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INTERVIEW

Japanese

B.O.L.T × Jose(TOTALFAT)

2020年12月号掲載

B.O.L.T × Jose(TOTALFAT)

ももいろクローバーZや私立恵比寿中学らが所属する"スターダストプラネット"の4人組アイドル・グループ B.O.L.Tが、1stシングル『Don't Blink』を完成。表題曲は、BSテレ東のドラマ"どんぶり委員長"主題歌に起用された。そんな本作を提供したのは、3ピース・メロコア・バンドのTOTALFATだ。TOTALFAT節全開のメロコア・サウンドに踊れる要素も加え、さらに遊び心と恋心も詰まった本作について迫るべく、B.O.L.Tメンバー全員と、TOTALFATのJose、そしてB.O.L.Tディレクターの長島幸司による座談会を開催した。

B.O.L.T:内藤 るな 高井 千帆 青山 菜花 白浜 あや
B.O.L.Tディレクター:長島 幸司
TOTALFAT:Jose(Vo/Gt)
インタビュアー:宮﨑 大樹 Photo by うつみさな

-本題に入る前に、B.O.L.TのみなさんとJoseさんが会うのはこれで何度目なんですか?

Jose:今日が初めてなんですよ。他のアーティストさんに曲提供をさせてもらったときは歌録りとかも手伝ったりしていたので、面識がある状態でのこういう場は今までにもあったんです。だけど今日は初めてなので、どうしようかと(笑)。

白浜:めっちゃドキドキしてます(笑)。

長島:これまでにも錚々たるメンツにお願いしてきたんですけど、ほぼほぼメンバーは会えてないんですよ。

内藤:だから今は本当に貴重な時間なんです。

-では、まずは今回TOTALFATからB.O.L.Tへ「Don't Blink」という曲を提供したきっかけから聞いていきたいと思います。

長島:実は結成初期からオファーは出させていただいていまして。ただ、ちょっとタイミングが合わなかったので、1stアルバム(2020年7月リリースの『POP』)のタイミングでは見送るという形になったんです。今回はタイアップが急に決まって納期がタイトではあったんですけど、ここはぜひTOTALFATさんにお願いしたいというのがありまして。

Jose:去年のアルバムでオファーを貰ったときは、僕自身はやりたいという話はしていたんです。だけど、去年の10月にバンドからメンバーがひとり抜けて3ピースになったばっかりだし、自分らのアルバムの制作もあったので、物理的に時間がないので断らせてもらうことになって。今回オファーを貰ったときは僕らも制作に入っていたこともあり、頭の中が制作モードだったのですんなりやれるかなと。

-JoseさんはB.O.L.Tにとっては事務所の先輩にあたるエビ中(私立恵比寿中学)に「HOT UP!!!」という曲も提供していますよね。その経験もあって、アイドルへの曲提供は構えずに進められましたか?

Jose:そうですね。エビ中のときもそうなんですけど、あんまり提供するアーティストに寄せないでいい感じもあったので。オファーを貰ったときに、まずはそのアーティストの曲を全体的にざっと聴くんです。今回B.O.L.Tの曲を聴いていたら、"あれ? この人も(曲提供を)やってる! あ、この人も!"と思って。HAWAIIAN6の勇太(安野勇太/Vo/Gt)さんの曲(『POP』収録曲「星が降る街」)なんて"もろにHAWAIIAN6じゃん"みたいな感じでしたし、これは自分らしさを思いっきり出していいんだなと感じて、すごく気が楽でした。

-JoseさんからのB.O.L.Tメンバーへの印象はどんなものでしたか?

Jose:自分の歳だと友達に小学生くらいの子供がいたりするので"俺の曲を楽しんでくれるのかな?"みたいな不安はすごくあって。ただ、歌い方が大人っぽいことと、やんちゃな感じもあったので、これはいろんな曲を歌えるアーティストなんだなっていう認識をしました。

-曲を聴いている限り、B.O.L.Tのみなさんは楽しく歌えていたように思えますけどね。

青山:楽しく歌わせてもらっています。最初に聴いたときに、今までにない感じの楽しい曲だなと思いました。

白浜:聴いただけで盛り上がることができたし、振付もファンのみなさんと一緒にできる曲になっているので、すごく嬉しかったです。

Jose:ありがとうございます。全体として僕が書く曲というか、TOTALFATはやっぱりライヴありきの曲っていうのが多いので、聴いていて盛り上がってくれるような曲は絶対に作ろうと思っていましたね。

-B.O.L.Tのみなさんは、TOTALFATから曲提供があると知ってどう感じていましたか?

内藤:私はエビ中さんが大好きなので、"あっ!「HOT UP!!!」を書いた人なんだ!"って驚きました。エビ中さんのライヴで「HOT UP!!!」が流れると、"うわぁー!"っていう気持ちと同時に、エモい気持ちにもなるんですよ。両方を兼ね備えた曲ってなかなかないじゃないですか? そういう、盛り上がるのに歌い上げるような曲を私たちにも作ってくださって、本当に嬉しかったです。

高井:1stアルバムをいろんな方に作っていただいて、次の1stシングルでまたまた豪華な方に作っていただけるっていうのを聞いて、すごく恵まれてると思いました。今回はどんな曲が来るのかなって、とても楽しみにしていましたね。

-「Don't Blink」は、BSテレ東のドラマ"どんぶり委員長"のタイアップありきの曲ですよね。決まったときはどうでしたか?

高井:夢かと思いました。"いつか来るだろう"とも思っていなかったけど、こんなに早く決まるとは。まだ1stアルバムを出したところなのに、シングルの一発目からタイアップがついてくるのは本当に嬉しかったです。

青山:主題歌で歌っている方を見て憧れていたから素直に嬉しかったし、TOTALFATさんが作ってくださった曲を主題歌で歌えるっていうことがさらにいいなって思いました。

白浜:テレビで曲が流れているのを聴いて、主題歌ってカッコいいなと思っていたんです。その立場になって、しかも曲を作ってくださったのがTOTALFATさんで。カッコいいにカッコいいを重ねた感じだから、私たちもカッコ良くパフォーマンスをしないといけないなと感じていました。

-ドラマはすでにオンエアされていますけど、みなさんはもうご覧になりました?

B.O.L.T一同:観ました!

Jose:俺、観てないんですよね......。家でBSを観ることができなくて。だから録画しておいてって実家にお願いしたんですけど、母ちゃんが"ごめん忘れた!"って。なので予告編でしか観ていないんです。

長島:結構、曲が流れるんですよ。

高井:CMになるタイミングでも流れていて。

Jose:観てぇ......。

-(笑)やっぱり流れた瞬間は感動がありました?

高井:なんか自分たちの曲じゃないって一瞬思っちゃって(笑)。歌い出しで自分たちの声が聴こえて"あ、知ってる声だ"ってなりました。まだ慣れないというか、不思議な感覚。

内藤:私は家族みんなでドラマを観ていて、「Don't Blink」が流れたときに"フゥー!"って言って盛り上がっていましたね(笑)。

-曲を制作するうえではどんなやりとりがあったんですか?

長島:細かいことはお願いしていなくて、歌詞も含めてJoseさんにお願いするということは製作委員会(「どんぶり委員長」製作委員会2020)とも相談していました。B.O.L.Tとしては恋愛要素の曲をそこまで歌ってこなかったんですよ。だけど、ラブコメということで、恋愛の曲を歌いつつ、原作がどんぶりとの出会いと"あいつ"との出会いをかけているので、そういう新しいものへの気づきと、ときめきをキーにしてほしいなというところですね。ドラマサイドからは"どんぶり"のニュアンスを入れてほしいとも言われました。あと、ドラマでは和太鼓がコミカルな演出で出てくるんですよ。ギャグっぽいところ、オチっぽいところで"ドドン"と。そういう音なのか言葉なのかを入れてほしいと言われていて。ただ、歌詞に関しては可能であればくらいの感じでお願いしていたんですけど、ガッツリ入れていただいて(笑)。

Jose:めっちゃ"ドンドン"言いましたからね(笑)。

長島:もともとは"ドンドンタラッタッタッタ"ではなく、"タッタッタラッタッタッタ"みたいな感じでしたよね? リズムを表しつつ、感情の高まりなのか心拍数なのかを表現しているのがすごくいいなと思っていたんですけど、結果"ドンドン"になってこれはこれですごく面白いなと。制作の話で言うと、たしかふたつくらいデモを出していただいていて。

Jose:そうですね。僕指定というよりはTOTALFATでという感じだったんです。うちは僕とベースのShunがふたりでそれぞれ曲を書いたり、一緒に書いたりするんですけど、今回はふたりで1曲ずつ出してみるかっていう感じで出しました。

長島:(どちらを採用するか)めちゃくちゃ悩みました。返事が遅れてしまったような気がしたんですけど、途中までメールを書いては"いや、もう1回聴いてみよう"って。「Don't Blink」もエモい曲なんですけど、もうひとつのデモはガールズ・ロックな雰囲気もあってさらに泣けるほうのエモを感じる曲だったんです。本当にどっちもいい曲だったからベクトルの違い、B.O.L.Tの新曲をどう見せるかというところでこちら(「Don't Blink」)になりました。もしあのデモがまだ生きてるならタイミングがあればまた――

Jose:たぶんあいつ(Shun)はあのデモを使わないと思いますよ。僕ら自身は"こういうことが最近あったからこういう曲を作ろうと思うんだよね"っていう、自分らが経験したり人から聞いたりしたリアルなもの以外は、自分らの曲として発信しないというふうに自然になっていて。なので相手をイメージして書いた曲に関しては、Shunはたぶんそこで終わりなんですよ。俺もShunが送った曲を聴いて"あ、やべぇな。いい曲だなこれ"と思っていました(笑)。

-(笑)では、いずれもう一方の曲も世に出されるかもしれないんですね。

長島:そうですね。

-それは楽しみです。「Don't Blink」の制作では他にどんなことがありましたか?

Jose:キー設定の段階で"最終的にはこのキーでいきたいです"という話になったときに、"絶対今夜中に長島さんへ送り返してやる"って謎のスイッチが入っていましたね。

長島:そう! めちゃくちゃ早かったんですよ(笑)。

Jose:久しぶりにひとりカラオケに行って録ったんです。コロナの影響もあるのであまり行かないようにしていたんですけどね。

長島:いやぁ~、めっちゃTOTALFATって感じで、エピソードが熱いですね。

高井:生で制作の過程を聞くの初めてなんですけど、すごい話ですね。