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INTERVIEW

Japanese

愛はズボーン

2017年11月号掲載

愛はズボーン

Member:カネシロマサヒデ(Vo/Gt) シライタツヤ(Ba)

Interviewer:岡本 貴之

『RIKAKO』、『ゆ~らめりか』とシングルを発表してきた愛はズボーンがついに待望の1stフル・アルバム『どれじんてえぜ』を完成させた。2枚のミニ・アルバムから再録された2曲を含む今作は、これまでのスタジオ作品で培ってきた音作りの成果を存分に発揮しているとともに、現代を生きるバンドならではのメッセージが込められた充実した1枚となった。果たしてそのメッセージとは? "ゆ~らめりか"に続いての謎めいた言葉"どれじんてえぜ"とは何か? カネシロマサヒデ、シライタツヤのふたりにその真意を語ってもらった。

-ミニ・アルバム『MAGMAそれは太陽のデジャヴュ』(2016年リリースの2ndミニ・アルバム)からシングル2枚を挟んで初のフル・アルバムとなりました。この約1年半は愛はズボーン(以下:愛はズ)にとってどんな期間でした?

カネシロ:こんなにも1年半って長いのか、という感じでしたね。僕としては『MAGMA』(『MAGMAそれは太陽のデジャヴュ』)は全国流通されていない、デモ音源だけで戦っていた時期の最後っていう感じで。『MAGMA』を出したあとからは、意識的に全国規模の作品を作らないといけないというのが、バンドの中で出てきた気がしますね。それまではライヴハウスで戦っているものをそのまま世の中に出しても通用すると思っていたし、そのまま音にして全国流通することがカッコいいと思っていたんですけど、この1年半で変わりましたね。"世の中そんなに甘くなかった"ということを知ったうえで今作を完成させているイメージはあります。

シライ:たしかに、前のミニ・アルバム(『MAGMAそれは太陽のデジャヴュ』)はほんまにライヴハウスでウケていた曲たちだったというか。音源だけでも聴いてもらえるっていうことは大事やなって思いましたね。

カネシロ:『MAGMA』は1枚目(2015年にリリースした1stアルバム『IWZBN』)よりクオリティも上がってるし、"いったるでぇ!"っていう感じで出したんですけど、今振り返ってみるとまだまだできることはあるなって思えたというか。まぁ、年間1位に選んでいただいた方の前で言うのもなんですけど(笑)。(※筆者は『MAGMAそれは太陽のデジャヴュ』を"Skream! BEST CHART 2016"1位に選出している)

-ははははは! 今でもよく聴いてますよ。

カネシロ:そう言ってもらえるのは本当に嬉しいですし、僕らにとってもあれがないと次へ進めないっていうものを詰め込んでいるので、"あんなんはもう聴かないでくれ"とかいうことではないですけど(笑)。ただ、結構前に作っているので恥ずかしいですけどね。今回、『MAGMA』のときの推し曲だった「MAJIMEチャンネル」を"ver.2.0"として再録してるんですよ。今「どれじんてえぜ」のMVを撮っていて、前回MVにした「MAJIMEチャンネル」も自分たちで撮ったので、今作に活かそうと思って見直してみたんですけど、"音が全然なってないやんけ!"って思うんですよね。同じ曲を再録していたところだから、余計に"このミックスはないぞお前!"って自分に言いたくなりますね。シライ君、前の「MAJIMEチャンネル」と「MAJIMEチャンネル ver.2.0」を聴き比べてみてよ。

シライ:聴いてないな、最近(笑)。それくらい進化しているっていうことだよね。最初はアレンジも変えようって言ってたもんな。

カネシロ:「MAJIMEチャンネル」はライヴではアレンジを変えてやっていたので、最初はライヴ・バージョンを収録しようっていう話やったんですけど、やっぱり音源とライヴは違うよなぁって思ったのと、今のライヴではアレンジを音源のものに戻したりしていて、あの曲は未だにいじれるなぁと。「MAJIMEチャンネル」を聴き比べてもらうと、今回の愛はズの意識的な部分は見てもらえると思います。

-それは具体的に言うと、音のクオリティということですか?

カネシロ:録り音への意識が全然違うというか、1年半の間にシングル『RIKAKO』(2016年リリースの1stシングル)と『ゆ~らめりか』(2017年4月リリースの2ndシングル)を出したんですけど、『RIKAKO』のときにミックスをすごく考え直したんです。研究し直したというか、すごく時間をかけた覚えはありますね。それを踏まえて、録音のことを最初から考えて曲を作ったのが『ゆ~らめりか』の3曲です。エンジニアさんもずっと同じ方なので、今回はツーカーの仲な部分がありました。"この曲は『ゆ~らめりか』のあの感じで"とか言ったらすぐに伝わる感じだったので、そのぶんこだわれる時間がありましたね。

-1stフル・アルバムの手応えはみなさんにとってはいかがですか?

カネシロ:それはもう、手応えありますよ。聴くのが楽しいですね。もう毎日ずっと聴いてますからね。

シライ:うん、ずっと聴いてる。

カネシロ:"最高やん、これ!"みたいな感じで。