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LIVE REPORT

Japanese

[Skream! presents "Encounter"]

Skream! マガジン 2022年03月号掲載

2022.02.13 @SHIBUYA THE GAME

Writer 宮﨑 大樹 Photo by 小山田祐介

Skream!が主催する新たなライヴ・イベント [Skream! presents "Encounter"]。普段は対バンしないアーティスト同士の"出会い"、それぞれのファンにも新たなアーティストとの"出会い"の場を提供したいという想いが込められたイベントだ。その記念すべき初回は、ももいろクローバーZや私立恵比寿中学が所属する"スターダストプラネット"の4人組アイドル B.O.L.Tと、"圧倒的ソロ性"と"「アイドル×????」による異分野融合"をコンセプトとするアイドル・グループ RAYのツーマン・ライヴとして、SHIBUYA THE GAMEにて開催された。

内山結愛、琴山しずく、そして腰痛のため着席でのパフォーマンスを行うことになった甲斐莉乃。RAYの3人がステージに登場すると、ミドル・テンポの「逆光」でライヴがスタートした。3人は、歪んだ轟音ギターに乗せて、透明度の高い歌声を響き渡らせていく。モダン・バレエやジャズ・ダンスを思わせる振付も相まって、芸術性が高いというか、なんとも息を吞む世界観だ。続く「シルエット」で加速すると、シューゲイザー×キャッチーなメロディの組み合わせが存在感を放つ「世界の終わりは君とふたりで」を届けた。ここまではシューゲイザーを軸に展開していたRAYだったが、ここから一転して四つ打ちのダンス・ミュージック「サイン」へ。長めのイントロが明けて無機質な歌唱で魅せる3人は、ひとりひとりに雰囲気があり、オーラを身に纏っている。轟音のシューゲイザーから、全身がビリビリくる重低音のダンス・トラックというこの振り幅は、希有なライヴ体験だ。MCで"RAYは、爽やかなB.O.L.Tさんに比べて毛色が違うアイドル・グループだと思うんですけど、どちらの特色も楽しんでほしいです"と内山結愛が語ってから、4曲連続パフォーマンスへ。最後は「わたし夜に泳ぐの」で美しい静の世界を創り出し、アウトロのギターの余韻を残したままステージを去っていった。

続くB.O.L.Tは、この日が久しぶりのライヴ。それもあってか、ライヴの勘を取り戻しつつ、溜め込んでいたエネルギーを放出するようなパフォーマンスを見せてくれた。エモーショナルなギター・ロック「夕日の後の夜に」でライヴを開始し、感情たっぷりな歌声を届けたかと思うと、「わたし色のトビラ」ではちょっぴり大人なB.O.L.Tでも魅せる。RAYがオーディエンスを彼女たちの世界観に引き込むライヴをしたとすれば、B.O.L.Tは一緒になって踊ったり、ペンライトを振ったりして楽しむスタイルで、パフォーマンスだけでなく観客の楽しみ方も対照的だ。「淡い空」から繋げられた「Don't Blink」では、B.O.L.Tが得意とするポップ・パンクで颯爽と駆け抜け、フロアの温度をグッと上昇させた。ここでメンバーひとりずつ自己紹介。4人全員のテンションが高く、久しぶりのライヴを楽しみにしていたことが伝わってきてほっこりする。だが、ライヴは引き続きアグレッシヴだ。「More Fantastic」で勢いをつけてから、オルタナ調の「axis」、真っ赤な照明に照らされながら情熱的に歌った「BON-NO BORN」と畳み掛けていく。この日は、音楽性で様々なB.O.L.Tの表情を見せるセットリストだったが、最後は「Yummy!」でB.O.L.Tらしく、明るく楽しく幸福感で包んで締めくくった。

B.O.L.TとRAY。対照的なアーティスト性と音楽性ではあったが、むしろそれがコントラストとなることでむしろ好相性だったように思う。B.O.L.TのMCで高井千帆が"(熱くて)サウナみたいだね"と言っていたが、心身ともに"整う"、満足感のある対バンだった。


[Setlist]
■RAY
1. 逆光
2. シルエット
3. 世界の終わりは君とふたりで
4. サイン
5. TEST
6. 尊しあなたのすべてを
7. 17
8. バタフライエフェクト
9. わたし夜に泳ぐの

■B.O.L.T
1. 夕日の後の夜に
2. わたし色のトビラ
3. 淡い空
4. Don't Blink
5. More Fantastic
6. axis
7. BON-NO BORN
8. スマイルフラワー
9. OUR COLOR
10. 寝具でSING A SONG
11. Yummy!

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