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INTERVIEW

Japanese

B.O.L.T

2021年09月号掲載

B.O.L.T

Member:内藤 るな 高井 千帆 青山 菜花 白浜 あや

Interviewer:宮﨑 大樹

もっと自分からやる、もっとこの曲を作り上げたいからやる、そういった姿勢を大事にしたい


-"食べる"をテーマにしたリード曲の「Yummy!」は、TOTALFATのShun(Vo/Ba)さんの提供です。TVドラマ"どんぶり委員長"の主題歌をTOTALFATに依頼したときに、Jose(Vo/Gt)さんとShunさんがそれぞれ1曲ずつ制作したと聞いていましたけど、この曲は「Don't Blink」と共に制作されたもう1曲ですか?

長島:まさにそうです。

高井:Joseさんと対談させていただいたとき(※2020年12月号掲載)に曲の存在を知ったので、絶対に聴きたいと思っていたんです。だから今回この楽曲が来たときに嬉しくて、しかもリード曲で。"食べる"というテーマなので"何を食べるんだろう?"、"どういう歌詞になるんだろう?"と思っていたら、"アナタの気持ち"を食べるとか、そういう表現の仕方がいいなと思いました。ひとつの恋愛ソングとしても聴いてもらえるし、2周年を迎えた今の私たちを応援してくれているファンのみなさんや、過去に応援してくださっていたファンの方々、これから出会える方々への"今の私たちを観て"という熱いメッセージも込められているので、そういう部分もしっかり出していきたいです。

-ミュージック・ビデオは、ワチャワチャしたクッキング動画みたいな感じだったり、ロック・シンガーみたいなメイクもしたり、賑やかな映像ですね。

白浜:最初にエプロン風の衣装を着て、MVならではのかわいい振付を踊っています。そのあとにアイシャドウで目の周りを真っ黒にしたロック調のB.O.L.Tが、しゃもじとかの調理器具をマイク代わりにしてドヤ顔でカッコ良く踊っているところが、このMVのいいところだと思いますね。かわいいエプロン姿と、ロックな姿にギャップがあって、B.O.L.Tもこういうことができるんだなと思っていただけたら嬉しいです。

内藤:このMVはみんなで楽しそうにじゃれ合ってるところがたくさん映っているので、"今の楽しそうな私たちを観てほしい"という気持ちが伝わればいいなと思いますね。

-「Yummy!」の次に「Don't Blink」が来るんですが、曲の並びがいいですよね。「Don't Blink」は、B.O.L.Tのライヴではアンコールで使われたりして、重要なポイントで歌われる曲になっている気がします。

高井:「Don't Blink」をやっているときは、自分はとにかくハッピーな感じがしています。イントロから煽り団長(内藤)が"クラップ!"って言っているんですけど(笑)、会場もそこでハッピーな空気感に包まれればいいなと思っていつもやっていて。B.O.L.Tを初めて観た方も巻き込みやすいというか、私たちの代表曲というか、この曲を聴いてもらって、ちょっとでもB.O.L.Tのことを好きになってもらいたいなと思っています。そういう方も実際にいらっしゃったので、入り口になるようなひとつの曲ですね。

青山:この曲でTVドラマ"どんぶり委員長"の主題歌をやらせていただいて、"どんぶりダンス"コンテストというのがあったんです。そのおかげで踊ってくださっている方がいるので、周りから見て"みんな踊っていて楽しそうだな"と感じてくれる曲なんじゃないかなと思っています。みんなで楽しめる曲なので"Blink"(=瞬き)せずに観てほしい曲です。

-"うなずく"の「JUST NOD」は泣けるメロディのすごくいい曲ですよね。Chisa(Lucie,Too)さん提供ということもあって、ガールズ・バンドっぽさがあるというか、B.O.L.Tに合っているなと思いました。歌詞は、男性にはなかなか書けなそうな、素直になれない乙女心が表現されたストーリー性がありますね。

内藤:歌詞を読んでいただくと、だいたいのストーリーは想像つくと思うんですけど、何に対してのものなのかは人それぞれ感じてほしいですね。"受動"から"能動"へということで、受動的な恋愛ソングもすごく好きなんですけど、能動的になったこの歌詞がすごくリアルだなと思って。しかも"首"の恋愛ソングなんて私はまだ出会ったことがなかったので、こういう経験が自分の中になかったとしても、どこか昔の記憶にこういう思い出があったんじゃないかなと思わせてくれる歌詞とメロディがリアルで好きです。

白浜:"全部あなたのせいよ/強気ぶって本当は ふるえて 泣きそう"と言ってから、"ごめんなさい半分は 私のせいだよ...ね"って、最初は強気なんですけど、途中から弱気になっていく変化がグッと来ました。最後に曲名と合う"うなずくから"という、"あなた"に対する言い方なのが印象的だったので、"あなた"に言っているような感じでかわいく言ってみたりして、挑戦しました。

-今回Lucie,Tooにお願いしたのは、どういう経緯だったんですか?

長島:最近作業していた界隈でよく名前を聞いていて。SonoSheetさんの後輩だったので紹介してもらった感じですね。こういう曲をやりたかったんですよ。ちょっとB.O.L.T寄せに、ハードにはしてくれていると思います。歌詞の原型はChisa(Gt/Vo)さんなんですけど、桑原永江さんという"THE 作詞家"な先生にストーリーを組み立ててもらいました。良くまとまったと思います。

-"耳を澄ます"の「Hear You」はエモーショナルなバラードで、B.O.L.Tでは「OUR COLOR」(2021年5月リリースの2ndシングル『スマイルフラワー』収録曲)を提供したSonoSheetの編曲ですね。

高井:「OUR COLOR」とはまた違う色の曲をいただきました。まだライヴでは披露していないんですけど、聴かせる曲なのでライヴで披露するとなると緊張感がありますね。なのちゃんとあやちゃんが冒頭で歌ったり、サビもふたりだけが歌ったりしています。ふたりは今も若いと思うんですけど、もっと若かった結成当初とは全然歌声も変わっていると思うし、この曲を3年後とかにまた披露したときも違ってくるのかなぁと。ファンのみなさんにはそういう楽しみ方もしてもらえる曲なんじゃないかなと思っています。

-言っていただいた通り、青山さん、白浜さんが大人びた歌い方をしているのが印象的でした。レコーディングではどんなことを意識しましたか?

青山:初めて聴いたときに、この歌詞の切なさが表れていたので、この曲は感情を込めることを特に意識しました。

白浜:『POP』があったからかもしれないんですけど、私は声を張る感じの歌になりがちだったんです。でもその歌い方はこの曲に合っていないし、『Attitude』から自分の歌い方をコントロールできるようになったところもあって、いつもの張りが出ないように、一定の強弱でリズムを取りつつ歌うことによって、自分が歌いたかった感じに歌えるようこだわりました。

-"耳を澄ます"をテーマにして"Hear You"というタイトルになっているんですよね。

高井:"君の声を聴く"の"君"は聴いた人によって違うというのはあるかなと思っていて。

内藤:耳を澄ましながらこの曲を聴いて、どういうインスピレーションを受けるのかは気になりますね。

-そして、本編ラストに収録された「Please Together」は"Together"と"土下座"を掛けているんですよね。コミカルでライヴが盛り上がりそうな曲です。

高井:いろんな歌を歌わせていただいてきたんですけど、久々にひと言で"ヤバい曲が来た"みたいに思って(笑)。ちょっと忘れかけていたスイッチを押して歌わなければ、みたいな感じでした。歌詞の面白さだったり、音程のないセリフっぽい部分だったり、レコーディングが新鮮でしたね。このサビのパートは、聴いたら耳から離れない。私自身も、この曲をいただいてからレコーディングまで、この曲以外思い出せないくらい洗脳されていました(笑)。ライヴでやったときは盛り上がると思うので、初めて観た方もこの曲に染まってほしいというか(笑)、馬鹿になれる感じがあるんじゃないかなって。"お願いします"の最上級が土下座だから、全身を使って頼み込んでいる熱い感じが出ているんじゃないかなと思います。

-振付もどんな感じになるのか気になります。

白浜:まだ決まっていないんですけど、だいたい想像がついています(笑)。"全身"がテーマだから、激しいんじゃないかなって。

青山:"お願いします!"の部分とかは、みなさんと一緒にやったら絶対楽しいだろうなと思います。ライヴで歌ったら一気に盛り上がると思うので、歌うのが楽しみです。

内藤:デモが届いたときは"DOGEZA(仮)"というタイトルで来たんです。『POP』で「寝具でSING A SONG」という曲が来たときに、タイトルで"あ、好きな曲だな"と思っていたんですよ。それと同じような感じで、"あ、好きな曲だな"と思ったら、実際に好きな曲でした。この曲は、相手にリスペクトがあるからお願いして、助け合っていこうみたいなメッセージがあるところも好きですし、サウンドも好きです。あと、"なるようにしかならないのです!"のあとの"お願いします!"で、文字と同じだけ"ダダダンダダン"って音が入っているんですよ。それが自分の中で新鮮で。歌でもそのくらい強調して歌いたいなと思いました。

-この曲、カウベルまで生楽器で録っているみたいで。

長島:そうですね。ギター、ベース、ドラム以外の生楽器は初登場なんです。外そうという話だったんですけど、"生だったらいいんですか?"みたいな話になって(笑)。"土下座"というモチーフは目立っているんですけど、友達になるときとかも"よろしくお願いします"じゃないですか? そういう意味でも、アルバムの締めくくりにしたかったのはあります。謝るということだけではないのかなと。

-さて、タイトル"Attitude"は、姿勢、気持ち、考え、意見という意味ですけど、このアルバムを通してみなさんの"Attitude"は何か変わりましたか?

青山:『POP』では、歌い方を1から教えてもらう感じだったんです。だけど、この『Attitude』ではレコーディングの仕方もわかるし、ここはこうやって歌えばいいとかもわかってきて、これからこのアルバムの曲を歌っていくことを大切にしたい気持ちが生まれました。だから、このアルバムの曲をこれからも作り上げていく姿勢というか、もっと自分からやる、自分が覚えたいから覚える、もっとこの曲を作り上げたいからやる、そういった姿勢を大事にしたいと思います。

-ところで、本編後にはDragon Ashの名曲「HOT CAKE」のカバーが収録されていますね。しかもSpecialThanksの編曲で。どうして入れることになったんですか?

長島:これはもう自己満です(笑)。いや半分冗談ですが、もちろん狙いはあって、この曲って全部を4人均等で歌えるんですよ。今だからこそ歌わせたいなと。原曲自体もボーナス・トラックなので、そのオマージュの心も込めました。あと、打ち上げ感もあるので、いいなぁと。

-この曲をカバーするのは、ちょっと勇気がいりませんでした(笑)?

高井:レコーディングを終えた今もまだドキドキしています(笑)。カバーをアルバムに入れて発売させていただく経験は初めてなので、ありがたい気持ちです。原曲を参考にさせていただいたので、リスペクトを込めた気持ちも感じていただきたいですね。ライヴでもカッコ良く歌えるように頑張りたいと思います。