Japanese
B.O.L.T / 愛はズボーン
Skream! マガジン 2021年11月号掲載
2021.09.30 @下北沢LIVEHOLIC
Writer 稲垣 遥 Photo by 清水舞
6月22日から3ヶ月にわたり開催してきた下北沢LIVEHOLICの6周年記念イベント。一部延期になった公演もあったが、いったんの千秋楽と言えるライヴは、出演者本人にとってもファンにとっても、待望の邂逅が実現したツーマンだった。

先攻は、7月に活動10周年を迎えた愛はズボーン。満員の観客の間を通って、LIVEHOLIC名物と言えるプロレス入場で現れたのだが、その入場曲はB.O.L.Tの「SLEEPY BUSTERS」でフロアは一気に沸騰する。そう、この日の共演相手はまさにそのB.O.L.Tなのだ。
そして、この「SLEEPY BUSTERS」は、愛はズボーンが昨年B.O.L.Tに提供したナンバーで、この日の公演タイトル"In a Dream"はこの曲にちなんだものでもある――と解説じみた前置きはさておき、とにかく粋なやり方で特別な一夜の幕を開けた愛はズボーン。
"B.O.L.Tのみなさんがこの曲をやってる映像を観て、愛を感じました! 大阪はアメリカ村からやってまいりました。We are 愛はズボーン!"金城昌秀(Gt/Vo)がそう挨拶すると「Strawberry Mind」からライヴをスタート。地元大阪のバンド、LADY FLASHのカバーだが、よりギターが際立つギラついたアレンジと、原曲由来の脱力感のミックスが楽しく、フロアからも手拍子が自然と湧く。そこからの「えねるげいあ」ではシーケンスと低音/高音のツイン・ヴォーカル、めくるめく展開がカオティックなグルーヴを立ち上げ、観客もジャンプ。そのまま富永遼右がハイテンポなビートを紡ぎ、白井達也も激しく身体を逸らせながらベースを叩いてインスト曲に繋ぐと、素肌にスーツを羽織ったGIMA☆KENTA(Vo/Gt)が"調子どうよー!?"と前方のお立ち台へ。"この曲で最高潮へ行きましょう! ライヴハウス最高よなエヴリバディ!"と投下したのはテクノ・チューン「I was born 10 years ago.」。LEDの鮮やかな照明が明滅するなか、身長187cmのGIMAが天井に頭をぶつけそうになりながら"ボン ! ボン ! ズボボーン ! 愛はズボーン !"と叫び踊り、金城のギター・ソロも熱気の中を突き抜けていく。冒頭からぶっ通しで全力投球の姿勢に大きな拍手が贈られた。
"久しぶりやなこの熱気ー! あったかいお客さん!"とにこやかにフロアを見渡す金城。「SLEEPY BUSTERS」についても"メンバーさんとは年が離れてるけど、B.O.L.Tを好きな人とはもしかしたら同世代かなと思って書いたんです。「シャーマンキング」のキャラとか出てきて――"と語るとフロアの方々で頷く観客を見つけ"嬉しい! わかってくれてる!"と喜ぶ姿を見せる。そうして曲提供に取り組む姿勢やMCの人柄でもオーディエンスとの距離を縮めたあと、せっかくなのでと同曲をセルフ・カバー! アイドル提供曲らしくキャッチーでポップ、だけど愛はズボーンを知ってる人なら彼ららしさも全開のこの曲。ペンライトも完璧なタイミングできらめき、冒頭で金城が言った通りB.O.L.Tファンからも愛されている様子が伝わった。続く「MAJIMEチャンネル」では曲中の"じごっくぅ~♪"のフレーズでGIMAのポージングを真似する観客も。後半は異なるメロディのツイン・ヴォーカルが同時に走り、後ろで展開していく音の渦に高ぶる。ラストは、シンセのSEを同期させ「adult swim」を披露。"はじめてはじめてがはじまった/はじめての瞬間に立ち会ってる人"のフレーズはこの日にも似合うし、振り切ったピコピコサウンドで終えるというのは新鮮でもあった。波に乗って気持ち良く泳ぐようなディープなミドル・ナンバーで、いつもよりちょっとオトナに締めくくったのだった(この直後、入場時からいっそう賑わったフロアに、"どうやって(楽屋に)帰んねん!"とステージからツッコみ、笑わせることになるのだが)。

充分に温まったステージに今度はB.O.L.Tが上がり、大きな拍手で迎えられる。バンドとの"対バン"は初めてだという彼女たちにとって、この日は普段とは違う緊張があったかもしれない。そのうえ、普段に比べてコンパクトなこのライヴハウスの空気も慣れないものだったと思うが、4人は1曲目「BON-NO BORN」から堂々たるパフォーマンスを見せつけたのだった。続く「JUST NOD」では、メロディックで軽快なバンド・サウンドに乗せて歌われる絶妙な女心を歌った歌詞が、デビュー時より少し大人になった彼女たちにもぴったりで、ダイナミックなダンスでも魅せる。
"「LIVEHOLIC 6th Anniversary series」にお越しのみなさまこんばんは! B.O.L.Tです!"と高井千帆が快活に挨拶し、"マイク(の音量)ぶち上げでお願いします!"とよりアグレッシヴな姿勢を見せると、9月1日にリリースしたばかりのメジャー2ndアルバム『Attitude』リード曲「Yummy!」をドロップ! "「お腹いっぱい」なんて言わないで"、"ワタシの気持ちもついでに/食べちゃって欲しいの"のフレーズが印象的だが、リリックに合わせた食べる様子や料理をするような仕草の振付もキュートだ。4人が横一線に並び、拳を突き上げたままアカペラで始まる「寝具でSING A SONG」では、めいっぱいジャンプするとふわりと揺れるカラフルな衣装が目にも楽しく、パンク・ロック・チューン「OUR COLOR」では力強く突き上げられるサイリウムに合わせ、声出しNGのフロアから"オイ! オイ!"の声が聴こえる錯覚がするくらいヒートアップ。そのまま立て続けに「スマイルフラワー」へとなだれ込んだ。激しめのトラックが多いB.O.L.Tの曲の中で比較的優しさや温かみが際立つ、でも爽やかなB.O.L.Tらしさのあるロック・サウンドに包まれ、ピース・サインを高く上げる4人。とびっきり華やかなスマイルで、集まったオーディエンスひとりひとりに笑顔を伝導していく。
MCではこの日用意した限定コラボ・ドリンクの味について、"南国の感じ"を青山菜花、白浜あやがそれぞれゆるく身体を使って表現するなどしてオーディエンスを和ませつつ、あっという間にラストの曲へ。高井が"みなさんラストまで盛り上げていけますかー!?"と叫ぶと、最後はもちろん「SLEEPY BUSTERS」! わちゃわちゃ感やコミカルさが前面に押し出され、"楽しい!"というシンプルな想いがLIVEHOLICに充満。個性強めの愛はズボーン・サウンドを見事に乗りこなしている――と思うと同時にふと、この日のセットリストは全曲バンド提供曲のみで構成されていることに気づいて、ニヤリとしてしまった。バンドごとのカラーが出た曲に、B.O.L.Tは見事に一本の芯を貫き表現できると見せつけていたのだ。最高潮の盛り上がりを見せ終了――と思いきや、"2回やるに決まってんだろ! 腕もげるまでやるぞー!"と内藤るなが声を張り上げ、もう1回「SLEEPY BUSTERS」へ! 息継ぎが難しいほどぎゅっと言葉と想いが詰まったこの歌を、4人は溌剌と踊りながら歌い切った。
"愛はズボーンさんのセルフ・カバー、音の厚みとかも染み渡って、幸せでした。ほんとはコラボしたかったけど、いろんな事情でできなかったので、いつか私たちが大きくなって、愛はズボーンさんを呼んでコラボできたらなと思ってます!"と最後に高井がファンの想いも汲みつつ未来への希望も繋いで、"またみんなと会えるのを楽しみにしてます! B.O.L.Tでした!"と締めくくった。
共に相手へのリスペクトと真剣にぶつかる気概をステージで示しつつ、日々のモヤモヤを忘れられるような、ライヴハウスならではの熱量を放出したまさに理想的なツーマン。高井の放った言葉通り、実際にその"いつか"が来ることも期待しつつ、進化の真っ只中の2組であるがゆえに、その日の飛躍っぷりも楽しみになる一夜だった。
[Setlist]
■愛はズボーン
1. Strawberry Mind
2. えねるげいあ
3. Instrumental
4. I was born 10 years ago.
5. SLEEPY BUSTERS
6. MAJIMEチャンネル
7. adult swim
■B.O.L.T
1. BON-NO BORN
2. JUST NOD
3. Yummy!
4. 寝具でSING A SONG
5. OUR COLOR
6. スマイルフラワー
7. SLEEPY BUSTERS
8. SLEEPY BUSTERS
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