Japanese
愛はズボーン
Skream! マガジン 2021年08月号掲載
2021.06.27 @渋谷WWW
Writer 稲垣 遥 Photo by 春
愛はズボーンが"愛はズボーン 2nd ALBUM「TECHNO BLUES」Release TOUR ~I was born 10 years ago. ~ 東京編"を渋谷WWWで行った。本公演はもともと10周年企画ツアーとして1月に開催予定だったが、緊急事態宣言により延期となり、5月にリリースしたアルバム『TECHNO BLUES』のレコ発ツアーが乗っかって、1日2部公演で実施することになったもの。ここではスサシことSPARK!!SOUND!!SHOW!!を迎え、よりアグレッシヴ且つ独自のスタイルをぶち抜く2組の共演となった"第二部"をレポートする。
"愛はズボーンの「悪いお友達」SPARK!!SOUND!!SHOW!!ですよろしくー!"爆音ナンバーを連打したあとタナカユーキ(Vo/Gt)がそう挨拶したが、雑食サウンドを攻撃性の高いパフォーマンスで鳴らし、道を切り拓いてきた彼らの存在を集まった観客に一瞬で理解させる、そんな自己紹介と幕開けにニヤリとしてしまった。そこからバイクのパラリラ音やサイレンのようなシンセが炸裂した「†黒天使†」で、よりそのアナーキー感が増幅。イチロー(Dr/Cho/169)の大きなビートとチヨのぶっといベースの迫力。タクマ(Syn/Gt/Cho)はアンプに登ってジャンプし、ユーキは挑発的にまくしたてるが、"ブーンブーンブーン"とゆるい動きでオーディエンスと踊る様はなんともユニークで、フロアも含めてマッドなムードでひとつになっていた。さらに、「ゴジラのテーマ」を採り入れた絶妙なポップさが冴える「かいじゅうのうた」では、タクマとチヨもギター、ベースを置き、暴れ回って盛り上げた。
MCでは、愛はズ(愛はズボーン)の中で彼らから最も遠いキャラクターのはずの白井達也(Ba/Cho)への愛をピンポイントに語るスサシ。愛はズとは約3年ぶりのツーマン・ライヴとなる彼らは、白井が一番好きなスサシの曲「アワーミュージック」を披露した。過激なイメージが強烈に残りがちな彼らだが、グッド・メロディとストレートな詞が映える楽曲ももう一方の一面と言える。そんな美しいスロー・チューン「good sleep」へ。ユーキのスモーキーな歌声は、こういったメロウなナンバーだとセンチメンタルさを際立て、いっそうぐっとくると改めて実感。そして、ラストはけたたましく全員がフロントに出て踊り狂い、チヨがイチローに飛び蹴りするなどカオスとしか言いようのないステージになった「TOKYO MURDER」から、「DEATHTRUCTION」へなだれ込んだ。"全部革命に変える!"そう吐きながら巻き起こした熱狂の渦は凄まじいもので、このあとの愛はズのステージが気がかりになるほどだったが、一瞬浮かんだそんな懸念はまったくもって不要だったと、愛はズもまた圧倒的と言えるステージで証明してくれたのだった。
"なんか楽しみたいと思ってる君を、ひとりでも多く楽しませるために西からやってきたサイコでウエスタンなヒーロー、愛はズボーンです、よろしくー!"いきなり言いたいことが前のめりにこぼれたような金城昌秀(Gt/Vo)の台詞で始まった愛はズのステージは、本日2公演目だからか、スサシのライヴに触発されてか、最初から温度が高い。「ゆ~らめりか」でギターの轟音アンサンブルとスケールの大きなメロディ、突き抜けるヴォーカルで空を高くすると、"ボン ! ボン ! ズボボーン ! 愛はズボーン !"のフレーズでお馴染みの自己紹介ソングのセルフ・カバー版「I was born 10 years ago.」へ。テクノ色が濃く出た本曲はカオティックで"何が始まるんだ!?"と期待を煽ると同時に、ステージ前方中央に用意されたお立ち台で、ピンクのスーツで歌い踊るGIMA☆KENTAも壮観! なお、オリジナルではこの曲中で大量の風船をフロアにばらまくのが恒例だったが、今回その演出はなし。時世を気にしたものだったのかもしれないが、そういう小道具なしでも勝負できる音とパフォーマンスの強さを感じた。続く「えねるげいあ」もシーケンスが前面に出ていながら、富永遼右の手数が多いドラムにも目がいくし、ゆらゆらと身体を揺らしながら、うねるグルーヴを人力ベースで生み出す白井も独特な存在感がある。照明の演出も絶妙で、フレーズごとに曲の世界観をバシッとキメていたのも印象的だ。3曲目にしてクライマックスかと思うほどの開放感に溢れていた。
MCを挟んでは最新作より「ドコココ」。ハンドマイクでステージを左右へ動きながら、徐々にシャウト気味になるいい意味で暑苦しいGIMA歌唱曲があったと思えば、「トーリライクウェル」では2MCと言いたくなるGIMAと金城の掛け合いがあり、ツイン・ヴォーカルの楽しさも味わわせる。そして、最新アルバム曲の数々でもフロアを躍らせると、満を持して新作リード曲「ぼくらのために part 1」を投下。"最近本当に整理がつきました。「みんなのために」とかも思いながら、バンドでもリーダーをやってきたけど、子供のような、あれやりたいな、これやりたいなという気持ちを起こしてやっていこって。みなさんもわがままに付き合ってください!"――インタビュー(※2021年6月号掲載)で、今まではどうしても"人のために"と考えていたが、"自分のやりたいことを追求するのは悪くないと思えてきました"と話した金城から改めてこの言葉が出たことに加え、この"ぼくらのために"というフレーズを4人全員の生声で歌う姿はまばゆく、胸がぐっと熱くなる光景だった。
さらに、コロナ禍で4人を繋ぎとめた、全員で初めて作詞した1曲「FLASH BEATS & JUMP」を畳み掛ける。メンバーに加え、声は出せないはずのフロアからも聴こえたような気がしたシンガロングは、どこまでも届きそうだった。そんな感動的な大団円――と思いきや、"終わりと思たやろ?"といたずらなGIMAの笑みからダメ押しの「MAJIMEチャンネル」に! ユーモラスなメロディのインパクトのみならず、こんなにエッジ効いてたっけ? と思うほどのキレッキレな演奏。何よりもこれだけ熱量のあるステージを、全力を注ぎっぱなしの2部公演の最後を、"意味なんてないぜ"と歌い上げる痛快さったらなかった。
今までのサイケデリックな衝撃のみならず、テクノの無機質さ、さらに相反するはずの肉体的なブルースを融合した、最新型のバンドの姿を見せつけた愛はズ。10年間、ライヴハウスで目の前のリスナーと対峙しながら、やりたいことの実現に向けて葛藤し、挑戦してきた。そんな彼らが築き上げてきた力は今、ジャンルを問わずあらゆる観客を巻き込み、音楽の楽しさを教えてくれる境地に達したのではないかと思う。
彼らはこのあと、8月19日に新代田FEVERにて本ツアーの追加公演を行う。地元大阪を大事にしている愛はズが、東京でのワンマンでこの記念すべき10周年の幕開け、新境地を打ち出したアルバム・ツアーを締めくくるのもまた、ひとつのチャレンジかもしれない。気合充分な今の彼らを存分に浴びる機会を、見逃さず刮目していたい。
- 1
LIVE INFO
- 2024.04.26
-
四星球
ReN
The Ravens
フレンズ
a flood of circle
BREIMEN
ズーカラデル
愛はズボーン
Base Ball Bear
原因は自分にある。
Mr.ふぉるて
ザ・クロマニヨンズ
Maki
いきものがかり
Alstroemeria
Aqilla
超能力戦士ドリアン
yama
THE BOYS&GIRLS
LONGMAN
MOROHA
Rhythmic Toy World
Homecomings
ORCALAND
POPPiNG EMO
ヤングスキニー
SANDAL TELEPHONE
- 2024.04.27
-
ぜんぶ君のせいだ。/ 星歴13夜 / TOKYOてふてふ
ReN
TK from 凛として時雨
TRIANGLE 2024
People In The Box
ポップしなないで
"ARABAKI ROCK FEST.24"
BIGMAMA
SEKAI NO OWARI
ズーカラデル
KEYTALK / キュウソネコカミ / ポルカドットスティングレイ ほか
セックスマシーン!!
SAKANAMON
原因は自分にある。
BACK LIFT
リュックと添い寝ごはん
Base Ball Bear
SCANDAL
岡崎体育
the engy
豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL
Johnnivan
スカイピース
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
Novelbright
Amber's
THE YELLOW MONKEY
Ado
SPENSR
- 2024.04.28
-
ASP
眉村ちあき
ASH DA HERO
ポップしなないで
TRIANGLE 2024
SAKANAMON
ザ・クロマニヨンズ
People In The Box
"ARABAKI ROCK FEST.24"
SEKAI NO OWARI
ぜんぶ君のせいだ。/ 星歴13夜 / TOKYOてふてふ
The Ravens
Omoinotake
THE BOYS&GIRLS
MAIZURU PLAYBACK FES.2024
いきものがかり
MYTH & ROID
愛はズボーン
SCANDAL
超能力戦士ドリアン
忘れらんねえよ
"JAPAN JAM 2024"
ハシリコミーズ
礼賛
にしな
Ado
Laughing Hick
- 2024.04.29
-
ReN
fox capture plan
岡崎体育
TRIANGLE 2024
小山田壮平
ザ・クロマニヨンズ
シノダ(ヒトリエ)
リュックと添い寝ごはん
私立恵比寿中学
ゆいにしお
Creepy Nuts
眉村ちあき
ASIAN KUNG-FU GENERATION / THE ORAL CIGARETTES / Vaundy ほか
moon drop
MAIZURU PLAYBACK FES.2024
Age Factory
the shes gone / Ivy to Fraudulent Game / ドミコ / パスピエ ほか
ぜんぶ君のせいだ。/ TOKYOてふてふ / Not Secured,Loose Ends ほか
The Ravens
愛はズボーン
"JAPAN JAM 2024"
Novelbright
超能力戦士ドリアン
ヤユヨ
Poppin'Party × MyGO!!!!!
- 2024.04.30
-
I Don't Like Mondays.
シノダ(ヒトリエ)
藤巻亮太
君島大空
山内総一郎(フジファブリック)×斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN/XIIX)
フラワーカンパニーズ
- 2024.05.01
-
I Don't Like Mondays.
神はサイコロを振らない
ハンブレッダーズ
忘れらんねえよ
Rhythmic Toy World
アカシック
GRAPEVINE × Hedigan's
- 2024.05.02
-
サカナクション
君島大空
Novelbright
神はサイコロを振らない
ゆいにしお
Maki
- 2024.05.03
-
I Don't Like Mondays.
サカナクション
古墳シスターズ
フレデリック / 04LimitedSazabys / キュウソネコカミ / BLUEENCOUNT ほか
ぜんぶ君のせいだ。/ TOKYOてふてふ / 弐ノ名 ほか
忘れらんねえよ
"JAPAN JAM 2024"
清 竜人
ザ・クロマニヨンズ
VIVA LA ROCK
RAY
いきものがかり
- 2024.05.04
-
Machico
KiSS KiSS
ExWHYZ
"OTODAMA'24~音泉魂~"
ビッケブランカ
KEYTALK / THE BACK HORN / THE BAWDIES / FLOW ほか
SCANDAL
岸田教団&THE明星ロケッツ
フィロソフィーのダンス
ドレスコーズ / 特撮 / 小林私 / 月蝕會議 ほか
halca
"JAPAN JAM 2024"
ずっと真夜中でいいのに。
VIVA LA ROCK
- 2024.05.05
-
go!go!vanillas
I Don't Like Mondays.
古墳シスターズ
ExWHYZ
愛はズボーン
Machico
"OTODAMA'24~音泉魂~"
ザ・クロマニヨンズ
ユプシロン
ASP
ぜんぶ君のせいだ。/ TOKYOてふてふ / 星歴13夜 ほか
JYOCHO
SEKAI NO OWARI
"JAPAN JAM 2024"
BiS
ずっと真夜中でいいのに。
VIVA LA ROCK
- 2024.05.06
-
I Don't Like Mondays.
愛はズボーン
SPARK!!SOUND!!SHOW!!
小山田壮平
ヒトリエ
挫・人間
ぜんぶ君のせいだ。
SHAKALABBITS
夜の本気ダンス
SEKAI NO OWARI
ヤングスキニー
SCANDAL
かりんちょ落書き
VIVA LA ROCK
- 2024.05.08
-
礼賛
I Don't Like Mondays.
WANIMA
MOROHA
KALMA
Ryu Matsuyama
神はサイコロを振らない
cadode
- 2024.05.09
-
I Don't Like Mondays.
超能力戦士ドリアン
礼賛
アカシック
センチミリメンタル
ZAZEN BOYS
ハンブレッダーズ
白昼堂々踊レ人類
神聖かまってちゃん
神はサイコロを振らない
- 2024.05.10
-
夜の本気ダンス
超能力戦士ドリアン
Creepy Nuts
BREIMEN
フレンズ
Base Ball Bear
WANIMA
AIRFLIP
Tempalay
KALMA
ACIDMAN
ヤユヨ
渡會将士
崎山蒼志
Novelbright
a flood of circle
ZAZEN BOYS
四星球
感覚ピエロ
tricot
the dadadadys
LEGO BIG MORL
- 2024.05.11
-
愛はズボーン
SEKAI NO OWARI
LONGMAN
夜の本気ダンス
Tempalay
ヤユヨ
小山田壮平
KALMA
ハンブレッダーズ
TK from 凛として時雨
フルカワユタカ(DOPING PANDA)× 荒井岳史(the band apart)
ASP
ASH DA HERO
FINLANDS
Base Ball Bear
ぜんぶ君のせいだ。
tacica
SCANDAL
ヤバイTシャツ屋さん
"OSAKA METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2024"
ExWHYZ
センチミリメンタル
ハシリコミーズ
The Ravens
a flood of circle
People In The Box
SAKANAMON
ザ・クロマニヨンズ
Rhythmic Toy World
白昼堂々踊レ人類
THE BAWDIES
ネクライトーキー
Amber's
"SWEET LOVE SHOWER SPRING 2024"
THE BOYS&GIRLS
ホリエアツシ(ストレイテナー)/ 田島貴男 / とまとくらぶ ほか
RELEASE INFO
- 2024.04.26
- 2024.04.27
- 2024.05.01
- 2024.05.02
- 2024.05.03
- 2024.05.04
- 2024.05.05
- 2024.05.06
- 2024.05.07
- 2024.05.08
- 2024.05.09
- 2024.05.10
- 2024.05.15
- 2024.05.17
- 2024.05.22
- 2024.05.29
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
BREIMEN
Skream! 2024年04月号