- 2024.05.01
-
I Don't Like Mondays.
神はサイコロを振らない
ハンブレッダーズ
忘れらんねえよ
Rhythmic Toy World
アカシック
GRAPEVINE × Hedigan's
- 2024.05.02
-
サカナクション
君島大空
Novelbright
神はサイコロを振らない
ゆいにしお
Maki
- 2024.05.03
-
I Don't Like Mondays.
サカナクション
古墳シスターズ
フレデリック / 04LimitedSazabys / キュウソネコカミ / BLUEENCOUNT ほか
ぜんぶ君のせいだ。/ TOKYOてふてふ / 弐ノ名 ほか
忘れらんねえよ
"JAPAN JAM 2024"
清 竜人
ザ・クロマニヨンズ
VIVA LA ROCK
RAY
いきものがかり
- 2024.05.04
-
Machico
KiSS KiSS
ExWHYZ
"OTODAMA'24~音泉魂~"
ビッケブランカ
KEYTALK / THE BACK HORN / THE BAWDIES / FLOW ほか
SCANDAL
岸田教団&THE明星ロケッツ
フィロソフィーのダンス
ドレスコーズ / 特撮 / 小林私 / 月蝕會議 ほか
halca
"JAPAN JAM 2024"
ずっと真夜中でいいのに。
VIVA LA ROCK
- 2024.05.05
-
go!go!vanillas
I Don't Like Mondays.
古墳シスターズ
ExWHYZ
愛はズボーン
Machico
"OTODAMA'24~音泉魂~"
ザ・クロマニヨンズ
ユプシロン
ASP
ぜんぶ君のせいだ。/ TOKYOてふてふ / 星歴13夜 ほか
JYOCHO
SEKAI NO OWARI
"JAPAN JAM 2024"
BiS
ずっと真夜中でいいのに。
VIVA LA ROCK
- 2024.05.06
-
I Don't Like Mondays.
愛はズボーン
SPARK!!SOUND!!SHOW!!
小山田壮平
ヒトリエ
挫・人間
ぜんぶ君のせいだ。
SHAKALABBITS
夜の本気ダンス
SEKAI NO OWARI
ヤングスキニー
SCANDAL
かりんちょ落書き
VIVA LA ROCK
- 2024.05.08
-
礼賛
I Don't Like Mondays.
WANIMA
MOROHA
KALMA
Ryu Matsuyama
神はサイコロを振らない
cadode
- 2024.05.09
-
I Don't Like Mondays.
超能力戦士ドリアン
礼賛
アカシック
センチミリメンタル
ZAZEN BOYS
ハンブレッダーズ
白昼堂々踊レ人類
神聖かまってちゃん
神はサイコロを振らない
- 2024.05.10
-
夜の本気ダンス
超能力戦士ドリアン
Creepy Nuts
BREIMEN
フレンズ
Base Ball Bear
WANIMA
AIRFLIP
Tempalay
KALMA
ACIDMAN
ヤユヨ
渡會将士
崎山蒼志
Novelbright
a flood of circle
ZAZEN BOYS
四星球
感覚ピエロ
tricot
the dadadadys
LEGO BIG MORL
- 2024.05.11
-
愛はズボーン
SEKAI NO OWARI
LONGMAN
夜の本気ダンス
Tempalay
ヤユヨ
小山田壮平
KALMA
ハンブレッダーズ
TK from 凛として時雨
フルカワユタカ(DOPING PANDA)× 荒井岳史(the band apart)
ASP
ASH DA HERO
FINLANDS
Base Ball Bear
ぜんぶ君のせいだ。
tacica
SCANDAL
ヤバイTシャツ屋さん
"OSAKA METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2024"
ExWHYZ
センチミリメンタル
ハシリコミーズ
The Ravens
a flood of circle
People In The Box
SAKANAMON
ザ・クロマニヨンズ
Rhythmic Toy World
白昼堂々踊レ人類
THE BAWDIES
ネクライトーキー
Amber's
"SWEET LOVE SHOWER SPRING 2024"
THE BOYS&GIRLS
ホリエアツシ(ストレイテナー)/ 田島貴男 / とまとくらぶ ほか
- 2024.05.12
-
愛はズボーン
私立恵比寿中学
SEKAI NO OWARI
LONGMAN
TK from 凛として時雨
WANIMA
ASP
The Ravens
SCANDAL
岡崎体育
ヤバイTシャツ屋さん
"OSAKA METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2024"
KiSS KiSS
THE BAWDIES
the quiet room
FES☆TIVE
tacica
ヒトリエ
フラワーカンパニーズ
SAKANAMON
ザ・クロマニヨンズ
フルカワユタカ(DOPING PANDA)× 荒井岳史(the band apart)
MYTH & ROID
AIRFLIP
メメタァ
BiS
ネクライトーキー
ゆいにしお
"SWEET LOVE SHOWER SPRING 2024"
BIGMAMA
井上竜馬(SHE'S)✕藤井怜央(Omoinotake)/ Jane Jade(藤原さくら✕優河)ほか
RELEASE INFO
- 2024.04.27
- 2024.05.01
- 2024.05.02
- 2024.05.03
- 2024.05.04
- 2024.05.05
- 2024.05.06
- 2024.05.07
- 2024.05.08
- 2024.05.09
- 2024.05.10
- 2024.05.15
- 2024.05.17
- 2024.05.22
- 2024.05.29
- 2024.05.31
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
BREIMEN
Skream! 2024年04月号