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INTERVIEW

Japanese

B.O.L.T

2021年09月号掲載

B.O.L.T

メンバー:内藤 るな 高井 千帆 青山 菜花 白浜 あや

インタビュアー:宮﨑 大樹

7月に結成2周年を迎えたB.O.L.T。彼女たちが完成させた2ndアルバム『Attitude』は、各曲に身体のパーツや動作がテーマとして割り振られているという、個性的な作品だ。本作に迫るべく、1stアルバム『POP』を経て"より外へ能動的な姿勢"を掲げていくB.O.L.Tの4人と、ディレクターの長島幸司に、全曲余すことなく話を訊いた。

-2ndアルバム『Attitude』が完成しました。そのアルバムの前日譚として2周年記念日に楽曲「夕日の後の夜に」が配信されましたね。この曲では"内省的で感受性を伝える世界感"から"より外へ能動的な姿勢"を掲げようとしていく"B.O.L.Tの変化"をテーマとしたそうですけど、その変化についてどう受け止めてました?

高井:1stアルバム『POP』(2020年7月リリース)のときは、メジャー・デビュー・アルバムということで、私たちがいろんな影響を受けながらやっている感じのものでした。そこから私たちひとりひとりの行動だったり、姿勢だったりを観てもらうというテーマに変わったんです。でも、『POP』から繋がっているというか、聴き比べてほしいポイントはたくさんあります。歌詞も新しいテーマに合ったものになっているので、ぜひそこは繋げて聴いてほしいです。

内藤:ふたり(青山、白浜)も大きくなって、私たちもいろいろ教えていただいたりして、今度は自分たちから発信していけたらいいなというのは、この前の2周年のライヴ(2021年7月15日にduo MUSIC EXCHANGEにて開催の"B.O.L.T 2nd ANNIVERSARY LIVE")でより感じました。みなさんに伝えるということを、この『Attitude』の曲たちに引っ張っていってもらえたらいいなと思っています。

-『Attitude』は各曲に身体のパーツや動きがテーマとして割り振られているそうですね。そのことについてはどう感じていましたか?

青山:例えば、走るときは"走る・歩く"がテーマの「まわりみち」を聴くとか、そういう感じに聴けるものになるんじゃないかなと思って。でも、どんな曲になるかはまだわかっていなかったので、すごくドキドキした気持ちは残っていました。

白浜:"顔"が"笑顔"で「スマイルフラワー」とか、"目"が"瞬き・ウインク"で「Don't Blink」とか、テーマと曲名が合っていて、その答え合わせをしていくのが楽しみになるようなアルバムだと思ったんです。『POP』のときは、まだ小さくて理解しきれてなかったこともあったんですけど、今は歌詞の理解とかもできるようになって、より考えながら歌えるようになったから、そういうところも聴いてほしいなと思います。

-"ひとりひとりが世界に行動を発信していくこと"と、アルバムで身体のパーツや動作がテーマになったこと、このふたつはどう繋がっているのでしょうか?

長島:まず『POP』のときに関しては、コロナ禍という事情を除いてもライヴが全然やれていない状況でアルバムを作って、これからいろんなところでライヴをやっていこうというのがあったんです。だから作品性自体は、言ってしまえば彼女たちにそこまで関係ないひとつの作品、"誰が歌っても"ということを意識していました。でも、みんながアイドル活動をしてB.O.L.Tとしての個が確立したので、彼女たちが発信するというテーマの曲にしましたね。それと(青山、白浜が)中学生になった、(内藤、高井が)20歳くらいになった、多くのライヴの経験も経た、今のB.O.L.Tの身体性のハーモニーみたいなものをパッケージにすることが狙いです。

-そんな『Attitude』について、今回は全曲余すことなく聞いていきたいと思います。まずはシングルでリリースされた「スマイルフラワー」が1曲目に収録されていますね。

高井:自分たちの主催ライヴでも、呼んでいただけるイベントとかでも、この楽曲を披露することが多くて。"ピース"の振付があるんですけど、"掲げて!"と言うと、初めての方も一緒にやってくれるんです。いつも"ありがとう"と思いながらやっています。

青山:この曲に限らないんですけど、ライヴでやらせていただくとファンの方の笑顔がマスク越しでも滲み出ていて、すごく笑顔でいてくださるんです。ファンのみなさんとB.O.L.Tでの"スマイルフラワー"というお花が作れているんじゃないかなと思うので、これからもこの曲を歌って、みなさんとお花を作っていきたいですね。

-"笑顔で世界に花を咲かそう"という曲のテーマは、今思えば、「スマイルフラワー」にも"行動を発信していく"ことが裏テーマ的に仕込まれていた感じもします。

高井:2ndアルバムのことを聞いて、「スマイルフラワー」のテーマから繋がることがすごいなと思いましたね。これが今回のアルバムの1曲目、幕開けになるのも、素敵だなぁと感じました。

-実際、アルバムが視野にあった状態での「スマイルフラワー」の制作だったんですか?

長島:そうですね、"能動"というのは考えていて。ほぼ同時進行の制作でした。

-続いて、SHANKの松崎兵太(Gt/Cho)さんが提供(作曲/編曲)した「まわりみち」です。疾走感があって爽やかで、夏らしくていい曲ですね。"走る・歩く"というテーマにもマッチしています。

内藤:この曲は新曲の中では最初のほうにレコーディングしたんですけど、アルバムを作っていくスタートとしていい曲だなと思っていました。音が高くて、裏声のメンバーもいたりするんですけど、それがいい具合に曲の爽やかさに繋がっています。

白浜:"果てなく続く道を歩こう/願いはきっと届くから"と歌って、最後に"果てなく続く道を歩こう/夢を抱え歩き出そう"になるんです。"自分がこうしたい"という想いが出ていて、いいなと思いました。

-本当に前向きな歌詞だと思います。

高井:"まわりみち"だから遠回りはしているけど、前に前に進みながら目指している場所に行くために"まわりみち"をしている過程は、自分にとって全然マイナスなことじゃないと思わせてくれる曲です。サビの最後に"辿り着いた先が君の答え"と言ってくれているので、歌っている自分も背中を押される、応援してもらえている気がします。

-制作にあたっては、"走る・歩く"というテーマでオーダーをしたんですか?

長島:曲に関しては違うんですけど、作詞は完全にそうです。曲はデモで預かっていたもので、それをどう発展させるかだけだったので、あのギターのリフとか原型はあった感じで。歌詞はできあがってはいなかったんですけど、デモから再開する段階でアルバム全体のテーマは伝えていたので、リズムの疾走感とかはテーマを汲んでもらってアップデートされた曲なのかなという気はしています。

-松崎さんはこのアルバムで「未完成呼吸」も提供(作曲/編曲)していますよね。"呼吸"は"生きる"ことと直結するからこそメッセージ性が高い印象でした。それにフォーク・ロックっぽいというか、B.O.L.Tのまた新たな一面も感じました。

高井:"呼吸は誰もができるものだけど、永遠に完成しないよ"ということを伝えていると感じています。私が好きなのは"浅くなる 焦がれる 騒いでる時は/何かを教えてくれている"という部分ですね。私はよく緊張するので、呼吸が浅くなっちゃったり、呼吸が乱れたりするのが自分でもわかるんですけど、それを"何かを教えてくれている"と表現しているのが素敵で。私も今後はそういう捉え方をしていきたいです。新曲の中ではキーが低くて、聴いていると一番聴き心地がいいんじゃないかなと思います。

青山:"みんなで一緒に深呼吸しようよ"みたいなことを歌い掛けているんじゃないかなと思います。ゆっくりとした曲調からそういうところも読み取れるので、曲に合わせて癒される歌声にできるように、ゆっくりと深呼吸したくなる歌を歌えるように、自分も気持ち良く歌いました。

-続いて"腕を振る・掴む"がテーマの「Catch The Rainbow」は、B.O.L.Tらしいメロディック・パンクです。"腕を振る"はライヴのイメージと直結しますね。サビの"ヘイ!"は一緒に言いたくなりますし、転調も気持ち良かったです。

内藤:最初から疾走感のある感じで始まるのもすごくいいなと思いましたし、"腕"や"手"がこの曲のテーマなので、高いところに届けにいくような手の動きのイメージが私の中にあります。それが今のB.O.L.Tに合っていますし、この曲にはポジティヴなメッセージがあるんですけど、最後の"笑ってやろうぜ"という口調で拳を突き上げているようなイメージがあるので、そこもお気に入りです。

白浜:ツキダタダシさんが曲を作ってくださっているんですけど、ももクロ(ももいろクローバーZ)さんの「オレンジノート」とか、私が好きな曲を書いているから、そういう曲も参考にして歌ってみました。サビが高くて、テンポが速くて、難しくて、レコーディング前にあやなの(白浜、青山)で"どうしよう! 全然出ない!"とか言ってましたね(笑)。でもたくさん練習して"7回転んでも笑ってやろうぜ"と決めるところもできるようになりました。元気に、前に前に進む感じで振り切って歌ったので、そういうところも聴いてほしいなと思います。

-"背負う・背伸び"をテーマにした「USHIRO-META-I」は面白い曲ですね。これでもかと"背"に関するワードが歌詞に散りばめられています。

高井:歌詞だけを見てから曲を聴いたら、歌詞と曲調のギャップがありました(笑)。何十個出てくるのかわからないくらい"背"の文字が出てくるので、レコーディングでは今自分がどこを歌っているのかわからなくなってきて(笑)。"過去も未来も 背負って立ってるの"というところを歌わせてもらっているんですけど、自分で歌っていても痺れるくらい、強気に歌おうと思って歌いました。

-"背"って"背を向ける"とか、どちらかというとネガティヴな言葉で使われることもありますけど、上手く"背"を使って力強い歌詞に仕上げていますね。

長島:これは完全に僕の悪ノリというか(笑)。センターから歌を外したので、最終的な音源もヤバいですよね。いろいろ調べたんですけど、そんなことやっている人はいなかったです(笑)。後ろから聴こえるようなイメージを演出しています。面白い歌詞ですけど、めちゃくちゃ難儀だったんですよ。(作詞家と)10回くらいキャッチボールして"申し訳ないな"というところまで行きました。で、この方向性を思いついて"例えばこんな感じでどうですか?"と話して送られてきたのがほぼこの歌詞です。めっちゃ面白いじゃんと思って、振り切りました。

-そうだったんですね。

長島:このアルバムのテーマ性で"背骨"は大事だと思っていて。これでもかというくらい背中をフィーチャーしたんですけど、意外とまとまった印象がありますね。まぁ"背面跳び"だけはどうなんだろうと前から思っていたんですけど(笑)、ここは何かしらのパフォーマンスに昇華するしかない、これはもうアイドルの宿命なのかなという気がしています(笑)。大胆なアプローチですけど、背中に関する慣用句や言葉ってこれだけあるんだというのは、発見でもあり、間違ったことは言っていないのかなと思いますね。さすがにこれをシングルにしたらなかなかだと思いますけど(笑)、楽しかったです。